著者
大森康正 若麻績裕子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.1-8, 2013-06-29

我々は,タブレット端末を 1 人 1 台利用する幼児教育の在り方につて検討を行なっている.平成 25 年 10 月から 12 月の間に信学会佐久幼稚園において実践されたタブレット端末を活用した幼児教育の実証講座を対象として,幼児教育におけるタブレット端末の活用の可能性について検討を行った.その実証講座に参加した園児の保護者アンケートと保育者 (授業者) の体験から得られた知見から,タブレット端末は,幼児の学びに対する興味・関心を引き出す機器として有効であり幼児の直接体験を広げる教材であることがわかった.本報告では,まず,実証講座の様子及びアンケート結果等に基づきタブレット端末の有効性について考察する.その後,幼児,保育者,保護者の 3 者が関与し,直接体験において活用可能な教材の基本的な考え方と,教材の仕組みなどについて述べる.
著者
杉本 正勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.50, pp.17-23, 2007-05-25
参考文献数
12
被引用文献数
2

現在 Web として利用されているページは大部分「静的なページ」である。一方、Ajax では、ダイナミックなページが可能であるとともに、非同期処理により画面表示と処理のオーバラップによるユーザインタフェースの向上が期待できる。我々は前回、クリッカブル Web KB の発表で Web 上に柔軟で整理された情報を置くことの重要性と、それを良好なヒューマンインタフェースで取り出すことの重要性について述べた。また試作システムを使ったデモを含めてそのイメージを伝えた。今回は柔軟で整理された情報の表現として、階層型ツリー表現を取り上げ、そのツリー表現を実現する JSON 形式データ構造を用いた知識表現、ツリーのモジュール化、動的なサブツリー・ローディン機能、マインドマップによる対話入力、およびページを生成する機構を提案する。これらの機能を実現することで、大規模な Web ページや Web アプリケーションが実現でき、かつその保守性が優れていることを論ずる。Now, most of the Web pages are static. Whereas, dynamic Web pages are feasible through the Ajax. More user-friendly pages are possible by parallel processing of display and process by the asynchronous feature of the Ajax. In our previous presentation, we have emphasized the importance of a well-formed knowledge structure on the Web, and the importance of accessing the knowledge with a good human computer interaction. In this presentation, we will focus hierarchical tree representation as a well-formed knowledge structure. We will propose tree-representation on dynamic Web pages, modular sub-trees, dynamic loading of sub-trees and use of Mind maps as interactive input of hierarchical trees. By this scheme we will attain implementing a large Web page which have good maintainability.
著者
佐藤 誠 岡安 二郎 水野 浩之 馬場 茂雄 平山 雅之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.114, pp.67-74, 2001-11-21
参考文献数
4
被引用文献数
1

近年、コンポーネントを利用したソフトウェア開発が増加している。コンポーネントを利用したソフト開発では、ソフト開発者にとって、システムの開発がしやすい(利用性が高い)コンポーネントを選択することがポイントとなる。本稿では、ソフト開発を行うコンポーネント利用者の視点から、コンポーネント利用性を評価することを目的とするコンポーネント利用性評価手法を提案する。提案する手法は、?プログラマのコンポーネント利用方法の分析をもとに「コンポーネント選定時の機能把握容易性」「コンポーネント利用時の実装作業容易性」などの副特性から構成される評価モデルを定義し、?ソースコードを持たないブラックボックス・コンポーネントに対して、ソースコード以外から取得できる限られた情報を用いてこれらの副特性を計測するメトリクスを設定するといった特徴を持つ。また、この手法の有効性確認を目的とした適用評価実験を行った結果、コンポーネントの利用性について、提案する手法(定量評価手法)と実際の作業者のコンポーネント利用時の印象(定性評価)はよく一致することが確認できた。これより本稿で提案するコンポーネント利用性評価手法が有効であることが確認できた。Recently, software components have been used widely used in software development. In the component based software engineering, it is especially important to evaluate usability of software components. In this paper, we discuss the usability evaluation method for software components, which is composed of usability evaluation viewpoints and their evaluation metrics. The proposed method has following features; 1) Software component usability evaluation model based on the way of using software components by programmers. 2) The technique that make it possible to evaluate black-box software component by using information except for its source code. From our application experiment, we confirmed the effectiveness of proposed method. That is, with using proposed method, we can evaluate the usability of software components effectively.
著者
石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.81, pp.115-120, 2004-07-30
参考文献数
12
被引用文献数
5

並列研究基盤ソフトウェアを実現するとともに、アプリケーションユーザにも使用できる完成度の高いMPI通信実装を提供することを目標に、YAMPII(Yet Another Implementation)と呼ばれるMPI通信ライブラリが開発されている。様々な並列計算機環境に容易にポーティング出来るように、プロセス生成機構、通信機構をモジュール化している。現在、YAMPIIは、低レベル通信機構として、TCP/IPならぴにSCoreクラスタシステムソフトウェア上のPMv2通信機構が使用できる。NAS並列ベンチマークによる予備評価では、YAMPIIは既存MPIと同等あるいはそれ以上の性能を達成している.YAMPII, Yet Another MPI Implementation, has been designed and implemented in order to be a research vehicle as well as providing the application users a stable high performance MPI implementation. YAMPII consists of several portable modules including process creation and point to point communication so that it is easily ported to any parallel computing environment. The current YAMPII supports the TCP/IP communication layer and the PMv2 communication layer of the SCore cluster system software. The preliminary evaluation result using the NAS parallel benchmarks shows that YAMPII achieves comparable or better performance than existing MPI implementations.
著者
姜国臻 新田 直子 馬場口 登
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.27, pp.127-132, 2008-03-10
参考文献数
7

映像編集は一般に,素材映像から選択されたショットの並び替えにより実現される.本研究では事例映像である専門家により制作された編集映像とその素材映像から学習した編集技術に基づいた自動映像編集を目指す.まず,編集映像を構成するショットを,ショット長,動き,輝度といった画像特徴量の量子化に基づきシンボル化し,その時系列パターンを隠れマルコフモデル (HMM) により学習する.また,編集映像において連続するショットの素材映像における相対位置分布を求める.次に,学習した HMM によりシンボル列を生成し,ユーザから与えられた素材映像を構成するすべてのショットに対して算出した各シンボルへの適合度,及び相対位置分布に基づき,各シンボルに最適なショットを選択することにより,編集映像のショット列を生成する.本稿では事例映像としてアクション映画の予告映像と本編映像を用い,一本の本編映像に対する映像編集により提案手法を評価した.Video editing is generally realized by arranging video segments selected from raw footage. Considering professionally edited videos and their original footage as example videos, our aim is to automatically edit a raw footage based on the editing techniques learned from example videos. The proposed method firstly represents each shot constituting the edited videos by a symbol based on the image features such as shot length, motion, and bright ness, and learns the shot temporal sequence pattern by Hidden Makov Model (HMM). For each set of consecutive shots in edited videos, the distribution of their relative positions in the original footage is also obtained. Then, a symbol sequence, which constructs an edited video, is generated by the learned HMM, and according to symbol compatibilities of all shots in raw footages and the position distribution, we select the most appropriate shot for each symbol. In this paper, we used action movies as the example videos and evaluated our approach by editing an original movie.
著者
前田 典彦 Giseok Jeong 市川 裕介 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.12, pp.57-64, 1994-01-27
被引用文献数
4

我々は、相手が口にした言葉だけでなく、その時の様子や雰囲気などからも相手の本心を感じとることができる。今回こうした点に着目して、TV会議の実験環境MAJICを試作した。そのデザインコンセプトは、 )等身大の相手画像との自然一致 )複数地点からの映像を一枚の湾曲スクリーンに投影 )デスクトップの作業空間 であり、より自然で人間的なTV会議空間の構築を目標としている。本システムは3地点間を同時に結び、あたかも3人で机を囲んでいるような感覚を提供する。今回の報告ではシステムの実装方法と、その特徴について説明を行なう。MAJIC is an experimental environment for teleconferencing. The design concepts are: 1) supporting eye-contact with a projected image to obtain a life-sized presence. 2) projecting images on a curved large screen. 3) providing shared workspace on a table. In this paper, we describe features of our system and techniques for implementation.
著者
石田 克久 北原鉄朗 武田正之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.743-746, 2004-03-15
参考文献数
8
被引用文献数
1

本稿では,即興演奏における不自然な旋律を自動的に補正するシステムについて述べる.旋律補正の一アプローチとしてアヴェイラブルノートスケールから外れる音(アウト音)を補正対象とする方法が考えられるが,アウト音が必ずしも不自然とは限らない.本研究では,アウト音が補正されるべきか否かを,N-gramモデルを用いて決定する手法を提案する.実際の即興演奏に対して補正処理を行ったところアウト音をすべて補正する手法に比べて,適合率を約13%改善(ただし再現率は約2%低下)することができた.This paper describes a system that corrects unnatural melodies inimprovisation. It is not suitable to correct all notes out of the available note scale because these notes are not necessarily unnatural.We propose a method for determining notes to be corrected based onthe N-gram model.Experimental results show that our methodimproves the precision rate of melody correction.
著者
吉田 由紀 中嶌 信弥
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.14, pp.45-46, 1998-02-13
参考文献数
4
被引用文献数
1

規則音声合成技術を用いて,MIDI対応の歌声合成システムを開発した.Standard MIDI Fileを利用して入力された楽譜から,各音符のピッチと時間長を自動的に抽出後,付与された歌詞を音素系列に分解,波形編集型音声合成法により歌声を合成,その後,MIDIと同期を取りBGMと合成された歌声を同時に出力する.本システムの特徴としては,単に音符に歌詞を当てはめて歌声を出力するだけではなく,歌詞入力時に,パワー調整や声質変換,ビブラートなどの情報を付加することができ,歌声を自由に演出できる点があげられる.さらに,歌詞を付与するトラックを複数用意することで,ハーモニやデュエットなども実現可能とした.We developed a singing voice synthesis system correspond to MIDI using Text-to-Speech. The system first accepts a score from a standard MIDI file as input, then pitch and duration of each musical note are extracted automatically. Next phonological series are analyzed from given lyrics, and singing voice is synthesized by waveform speech synthesis. It is played together with BGM by synchronizing with MIDI format data. In this system, users can add other information such as power modulation, speech quality modification or vibrato, and can direct the singing voice. Furthermore, if lyrics is given at two or more trucks, harmony and duet can be also performed.
著者
小川 泰嗣 木本 晴夫 田中 智博 石川 徹也 増永 良文 芥子 育雄 豊浦潤 福島俊一 宮内 忠信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.86, pp.145-152, 1994-10-13
被引用文献数
4

日本語を対象とした情報検索に関する研究開発では、性能(検索精度)の評価に開発元独自の方法が用いられてきた。このような状況に対し、われわれは「情報検索システム評価用データベース構築ワーキンググループ」を設置し、情報検索手法・システムを公正かつ客観的に評価するためのベンチマーク構築を目指している。本稿では、情報検索システムモデル・対象データの特性とサンプル件数・評価法・作成手順などベンチマーク構築に関する現在までの検討内容を報告する。In the research and development of Japanese information retrieval systems, different research groups have been using different measures to evaluate their system because there is no standard or benchmark for them. Our working group in IPSJ-SIGDBS has been developing such a benchmark, and in this report we will present several of its characteristics: IR models, the features and size of texts and queries, evaluation methods, and the development procedure of the benchmark.
著者
西川 武志 長嶋 雲兵 関口 智嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.51, pp.43-48, 2002-05-27
被引用文献数
5

Gaussian(http://www.gaussian.com/)は量子化学の専門/非専門を問わず科学者に広く使われる計算科学コードである。従ってGaussianジョブは、殆どのスーパーコンピュータセンターにおいてキューに投入されたジョブの圧倒的多数を占めるが、幾分かは不適切な計算資源、すなわちキューや計算機に投入されたりしている。Gaussianジョブが消費するCPUサイクルは入力パラメータに依存して際立って変化するので、ローカルな計算環境からの最も適切な計算のリソースを選択するすることにはユーザーにとって困難である。我々はグリッド技術を適用することにより高速ネットワーク環境上に「Quantum Chemistry GRID/Gaussian Portal」を構築し、個々のシステム環境の仕様を知らずとも高価な計算資源を能率的に利用することを目指している。「Quantum Chemistry GRID/Gaussian Portal」はWebインターフェイス、メタスケジューラー、計算資源、アーカイブ資源、グリッドインフラウェアから構成されている。Gaussian (http://www.gaussian.com/) is a code widely used in computational chemistry research by quantum and non-quantum chemists. So, Gaussian jobs are the majority of the number of queued, but some are queued inadequate computational resources, queues or machines for the job at almost supercomputer center. Since consuming CPU cycles of Gaussiar jobs vary significantly depending on the input parameter, it is difficult for users to chose the most adequate computational resources from local computing enviroment. By deploying grid technology on a top of high speed network environment. "Quantum Chemistry GRID/Gaussian Portal" attempt efficiently to utilize costly computational resources without knowing the specifications of each system environment. "Quantum Chemistry GRID/Gaussian Portal" consists of Web interface, Meta-schduler, computational resources, archival resources, and Grid Infrawares.
著者
平野 砂峰旅 宇佐見 義之 北岡 正敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.47, pp.39-42, 1998-05-27
被引用文献数
1

デジタルロストワールド計画のデジタルスタジオの構成を概説する。またそのインタラクティブシステムを実現するソフトウエア開発環境としてのPureDataの概略とその有効性を示す。そして絶滅した生物を3D-CGをPureData上への実装した例を紹介する。We describe the digital syudio's compositon. And advantation of the "PureData" software to realize its interactive system. We intorduce how to develop extinct animals by 3D Computer Graphics on "PureData".
著者
國枝 和雄 各務 達人 大久保英嗣 津田 孝夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.1185-1199, 1994-06-15
参考文献数
12
被引用文献数
2

本諭文では、分散トランザクションシステムIXIの設計と実現について述べる。IXIは分散アプリケーションの構築のためのプラットフォームである。すなわち、IXIは、分散アプリケーションの開発コストを軽減することを目的としている。分散トランザクションシステムとしては、Cammelot/Avalon,Argus,ISISなどがすでに開発されている。しかし、これらのシステムでは、(1)トランザクション処理に関する一貫性が強い一貫性(robust consistency)に限られる、(2)障害発生時に、システムが回復するまでサービスが停止する、などの問題点がある。そこで、IXIでは、(1)弱い一貫性(weak consistency)に基づく入れ子型トランザクションの実行機能、(2)代行プロセス機能とロギング機能、によってこれらの問題点を解決した。これによって、IXIでは処理効率・柔軟性、信頼性のいずれの点においても優れたアプリケーション構築プラットフォームを実現することができた。プログラマはIXIの提供するC言語ライブラリを用いてクライアントサーバ型のプログラムを記述することによって、分散アプリケーションを容易に構築することができる。本諭文では、IXIを構成する各部の処理の概要と特徴について説明した後、既存のトランザクションシステムと機能此較することによってその有効性を示す。
著者
中山 茂 飯村 伊智郎 松尾 翠 前薗 正宜
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.2625-2635, 2006-08-15
参考文献数
21
被引用文献数
5

量子コンピュータは,量子重ね合わせ状態や量子干渉効果,量子もつれ状態などの量子力学的原理を利用した計算モデルである.量子もつれ状態は,従来の古典的コンピュータでは実現しにくいものであるが,量子重ね合わせ状態や量子干渉効果は既存のアルゴリズムでも容易に取り入れることができる考え方である.この量子計算アルゴリズムなどに応用されている量子系の干渉効果を模擬した干渉交叉と呼ばれる手法を従来の遺伝的アルゴリズム(古典的GA)の遺伝的オペレータに組み込んだ量子風遺伝的アルゴリズム(量子風GA)に関する研究が,Narayanan らによって比較的都市数の少ない巡回セールスマン問題に対して行われ,古典的GA と比較してより少ない世代数で最適解の探索に成功している.そこで,本論文では,従来の研究よりもより問題規模の大きいTSPLIB の5 つの都市配置を対象として,干渉交叉の対象となる親個体の選択法や局所探索を新たに導入し詳細に実験を行い,古典的GA と量子風GA とを比較検討した.その結果,量子風GA は,最適解発見率および平均探索世代数の観点で,古典的GA に比べ優れた性能を有することが,対象とした5 つの都市配置に関して分かった.さらに,局所的な探索改善を目的とする2-Opt 法には,量子風GA の特徴である干渉交叉による探索世代数の削減効果をさらに向上させる効果があることが分かった.Quantum computer is a computation model using quantum mechanical principle such as quantum superposition state, quantum interference effect and quantum entanglement state. Quantum entanglement state is not achieved easily with conventional classical computers. However, quantum superposition state and quantum interference effect are an idea that can be easily adapted even by conventional algorithms. Quantum-inspired genetic algorithm (quantum-inspired GA) was proposed by Narayanan, et al. The quantum-inspired GA is a new GA having a technique called "interference crossover" (IX), which imitates quantum interference effect, embedded in genetic operators of a conventional GA (classical GA). The quantum-inspired GA succeeded in the search for an optimal solution in a less number of generations compared with the classical GA in the case that the number of cities of a TSP is comparatively little. In this paper, we have made comparative study of a classical GA and a quantum-inspired GA by considering selection methods of parent individuals for the IX, a local search, and experimenting in detail on five problems of TSPLIB, which are larger scale than a problem used in a previous study. As a result, we have confirmed in the five TSPs that search ability of the quantum-inspired GA is superior to the classical GA in the viewpoints of "discovery rate of the optimal solution" and "average number of generations for search". Furthermore, it should be noted that 2-Opt method improves the reduction effect of "average number of generations for search" of the quantum-inspired GA.
著者
鼻崎 将 古森 光 吉田 直人 米澤 朋子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-4, 2015-01-07
被引用文献数
1

本稿では,壁面へのプロジェクションを用いて,ユーザの歩行状態を判定したうえで,その前方に提示され続ける移動広告システムを提案する.また,背景との相対速度による浮き彫り効果を考慮し,背景画像をユーザの進行方向と逆方向に進めることとした.このことで,広告をより目立たせ,さらに広告の世界観とスピード感を与えることを狙う.このシステムを用いることで,広告への注意をひきつけ,さらに,ユーザの歩行速度変化や方向転換に応じた広告提示位置の内容の変容など,広告とのインタラクションに多様性をもたらすことが期待される.
著者
森 謙作 寺田 雅之 石井 一彦 本郷節之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.129, pp.11-16, 2004-12-20
参考文献数
9

電子価値を公平に交換可能なプロトコルをICカードへ実装し,プロトコルの実用性の検証を行った.実装にあたり,電子財布などの取引アプリケーションからの利用が容易であること,および電子価値の交換を電子商取引として実用的な速度で行えることを目的とした.また,ICカードのI/F設計において分散ICカード環境のためのフレームワークであるTENeTを利用することにより,ICカード間のメッセージのやり取りをアプリケーションから隠蔽し,ICカードとアプリケーションとのI/Fを簡素化することができた.実装の結果,プロトコルのコードサイズは約6KB,プロトコル処理時間は約1.8secであり,現在市販されているICカードを用いて,上記プロトコルを実用的な性能で実現可能であることを示した.This paper reports the result of our implementation of the fair exchange protocol for electronic rights on smartcards. In this implementation, we adopted TENeT, a framework which enables smartcards to directly communicate one another, to simplify the interface between smartcard and application programs. Our implementation built on current smartcards can exchange electronic rights in less than 1.8sec, which is practically sufficient for electronic rights trading markets.
著者
尾市雄一 森 直彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.83, pp.39-44, 1999-10-09
参考文献数
24

NTT電子マネー方式(cas)は、デジタルデータそのものに金銭的価値を持たせた電子マネー方式である。インターネットを介して安全に引出し、支払い、預け入れができるばかりでなく、利用者間でインターネットを介した送金を行うことができるなどの特長を持っている。 Ncashは現在、インターネットキャッシュ実証実験(ww.icash.gr.j)においてインターネット上での商取引のためのシステムとして実装されており、法制度面でも課題の検証及び対処が行われてきた。本稿ではまず、Icashシステムの特長と法律的な取り組みについて述べる。次にIcashシステムを基本システムと想定して、Ncashを国際展開する際の法的課題の存在と対処について、電子マネーによる日本?米国間国際送金を具体例として取り上げ考察する。Ncash is the electronic cash of which digital data is regarded as financial value. It has features that it can be withdrawn, paid, and deposited safely over Internet, and moreover, is transferable between users. Various international financial services can be imagined because it can be transferred to users overseas immediately over network. Now, the ideal of Ncash is realized as a system for the electronic commerce over Internet in Internet Cash Project. Moreover it is legally designed well. Firstly, we explain the feature of Internet Cash and legal design. And assuming Icash system as a basic scheme, we study how the legal design of Ncash international development should be, taking example of international transmittance of electronic money.
著者
西本 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.68, pp.25-32, 2007-07-06
参考文献数
11
被引用文献数
2

本稿では,筆者がこれまでに開発してきた「○○のための楽器」シリーズの第4弾となる,弾き語りのための楽器について述べる.弾き語りとは,一人の演奏者が何らかの楽器を自ら演奏しつつ歌を歌う音楽演奏形態である.一般にピアノやギターを使用することが多いが,ピアノやギターをそれ単独で演奏することすら難しいため,さらに同時に歌唱も行うことは非常に困難で敷居が高い.そこで筆者は,弾き語りにおける本質的演奏行為により集中することを可能とする弾き語りのための楽器を構築した.本稿ではこの楽器の構成について述べるとともに,筆者が実現を目指している「創造活動のためのユニバーサルな道具」について,この楽器を材料として議論する.This paper illustrates a musical instrument for a singer who accompanies him-/herself. It is usually difficult for most people to play a musical instrument, e.g., a piano and a guitar. Therefore, it is extremely difficult for them to sing a song while they accompany themselves using such musical instruments. I constructed a new musical instrument that is available for musical performances in this style by allowing people to concentrate on essential tasks in the performances in this style. This paper describes a setup of this instrument. Furthermore, I discuss "how universal tools for creative activities ought to be" referring to this instrument.
著者
宮崎 大輔 Mahdi Ammar 川上 玲 池内 克史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.82, pp.25-32, 2008-08-29

近年,バーチャルアースやグーグルアース,マップキューブなど,屋外環境をモデル化して仮想都市を作ったり,そこに他の仮想物体を合成するサービスが盛んに展開されている.本稿では,屋外環境の解析の第一歩として,屋外環境の情報の半分を占める天空光の偏光解析の結果について報告する.太陽光は非偏光であるが,大気中のエアロゾルに太陽光が反射することにより,空が偏光する.本稿では,直線偏光板と魚眼レンズを搭載したカメラで天空を観測し,晴天時および曇天時において太陽の方向を検出した実験結果を示し,その考察を行う.Recently, Virtual Earth, Google Earth, or Map Cube provide a virtual city modeled from real outdoor environment, and they aJso provide a service to embed other virtual objects into the virtual space. For the first step for analyzing such complex outdoor scene, we show some results of analyzing the skylight, which dominates the half of the outdoor scene, The sunlight is unpolarized, and the sky becomes polarized when the sunlight is reflected at the aerosol. We provide some experimental results of detecting the sun onentation under clear sky and cloudy sky, using linear polarizer and fisheye lens.
著者
横路 誠司 高橋 克巳 三浦 信幸 島 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.1987-1998, 2000-07-15
参考文献数
17
被引用文献数
13

インターネット上に分散するWWW文書を位置指向に検索するシステムを開発した.本システムでは,任意の地理的領域に属するWWW文書を検索することが可能である.本検索システムの実現のために,3つの手法を開発した.まず,位置指向検索に必要なWWW文書を選択的に収集する手法,次に,WWW文書から住所を抽出し,抽出住所を緯度経度と対応づけることによる構造化手法,そして,構造化された文書の緯度経度を用いた,地理的検索手法である.選択的収集手法は,WWW文書の内容を予測し,位置に関連した情報を高い割合で収集することができる.構造化手法では,住所辞書を持った形態素解析と,住所表記の正規化を用いて,WWW文書からの住所抽出を行った.その結果,正しい住所の抽出を保証したうえで,出現住所文字列の92%の抽出を丁目レベルで実現した.地理的検索手法では,構造化で付与された緯度経度情報と検索領域の重なりに存在するWWW文書の情報を提示する.この手法の評価実験を行った結果,提案手法は,検索領域として住所文字列を使用する従来のキーワード検索で少なくとも約25%存在していた検索もれを解消することができた."We developed a location-oriented search system for WWW documents on the Internet.This system can search WWW documents related to any geographical area.The system has three modules.(1) ``Location oriented selective information collecting robot''that collects documents from the Internet,(2) ``Location oriented structuring parser''that extracts address strings from the WWW documents andputs longitude-latitude information to the original document,(3) ``Location oriented structured search'' that performs geographical search.Our ``robot'' collects documents related to the location selectivelyby estimating the target document has the location information or not.Our ``parser'' extracts address strings using the morphological analysis andnormalization of address variants.It extracts 92% of detailed address strings while guaranteeingthe precision of the extraction.And our ``location oriented search'' method searches the documents whichits longitude-latitude overlaps to the polygon of the search request.This method can search all documentsthat conventional keyword search overlooks at least 25% of documents.
著者
瀧 寛和 石川 幹人 伊藤 昭 岡 夏樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.57-65, 2002-01-15
参考文献数
7
被引用文献数
3

この解説では,人の心や認知的な心をそのまま論じるのではなく,工学的に機械の心をどのように捉え,どのような仕組みとして実現すれば,有用な機械を構築できるかを考えてみる.鉄腕アトムのような心を持った,より人に近い機械を実現していくには,どのような技術が必要になってくるのかを,その歴史と技術動向からみていきたい.