著者
広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.984-991, 1997-11-15
被引用文献数
7
著者
江渡 浩一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.109, pp.53-58, 2004-07-16
被引用文献数
1

音声認識,音声合成などの音声処理技術はすでに成熟した技術となったが,まだ一般に普及したとは言えない状況である.コンピュータとのインタフェースに音声を用いる音声インタフェースの応用事例として,本稿では,非日常的な状況,アートやエンターテインメントといった分野における音声処理技術の応用事例についての動向をまとめるものである.音声認識,音響処理,歌唱合成などを応用した事例において,近年注目すべき作品が出てきている.
著者
江渡 浩一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.74, pp.53-58, 2004-07-16
被引用文献数
2

音声認識,音声合成などの音声処理技術はすでに成熟した技術となったが,まだ一般に普及したとは言えない状況である.コンピュータとのインタフェースに音声を用いる音声インタフェースの応用事例として,本稿では,非日常的な状況,アートやエンターテインメントといった分野における音声処理技術の応用事例についての動向をまとめるものである.音声認識,音響処理,歌唱合成などを応用した事例において,近年注目すべき作品が出てきている.Although sound processing technologies, such as speech recognition and speech synthesis, are matured, they are not in widespread use yet. I explore the current movement of the applications in the field of Art and Entertainment, as application of Voice Interface, using voice for man-machine interface. Recently, there are some remarkable works in the applications using speech recognition, acoustic analysis and singing voice synthesis.
著者
北山 広治 後藤 真孝 伊藤 克亘 小林 哲則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.58, pp.67-72, 2003-05-27
被引用文献数
5

本稿では,非言語情報の一つである言い淀み(有声休止)を活用し,ユーザが音声認識を開始してほしいタイミング(発話区間の始端)を,言い淀むことによって明示的に指示できる「音声スタータ」という新しい音声インタフェースを提案する.通常の音声認識システムは,発話区間の切り出し後に音声認識を行うため,雑音下での切り出しミスが認識精度に悪影響を与え,頑健性を保証することが困難であった.我々は,有声休止が雑音下でも頑健に検出できると考え,常に有声休止の途中から音声認識を開始することで,信頼性の高い発話区間の検出方法を実現することを試みる.様々な雑音環境下で4種類の発話区間検出方法を比較実験した結果,音声スタータは他の検出方法に比べ,特に低SNR(10dB以下)の条件で高い性能が得られた.In this paper we propose a speech interface function, called speech starter, that enables noise-robust endpoint (utterance) detection for speech recognition. When current speech recognizers are used in a noisy environment, a typical recognition error is caused by incorrect endpoints because their automatic detection is likely to be disturbed by non-stationary noises. The speech starter function enables a user to specify the beginning of each utterance by uttering a filler with a filled pause, which is used as a trigger to start speech-recognition processes. Since filled pauses can be detected robustly in a noisy environment, reliable endpoint detection is achieved. Experimental results from a 10-dB-SNR noisy environment show that the recognition error rate with speech starter was lower than with conventional endpoint-detection methods.
著者
織田瑞夫 木村香代子 玉田正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.8, pp.43-46, 2003-01-29

本稿では,マルチエージェントシミュレーションにより,国際取引市場における二酸化炭素の排出権取引の再現を試みる.各エージェントは排出権の購入,または自国内で二酸化炭素の排出量を削減することにより,時刻の二酸化炭素排出の不遵守量をゼロにすることを目指す.また 排出権の購入や排出量の削減には二法がかかるが 各国は排出権を安く買って(または国内で排出量の削減を行って)得た排出権を高く売ることができれば 不遵守量の削減に関する収支を改善することができる.本報では,収支の改善および不遵守量の削減という目的をめざして各国が市場取引や自国内での排出量削減を行った場合の 価格の推移や全体としての削減効率等を 相対取引およびオークション取引の場合について観察する.本稿では,マルチエージェントシミュレーションにより,国際取引市場における二酸化炭素の排出権取引の再現を試みる.各エージェントは排出権の購入,または自国内で二酸化炭素の排出量を削減することにより,時刻の二酸化炭素排出の不遵守量をゼロにすることを目指す.また,排出権の購入や排出量の削減には二法がかかるが,各国は排出権を安く買って(または国内で排出量の削減を行って)得た排出権を高く売ることができれば,不遵守量の削減に関する収支を改善することができる.本報では,収支の改善および不遵守量の削減という目的をめざして各国が市場取引や自国内での排出量削減を行った場合の,価格の推移や全体としての削減効率等を,相対取引およびオークション取引の場合について観察する.
著者
鵜飼 孝典 三末 和男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.31, pp.25-30, 2002-03-22
被引用文献数
1

インターネットユーザの多くが,良くアクセスするURLを自分のブラウザにブックマークとして保存している.しかしながら,URLは変化が激しく,すぐに陳腐化するという問題がある.本稿では,ブックマーク内のURLを新鮮で有効なものに保つことを目的とするブックマーク管理システムについて報告する.本システムのアイデアは協調フィルタリングをベースとし,Yahoo!やOpenDirectory Projectのような大規模ディレクトリを一ユーザとして扱うというものである.評価実験により,ユーザ数が少なくても有効なURLの推薦が可能だとわかった.Most Internet users keep URLs that they are going to access often in their browsers as the bookmarks. Bookmarks in the browser are easy to be obsolete. In this article we describe a bookmark maintenance system that supports to keep users' bookmarks fresh and useful. The system recommends the useful URL to users with social filtering the users and large directory like Yahoo and the Open Directory. The collaboration of users and such large-scale directory enable useful recommendation to the small number users.
著者
大野 邦夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.8, pp.41-48, 2007-01-26
被引用文献数
1

今日の日本における紙の文書において、縦書きの文書が一般的である。しかし現状のWeb文書は、縦組みの日本語には対応していない。今後の日本語の情報の電子化を考えると、WebやXML文書が使いやすい縦組みの日本語をサポートすることが望まれる。さらに、近年急成長を遂げる中国や台湾、韓国などの漢字文化圏のWebやXML文書の動向を考えると、漢字組版機能を、W3Cの正式な規定として提供することは、W3Cにとっても、会員企業にとっても望ましいことである。そのような背景に基づき、2006年10月18日に開催されたXSL-WGのワークシヨツプにおいて、日本語組版機能をXSLFO20に加えることを提案したので、その内容について紹介する。Though vertical layout is very popular in Japanese printed document, current web document seldom uses vertical layout. Considering the future Japanese document, to support vertical layout in web or XML document will be expected. Besides, recent quick development of eastern Asia coun tries as China and Korea web based Kanji layout standard will be required for W3C and its corporate members. Then Japanese layout requirement studied through JAGAT study team was proposed to the workshop of XSLFO2.0.which was held on October 18 2006. This paper describes the outline of the proposal.
著者
徐海燕 古川 哲也 史 一華
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.10, pp.53-60, 2000-01-24

ワークフローによって表される作業手順に関してデータベースが一貫するための統一的な判断基準が、協調型データベースで果たす役割について検討する。データ間の一貫性情報を利用できれば、処理単位やデータベースのための一貫性管理要求を形式的に定義できる。本論文では、作業手順によって表される一貫性基準に対して、一貫性管埋の問題を2つのデータ項目間の問題に帰着でき、実用的な方法で一貫性管理ができることを示す。マルチバージョンに対しても、同様な一貫性管理を行える。一方、協同作業を行う場合には、利用者は一貫する古いバージョンよりも最新バージョンを利用したい場合が多く、関連するデータに対する操作による影響も考慮すべきである。一貫性情報の利用はこのような協同作業の立場からの要求を支援するためにも役立つことを示す。In this paper, we discuss the effect on cooperative databases by consistency information such as workflows represented by graphs. Using the consistency information, both the consistency management requirements from transactions or database systems can be defined formally. The consistency information represented by graphs, furthermore, makes the consistency management efficiently. Even if multi-versions are recorded, the consistency information lets users utilize old versions explicitly. The consistency information is also useful to satisfy the both requirements of using the latest versions and avoiding rollback of a whole transaction.
著者
松原 繁夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1340-1348, 2006-04-15
被引用文献数
1

本論文は動的環境における資源割当て問題を解決するオークションプロトコルを提案する.動的環境においては,資源の価値は不確実性を有する.すなわち,価値はオークションが行われる時点の状況だけでなく,割り当てられた資源が実際に使用される時点の状況に依存する.たとえば,天気が晴れの場合の価値は雨の場合の価値と異なるかもしれない.このような状況を扱う方法の1 つは,事象が生じるたびにオークションを行って,再割当てを行うことである.しかし,再割当ては不効用を生じるかもしれない.さらに,そのようなオークションはつねに均衡戦略が存在するとは限らない.均衡戦略が存在しなければ,どのような結果が得られるか予測できなくなる.この問題を解決するため,我々は新たなプロトコルを提案する.提案プロトコルは,入札者に資源の利用から得られる効用に加えて,再割当てによって生じる費用を申告させる.提案プロトコルでは,入札者の真実申告が均衡となり,期待値のうえで社会的に効率的な割当てが達成できることを証明する.This paper proposes an auction protocol for solving a resource allocation problem in dynamic environments. In such environments, the valuation of resources has uncertainty for each bidder, i.e., this valuation depends on the situation not only at the point when the auction is held but also at the point when the allocated resources are actually used. For example, a bidder's valuation in fine weather may be different from that in rainy weather. A solution for dealing with this problem is to execute auctions whenever an event occurs and then to re-allocate resources. Re-allocating resources, however, may cause disutility. Moreover, it does not always provide an equilibrium strategy because it can be viewed as a sequential auction, which means that we cannot accurately predict what outcome will be obtained. To solve this problem, we propose an auction protocol that allows bidders to declare the cost due to re-allocation and then decides an allocation based on this cost of re-allocation as well as the surplus obtained from the allocated resources themselves in the realized situation. We prove that a bidder's truth telling is in equilibrium and that a socially efficient allocation on expected values is obtained in the proposed protocol.
著者
中川 哲治 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.73, pp.197-204, 2004-07-16

本稿では,中国語と日本語の単語分割を行うために,コスト最小法と文字タグ付け法を組み合わせた単語分割手法を提案する.単語分割に関してこれまでに多くの研究が行われているが,一般に単語単位で処理を行うコスト最小法は未知語の扱いが困難であり,文字単位で処理を行う文字タグ付け法は既知語に対する精度が低い.そこで,2つの手法を組み合わせることでこれらの問題を解決することを試みる.複数のコーパスを使用して中国語と日本語の単語分割実験を行った結果,高い解析精度が得られることを確認した.In this paper, we propose a hybrid method for Chinese and Japanese word segmentation which combines the Markov model-based method and the character tagging method. In general, word-based Markov models have difficulties in handling of unknown words and the character-based character tagging method performs worse than other methods for known words. In order to solve these problems, we combine the two methods. Experimental results of Chinese and Japanese word segmentation with multiple corpora showed that the method achieves high accuracy.
著者
寺島 大
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.11, pp.63-63, 2009-02-06

いわゆる「出会い系サイト」に関連する事件は後を絶たず,大きな社会問題となっている.本稿では「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」の改正が「出会い系サイト」事業者及び利用者に与える形容について現状を把握したうえで,「出会い系サイト」に対し今後どのよ諭規制が必要であるかを検討する.The event that relates to so-called "Online dating Web site" doesn't cut the backhand become big social issues.In this textj do the grasp of the current state of the influence that the revision of "Law concerning the restriction of the act inviting the child by using the Internet opposite sex introduction business etc."given to the user and "Online dating Web site" Entrepreneur, and examines what restriction is necessary for "Online Web site" in the future.
著者
山西 健司 森永 聡 松村 憲和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.830-836, 2007-08-15
参考文献数
8
被引用文献数
1

本稿では,テキストマイニング技術を用いてCGM(consumer generated media)情報から知識化を行う枠組みについて解説する.CGMマイニングにおいては,1)トピックのダイナミクスを捉えること,2)トピックの共通文脈を捉えること,3)分散へテロな情報を俯瞰すること,といった問題が重要である.これに対して,それぞれ,動的トピック分析,文脈マイニング,分散協調マイニングといった技術によって解決できることを示す.本枠組みの有効性を,BIGLOBE旬感ランキングにおける事例などを用いて示す.
著者
渡辺 知恵美 大杉 あゆみ 佐藤 こず恵 増永 良文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.55-67, 2002-09-15
被引用文献数
4

我々は,VRシステム群のバックエンドにデータベースサーバを連動させたシステム,仮想世界データベースシステム(Virtual World Database system:VWDB)の設計と実装を進めている.VWDBでは,仮想世界で行われる操作をすべてVWDBトランザクションとして処理し,リアルタイムに仮想世界を管理する.このようなVWDBの機能は,1 つの仮想世界を複数ユーザでアクセスする共有型作業環境で最大限に活用することができる.そこで,本論文ではVWDB上に構築した共有型作業環境のためのトランザクション概念について特に論じる.共有型作業環境では,オブジェクトの移動操作のように,(1)操作の途中経過を他のすべてのクライアントに公開する必要がある,(2)仮想世界における時間の流れが不可逆であり,操作の途中で失敗しても元に戻すことができない,(3)操作中のオブジェクトどうしが互いの操作に影響を与え合う場合がある,という共有型作業環境独特の特性がある.我々はこれらの特性を考慮に入れVWDBトランザクションという新しい概念を導入した.VWDBトランザクションはマルチレベルトランザクションを基に承認可能終了状態という概念を加えて定義されており,緩和されたACID特性を保証する.また,リアルタイム性を損ねることなくトランザクションを実行するために,バックエンドデータベースへの適切な間隔でのサブトランザクション発行予測方式を導入している.実験では,サブトランザクションが適切な間隔で発行されていることを確認したのち,VWDBトランザクションが適用可能な共有型作業環境の規模について実験を基に考察を行い,VWDBが数十人の小規模な共同設計環境で有効であることを明らかにしている.The Virtual World DataBase system (VWDB) is currently under development at Ochanomizu University. This system is constructed by integrating a set of virtual reality systems and an object-oriented database system so that it supports database functions for cyberspace applications. Each operation issued by each VR client is managed as a new type of transaction called a VWDB transaction. The VWDB transaction is different from the traditional transaction concept in that it relaxed the ACID properties. The VWDB can support a shared work environment in which several users access the same virtual world. In this paper, we report on the VWDB transaction concept in detail for a shared work environment of the VWDB. We first formulated and analyzed operations in the shared work environment, and found their characteristics as follows: (1) It needs to exposure the uncommited data to other users before the operation finishes, (2) the passage of the time in the virtual world is irreversible as it is so in the real world, and therefore it cannot be undone even if it fails, and (3) the objects under operationsmay affect each other. The VWDB transactionsare introduced by taking into account these characteristics. The VWDB transaction is based on the multi-level transaction and isadded the concept of the "acceptable termination state ". In order to perform a transaction without spoiling real-time property, we introduced an algorithm which predicts an appropriate time interval between adjacent sub-transactions, and we verify that it works effectively. We evaluated the scale of the shared work environment which VWDB can support, and we found that the VWDB can support small-scale environment shared by dozens of users.
著者
水上 智雄 長健二朗
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.338-348, 2005-08-15

本論文では,ローカルネットワークにおけるサービスディスカバリの技術を用いることにより,VPN各種やSoftEther などとは違うアプローチで,複数のローカルネットワークサービスを連結接続して,リモートネットワークからそれらサービスにアクセスするアーキテクチャモデル「Tunneling with Service Discovery」を提案する.そのアーキテクチャモデルは,サービスディスカバリの連結機能とサービス自体の中継機能から構成される.まず,このモデルでは,サービスディスカバリのリスティング機能を用いて,ローカルネットワークにおけるサービス情報をダイナミックに集約するサーバを用意する.次に,サーバから得るサービス情報を基に,クライアントのローカルホストにサービスをマッピングし,そのサービスをクライアントのローカルネットワークのサービスディスカバリに登録する.これにより,擬似的にほかのローカルネットワークのサービスを,自分のネットワークのサービスとして自動的に利用することが可能になる.このモデルを用いることで,リモートネットワークからVPN でローカルネットワークに接続する場合ではなしえない,1 方向アクセス,マルチプルログイン,多段アクセスが可能になる.また,それにともなったネットワーク構成の変更の必要も生じない.本研究での実装においては,サービスディスカバリの技術としてMulticast DNS(mDNS)を用いて,ローカルネットワークサービス連結接続ソフトウェア「RNSplicer」の開発を行った.このソフトウェアにより,Mac OS X で標準的に利用されるBonjour(旧名Rendezvous)で提供されるローカルネットワークサービスを中継可能にした.In this paper, we propose a new architecture model, Tunneling with Service Discovery, for accessing local network services from a remote network. The model allows to splice local network services from multiple remote networks so that users can transparently access the advertised services as if they were local services. This architecture model consists of splicing networks and relaying services, and is different from the existing remote access technologies such as VPN and SoftEther. In this model, a server makes use of Service Discovery, and dynamically collects and updates the information about available local network services. A client on a remote network talks to the server, obtains the service information, maps these remote services onto its local services, and then, registers the mapped services on its local Service Discovery. Therefore, all hosts on the client's network are able to use the relayed services as pseudo local services. The model also allows One-way Access, Multi-Network Access and Multi-Stage Access without requiring any network reconfiguration. As an implementation of this architeture, we have developed "RNSplicer" that splices local network services provided by Multicast DNS (mDNS). RNSplicer works with all types of services provided by Bonjour (Rendezvous), a standard service discovery technology employed by Mac OS X and Darwin.
著者
仲谷 美江 西田 正吾 坂口 敏明 後藤卯一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.124-135, 1990-01-15
被引用文献数
6

本論文は ソフトウェア開発プロジェクトにおけるコミュニケーション支援に関するものである.ソフトウェアの生産性向上が急務となっている.本論文では 協同作業を支援し 開発プロジェクトの生産効率を上げることを目指している.プロジェクトにインタピニー調査を行ったところ ソフトウェアの意図を表現する適切な方法がないため コミュニケーションが困難であるという問題が見られた.このため コミュニケーションの支援が生産性向上に有効であると予測される.ここでは ソフトウェアの意図やイメージを表現する方法として 劇場モデルを提案する.劇場は 俳優が舞台の上でドラマを演じ 観に見せる場所である.観客はドラマの進行を見て脚本家の意図を読み取る.これは 人間が まとまりの中から意味を把握する認識メカニズムを持っているからである.ここで ソフトウェアの構造がドラマと類似していることに着目した.ソフトウェアの進行を適切に表現すれば 人間はその中から設計者の意図を読み取ることができると考えられる.そこで 劇場モデルに基づいた表現方法を実現する意図伝達支援ツールCOMICS(COMputer-based Intention Communication System)を試作し その有効性について検証した.
著者
中村 貴志 松木 裕二 志堂寺 和則 渡邊 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.103, pp.65-68, 2006-09-29

在,運転挙動の測定を行う実験の多くは,運転挙動測定装置を搭載した実験専用車両を被験者が運転することによって行われている.しかしながら,この方法では,自分の運転に対する評価を被験者が過剰に意識したりするため,普段の運転挙動を測定することが困難となっていた.そこで,著者らは,被験者の車両に容易に設置可能なシステムを開発した.この装置を被験者が普段使用する車両に搭載することで,速度,加速度,車両位置,車間距離,前方映像を長期間連続して測定することが可能になった.また,取得した全ての運転挙動データを人が確認するのは大変であるため,データから必要な部分を自動的に抽出するシステムを開発した.To measure drivers' behavior, experimental vehicles must be driven by test drivers. But because drivers are then conscious of the experiment, their everyday driving behavior cannot be analyzed. To measure and record everyday driving behavior, we developed a portable device that installs easily and measures car speed, acceleration, position, distance gap, and a frontal image. This device can be installed in drivers' personal cars so that we can examine their long-term driving behavior. In addition, we have developed a system that automatically analyzes the recorded driving behavior.
著者
牛根 靖裕 白須 裕之 山田 崇仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.95, pp.17-24, 2007-09-27
被引用文献数
1

本報告では、唐代資料に記述される情報を引用する際に必要となる概念モデルと語彙の設計作業の一貫である。ここでは、情報を明示する際に使用される表現の中で最低限必要な情報である、「書籍」と「版本」を対象とする。まず、現代の出版技術を前提とした「書籍」の概念として、個々の実体を有する本としての「Copy」と、書名等によって抽象化された「Book」の二つを提示する。これらの二つの「書籍」の概念を元に設計した概念モデルを踏まえて、古典文献特有の書誌情報である「版本」とその相互関係について着目した概念モデルの設計と語彙の提示を行う。付録として、本論で提示した概念モデルを利用した『元和郡縣圖志』の書誌情報の OWL 語彙とその例を記述したものを本稿末尾に掲載した。When a history scholar presents conflicting views or differences between texts, he must indicate the source where he has his grounds for showing them. Our aim of research is to present a method of representing location information of references and quotations in the research on the Tang dynasty. This paper presents a conceptual model and a vocabulary of only references to documents. In the first, we discuss concepts of books that depend on the modern publication technologies. "Book" is an abstract concept of books which have only bibliographical information, and "Copy" is a concrete one of book entities. In the second, we revise these concepts to the case of manuscripts, woodblock printing, and photo offset copies. Our conceptual model is based on "matters of printing", in order to make up losses on bibliographical information on documents in ancient China.
著者
村上 征勝 上田 英代 今西 祐一郎 樺島 忠夫 藤田 真理 上田 裕一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.73, pp.33-38, 1996-07-26
被引用文献数
8

『源氏物語』の複数著者説や54巻の成立順序に関する疑問を、文章の統計分析という観点から解明しようと研究を行っている。この小論では、『源氏物語』の文体の安定性という観点から、特に後半の10巻の「宇治十帖」他作家説を中心に、いくつかの分析結果について報告する。One of the important questions regarding Genji Monogatari to the one concerning the author, that is, Murasaki Shikibu (Lady Murasaki) is the author of last ten volumes of Genji Monogatari. Another issue concerns the time sequence in which there 54 volumes were written. We are now trying to solve these questions by means of quantitative analysis of sentences. In this paper, we would like to present what has been derived from our study mainly in conjunction with the stability of the writing style of Murasaki Shikibu.