著者
大橋 きょう子 島田 淳子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.132-138, 2002-05-20
被引用文献数
6 3

濃厚O/Wエマルションにおけるジアシルグリセロール(DAG)の乳化特性を明らかにするために,脂肪酸組成,表面張力などの諸特性をそろえたトリアシルグリセロール(TAG)を対照として検討し,次の結果を得た。1. DAGの色,匂い,風味,および粘っこさは,いずれもTAGのそれと同等で官能検査により識別できなかった。DAGから調製したマヨネーズ様エマルションにおいても,色,匂い,および風味は識別できず,総合的好ましさにおいても有意差が見られなかった。すなわち人が感覚的に捉えるDAGの食用油としての性質はTAGと同等であった。2. 油相体積分率0.65〜0.75で調製したDAGの平均粒子径は,TAGのそれより小さくCasson降伏値および粘性係数は大きく,流動性指数は低かった。すなわちDAGはTAGに比べ,油相界面を作りやすく,TAGより少量でマヨネーズ様の物性を形成し得ることを認めた。3. 油相体積分率は同じで,油水界面の面積が異なるDAGおよびTAGエマルションを調製し,総界面積と粘度との関係を検討した結果,DAGエマルションの粘度は同程度の界面積を有するTAGエマルションの粘度より大きかった。
著者
下坂 智恵 市川 朝子 下村 道子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.135-142, 2005-04-20
被引用文献数
3

Rice flour was used instead of tapioca (starch) in pao de queijo with, cheese, milk and egg. By the use of rice flour it was expected to prepare a more desirable product with greater softness and smoothness. The preparation method and puffing behavior were investigated. The use of non-glutinous rice flour and glutinous rice flour milled in water, the ratio of the latter being up to 50%, resulted in a well-puffed product with softness and smoothness. Preparation without any powdered cheese resulted in practically no swelling, suggesting that air was entrained in the powdered cheese and participated in the puffing effect. A water content higher than 50% in the dough of pao de queijo did not allow products round in shape to be obtained. A homogeneous blend of powdered cheese and handmade dough of suitable puffability required 44-49% water in the dough. Heating milk added to the rice flour up to 90℃ allowed a larger amount of milk to be added to prepare well puffed pao de queijo.
著者
的場 輝佳
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.A26-A29, 2007-12-20

近畿支部は,日本調理学会前身設立当初(1960年)に調理科学懇談会としてスタートし,以来今日まで活発な活動を進めている。支部活動は,総会・講演会(4月),研究発表会(7月),研究会(講演会,見学,分科会報告など),調理に関連する分科会:煮る分科会,炊飯分科会,焼く分科会,揚げる・妙める分科会,食文化分科会,高齢と食分科会)と各地区(兵庫,阪和,京滋,奈良)が独自に行う事業(講演会,見学,試食会など)が主体である。これらの活動の企画立案および各活動連携・調整は,常任委員会が行っている。これらの活動の中で,研究発表会は,学会形式で行い支部メンバー間の学術の交流に大きな役割を果たしている。平成12年,当時の支部長金谷昭子先生の呼びかけに,東海・北陸支部長水谷令子先生が応えられ「近畿支部,東海・北陸支部合同研究発表会」(神戸女子大学)が実現したことは特記に値する。以降,3年毎に近畿と東海・北陸地域で交互に開催することとなり,平成15年には,ぱるるプラザGIFU(岐阜郵便貯金地域文化活動支援施設),平成18年には千里金蘭大学で開催した。両支部から多数の先生方や学生たち,企業の方の参加をもみ,極めて有意義で合同研究発表会であった。懇親会も実施し,両支部間の親睦を深めることができた。特徴のある支部活動として,調理に関連する分科会の活動を紹介したい。当初,煮る分科会,炊飯分科会,焼く分科会,揚げる・妙める分科会でスタートし,後に,食文化分科会と高齢と食分科会が加わり,6分科会が活動している。支部は,分科会の活動を重視し,財政的な支援も行っている。複数の分科会に参加しているメンバーもいる。学生を含め若手から熟年世代まで,テーマを設定して合同で研究しており,活発な論議を交わしている。研究成果を,学会発表や論文投稿を行うなど,分科会メンバーのモチベーションは高く,研究環境に恵まれない会員に,大きな研究・教育意欲を呼び起こしている。日頃の近畿支部の活発な活動は,世代と大学など機関を超えた分科会の活動が下地になっていると思われる。
著者
福田 ひとみ 木村 智恵 杉本 智美 入谷 信子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.172-179, 2002-05-20
参考文献数
20
被引用文献数
3

トリアシルグリセロール(TG)とジアシルグリセロール(DG)を主成分とする油を用いて調理し,官能検査を行なった。さらに揚げ油の化学的性状変化を測定した。(1) 天ぷら,フライ,鶏の唐揚げ,フレンチドレッシング,クッキーにおいてはTG油の方がDG油より評価が高かった。(2) DG油の酸価は,加熱前TG油よりかなり高かったが,揚げ物による加熱でさらに大きく上昇した。カルボニル価,動粘度は加熱時間と共に上昇したが,いずれもDG油の値が高かった。過酸化物価,ヨウ素価は両油で差がなかった。着色はTG油よりDG油の方が速く,強く着色した。(3) DG油にはトコフェロールが添加されているため総トコフェロール値が高かったが,加熱により大きく低下した。以上の結果より,TG油とDG油を使用した調理の官能検査はTG油の方が好まれた。また,揚げ油に用いたとき,化学的性状の変化はTG油の方が小さく,劣化は小さかった。
著者
斉藤 智子 川名 光子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.258-264, 1977-12-20

変遷途上にある我が国の食生活の位置と動向について知ることを目的として,現代の女子大学生の食生活の実態を調査し,食生活に対する意識調査・並びに食品とその料理における嗜好の調査を行って次のような結果が得られた。1)食事の摂取状況について:朝食においては夏期スクーリング受講生が通学課程の女子大学生より良好な摂取状況である。昼食・夕食においては全体的に極めて良い摂取状況である。間食においては通学課程の女子大学生が夏期スクーリング受講生より頻度高く摂取している。2)主食について:朝食においては夏期スクーリング受講生の米飯食者が通学課程の女子大学生より多い。朝食にパンを食する者も昼食・夕食には米飯食をする者が多くなっている。要するに米を土台として米飯食とパン食の混食が行われている。3)朝食について:パン食には甘味のものが好まれ,米飯食には塩味のものが好まれるという従来からの代表的な組合せが減少して,ジャム・佃煮類に代って栄養価の高い牛乳・野菜・果物・卵などの摂取が多くなっている。4)摂食意識について:Sグループにみられるように年齢が高い方が食生活に対して積極的意識が認められる。5)食品と料理の嗜好について:食品の嗜好とその料理の嗜好関係については有意差の検定を行い,それを第1図のような表現を用いて一目で解るものとしたが,このような方法を用いることによって食品と料理の嗜好の関係を明らかにすることが出来ると思われる。一般に各料理食品について,調理法が洋風化している料理の方が好まれる傾向にある。調査結果から女子大学生の給食献立として好まれる料理は,魚の塩焼き・魚の照焼き・ハンバーグ・豚生姜焼き・ぎょうざ・とりのから揚げ・野菜サラダ・グラタン・クリームシチューなどがあげられる。また好まれない料理としては,魚の酢の物・煮魚・魚の干物・しめ鯖・かきフライ・ソーセージ・麻婆豆腐・いり豆腐・生揚油揚の煮物・和風野菜料理・煮昆布・ひじきの煮つけなどがあげられる。本調査において現代の女子大学生の食生活の実態を把握し,その嗜好傾向に基づいて豊かな食生活実現の方向づげとし,あわせて今後の食生活の動向を知る資料としたい。おわりに本研究にあたり御懇篤な御指導を賜りました日本女子大学,武藤静子先生,中浜信子先生に厚く御礼申し上げます。なお統計的計算には日本女子大学計算研究所のTOSBAC3400を使用し,御指導,御協力をいただいた同研究所二宮玲子先生に感謝申し上げます。
著者
石渡 奈緒美 堤 一磨 福岡 美香 渡部 賢一 田口 靖希 工藤 和幸 渡辺 至 酒井 昇
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.265-274, 2012-08-05
参考文献数
19
被引用文献数
1

IHクッキングヒーターを加熱源とし,フライパンでハンバーグを片面ずつ焼成する時の温度と水分移動を予測できる数学モデルを構築するため,モデル試料(シリコン,ボロニアソーセージ)を用いた解析を行った。蓋をしたフライパン内全体を調理空間とみなした伝熱モデルは,IH発熱層,フライパン伝熱層,フライパンと試料との接触層および試料から構成される伝導伝熱領域と,フライパン内の空気との熱伝達からなる。試料表面と空気との熱伝達とともに,フライパンから空気への放熱が,試料の温度上昇に影響をおよはずことから,試料のないフライパン面と空気との熱伝達も考慮した。水分移動の計算では,試料表面とともに,試料内部も水分蒸発の計算領域とした。本モデルの妥当性を検証するため,調理中に形状が一定とみなせるボロニアソーセージを用い,中心温度50℃で一度反転させた際の温度と含水率変化を算出した。その結果,解析値は実験値と同様な傾向を再現可能であった。
著者
西 貞夫
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.271-279, 1980-12-20
著者
安達 町子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.282-286, 1994-11-20
被引用文献数
2

鶏がらスープストックの味やにおいに及ぼす下処理の影響を官能検査、溶出成分、香気成分の分析により調べた。その結果、鶏がらを水洗したストックに比べ、熱湯処理、30分間浸漬、下ゆで等の下処理をすると、鶏がら臭が弱められ、その効果は、下ゆでが最も高く、30分浸漬、熱湯処理の順であった。この結果は、香気成分の分析からも確認された。水洗したストックに比べ、下処理をすると、総窒素量、アミノ酸窒素量が減少し、うま味は多少減少するが、官能検査では鶏がら臭が弱く、スープとして好ましいと評価された。
著者
河村 明子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.118-122, 2001-02-20
著者
中村 光良 光田 佳代 松田 秀喜
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.375-382, 2004-11-20
参考文献数
5
被引用文献数
3

水,本みりん,煮切りみりん,ショ糖溶液及びエタノール溶液で小豆を下ゆでし,煮汁の分析を行い,小豆色素の溶出抑制効果の解明を行った。さらに,ショ糖溶液で蜜煮にした小豆のてりつやの測定によりてり・つや付与効果,胴割れ豆,軟化豆,軟化未了豆の割合,テクスチャーの測定を行い,煮崩れ防止効果について解明を行った。1.下ゆで時の煮汁の濁度から,小豆の可溶性成分の溶出抑制効果は,溶液に含有する糖であることが示唆された。豆に含まれる赤色色素の溶出抑制に関しては,加熱30分後までについては,糖を含有する区で溶出抑制効果が認められた。ショ糖,煮切りみりん,本みりんでは,本みりんが最も溶出抑制効果が高かった。エタノール及び水では,30分加熱以後,赤色度は増加しなかった。濁度も同様に本みりん20%溶液,煮切りみりん20%溶液,9.2%ショ糖溶液の糖を含有する溶液は,2.8%エタノール溶液及び水よりも濁度が低く,可溶性成分の溶出を抑制している成分は糖であることが示唆された。2.小豆の蜜煮に対するてり・つや付与効果は,本みりんを使用したものが最も高く,本みりんのてり・つや付与効果が確認された。3.小豆の煮崩れ防止に寄与する成分は,糖であるが,糖は煮崩れ防止に寄与すると共に,軟化を抑制することがわかった。また,エタノールは軟化を促進するため,本みりんのように両成分を含有する調味料が煮崩れを防止し柔らかい豆を得ることが可能であることがわかった。4.小豆蜜煮においては,柔らかさと食慾の好ましさは一致しており,柔らかい小豆蜜煮を作ることがおいしさにつながることがわかった。本みりんを用いた場合,予め水だけで10分間加熱してザルにあげて,渋切りを行い,その後,本みりん溶液で下ゆでをし,加熱調理することによって,柔らかい小豆蜜煮を得ることが可能である。
著者
松村 康生
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.185-189, 1995-08-20
参考文献数
21
被引用文献数
2
著者
宮入 照子 松本 仲子 小林 トミ
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.125-131, 1986-07-20

ババロアに洋酒, スパイスを使用したときの嗜好について官能検査を行ない検討した。1. 洋酒を加えたババロアで嗜好が高かった洋酒は, コアントロー, グランマニエ, マラスキノであり, 嗜好が低かったものは, 赤ワイン, ペパーミント, 白ワインであった。2. 洋酒入りババロアにスパイスを添加したとき, 一般に嗜好が高かったスパイスはバニラ, 嗜好が低かったのはクローブであった。また, シナモンは洋酒の種類によって嗜好が分かれ, 洋酒がオレンジキュラソ, 白ワイン, 赤ワインの場合は嗜好を高め, グランマニエ, チェリーブランデーでは逆に傾向を低めた。3. スパイスの添加効果については, 洋酒のみを加えたババロアで嗜好が低かった。赤ワイン, ペパーミント白ワインの各ババロアはその評価を向上させたが, 逆に洋酒のみを加えたババロアで嗜好が高かったコアントロー, グランマニエ, マラスキノ, モカの各ババロアではその評価を低下させる傾向が認められた。
著者
上部 光子 秋山 舞子 西成 勝好
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.336-343, 2004-11-20

白玉粉調理の生地作りでは,水を白玉粉の80〜90%加えて捏ねる。この混捏時は,水分の多少により,生地のひび割れやだれを生じ,生地の捏ね操作上で扱い難い欠点がある。白玉粉生地の調理操作性改善方法としては,捏ねた生地の一部をゆで,元の捏ね生地に戻し、加えて混捏する方法が考えられる。そこで,ゆで生地量の違いによる生地の取り扱いやすさや,生地のレオロジー特性値を検討した。さらに,元宵と白玉団子の食味の官能検査について検討し,以下のような結論を得た。1)生地作り操作上の難易度の評価,および、ゆで後の食味の官能検査については,ゆで生地5%混入試料が捏ね時に操作しやすく,ゆで後の食味の官能検査結果から美味しいと認められた。2)円柱形に成形した生地についてテクスチャー・プロフィールアナリシスの結果,(1)ゆで生地無混入試料は硬く,多少べたつき,ぼそぼそとまとまりが悪い生地で,圧縮応力が最高値を示し,硬かった。また,ゆで生地混入試料は,混大量が多くなるにつれ圧縮応力が小さくなり,生地が柔らかく,捏ね操作がやりやすくなった。しかし,ゆで生地7.5%以上の混入試料は生地が柔らかすぎて扱い難いことが示された。(2)ゆで生地5%混入試料ではゆで生地2.5%混入試料に比べ付着量が少なく,触感から見て粘り気をおびて扱いやすかった。3)円盤形の生地の周縁を保持し,中心部を球形プランジャーで圧縮して引き伸ばす測定において,ゆで生地が増すにつれ,生地が柔らかく,粘り気が加わり伸びやすいことがわかった。ゆで生地5%混入試料は,荷重-変形曲線から見ても,生地作りの操作上で扱いやすい生地であることを見出した。
著者
大家 千恵子 松本 エミ子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.110-118, 1986-07-20
被引用文献数
1

かるかんの材料配合, 調理手法, 米粉の粒度などが調理製品の性状に及ぼす影響を, 製品の官能検査, 物性測定, 顕微鏡観察によって調べた。1. かるかんの材料配合比は生山芋, 水, 砂糖, 米粉の比が1:1:2:1.3, 乾燥粉末山芋では1:4:2:1.3が好ましい。調理手法はすりばち-すりこぎ法で良い結果が得られた。2. かるかんは官能検査の結果から, 米粉粒度60メッシュを用いたものが好ましく, 粒度の小さいものはカステラ様の感触のものとなる。3. かるかんの顕微鏡観察で米粉粒度のちがいがみられ, また, 山芋の蓚酸カルシウム針状結晶がそのまま残存し, 完全に糊化していない山芋でんぷんも観察された。
著者
増田 真祐美 江原 絢子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.333-342, 2005-08-05

The traditional Japanese wedding banquet called "honzen" was codified in the Muromachi period (1336-1573), and spread to the rural areas in the Edo period. The typical wedding banquet began with a sake ceremony, before the honzen meal (typically rice, soup, and some side dishes presented on zen, individual tray-like tables) was served, this being followed by the shuen (drinking party). This original style seemed to change in the Meiji period (1868 onwards). We have clarified the time of this change and its impact on the style of the wedding banquet. Wedding menus preserved by several mainline rural families, like the Huruhashi, Chiaki and Omae, were used as the investigation materials. In total, 40 menus were reviewed for the period from 1729 to 1917. There were two distinct wedding banquet styles, the original comprising sake, honzen and shuen in that order. All menus created in the Edo period, bar one, follow this style. The other style became common in the Meiji period, especially after 1900, its particular characteristic being that shuen preceded honzen. Shuen thus became more central to the wedding banquet program, and honzen was simplified with fewer dishes and smaller scale.
著者
浜田 陽子 綾部 園子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.306-313, 1992-11-20
被引用文献数
1

温度および湿度を調整したフードストッカーおよび対照として室内暗所に14種の乾物を12か月間保存し,その品質を評価した。結果は以下の通りである。1.フードストッカーに保存した乾物は,全般的に対照に比べて低水分に保持されていた。2.フードストッカーに保存した乾物の晶質は,対照に比べて有意に劣化の少ないことが官能検査によって認められた。特に米,千ぴょう,切り干大根,かつおげずり節およびのりなどは効果的であった。3.客観的測定においても,乾物のもどし時間,軟化に要する加熱時間,小麦粉のグルテン採取量およびのりのパリパリした感じたとは,保存環境による有意差が認められた。4.12か月後にはフードストッカーに保存しても晶質は低下し,煮干し,乾椎茸およびローリエの感覚的評価における対照との差は小さくなった。又,加熱時の豆の軟化に要する時間や高野豆腐のもとし時間は遅延した。5.乾麺およびこしょうは保存条件による影響をほとんど受けなかった。
著者
瀬戸 美江 神田 聖子 澤田 崇子 藤本 健四郎
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.251-253, 2006-08-20
被引用文献数
1

食事ごとに使用するたんぱく質供給源食品である魚介類,肉類,卵類,大豆・加工品に対して,緑黄色野菜0.5倍以上,その他の野菜1.0倍以上使用することが,調理をする上で,野菜350g摂取を習慣化するための実践的な方法の一つではないかと考える。
著者
高橋 敦子 伊藤 喜誠 奥嶋 佐知子 吉田 企世子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.232-238, 1997-08-20
被引用文献数
1

品種の違いによる,果肉成分の含有量を測定し,品種の特徴を明らかにし,それらが,食味にどのように影響するかを検討した。1)日本種のはやとは西洋種より水分含有量が多く,β-カロチン,総ビタミンC,デンプンの含有量が少なかった。しかし,甘味成分の果糖が多く含有された。蒸し物,煮物は好まれなかったが,ポタージュは好まれた。2)みやこは西洋種の中で一番水分含有量が少なく,デンプン量が多い。しかしβ-カロチン,総ビタミンCの含有量が中位であった。蒸し物,ポタージュは水分量が少なく,デンプン量が多いがザラツキがあり,好まれず,煮物は好まれた。3)えびすは西洋種のうちでは水分含有量,デンプン量が多く,総ビタミンC含有量は多かった。しかしβ-カロチン含有量,ショ糖量は中位であった。煮物,ポタージュの調理法で良い評価であった。4)赤ずきんは4品種中でβ-カロチン含有最が最も多かった。またデンプン量,総ビタミンC含有量,果糖,ブドウ糖量は中位であった。すべての調理法において評価が良かった。
著者
生野 世方子 吉村 美紀 山内 直樹
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.299-303, 1993-11-20
被引用文献数
2

真空調理中の成分変化を明らかにするため、大根を用い、真空度(30、100Torr)と加熱温度(65、70、80、100℃)の成分に及ぼす影響について検討した。1)加熱温度による硬さの経時変化をみたところ、70℃、80℃、100℃と温度が高くなるほど早く軟化した。65℃加熱では軟化するが、70℃以上と同じ程度までは軟らかくならなかった。2)加熱後の外観は、100℃、80℃において、いずれの真空度でも良好であったが、70℃加熱の100Torr及び常圧試料では褐変が生じた。3)硬さについてみたところ、70℃、80℃では真空度による差がみられなかったが、100℃加熱では真空度が高いほど軟らかくなった。4)総アスコルビン酸含量についてみたところ、100℃では真空度による差はみられなかった。しかし、30Torrで袋詰め包装された大根は、80℃並びに70℃で加熱すると、Controlよりも総アスコルビン酸含量が高かった。酸化型アスコルビン酸含量は真空度が高いほど低い傾向にあった。5)大根の糖は大部分還元糖であり、袋詰め試料は真空度並びに加熱温度に関わらず、未加熱試料のレベルを維持していた。Controlはいずれの加熱温度でも糖が減少した。以上の結果から大根を真空調理する場合は80℃以上の温度で真空度は高い方がよいと考えられた。