著者
久利生 崇行 垣本 悠太 荒木 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.483, pp.323-328, 2012-03-07

アストロサイトは一般的に神経細胞よりも大きく,神経細胞の活動を集団的に調整することが報告されている.アストロサイトは,錐体細胞の発火により活性化され,活性化したアストロサイトは錐体細胞と介在細胞のどちらも活性化させる.しかし,その機能的役割についてはあまり分かっていない.そこで本研究では,小規模神経回路網の発火状態に対するアストロサイトの影響を明らかにするため,複数の錐体細胞と介在細胞からなる小規模神経回路網にアストロサイトを接続した数理モデルを用いて計算機実験を行った.その結果,アストロサイトがなければ非同期的ベータ振動をしていた神経回路網モデルが,アストロサイトからの入力によって同期的なアルファ振動を呈する状態に遷移し,さらに,同期発火する神経細胞群が創発される現象が観察された.
著者
益子 貴史 小林 隆夫 徳田 恵一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.97, no.64, pp.33-38, 1997-05-22
被引用文献数
8 2

隠れマルコフモデル(HMM)に基づいて,任意のテキストからそれに対応する滑らかな唇形状の動きを生成する新たな手法を提案している. 提案手法では,音素や音節等,各音声単位に対応する唇形状の動きをHMMによりモデル化している. 画像生成時には,与えられたテキストに対応する文HMMを音声単位HMMを接続することにより構成し,得られた文HMMから尤度最大化基準により,唇形状の動き表す最適なパラメータ系列を求めている. 本手法の特徴は,既に提案したHMMに基づく音声合成法と同一の枠組で画像の生成が可能な点にあり,音声と画像で同一の音声単位を用いて統一的にモデル化を行なえば,音声・画像の同時生成が容易に実現できる. 本論文では,唇動画像生成システムの構成を示すとともに,実際に小規模な実験的システムを構築し,得られた画像が自然発声に近い滑らかな唇の動きを表現可能なことを示す.
著者
中村 友昭 長井 隆行 岩橋 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.375, pp.7-12, 2010-01-14

本稿では,ロボットが身体性を利用することで取得する視覚・聴覚・触覚のマルチモーダル情報を用い,総合的に物体のカテゴリ分類を行うことで,物体概念を形成する手法を提案する.ロボットは,複数の情報を利用することにより,今まで画像だけでは分類することができなかった物体であっても分類することができるようになり,より人間の感覚に近い物体概念を形成することが可能である.提案するアルゴリズムはグラフィカルモデルに基づいており,物体のカテゴリゼーションはそのパラメータである条件付確率を推定する学習の問題となる.提案手法は教師なし学習であるため,人間が正解を教えることなくロボットの自律的なカテゴリゼーションが可能である。また,学習結果を利用した未知物体のカテゴリ認識や,カテゴリを通した機能の確率的推定も可能となる.さらに本稿では,マルチモーダルLDAにより形成された概念を基に,単語の意味を接地する手法を提案する.提案手法では,入力されたマルチモーダル情報に対応する単語を確率的に推論することや,単語からその単語が指す概念を推定すること,さらに単語とモダリティとの結びつきを求めることが可能となる.本論文では,提案するアルゴリズムを実際のロボットに実装することで,提案手法の有効性を示す.
著者
青木 翔 内田 理
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.400, pp.25-28, 2011-01-20
参考文献数
15

近年,ブログや掲示板,口コミサイトのレビューなどを利用し商品の評判を解析するサービスが展開されている.評判解析の精度を高めるためには,書き手の感情や態度を文章から正確に分析する必要がある.ブログ記事には絵文字が用いられることも多く,これらの絵文字にはモダリティの役割を持つ場合がある.すなわち,絵文字が表す感情を推定することは,評判解析などの際に重要であると言える.本研究では,絵文字を含む大量のブログ記事を収集し,絵文字と共起する感情語を用いて絵文字の感情ベクトルを自動的に作成する手法を提案する.
著者
折尾 彰吾 上田 浩 上原 哲太郎 津田 侑 吉村 豪康 山村 智英 野村 怜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.489, pp.249-254, 2013-03-07

Wi-FiやBluetoothの通信ではその仕様上,デバイス固有に割り当てられたアドレスが暗号化されることなくやりとりされている.これは外部から容易に観測することができ,この値を位置,時刻その他のデータと紐付けて収集することで,ユーザの位置の履歴や行動パターンが漏洩し位置プライバシーが脅かされるおそれがある.さらに攻撃者自身が移動しながら情報を収集することで,比較的少数の攻撃者によってもプライバシー攻撃を行うことが可能となる.本稿では,予想されるプライバシー攻撃と同様のフィールド実験を実施し,その結果を分析することでこの脅威の現実性を検証する.またこの攻撃によって起こりうる被害についてさまざまな視点から考察する.
著者
小林 賢知
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.95, no.478, pp.53-60, 1996-01-25
被引用文献数
3

東京ガスの検針業務は, 検針員が各メータの読み値をハンドヘルドコンピュータに入力している. また, 通信機能のついた, マイコン内蔵ガスメータが開発され,ー部のお客様で電話回線を介して, 自動検針及び付加サービスが行われはじめた. しかし, 既築の集合住宅では, パイプシャフト内に設置されるガスメータから電話回線までの配線工事が困難な例が多く, 対策を検討している. 本論文では, 集合住宅の自動検針及び付加サービスにガス管内音響通信を利用できるかを, 管内の伝搬音の減衰, 管内の騒音レベル, 管内に放出できる音圧から検討した. その結果, 自動検針については15階建て8竪管程度の大規模集合住宅までは, 基地局1力所で1棟の全てのガスメータをカバーできる可能性があることを明らかにした. 即時性の必要な付加サービスについても, 設置場所を工夫すれば利用できる可能性があることを明らかにした.
著者
石井 雄也 須賀 良介 西村 剛 小野寺 真吾 橋本 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.260, pp.47-51, 2013-10-17

一般的に導波管,共振器やホーンアンテナは導電率が高く,低損失な金属で製作されている.しかし,これらは酸化による特性劣化や,装置の大型化による重量化の問題がある.そこで筆者らは金属の代用として,ポリアニリン溶液を用いた低抵抗率の導電性樹脂に着目した.本稿では集光型レンズアンテナを用いて,平面波を樹脂に照射させて透過特性を測定した.その結果,金属と同程度の特性を有していることを確認した.次に,本樹脂を用いた導波管を試作し,電磁界シミュレータHFSSを用いた解析値と比較した結果,樹脂製導波管内の損失は1dB程度であることを確認した.さらに,試作した樹脂製ホーンアンテナの放射パターンを測定した結果,金属の代用としての本樹脂の可能性を確認した.
著者
坂本 博和 永本 太一 柴田 裕一郎 小栗 清
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.155-162, 2005-02-01
被引用文献数
2 1

PCA (Plastic Cell Architecture)は動的再構成可能な非同期式論理回路アーキテクチャである.また, 我々は非同期ビットシリアル処理を前提とする新しいPCAアーキテクチャを検討しており, 情報の記憶・加工・移動をシフトレジスタとステートマシンで行うことにより, より効果的に回路を構成できると考えている.しかし非同期ビットシリアル処理回路の設計を信号伝搬を追尾しながら行うのは困難であるので, 本研究では, 非同期ビットシリアル処理回路の設計と, シミュレーションによる動作検証を効率良く行うためのペトリネットモデルをビットシリアルペトリネットとして定義し, これをGUIによる設計・検証ツールとして実装した.更に, 遅延情報なども含めた詳細な検証を行うために, ビットシリアルペトリネットをVerilog-HDLへ変換する機能を追加し, 非同期ビットシリアル処理回路の設計, 検証時間の大幅な短縮を実現した.
著者
森 貴彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.432, pp.1-6, 2012-02-02

医療・福祉分野において,労働従事者,介護者および要介護者の負担軽減など動作支援を目的にパワーアシストシステムに関する研究が多く行われている.特に,上肢切断者のパワーアシストによる日常生活動作支援を行う際には,筋電位センサと力センサを併用した上肢動作の人間-筋電義手の協調制御に関する研究が活発化している.しかし,現状では環境や条件に応じて臨機応変に動作支援を行うことが難しいと考えられる.本研究では,上肢動作支援を対象に,手先トルクを入力するだけで人間の未来の手先トルクと未来の軌道をリアルタイムに予測し,さらに,安定で高いパワーアシスト率の実現が可能なモデル予測制御を用いた新たなパワーアシストシステムを提案する.
著者
上條 敦史 石川 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.439, pp.47-52, 2010-02-22

日本語による自然言語文を拡張型述語論理に変換する手法を提案する.この手法は,基本的には既存の自然言語処理ツールと電子化辞書の活用を前提に,述語の項のラベル付けを核とした意味解析を行うものである.この述語論理では,知識構成要素をすべて日常語とし,単文,複文ともに一つの文を一つの述語式で表現する.複文の場合には,主節を表す述語式中の述語部や項に従属節を埋め込んで表現する.従属節の表現には主節を表す述語式と同様の形式を用いる.変換対象は省略のない文法的に正しい文とし,平叙文以外の受身文や丁寧文も含む.
著者
金光 秀雄 今野 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.395, pp.41-46, 2012-01-16

閉区間上で目的関数の極小値が(下へ)単峰列となる一変数多峰関数の大域的最適化問題に対して,極大点・極小点および多峰関数の数理構造を与える,さらに,前報のアルゴリズムより広汎な多変数最適化問題に適用可能なアルゴリズムを検討・提案する.多変数のテスト関数に対するいくつかの数値実験の結果から,本手法が効率的かつ高信頼性で最小点を見い出せることを示す.
著者
石渡 正倫 宮川 道夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.95, no.436, pp.73-78, 1995-12-15

手書き筆跡をもとにした個人同定を目的として,筆跡の個人特徴量にハフ変換により得られる3種のパラメータ,すなわちρ,θ,および累積値を用いる筆者同一性判定法を提案する。筆跡データとして,1)本人による筆跡,2)筆跡提示なし代筆,3)筆跡提示あり代筆の3種類を使用,個人特徴量の抽出と筆者同一性判定実験を行った。個人特徴量から筆者判定のための基準特徴量を抽出して判定閾値を設定,5回実施した実験の平均判定率は,1)に対して93.2%という結果が得られた。また3)での平均判定率は76.4%であり,2)に関しては,何れの実験でも100%という良好な判定結果が得られ,個人特徴量,およびこれを利用した筆者同一性の判定法としての有効性が確認できた。
著者
福嶋 慶繁 丹羽 健太 圓道 知博 藤井 俊彰 谷本 正幸 西野 隆典 武田 一哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.8, pp.2039-2041, 2008-08-01
被引用文献数
7 2

本論文は,三次元の音声・映像を統合した新たなメディアを提案する.まず,多数のカメラ,マイクロホンを並べたカメラアレー,マイクロホンアレーで,多視点・多聴点データを撮影した.次にそのデータより自由視点映像,自由聴点音声を生成し,自由視聴点映像の生成に成功した.
著者
キウェ ピュ ピュ 山本 寛 大木 聖子 山崎 克之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.170, pp.25-30, 2010-07-30

日本は、世界的にも最も地震が起こる国の一つであり、これまで何千年間も被害を受けてきている。しかし、地震の経験は、被害を受けた地域での知恵となるにとどまり、日本に暮らすあらゆる人々の共有知とはなっていない。地震の経験を多くの人で共有できれば、地震の知識が向上し、大きな災害に備えること、つまり防災リテラシーの向上が図れる。本研究の目的は、地震の経験を共有して、アーカイブにすることのできるウェブベースシステムを開発することである。他の人がどういう手段をとったか(家族の安否確認、帰宅ルートのチェック、など)を確認することで、自分のアクションを見直すことができ、大きな地震が発生した時のための備え(防災リテラシー)は格段に向上する。システムは地震研究所(ERI)のウェブサイト上で公開する予定である。
著者
蓮井 亮二 白石 善明 森井 昌克
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.199, pp.91-96, 2004-07-13
被引用文献数
2 1

ネットワークやシステムに対する不正アクセスを検知するシステムとしてIDS(不正侵入検知システム)がある.しかし,IDSは不正アクセスを検知するだけであり,事前に対処するものではない.そこで我々は,現在までに行われた不正アクセスから,その後に行われる不正アクセスを予想する方法としてイベント依存モデルを用いる方法を提案している.本稿ではイベント依存モデルを用いた被害予測システムを実装し,システムの有効性を示す.
著者
岩谷 智一 中泉 文孝 大須賀 美恵子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.65, pp.45-48, 2012-05-18

高齢者のグループレクリエーションにおいて,多人数で遊びながら無理なく体を動かすための遊びリテーションシステムを開発した.加速度センサと圧力センサを用い,腿上げ運動と手を握る運動を検出し,運動を入力とし,高齢者にもなじみのある大縄跳びや綱引きといったゲームを用意した.3か所の高齢者施設で試用してもらい,受容性を確認した.簡便性を高めるため,加速度センサを無線化する改良を施し,高齢者施設で評価実験を行った.心の活性化を観察による笑顔評価で,身体活動の活性化を腿上げ角度で評価した.ゲーム中は真剣に取り組むため笑顔の表出が少なかったが,勝敗結果の発表のときに笑顔が増えた.腿上げ角度のゲームによる増加は見られなかった.大縄跳びでは腿上げのタイミングをとる必要があり迷いが生じたためと考えられる.継続的な実施による効果検証が今後の課題である.
著者
吉岡 大貴 横山 諒平 劉 傅軍 小野寺 武 内田 誠一 中野 幸二 林 健司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.409, pp.53-56, 2014-01-17

匂いは目に見えないが,危険信号として重要な情報を持つ.匂いは気体であるため,匂い情報として匂い物質の種類,濃度,空間分布が考えられる.本研究では匂い物質を可視化するために蛍光物質を混ぜたアガロースゲルフィルムを蛍光プローブとして用い,匂い情報を蛍光変化として取り出している.本稿では,蛍光物質を複数用いたマルチ蛍光プローブを用いてマルチスペクトルイメージングを行い,匂い物質の識別を行っている.また,混合匂いに対するマルチ蛍光プローブの反応は各匂い物質毎の各単一蛍光プローブの反応に分割できるため,混合匂いを含めた匂い濃度の空間分布を識別することができる.
著者
折橋 翔太 高田 涼生 松尾 康孝 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.459, pp.131-136, 2015-02-23

本稿では,8K動画におけるH.265/HEVCの符号化方式制御の手法を提案する.8K動画では,その解像度の高さに伴い,動き量が大きなものとなる.このような動画に対しては,画面間予測における動き探索の探索範囲を拡大する必要があるが,動き探索は計算コストが大きいため,必要以上の探索範囲の設定は望ましくない.そこで本手法では,外部処理によって動画の動き量を推定し,推定された動き量に合わせて探索範囲を設定することによって,高効率な符号化を行う.ここで,探索範囲を拡大する場合には,HMの動きベクトル内挿機能を活用して,GOP間隔毎の探索範囲の拡大を行う.また,動きがランダムな動画に対しては,画面内予測のみで符号化することにより,低負荷な符号化を行う.
著者
折橋 翔太 高田 涼生 松尾 康孝 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.459, pp.131-136, 2015-02-16

本稿では,8K動画におけるH.265/HEVCの符号化方式制御の手法を提案する.8K動画では,その解像度の高さに伴い,動き量が大きなものとなる.このような動画に対しては,画面間予測における動き探索の探索範囲を拡大する必要があるが,動き探索は計算コストが大きいため,必要以上の探索範囲の設定は望ましくない.そこで本手法では,外部処理によって動画の動き量を推定し,推定された動き量に合わせて探索範囲を設定することによって,高効率な符号化を行う.ここで,探索範囲を拡大する場合には,HMの動きベクトル内挿機能を活用して,GOP間隔毎の探索範囲の拡大を行う.また,動きがランダムな動画に対しては,画面内予測のみで符号化することにより,低負荷な符号化を行う.