著者
笹岡 勇佑 須藤 洸基 清水 義彦 今井 一雅 河合 和久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.482, pp.213-218, 2014-03-01

英単語を習得する方法には,従来型の単語カードを使ったものから,Web上のオンライン教材,近年では携帯情報端末上で学習する方法などがある.報告者らは,携帯情報端末の利用場面(シーン)に着目し,いわゆる「すきま時間」にも英単語の学習から復習テストが行なえる,高専生を対象とした英単語学習支援システムを開発した.このシステムを高専専攻科の学生20名に授業の一部として17週間利用させ,その利用状況や習得度を分析し,学習支援効果の検討を行なった.利用前と利用後テスト,利用時間の状況,利用者アンケートの結果から,学習支援効果を認めた.
著者
村山 優子 齊藤 義仰 西岡 大 佐藤 英彦 向井 未来
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.43, pp.113-119, 2013-05-09

本予稿では,本研究では,災害発生直後から必要な当事者間の意思疎通である緊急時のクライシスコミュニケーションを災害コミュニケーションと呼び,関連する研究課題を4件紹介する.災害から4ヵ月後に,被災者が避難所から移動した仮設住宅では,未だに立地条件の悪さから不便な生活が続いている.今回,無人の商店システムを運用した結果を報告する.また,復旧時には,情報の提供や取得に通信環境が整わない間,twitterが活用された.しかし,誤報も多く,その解決のために,何故,人は,他人のツイート・メッセージを転送(リツイート)するかを調査したので,報告する.また,復興状況を逐次確認できる定点観測のシステム,復興ウォッチャーについて報告する.さらに,津波の脅威を後世に伝えるための試みの,オンライン津波資料館の研究課題を述べる.以上,実践的な災害コミュニケーション支援の研究課題を紹介する.
著者
岡本 秀輔 曽和 将容
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13

バリア型フェッチ機構は, アセンブリ命令を機能別に分け, それぞれスレッドとして並列に実行を行う命令レベル並列プロセッサ VFPE や PNSF において用いられている。この方式は, VLIW のように命令フイールドごとにスレッド別の命令を単一アドレス上に配置する。そして, その配置とは別に実行のための先行関係を指定する。このプログラムの指定方法により, VLIW で問題となる同期をとるためだけの不要な NOP 命令の指定を削減でき, かつ, キャッシュミスのような動的な変化においてもデータ依存の存在する部分のみのストールで実行をすすめることが出来る。 しかし, 本方式においてもスレッドごとの命令数が不均等である場合には, 依然として数合わせのための NOP を挿入する必要があり, これはプログラムサイズを増大させる他, 実行時間の無駄にもつながる。本報告ではこの問題の解決方法について述べる。
著者
會田 卓也 西本 卓也 大川 茂樹 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.485, pp.85-90, 2007-01-18

我々は,視覚によらずに情報機器を操作する手段として,音声認識や音声合成が広く受け入れられるための総合的なヒューマンインタフェースのあり方を検討しており,特に,頭部モーションセンサにより認識したユーザの頭部動作を音声入出力と組み合わせる手法を検討している.今回は,頭部の角度および角速度を状態遷移モデルによって認識しつつ,誤認識を防ぐ配慮を行った頭部認識モジュールを実装し,評価を行ったので報告する.
著者
角野 皓平 向川 康博 八木 康史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.1930-1937, 2007-08-01
被引用文献数
4

物体表面の反射特性を表す双方向反射率分布関数を密に計測するためには,様々な角度から照明した場合の反射光を様々な角度から計測する必要があるため,膨大な時間が必要であった.本研究では,楕円鏡とプロジェクタを組み合わせることで,高速に反射率を計測する手法を提案する.楕円鏡の一方の焦点に試料を配置し,もう一方の焦点にカメラとプロジェクタをハーフミラーを用いて配置する.これにより,投影画像を変えるだけで光源方向を自由に制御できる.また,試料のあらゆる角度への反射光は,カメラで一度に計測できるため,高速な反射率計測が可能となる.実際に計測装置を試作し,異方性反射特性をもつベルベットとサテンの反射率を計測したところ,光源のサンプリング間隔をそれぞれ1度とした場合でも,約50分で計測できた.
著者
大前 寿敏 山本 友二 古賀 達雄 松本 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信
巻号頁・発行日
vol.109, no.204, pp.7-8, 2009-09-17

本グループではFMラジオ放送より楽曲部分を抽出するシステムの開発を行っている。従来手法では、音声のパワー変化による楽曲とトークの境目箇所(カット点)抽出、周波数特徴量を用いたカット点確定、確定カット点間が一定時間以上の区間抽出、の三段階の処理により楽曲を抽出していたが、問題点として、1つの楽曲が2つ以上に分割して抽出されることがあり、そのことがユーザビリティの低下につながっていた。そこで本報告では、音声データの左チャンネルと右チャンネルとの差(LR差分)を新特徴量として追加すること、トーク区間が一定時間以上連続することを利用して終了箇所を判定すること、を加えた改善手法を提案する。改善手法は従来手法に比べて、ユーザビリティの観点から定義した評価指標において高い評価を得ることに成功した。
著者
金田 重郎 井田 明男 酒井 孝真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.419, pp.13-18, 2013-01-21

著者らは,(1)クラス図か英語の言語構造に立脚していること,そのため,(2)ヒシネス仕様記述から概念クラス図を作成する際には,認知言語学のコアイメーシの利用か効果的てある,と考えている本稿ては,「を格」,「に格」,「て格」の格助詞から構成される単文パタンて仕様を記述し,これを概念クラス図に変換する手法を示す結果として,ヒシネス仕様記述と概念クラス図の間にトレーサヒリティか確保されるたけてはなく,作成者に依存しない概念クラス図か生成てきる可能性かある実際に,学生による初歩的な実験の結果,作成される概念クラス図のバラエティか減少することを確認した.
著者
澤 繁実 伊藤 秀昭 中村 清彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.341, pp.39-44, 2005-10-10

環境から受け取った利得を主観的にどう評価するかの価値関数について研究したプロスペクト理論(Daniel Kahneman and Amos Tversky, 1979)[1]がある.本研究はこのプロスペクト理論の価値関数がヒトにおいてどのように獲得されたかを考察した.「環境における生き残りやすさ」という概念を導入した生存競争によってプロスペクト理論の価値関数の進化心理学的合理性を説明する.そのモデルを構築して数学的解析を行い, プロスペクト理論で示されるように価値関数がgainsの領域では上に凸となり, lossesの領域では下に凸となる条件を見出した.また, Daniel Kahneman and Amos Tversky (1992)[3]が求めたパラメーターに対して当モデルを適用し, ヒトの意志決定に関していくつかの新しい知見を得た.
著者
横本 拓也 前田 洋輔 宮澤 匠 山上 朋彦 阿部 克也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.264, pp.1-4, 2011-10-19

複合ターゲットを用いた反応性スパッタリング法を用いてCuAlO_2薄膜の作製と構造評価を行った。本研究での複合ターゲットはAl円板上に三角形のCu板を載せただけという簡易な構造をしている。Alのターゲット面積比率(Al/(Al+Cu))を大きくしていくと膜中のAlとCuの比を制御できることがわかり、また酸素流量を増加させることでCuターゲットのスパッタレートが減少し、相対的にAl元素の組成比が増加することがわかった。Alの面積比率95%、酸素流量3sccmの時、ストイキオメトリーに近い膜を得ることができた。また、この膜のXRD測定を行ったところアモルファスライクな膜であることがわかった。
著者
阿部 克也 横本 拓也 前田 洋輔 宮澤 匠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.176, pp.51-54, 2011-08-03

Cuターゲット上にAl板を配置した複合ターゲットを用いたRFマグネトロンスパッタ法によって、p型透明酸化物半導体として期待されるCuAlO_2薄膜の作製を試みた。Alターゲット面積比Al/(Cu+Al)を変化させ成膜を行った結果、面積比を70%とAlリッチにすることでストイキオメトリに近い膜組成が得られることが分かった。しかしながらXRD測定の結果から、as-depositionではアモルファスライクな薄膜であることが明らかとなった。作製した膜に800℃以上のアニールを施した結果、配向性のあるCuAlO_2膜を形成することに成功した。また、Taucプロットにより見積もった光学的バンドギャップは、CuAlO_2の報告値である3.5eVに近い3.6eVであり、アニール後の膜構造がデラフォサイト構造のCuAlO_2であることを確認した。
著者
河谷 大和 柏崎 礼生 高井 昌彰 高井 那美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.414, pp.113-118, 2010-02-08
参考文献数
11
被引用文献数
1

近年,日本を代表するデジタルコンテンツとしてアニメ作品が注目され,特に,萌えアニメ作品と呼ばれる作品群が著しく増加している.また,アニメ人物キャラクターの魅力=萌えという概念が社会的にも広く認知されつつあり,萌えをコンセプトとする様々なビジネスの市場展開が活発である.そのような中,多種多様なアニメコンテンツ群から好みのものを自身の萌え基準で容易に検索分類したいというニーズが高まっている.そこで本稿では,萌えアニメキャラクターの顔画像に特化した萌え因子特徴抽出と評価法について述べ,これを応用したアニメキャラクター画像検索・分類システムの開発・実装及び実行結果について述べる.本システムを用いることで,アニメキャラクター画像データの萌え因子を自動分析し,ユーザの萌え基準に基づいた画像データの分類や検索が可能である.
著者
ABE Masayuki IMAI Hideki
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on fundamentals of electronics, communications and computer sciences (ISSN:09168508)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.99-105, 2006-01-01

Contribution of this paper is twofold : First we introduce weaknesses of two Mix-nets claimed to be robust in the literature. Since such flaws are due to their weak security definitions, we then present a stronger security definition by regarding a Mix-net as a batch decryption algorithm of a CCA secure public-key encryption scheme. We show two concrete attacks on the schemes proposed in [1] and [2]. The scheme in [1] loses anonymity in the presence of a malicious user even though all servers are honest. The scheme in [2] also loses anonymity through the collaboration of a malicious user and the first server. In the later case the user can identify the plaintext sent from the targeted user by invoking two mix sessions at the risk of the colluding server receiving an accusation. We also point out that in a certain case, anonymity is violated solely by the user without colluding to any server. Heuristic repairs are provided for both schemes.
著者
菊池 英明 工藤 育男 小林 哲則 白井 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.1502-1511, 1994-08-25
被引用文献数
19

音声を利用したマルチモーダルインタフェースのベースシステムとなる音声対話インタフェースにおいて,ユーザに発話のタイミングに関する自由を保証するための割込みの扱いについて検討した.ユーザに割込みを許すとき,従来のように1文を単位としてシステムの発話を計画するのでは,計画した発話内容と実際に発話した内容あるいはユーザが受け取った内容の間に差異が生じる.そこで,発話の計画の単位を,1文中の伝えるべき情報と定め,対話中に話者間でやりとりされる発話権を管理することにより,どの情報が受聴されたかを常に把握する方式を提案した.実験の結果,提案した方式によって,システムが計画した発話とユーザが受聴した発話の差異をなくしながら,スムーズな割込みへの対処が被験者の半数以上に認められた.また,割込みに対処することにより,ユーザのタスク完了までの所用時間は7%減少し,積極的な話題提起数が21%増えるなど,インタフェースの利便性が向上することが確認された.
著者
カワン スタント 斎須 善文 奥島 基良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.98, no.71, pp.1-6, 1998-05-22

我々は粉末グラファイトを混入した寒天製擬似生体組織(ファントム)とポリマー系マイクロバブルを混入したファントムを作製し、音響特性と超音波照射による温度上昇の測定を行った。超音波減衰に着目して、超音波照射による温度上昇のメカニズムの検討を行った。ほぼ同等な減衰定数を持つ両方の寒天製ファントムであるが、温度上昇には約2倍の差が生じた。この原因を検討するにあたり、超音波減衰を吸収減衰、散乱減衰に分けて考えた。後方散乱パワーを測定した結果、グラファイト混入ファントムはマイクロバブル混入ファントムより散乱パワーが2倍大きく、その分吸収減衰が小さかったと考えられる。両ファントムの超音波照射による温度上昇の違いは、この点に起因するものと考えられる。
著者
タィン・ヒェップ ファム フイ・ホアン グェン 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.340, pp.169-174, 2010-12-09

複数送受信アンテナを用いるMIMO(Multiple-Input,Multiple-Output)通信技術はプロードバンドワイヤレス実現の必須技術であると考えられている.今後,MIMOによる情報伝送のサービスエリア充実により,所定空間へのサービス充実が見込まれる.MIMOリレーアンテナをいかに活用し,MIMOの特徴である高速伝送と高信頼性な通信を維持した状態で,所定空間への中継機能を実現する研究が重要となる.各リレーノードにおける送信電力及び各ノード間の距離が変わることにより通信路容量が変わる.送信電力が固定した場合,ノード間の距離を最適し,高通信路容量を得ることができた.しかし,リレーノードを必ずしも所望の場所に設置できるのではないので,送信電力及び伝搬距離を同時に最適し,システムの通信路容量を検討する.
著者
鄭 期太 花泉 修 柏田 伸也 シュアイブ イブラヒム 川瀬 賢司 川上 彰二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.95, no.377, pp.79-84, 1995-11-21

MBE法により光励起面型光増幅器を作製した。サンプルは歪み補償したInGaAs well/InGaAlAs barrierの100周期のMQWである。励起光には波長1.45μmのLDを用いた。測定結果、長波長帯面型光増幅器としては初めて2dBを越す1パス・ゲイン(2.4dB)を得た。また、ファブリ・ペロー共振器構造にすることによってピーク・ゲイン8dB、動作波長帯域10nmを越す特性を持つ面型光増幅器の設計が可能であることを示した。
著者
鄭 期太 柏田 伸也 花泉 修 シュアイブ イブラヒム 川瀬 賢司 川上 彰二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11

加入者系までの光ファイバ・ネットワーク化を実現するためには光分岐などによる損失の補償ができることと共に簡単な構造で大量生産が容易な光増幅器の開発が要求される。これには図1のような面型光増幅器が適している。今回、十分な1パス・ゲインを持つことが理論的に示されている面型光増幅器を100周期のMQWで作製した。また、信号光の多重反射によってさらに高いゲインと十分な動作波長帯域を持たせるためのFPI(Fabry-Perot Interferometer)構造の面型光増幅器の設計と作製を行ったので報告する。
著者
系 正義 辻道 信吾 小菅 義夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-08-13
被引用文献数
1

追尾フイルタは, 距離, 仰角, 方位角からなる目標位置のレーダ観測値をもとに, 位置, 速度などの目標運動諸元を推定する. 単一レーダを使用して追尾を行う場合, レーダ観測値は時系列データとして得られるため, カルマンフィルタを用いた追尾フィルタの実現が可能である. 一方, 広域に散在する複数のレーダを使用する場合, 各レーダから追尾処理装置への観測値の転送時間は必ずしも同一でないため, 追尾処理装置で処理すべき観測値は図1に示すように非時系列なデータとなる場合がある. この場合カルマンフィルタの適用は困難となる. 本稿では, カルマンフィルタの理論を拡張して, 非時系列なレーダ観測値を処理する追尾フィルタアルゴリズムを導出したので, これを報告する.