著者
宮脇 偉史 国信 真吾 富永 浩之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.583, pp.63-68, 2007-03-02
被引用文献数
3

近年,教材コンテンツや受講状況を管理する授業支援システムが導入されはじめている.これらの多くは,大学側からの一方向的な情報提供が主で,学生側からの十分なアクセスが得られているとはいえない.本研究では,ユーザである学生の利便性を考慮して,授業支援サービスと連携した個人適応の学生ポータルサイトPASPortを提案する.PASPortでは,大学からの情報を個人単位で集約する窓口として,学生各自にマイページを用意する.マイページでは,予定表や備忘録などの個人情報管理コンテンツや,掲示板などのコミュニケーションツールも提供する.授業情報から自分に関する事項を抽出して時間割表に埋め込むなど,諸機能を連動させて日常的なアクセスを促す.また,個人適応として,利用環境や操作履歴によるレイアウトの最適化や入力支援を行う.本論では,PASPortの要件定義と概略設計を述べ,特に,時間割ベースのスケジュール機能について論じる.
著者
佐藤 太一朗 松下 章 山下 康範 亀澤 祐一 宇野 克久 風間 宏志.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.244, pp.47-52, 2002-07-19
参考文献数
6
被引用文献数
1

インターネットの普及・ブロードバンド化の進展へ向け,様々なIPベースの衛星通信サービスが提供されている.このようなIPベースの衛星通信に対して音声通信を適用するため,VoIP技術を適用した場合に衛星回線の状態やネットワーク遅延がEnd-endの音声品質に与える影響を評価した.本稿では,擬似衛星回線による試験構成を用いて,通話品質をPSQM+により測定し,衛星回線品質(BER)の劣化時、および音声系トラフィックとWeb系トラフィックとの共用時における通話品質への影響を明らかにし,衛星通信へのVbIP適用の可能性を示した.
著者
中村 静 加藤 宏明 匂坂 芳典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.99, pp.45-50, 2009-06-17

我々は、日本人学習者の英語音声におけるリズム制御に対する客観評価法について研究してきた。この研究の経過で、日本語を母語とする学習者の潜在的なモーラ・タイミングの習慣が,英語のストレス・タイミングの生成に悪い影響を及ぼしているらしいことに注目した。そこで、本研究ではこの影響を調べるために、主にリズム制御に関与する音節の強弱の対比の観点から、母語話者音声に対する学習者音声の対応する種々の音声区分(強勢/弱勢音節,強/弱母音,内容語内/機能語内音節)の持続時間の差異について検討した。その結果,このような持続時間の差異が,英語教師である評価者による主観評価値を大きく左右していることを、両者の相関分析により確認した。
著者
藤田 和之 高嶋 和毅 伊藤 雄一 大崎 博之 小野 直亮 香川 景一郎 津川 翔 中島 康祐 林 勇介 岸野 文郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.120-132, 2013-01-01
被引用文献数
1

我々は多人数でのコミュニケーションを支援するための情報環境Ambient Suiteを提案し,検討を進めている.Ambient Suiteは部屋全体が入出力機能をもったシステムであり,様々なセンサにより会話の状態を推定し,また,この状態に応じて,床や壁に配置されたディスプレイ群を連携させて様々な情報を表示することで会話の活性化を目指す.本研究では,Ambient Suiteを立食パーティの場面に適用したAmbient Party Roomを実装し,これを用いた初対面の男女6人による会話実験を行った.この結果,本システムが会話の状況を十分に推定可能な性能を有し,情報提示により会話を活性化させられることが分かった.
著者
原口 卓 松下 春奈 西尾 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.174, pp.5-10, 2008-07-24
被引用文献数
1

自己組織化マップ(Self-Organizing Map:SOM)はKohonen氏によって提案された教師なしニューラルネットワークであり,近年クラスタリングへの応用として注目されている.過去の研究で,SOMの学習率係数が更新回数に依存するのに対し,ニューロンの性格にのみ依存する学習率係数を持つLazy Self-Organizing Map (LSOM)を提案した.さらに,そのLSOMの振る舞いを調査することで,SOMよりも入力データの分布状態をより反映したマップを取得できる反面,ねじれが生じやすいという傾向を確認した.そこで本研究では,学習率係数がニューロンの性格,怠け者の割合に依存し,さらに更新回数に従って減少する新しいLazy Self-Organizing Mapを提案する.そして,改良版LSOMの怠けニューロンの割合を変えて,様々な入力データに適用しその振る舞いと有効性を確認する.
著者
石倉 慎也 塚田 章 佐々木 和男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.98, pp.1-8, 2000-05-19

運動の開始あるいはそのイメージがヒト成人の自発呼吸位相に与える影響を位相遷移曲線(PTC)を用いて調べた。鉄アレイなしであるいは1から3kgの鉄アレイ(負荷)をもって腕を振り上げたとき、被験者Bは負荷の如何に関わらず1型のPTCを、一方CとDの被験者は0型のPTCを示した。被験者AのPTCは負荷がない場合1型であったが、負荷がかかると0型に変化した。CとDは腕の振り上げをイメージするだけでも0型のPTCを示した。しかし、被験者が自ら能動的に腕を振り上げるのではなく、実験者が被験者の腕をもって振り上げた場合にはCとDのPTCは1型であった。運動として歩行を用いた場合にも同様の結果が得られた。これらの結果は、被験者によっては運動開始のプログラムやそれに基づく遠心性情報情報が呼吸リズムに影響することを示す。
著者
田中 真也 木村 成伴 海老原 義彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.327, pp.81-86, 2009-12-03
被引用文献数
1

VoIP (Voice over IP)の通話のセッション管理を行う SIP (Session Initiation Protocol)では,いくつかのプロキシサーバを中継してメッセージが送られる.各々のプロキシサーバではメッセージの解析・編集などに処理時間がかかるため,メッセージは平文で送られるのが一般的だが,メッセージの盗み見によるセッションの不正切断などの問題が生じる恐れがある.この問題を改善するため,本論文では,SIPセッション確立時に,SUBSCRIBEメッセージを使用する方式を提案する.本提案では,同メッセージの応答の一部のみを暗号化する事で,プロキシサーバの負荷の増加を抑制している.提案方式のプロトタイプシステムを用いた実験結果から本方式の有効性を示す.
著者
津村 哲史 村井 秀幸 廣瀬 圭一 山崎 幹夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.156, pp.53-58, 2009-07-23

近年,高度情報化社会が急速に進展しており,その社会インフラを支えるIT機器の役割が重要視されている.そのIT機器への電力供給は無停電・無瞬断が要求されており,地域毎に異なる電力系統の品質把握及びそのバックアップ電源として設置される非常用発電装置・無停電電源装置等の故障リスク分析は非常に重要である.このような理由から,全国約8,000の通信ビルにおける停電情報や,それらビル内に設置された約20万の電源装置から収集した装置の故障・復旧時間のフィールドデータを基に,給電信頼度データベースを構築した.このデータベースを用いることで,停電事故に関する年次,季節毎の傾向や地域特性の把握,及び装置の種類・容量規模等ごとの給電システムの信頼度評価を可能するシステムを開発したので,それらの概要について報告する.
著者
KOIKE Arata
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on communications (ISSN:09168516)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.2105-2114, 2001-08-01
参考文献数
18
被引用文献数
1

Using Available Bit Rate (ABR) service of Asynchronous Transfer Mode (ATM) at a backbone link will provide a lossless network. It, however, causes congestion at an edge-router and is reported to show poor end-to-end TCP performance. We consider how to improve the performance of TCP over a backbone ABR network. By using ABR feedback information (ACR) at edge-routers, we can adjust intervals of TCP Acknowledgement packets. This adjustment couples the ABR rate-based control loop and the TCP window-based control loop. Based on this scheme, we can achieve a good end-to-end TCP performance as well as good ATM layer performance over backbone ABR. This paper describes comprehensive study on the proposed mechanism.
著者
砂川 祐一郎 和田 知久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.441, pp.347-352, 2011-02-24

無線通信システムの開発や研究において、近年ソフトウェア無線の技術が注目を浴びている。ソフトウェア無線ではこれまでハードウェアで構成されていた無線通信システムの大部分をソフトウェアで実装することにより,開発コストを抑えることができ,また,パラメータ等を状況に合わせて変化させることで様々な環境に適応させる事が可能となる。本研究ではソフトウェア無線の技術を使用し日本ISDB-T規格のワンセグ受信機のアーキテクチャを提案し,PC上で動作性能を考察している。入カデータはAD変換後のベースバンドOFDM信号を想定しており,復調時にはフィードバック処理により周波数誤差の補正を行う。パイロット信号からチャネル推定を行ない,時間軸線形補間,周波数軸補間の2種類の等化も実装している.
著者
Lorenzo Paulo Goto Munehiro Catto Arthur J.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on information and systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.345-354, 1995-04-25

The Manchester Dataflow Machine (MDFM) works with tasks of size equal to one single instruction. This fine granularity aims at exploring all parallelism at the instruction level. However, this project decision increases the instruction communication cost, which ends up to jam the interconnection network and reduces the system performance. One way to skirt this problem is to adopt variable size tasks instead of working with such small task size. In this paper, in order to study whether or not the usage of such variable size tasks in the MDFM architecture contributes to the improvement of the performance, some simulations by toy programs take place. In the simulation, variable size tasks are realized by packing the sequential instruction stretches into one task. To manage this packing, the Sequential Block (SB) technique is developed. The simulation of those packed and unpacked programs give an outline of advantages and disadvantages of working with variable size tasks, and how the SB technique should be implemented in the system.
著者
橋本 健二 石原 靖哲 藤原 融
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.4, pp.990-1004, 2007-04-01
被引用文献数
5

スキーマ進化においては,もとのスキーマに従う文書の情報を,新たなスキーマに従う文書により表現できることが重要である.また,スキーマ進化後には,もとのスキーマに従う文書を新しいスキーマに従うように変換する作業が必要となり,そのためにスキーマがどのように変更されたかに関する情報が必要である.そこで,本論文では,まず"スキーマ表現能力保存"についての一つの定式化を与える.具体的には,XML文書に新たな要素を追加して得られる文書はもとの文書の情報を保存すると定義する.そして,スキーマG_1の表現能力をG_2が保存するということを,G_1に従う各文書に対して,上の意味で情報を保存するような,G_2に従う文書が存在することと定義する.次にスキーマがどのように変更されたかを表す道具立てとして,更新能力が異なる2種類のスキーマ更新操作群A,Bを提案する.これらの操作群は表現能力保存に関する健全性と完全性を満たしていることが望まれる.そのため,本論文では,表現能力保存に関する各更新操作群の健全性と完全性について検討する.また,表現能力保存の定義に高さ制約という制約を与えた場合についても同様の検討を行う.
著者
望月 祐洋 上善 恒雄 西田 純二 中野 秀男 西尾 信彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.495, pp.297-304, 2014-03-07

スマートフォン等のWi-Fi対応機器が常時発信しているProbe Requestを受信するWi-Fiパケットセンサを多地点に配置してデータを収集し,匿名化処理を施してクラウドサーバ上に蓄積することでリアルタイムに人の滞留・流動を分析し,人流の時空間分布を把握するための汎用システム構築の現状について報告する.
著者
上田 修功 中野 良平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.2512-2521, 1997-09-25
参考文献数
17
被引用文献数
30

最近, 汎化能力向上のための新たなアプローチとして, 同一タスクに対して複数の予測器を個別に学習した後, それらの出力の平均値(一般には重み付き平均)を予測値とするアンサンブル学習法が提案され実験的にその有効性が示されている. しかしながら, これまでアンサンブル予測器の汎化誤差に関する厳密な議論は十分になされていない. 本論文では, 回帰問題に焦点をあて, 一般のアンサンブル予測器の汎化誤差改善効果に関する数理的考察を行う. すなわち, 同一タスクに対して個別に学習させた任意の非線形予測器のアンサンブルによる汎化誤差を, 各予測器の推定値のバイアス, 分散, 予測器間の出力の共分散, 学習データのノイズの分散を用いて表し, 各々が汎化誤差に及ぼす影響を明らかにする. 次いで, 実用上興味深いケース(各予測器が同一モデルからなる等)について考察し, 計算機シミュレーションにより解析結果の検証を行う. 解析結果をもとに, 一つのデータセットのみが与えられているという実用上自然な状況下では, データセットを分割する方法では予測の精度向上は期待できないことを明らかにし, その場合の有効なアンサンブル学習法について言及する.
著者
川崎 博志 満倉 靖恵 福見 稔 赤松 則男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.140, pp.77-80, 2004-06-18

近年の情報化社会において,音声圧縮は重要な技術の一つである。これまでにも音声圧縮の方法が数多く提案されているが,これらはいずれも10分の1から20分の1程度である。またこれらに伴って圧縮された音声や画像を配信する会社においては,圧縮率が高ければ高いほどダウンロードにかかる時間が削減できるため,圧縮率の向上は非常に有効である。本稿では,これまでに提案されている方法と比較し,提案した手法の有効性を検証する。さらに,比較実験として,ニューラルネットワークを用いた方法を挙げ,その比較を行なった。
著者
金内 博伸 新田 光広 谷内 利明 谷 辰夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.219, pp.7-11, 2004-07-16

21世紀は水素エネルギーインフラストラクチャの時代といわれる.この水素の製造法の1つに風力発電があげられ,その効率向上策として電力の緩衝媒体にEDLC(電気二重層キャパシタ)を用いたシステムを提案した.このシステムは,風力発電機と水素発生器の間にEDLCおよび充放電制御装置を挿入することで,発電量の変動を緩衝して水素発生器に定格電力を出力する.しかし,EDLCは他の蓄電池と比べコストが高く,このシステムにおける適正な容量を明らかにすることが求められている.そこで,水素発生器へ効果的に電力を出力するためのアルゴニズムを明らかにし,適正EDLC容量を数値解析により求めた.発電された電力を常時水素に変換する本システムでは,発電量に応じた適正な水素発生器容量を選定することで,EDLCの充放電がバランス良く行われることが分かった.この場合EDLC容量が変化しても水素発生器への供給電力量の影響は少なく,EDLC容量を比較的小さく抑えることが可能である.