著者
井上 弘士 Moshnyaga Vasily G. 村上 和彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.27, pp.55-60, 2002-04-12

これまでに我々は,ダイレグト・マップ命令キャッシュの低消費エネルギー化を目的として,ヒストリ・ベース・タグ比較(HBTC:History Based Tag-Comparison)方式を提案した.従来型キャッシュでは,ヒット/ミス判定のために,タグ比較が毎アクセス実行される.これに対し,HBTCキャッシュでは,プログラムの実行履歴に基づき必要に応じてタグ比較を行う.そして,無駄なタグ比較処理を動的に検出・削除し,命令キャッシュの低消費エネルギー化を実現する.本稿では,これまでに提案したHBTCキャッシュを改良し,オーバヘッドの小さい新しい実現方式を示す.また,信号処理アプリケーションを中心としたベンチマーク・プログラムを用いて,性能ならびに消費エネルギーに関するより詳細な評価を行う.
著者
中野 浩嗣 伊藤 靖朗 川上 賢介 重本 耕司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.198, pp.79-84, 2009-09-10
被引用文献数
3

本稿では,単純,スケーラブル,かつポータブルで,FPGAに実装可能なTiny processing systemを提案する.このシステムは,16-bitのプロセッサ,クロスアセンブラ,クロスコンパイラを含んでいる.このシステムのソースコードは極めて少なく,16-bitのプロセッサはVerilog HDLで268行で書かれている.クロスアセンブラは38行のPerlスクリプトである.クロスコンパイラは,23行の字句解析のためのFlex文法ファイルと,90行の構文解析とコード生成のためのBison文法ファイルから構成される.よって,このTiny processing systemは容易に理解でき,機能拡張も難しくない.このシステムの教育と小型組込みシステムへの応用を示す.
著者
水野 聖也 大澤 純 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.101, pp.33-38, 2014-06-14

近年,パーソナライズされた情報推薦の技術が普及しており,それに伴って,嗜好抽出の重要性が高まっている.本稿では,ユーザがスマートデバイスにインストールしているアプリケーションを基に,嗜好抽出を行う手法を提案する.この手法では,マーケット上に記載されているアプリケーションの説明文からキーワードを抽出し,各キーワードを,キーワードの特徴度,アプリケーションの固有度,アプリケーションの1日の平均利用時間に基づいた3つ指標を用いてスコアリングを行うことにより,キーワードとその重要度を表すスコアの形式でユーザの嗜好を表現する.被験者実験の結果,保有アプリケーションが嗜好抽出の情報源として有用であることが確認された.また,結果をもとに各スコアリング指標の特性の検証を行ったところ,保有アプリケーション数が十分多いユーザに対して,アプリケーションの固有度に基づくスコアが有効である傾向が見られた.また,端末の利用時間の長いユーザに対して,アプリケーションの利用時間に基づくスコアの有効性が示唆された.
著者
三好 孝典 今村 孝 小山 慎哉 大場 譲 市村 智康 沢口 義人 北川 秀夫 青木 悠祐 兼重 明宏 上木 諭 河合 康典 斉藤 徹 高久 有一 上 泰 川田 昌克 内堀 晃彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.501, pp.11-16, 2014-03-10

インターネットにより生み出されるソーシャルコミュニケーションは,何万人・何億人もの人々がお互いに映像や音声を共有し合う人類が経験したことのないコミュニケーションを実現している.しかしながら,これまでに世界中の人々がお互いの力覚を同時に共有し,コミュニケーションを行った例はほとんど報告されていない.本報告では,マルチラテラル遠隔制御を応用し,全国8ヶ所での仮想綱引き実験による力覚共有を報告すると共に,従来行われてきた手法との比較,検討を行う.
著者
柴田 勝征
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.428, pp.17-22, 2012-01-28

日本の小学校算数教育において落ちこぼれる子が多い、繰り上がりのある足し算、繰り下がりのある足し算について、福岡県の教師たちが、『上の桁から計算してゆく』という方法を4年間実践してみて、一人の落ちこぼれも出さず、しかも生徒の所属学年の1年上の学年の課題までも積極的に出来るようにさせた。発表者は、この驚くべき成功の原因は、『下からボトムアップ(ズームアウト)』で思考する西洋人と『上からトップダウン(ズームイン)』で思考する東洋人の精神構造の違いによるものと考える。
著者
岡本 英之 神子 一男 手島 卓也 西村 夏哉 春日 健 大室 仁 吉江 央樹 原 育成 久保田 能徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.71, pp.13-18, 2007-05-18

我々は可視光領域で発光可能なEr^<3+>添加フッ化物ファイバ(F-EDF)を信頼性の高い通信用974nmLDで励起し、アップコンバージョンレーザ(543nm)を構成した。レーザの目標特性として、CW発振で安定(RMS<0.1%)、かつ高出力(シングルモード出力>10mW)としており、現時点ではRMS<3%程度のノイズが確認されている。これまでに、緑色光の安定発振にはESA(^4I_<13/2>→^2H_<9/2>)制御の必要性が示唆されているが[1][3〜7]、発振機構に不明確な点がある。今回は、850nm発光と543nm発光の時間変動を比較し、発光過程を調査した。
著者
津野田 賢伸 高田 雅士 秋田 庸平 田中 博志 佐藤 真琴 伊藤 雅樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.451, pp.37-41, 2005-11-24
被引用文献数
31 7

動的に機能を変更可能なALUを二次元配列状に接続した演算セルアレイをベースとし, 各種ホストCPUと接続可能なディジタルメディア処理向け動的再構成プロセッサであるフレキシブルエンジン(Flexible Engine/Generic ALU array, FE-GA)を開発した.FE-GAは, 自由度の高い内部データ転送を可能とするクロスバネットワーク, 多バンクの演算用ローカルメモリに加え, コンフィギュレーションデータの効率的な2レベルの階層記憶とバックグラウンド転送, および自律的に動作するシーケンス制御を可能とする周辺機能モジュールを備え, 独立性の高いサブシステムとして動作することを特徴とする.
著者
佐々木 悠 王 磊 太田 和夫 青木 和麻呂 國廣 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2008, 2008-09-02

本稿では,MD4を用いたチャレンジ&レスポンス型パスワード認証に対し,現実的な計算量のパスワード復元攻撃を提案する.これらの方式では,ユーザとサーバはパスワードPを事前共有する.認証の手順は以下の通り:1.サーバはチャレンジCを生成しユーザに送る.2.ユーザはレスポンスRとしてResponse(P,C)を計算しサーバに送る.3.サーバは自分でRを計算し,送られてきたRと一致したならば正規ユーザと判定する. 手順2.のRの計算方法として,MD4(P∥C)を用いるPrefix法とMD4(P∥C∥P)を用いるHybrid法が有力である.これらに対する攻撃結果を以下に示す.
著者
石田 賢治 小沢 千絵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.97, no.15, pp.39-46, 1997-04-21

インターネット上で公開された電子的な著作物は操作が容易なため,大量の著作権侵害の可能性が大きな問題となっている.また,従来インターネット利用者の権利意識の低さもいくつか指摘されている.しかしながら,インターネット上の著作物に関する権利意識を定量的に調査した報告は未だ行われていない.本稿では,1996年10月25日現在JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)に登録されている8736個のドメインに対応するWWWのホームページ上の著作権に関する注意書きを収集し,著作権者の権利意識を定量的に調査した.その結果,(1)著作権に関する注意書きのあったページは全体では36.6%である,(2)個別の権利に触れたページはわずか5.4%である,(3)自らのホームページ上の著作物をどう扱わせたいかを指示しているホームページはさらに少なく1.9%である,ことが分かった.
著者
飯島 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.420, pp.73-78, 2015-01-19

計算機可読な契約約款や法令のための視覚的モデリングとボキャブラリーについて述べる.法令表現には視覚的なルール表現を用いる.ボキャブラリーに関しては,本報告では,様相(モダリティ)について取り上げる.既にある契約約款や法令を解析するというよりも,先に視覚的言語でモデル化することで,契約約款や法令をモデルベール開発することを目的とする.これにより,より分かりやすい言葉で言い換えたり,他言語へ翻訳することを容易にするだけでなく,情報システムへの迅速な反映を目標としている.
著者
伊東 哲也 早川 正士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.377, pp.33-36, 1997-11-17

地震前兆の電磯気現象のうち、最も有効と考えられるのが (1) VLF送信局電波の電離層・大地導波管伝搬波による伝搬異常と(2) ULF電磁放射 (震源からの自然放射) が挙げられる。本報告ではインドネシアのビアク地震 (1996年2月17日、Ms〜8.0、深さ20km) に対して、(1)、(2)の観測項目の結果を報告する。先ず、オーストラリア(メルボルン)のオメガ電波を受けている千葉県犬吠観測所での観測データにも顕著な伝搬異常が発見されている。夜間での位相変動に顕著な前兆が現われている。次に、震央から90kmの地点に名大STE研のビアク地磁気観測所があり、それでの磁界3成分観測データ(1秒サンプリング)を用いてた解析から、ULF電磁放射についても報告する。一つの地霞に対して多項目の観測に開する異常解析は極めて少ない。
著者
山田 尚史 愛須 英之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.471, pp.43-48, 2008-01-21
被引用文献数
1

エレベーター群管理制御は乗客へのサービスを効率化するようにかごを割当てることが主な役割である。この効率化を図るためには、(1)現時点のかご割当がサービスヘ与える影響だけを考慮するのではなく、(2)将来までに亘るかご割当がサービスヘ与える影響を考慮する必要がある。この問題(2)に対して、将来までに亘り発生する複数個ホール呼びのかご割当問題を組合せ最適化問題として捉え、Aアルゴリズムを応用した群管理制御方法を提案し、その性能評価を報告する。
著者
松本 好太 橋本 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1549-1551, 2001-08-01
被引用文献数
2

本論文では, 電子レンジのドア部において, 抵抗皮膜をドアガラスに一体形成した場合のシールド効果の検討を, FDTD法を用いて行った. この結果, 面抵抗値の変化に対するシールド効果を定量的に確認するとともに, 実用性を考慮した場合の具体的な指針を解析的に示すことができた.
著者
HUANG Jiongtao HAGIWARA Masafumi
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on information and systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.82, no.7, pp.1117-1125, 1999-07-25

We propose a new associative memory named Multi-Winner Associative Memory (MWAM) and study its bidirectional association properties in this paper. The proposed MWAM has two processes for pattern pairs storage: storage process and recall process. For the storage process, the proposed MWAM can represent a half of pattern pair in the distributed representation layer and can store the correspondence of pattern and its representation using the upward weights. In addition, the MWAM can store the correspondence of the distributed representation and the other half of pattern pair in the downward weights. For the recall process, the MWAM can recall information bidirectionally: a half of the stored pattern pair can be recalled by receiving the other half in the input-output layer for any stored pattern pairs.
著者
舟阪 淳一 最所 圭三 福田 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.818-826, 1999-05-25
参考文献数
6
被引用文献数
4

NetNewsの配送記事量が増加してきており, 1日20Gbytesに達することもある. そのため記事の保存及び配送には大量のディスク及び回線資源が必要となってきている. 一方, 多くのサーバでは読まれている記事が全記事の10%に満たない. 従来のNetNewsシステムは全記事をコピーするので, 90%がむだな配送ということになる. そこで本論文では, 資源の効率的な利用のため下流のサーバをもたない末端サーバをキャッシュシステムに置き換え, 選択的に記事をコピーすることを提案し, NetNewsのアクセスパターンを考慮したいくつかのキャッシングアルゴリズムを提案し, 評価する. ログを用いたシミュレーションの結果, ニュースグループにより選択的にプリフェッチし残りの記事をオンデマンドキャッシュする方法が, キャッシュのヒット率とディスクの使用量のバランスを最も良くすることがわかった.
著者
大見 忠弘 柴田 直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.244-256, 1997-03-25
被引用文献数
5

単体トランジスタを極限まで小さくし, LSIの集積度をどんどん上げていくこと, これが現在のコンピュータハードウェア開発の基本である. しかしこれだけで, 果たして人間のように"しなやかに"ものごとを判断したり, 場合場合に応じて柔軟に適切な行動をとる, こんな情報処理システムができあがるのだろうか. 我々の答えは"NO"である. あらゆる電子システムの基本であるトランジスタそのものの機能を増大し, 基本素子のレベルから"しなやかさ"を導入することが必須であると主張する. 20世紀のエレクトロニクスは, 出力電流を単一の信号入力端子が制御するデバイス, つまりバイポーラトランジスタやMOSトランジスタ等の三端子デバイスによって作り上げられた. 21世紀の"人間としなやかに調和するエレクトロニクス"は, もっと自由度の高いデバイスを基本素子として要求している. つまり, 複数の信号入力端子が協調してその出力電流を決める新しい四端子デバイスである. 本稿では, ニューロンMOSトランジスタ(νMOS)を四端子デバイスの一例としてとらえ, しなやかな情報処理ハードウェアへの可能性を検証する.
著者
鳴海 拓志 佐藤 宗彦 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.375, pp.311-316, 2010-01-14

味覚は,化学的信号の組み合わせからだけではなく,温度や食感,視覚,嗅覚,記憶といったようなさまざまな要素の組み合わせから認識される.このような複雑さをもつゆえに,これまで味覚情報を提示するディスプレイに関してはあまり研究がなされてこなかった.一方でこのような味覚の特性を利用し,正確な化学信号の組み合わせを実現するのではなく,化学的信号とその他の刺激を同時に提示することで味覚を提示するアプローチを取ることも考えられる.本研究では,視覚と味覚のクロスモダリティを利用した味覚ディスプレイとして,LED光源を用いて飲料の色を変化させることで,飲料を飲む人が感じる味を変化させる手法について検討をおこなった.本発表では,そのような味覚ディスプレイの評価実験と,インタラクションを取り入れることによる応用の可能性について報告する.
著者
松村 幸輝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.870-880, 1998-05-25
被引用文献数
4

本論文は間欠性カオス写像を用いた移動障害物回避問題について検討している.本手法は, カオス的ゆらぎを利用して軌道制御を行うエージェント指向のロボットのモデル化を提案するものである.具体的には, 間欠性カオス写像を発生させる変形ベルヌーイ系のパラメータを変えることにり, ランダム性の強い制御から局所的に収束する制御まで容易に実現でき, より適切な軌道制御が可能になるものと考えられる.本論文では, この手法によるロボットの移動障害物回避のための軌道制御のモデリングについて述べると共に, シミュレーション結果からこの方法の有用性について検討した.この結果, (1)移動距離と消費エネルギーに関してロスが小さくなるような経路を通って障害物を回避する効率のよい軌道修正が可能となる, (2)複数の障害物で構成される複雑な環境においても簡単なアルゴリズムで適切な回避処理を実現できる, こと等を得た.
著者
清田 公保 中山 典子 藤澤 和子 井上 智義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.746, pp.19-24, 2004-03-18
参考文献数
4
被引用文献数
4

本研究では文字や言葉を十分に利用できない知的障害児のコンピュータリテラシー教育に関して,視覚シンボルとメディア情報を用いたコミュニケーション支援を提案し,知的障害児における情報処理教育の導入を試みる.コミュニケーション支援の完全な理想形態は,様々な障害を持つ人同士が必要とする情報を補完的に完備したシステムであるとの観点に立ち,画像や音声,テキストなどに等価な協調性を持たせた共通メディア情報言語の概念を新たに導入する.研究事例として知的障害児に対してコンピュータを用いた情報伝達の情報教育を目指し,視覚シンボルを媒体とした電子メールソフトを開発する.提案システムを児童に利用してもらった結果,視覚シンボルをコンピュータによる情報交換のメディアとすることによって電子メールの利用の可能性を見いだした.
著者
竹野 和彦 松岡 保静
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.393, pp.49-53, 2011-01-20
参考文献数
6
被引用文献数
1

現在,省エネ化や環境対策として研究開発が進められているスマートハウス向けの宅内電力センサーにスマートタップが広く検討されている.しかし,現状のスマートタップでは個別に設置が必要でコストの問題やデータ通信に課題がある.また,今後スマートハウス向けの蓄電池(リチウムイオン電池)を内蔵した機器も増えてくると予想され,その管理も必要になってくる.上記の課題を解決する方法ために,電力・電池管理のためのICを家電機器に組み込み方式による電力・電池管理技術の検討を進めている.本検討では,この電力・電池管理技術を電池パックに適用したスマートバッテリ技術をモバイル機器(携帯電話)に適用して,電力の測定や電池の管理技術に関しての検証手法を提案し,試作した結果を述べる.