著者
宇佐美 悠 豊田 健太郎 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.289, pp.19-24, 2014-10-30

人が直接検査を行うことが困難な橋脚等の構造物モニタリングの実現に,太陽光や振動といった環境エネルギーを電力に変換するエナジーハーベスティング(EH: Energy Harvesting)技術が注目されている.しかしながら,環境から収集できる電力は少ないため,センサ端末は長期間パケットを受信できないスリープモードで動作し,パケット到着率が低下するという問題がある.そこで本論文では,各橋脚に複数のセンサ端末が存在し,シンクがデータを収集するモデルにおいて,橋脚内のセンサ端末が協調して充電期間を制御することで,高パケット到着率を達成する方式を提案する.提案方式では,各センサ端末は充電後に一定確率で同一橋脚内のセンサ端末に充電状態に遷移させるためのビーコン信号を送信する.これにより,各橋脚内に1つも受信可能なセンサ端末が存在しない時間を短くし,パケット到着率を向上させる.さらに,各センサ端末は,同一橋脚内のセンサ端末が送信したパケットをオーバーヒアした後,次の橋脚内のセンサ端末に送信する.これにより,各センサ端末はパケット送信機会が増え,パケット到着率が向上する.本方式の有効性を示すため,計算機シミュレーションを用いて,各橋脚に同数のセンサ端末を配置した通常橋に加え,橋梁の中央の橋脚に向かうにつれて端末が少なくなるアーチ橋をトポロジモデルとして,パケット到着率を評価する.提案方式は従来方式と比較して,パケット到着率を向上できることを示す.
著者
草場 律 鵜澤 寛之 川村 智明 川合 健治 有川 勇輝 重松 智志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.142, pp.39-44, 2013-07-11

本稿では通信処理SoCの消費電力推定手法を提案する.提案手法は次の3つのステップから構成される.第1は消費電力に影響するビットレート,フレームレートおよび機能モードのようなパワーパラメータの抽出である.第2はいくつかの点でシミュレーションで求めた消費電力からパワーパラメータと1フレームあたりのエネルギーの関係の近似式(電力モデル)を作成することである.第3は近似式を用いて1フレームごとにエネルギーを加算することで消費電力を計算する.抽出した各パワーパラメータが消費電力にどの程度影響するかを実測で確認した.本手法とフル論理シミュレーションによる従来手法と比較を行い誤差±5%以内で計算速度は26,000倍になることを確認した.
著者
松井 靖浩 石井 雅博 山下 和也 唐 政
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.332, pp.23-26, 2007-11-12

視覚からもたらされる情報は他の感覚からもたらされる情報に優先して働く.しかし,最近の研究において視覚優位が崩れることがあることが知られるようになってきた.空間的な課題の場合は確かに視覚優位であるが,時間的な課題の場合は聴覚が優位に働くというのである.このことから,空間的であり,また時間的でもある運動の課題を提示した場合はどちらが優先するかという疑問が生まれる.そこで,本研究ではフラッシュラグ効果を発生させる際に聴覚刺激を提示することによって錯視量に与える影響を調べた.
著者
奥田 透也 末松 伸朗 林 朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.539, pp.17-22, 2008-03-03

本稿では四分木表現を利用したグラフカットに基づく画像分割法を提案する.画像分割をグラフカット問題として表し,グラフカットの多項式時間アルゴリズムを利用して画像分割を行う方法が近年注目されている.しかし,その方法では画像の各画素をグラフの頂点とするため,高解像度の画像を分割するためには多くの計算コストがかかる.そこで本稿では四分木表現で表された各画像領域を頂点とすることでグラフの規模を縮小し,計算コストの低減を行う.また,提案手法はある程度広がりを持つ画像領域の情報に基づくグラフカットであるため,1画素を頂点とする手法よりも高い精度を達成できる.また本稿では,提案手法の精度および速度の面における有効性を実画像を用いた実験により示す.
著者
小嶋 秀樹 仲川 こころ 矢野 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.472, pp.25-29, 2002-11-14
被引用文献数
2

ヒューマン=コミュニケーションは,互いに「心」の存在を想定し,「心」の状態を推定しあうことによって,互いに行動を予測・制御し,調整しあう営みである.本発表では,乳児と養育者のインタラクション発達を手がかりに,「心」の存在を感じる・感じさせるメカニズムとして,身体動作のリズムや方向性にもとづいて注意や活動の時空間的な配分を相互調整することを考察する.
著者
尾木 雄貴 大山 航 若林 哲史 木村 文隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CNR, クラウドネットワークロボット
巻号頁・発行日
vol.113, no.432, pp.95-96, 2014-02-06

本人確認は,個人情報の保護や不正アクセス防止に重要な問題である.そのため,安全性の高いバイオメトリクスへの期待が高まっている.その中でも署名照合はデータ取得に対する社会的受容性が高いため,数多くの研究が行われている.しかし,それらの多くは単一言語に特化している.本研究では,複数の異なる言語の署名に対して同じ手順を適用し異なる言語の署名に対しても性能が安定した署名照合の手法を提案する.提案手法では,1つのオンライン署名データから2パターンの画像を生成する.各画像から濃度こう配特徴を抽出し,それぞれのマハラノビス距離を求める.得られた2つのマハラノビス距離を新たに2次元特徴ベクトルとし,これをあらかじめ真筆,偽筆の2クラス分類を行うように学習させたSVMで識別する.この手法により,中国語8.87%,オランダ語8.90%の等価エラー率が得られた.
著者
山崎 恭 小松 尚久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.1335-1346, 1996-08-25
被引用文献数
22 7

個人の身体的特徴・特性の一つとしてオンラインで取得された筆跡情報に着目し, より信頼性の高い筆者認識手法の確立に必要となる新たな個人性の抽出手法を提案する. 従来の筆者認識研究では, 個人の特徴を反映するパラメータ (特徴パラメータ) が, 個人の特徴の現れやすい部分から抽出されたものであるか否かということは, 必ずしも問題とされていない場合が多い. これに対して筆者らの提案する個人性の抽出手法では, 複数のグループ (カテゴリー) に特徴パラメータを分類し, 個人の特徴の現れ方に応じて特徴パラメータに重み付けを施すことで, 従来よりも筆跡情報に現れる個人性をより明確化することが可能となる. また, 提案手法では, 字種への依存度を可変とする特徴パラメータを使用しており, 筆者照合方式へ適用した場合, テキストを固定する従来の署名照合方式に対し, 登録時と照合時に異なる字種を用いることの可能な, 字種選択の自由度が高い照合方式を構築することができる. 本論文では, 筆跡情報からの個人性の抽出手法を提案すると共に, 実際の筆記データを用いたシミュレーション実験により, 提案手法の信頼性を評価した結果について報告する.
著者
松浦 大祐 山内 仁 高橋 浩光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.1075-1083, 2002-06-01
被引用文献数
44

現在,高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems:ITS)及びその1構成システムであるAHS(Advanced cruise-assist Highway Systems)についての研究が盛んである.このAHSを構成する一つとして,道路カラー画像から道路標識を抽出・認識し運転者に注意を喚起するシステムが考えられている.本論文では,実用的な処理時間で円形道路標識を抽出可能な新しい手法を提案する.提案手法は,入力となる道路カラー画像から道路標識に使用されている色(特定色)を判別した後,その分布状況によって抽出処理の対象領域を限定することにより,処理時間の大幅な削減を図っている.更に,抽出領域に占める特定色の面積比率を利用することにより,抽出精度の向上と更なる処理時間の短縮を図っている.53枚の道路カラー画像を用いた評価実験の結果,94.7%の高抽出率を達成するとともに,平均処理時間が約2.18秒とほぼ実用的な処理時間を達成できることが示された.
著者
鈴木 紳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題
巻号頁・発行日
vol.94, no.98, pp.25-32, 1994-06-17
被引用文献数
4

関数近似問題は、層状ニューラルネットワークの計算能力を考える際に最も基本的な問題の1つである。この問題に対する従来の研究の多くは、非構成的な方法により近似ネットワークの存在を示すのみであり、近似ネットワークの構成や中間層素子数と近似誤差の評価についてほとんど寄与するものではなかった。本研究では,R^mで定義されR^nに値を持つ2π周期p乗ルベーグ可積分関数を近似する、シグモイド関数を中間層素子入出力関数とする3層ニューラルネットワークの構成を示し、中間層素子数と近似誤差を評価する。また、本結果はR^mの有界区間積集合上で定義されR^nに値を持つp乗ルベーグ可積分関数の近似に適用できる。本研究では、ニューラルネットワークの計算能力解明のための新たな1つの手掛りを与えるものである。
著者
中村 亮太 井上 亮文 岡田 謙一 市村 哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.79, pp.73-77, 2007-05-25
参考文献数
7

今日,就職の面接やお見合いなどで用いられる個人写真はスピード写真機や写真屋で撮影されることが多い.しかしながら,撮り直しができないことや気に入らない写真が出力されてしまうことが多いという問題がある.従来,画像認識による客観的な評価によって写真を選別する技術は存在するが,ユーザの好みなどの主観的評価を反映することはできていない.ユーザの好みに合った写真を的確に選ぶためには,ユーザの好みを推定する新たな仕組みが必要である.そこで本稿では視線を用いた顔写真の自動選別システムを提案する.本システムでは写真閲覧時の視線の軌跡を用いて好みの写真を自動的に選択することが可能である.
著者
塩見 英久 岡村 康行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.432, pp.305-308, 2015-01-22

コンピュータプログラムの総合開発コストを低減するにはPythonに代表されるスクリプト言語を用いるとよい。これまで、スクリプト言語はアルゴリズムの試験実装や比較的簡潔な式の計算などに好んで利用される傾向にあったが、スクリプト言語によるプログラムを高速に実行する技術が進展しつつあり、計算コストにおいてもコンパイラ型の計算言語と遜色ない程度に実行することが可能となりつつある。ここでは、代表的なスクリプト言語Pythonによる数値解析とその高速化に関して調査した結果を述べる。Python言語の3次元FDTDをモデルとした計算式への適用を例題として、各種の高速化手法を実際に適用して比較検討した結果を報告する。
著者
石丸 健二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.267, pp.39-41, 2009-10-30

海外の3DCG市場の近年の動向を弊社オリジナル企画海外営業の実績を交えて報告します
著者
中村 秩祥子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.442, pp.67-72, 2013-02-15

まず,英語俳句と日本語俳句についての相違点及び英語俳句の日本語俳句を踏襲している点を述べる.次に1982年から1992年の間に公表された北アメリカ英語俳句(North American English-language haiku)から佳作を選択して編集されたHaiki Momentの中の作品を対象に,作者が何らかの感銘を受けた風景をどのように言語表現し,それを解釈する読み手はどのように,その言語を解釈して共感を得るのかをSperber&Wilson(1995)による言語理論に基づいて分析していく.最後に,分析結果から英語俳句作品の特徴的な点をまとめる.
著者
西内 悠祐 上田 哲史 川上 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.186, pp.41-46, 2003-07-08
参考文献数
3
被引用文献数
1

トーラス(準周期解)はリミットサイクル(周期解)のネイマルク・サッカー分岐によって起こり,このネイマルク・サッカー分岐は3次元以上のシステムで存在する.しかし,3次元自律系システムでトーラスを実現することは非常に難しい.我々は変形BVP発振器という3次元自律系発振器でこのトーラスを発見した.本報告では,この発振器でみられたトーラスと分岐現象について説明している.
著者
小川 一美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.410, pp.37-42, 2003-10-31
被引用文献数
3

会話はダイナミックな相互作用であるため,二人の会話者によって作り出される相互作用そのものに注目する必要があると考え,Burgoon et al. (1995)による相互作用パターンの1つである返報性の観点から,二者の発話量の均衡が相手の会話者や会話に対する印象に及ぼす効果について検討することを目的とした.小川(2003)は,観察者という視点から,発話量の均衡が印象に及ぼす効果について検討しているが,会話場面における目標の違いなどから,観察者と会話者では異なる会話行動によって影響を受けることが考えられる.そこで,本研究では小川(2003)の結果と比較しながら,発話量の均衡が印象形成に及ぼす効果についてより詳細な検討を行った.
著者
片田 房
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.440, pp.7-12, 2015-01-23

コンピュータや情報通信環境のユビキタスによって進行するグローバル化の時代は,コミュニケーション推進主義と表裏一体の時代でもある.殊に理工系技術者がコミュニケーション能力を有することの重要性が認識され,非英語圏においては英語によるコミュニケーション能力の育成を緊急課題とする提言も多い.しかし,社会性やコミュニケーション能力の脆弱性の目立つ人口が急増しつつあるといわれる昨今の状況と,整合性のある提言であるかどうかは議論の余地がある.本稿では,コミュニケーション推進主義とコミュニケーションの脆弱性との間の乖離を巡る現象を考察する.更に,理工系学生の気質的傾向に関する実態調査に基づき,効果的な英語教育の方法とコミュニケーション能力開発との接点を探る.
著者
吉田 治生 山田 慈朗 井出 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-09-05
被引用文献数
2

ケーブル故障等の伝送路故障時や電源故障等のノード故障時はサービスに与える影響が大きいため、できる限り早くかつ効率的に復旧させる必要がある。このため、ATM網ではVCレイヤやVPレイヤでの制御法が盛んに検討されている。本稿では、ATM網において多重故障やノード故障等の大規模故障が発生しても対応可能な故障VP救済方法を提案する。
著者
松尾 真人 久保田 稔 板生 知子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.131, pp.31-36, 1997-06-23
被引用文献数
1

ユーザのネットワーク利用を積極的に支援する, 気が利くネットワークを提案する. 気が利くネットワークは, ネットワーク内の情報を活用し, ネットワーク側からユーザに積極的に働き掛けることにより, ユーザの目的・状況に応じて, 最高の条件で, ユーザが求めるものを提供する. これにより, ユーザは, ネットワークのオープン化や多様化に伴う選択肢の増大に悩まされることなく, 要求に応じたネットワークサービスが利用できるようになる. また気が利くネットワークの実現例として, 適応型ネットワーキングサービス環境DANSEを提案する. DANSEは, 個々のユーザにポータブルなユーザ環境を提供すると共に, プロバイダ〜ユーザ間のリソースの流通を活性化する.
著者
石原 昇 赤沢 幸雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, pp.280-281, 1995-03-27

マルチメディアを牽引として光通信システムの高性能化、小型化、経済化が精力的に進められている。今回我々は光インターフェス部のキーコンポーネントである光受信アンプ、識別再生・タイミング抽出回路について低電力化の検討を行い、無調整回路技術の考案、回路の3V化、超高速バイポーラプロセス技術(SST-IC)の適用により、156Mb/s動作が可能な消費電力15mW、最小光受信レベル29dBmの光受信アンプICおよび54mWの識別再生・タイミング抽出PLL-ICの実現に成功したので報告する。
著者
藤村 明子 小林 鉄太郎 森田 光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FACE, 情報文化と倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.720, pp.7-12, 2002-03-08

刑事事件の真相を解明していくには、市民から寄せられた情報が大きく役立つ場合がある。ところが現在は、情報提供した市民のプライバシが十分に保たれていないため、情報を提供することに躊躇する市民が増加し、捜査機関は十分な情報等が得られず、犯罪事実の解明が困難になっている。本稿では、市民が自らの匿名性を確保したまま捜査機関に対して情報を提供し、必要な場合を除いては、その個人情報が開示されることがない仕組みを提案する。