著者
高穂 洋 荒井 隆行 大竹 敢 田中 衛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.432, pp.13-16, 2002-11-06

株価の時系列データを用いて次期の株価を予測することは困難である.つまり,一因に株価の時系列データに有益でない成分が混在してることがあげられる.先行研究において,ローパスフィルタを用いて株価の時系列データから長周期成分を除去し,ニューラルネットワークにより予測を行ったところ,比較的正確な予測結果が得られた.本論文ではさらに日数の異なる移動平均線の比を求め,その周波数特性を検討し,バンドパス処理により予測に必要と考えられる特徴量の抽出を行った.また,提案方式による実験において従来の手法と比較し,より優れた予測性能が得られた.
著者
前澤 宏一 柴田 真吾 高岡 和央 森 雅之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.203, pp.19-23, 2010-09-06

周波数変調信号を用いたFMΔΣアナログ-デジタル(AD)変換器は,高分解能,高いダイナミックレンジが可能というΔΣAD変換器の利点に加えて,高周波動作が容易であるという利点もある.また,この方式は,入力信号をFM信号に変換することにより,容易にアナログ-デジタル変換が可能なため,様々なセンサ一応用が可能である.ここでは,コンデンサマイクロフォン白身を共振器の一部に用いて高周波のFM信号を生成することにより,音響信号を直接デジタル信号に変換できるMEMSデジタルマイクロフォンセンサの可能性について調べた.SU-8を用いた簡易MEMSマイクロフォンと個別デバイスによりプロトタイプデバイスを作製し,その原理動作を実証した.
著者
高橋 政樹 富澤 勇介 高井 昌彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.235, pp.11-15, 2011-10-06

書棚に大量に収納された図書から,目的の図書を短時間で発見するための効率的な手法が求められている.本研究では,画像特徴点マッチングにより目的の図書の配置場所を特定し,携帯端末を保持する利用者にその位置と移動経路を提示する拡張現実を用いた手法を考える.携帯端末でリアルタイム画像認識処理を実現するために各書棚に対向して配置された監視クライアントと協調的に連携させる.プロトタイプシステムの実装と動作実験を行い,その有用性と課題点を議論する.
著者
石川 洋 二木 厚吉 渡部 卓雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス
巻号頁・発行日
vol.98, no.295, pp.23-30, 1998-09-22
被引用文献数
3

並行システムの動作の詳細を把握するのは一般的には困難である.本研究では, 並行システムの例として有機的プログラミング言語GAEAをとりあげる.本言語は有機的プログラミングと呼ばれる新しいソフトウェア構築方法論に基づいておりプログラムの動的変更や並行処理が可能である.この言語はPrologを基礎としてるので並列論理型プログラミング言語と考えることができる.そこで本言語は並行システムとみなし, そのシステムの計算状態や動作の明示的な記述を試みている.その記述は状態を持つ並行システムの動的変化が表現可能な書き換え論理を用いて与えている.
著者
田中 聡久 山下 幸彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.37-42, 2000-04-20

画像の局所的な方向性に適応した重複直交変換(LOT)を提案し, 適応画像符号化への応用を示す.まず, 2MとMの2種類の長さの基底関数を持つ直交重複変換を考える.そして, 長い基底関数が与えられている場合, エネルギー集中性の意味で, 短い基底関数の最適解を導く.次に, この最適解を使って, 画像の局所的な方向性に適応した重複直交変換(OALOT)の定義を与え, その解と設計法を示す.計算機実験の結果, この変換がブロック歪みだけでなく, 強いエッジの周りに発生する高周波雑音も抑制することを示す.
著者
三輪 多恵子 田所 嘉昭 斎藤 努
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.9, pp.1965-1974, 1998-09-25
被引用文献数
51

近年の自動採譜の研究は, 異種複数楽器により演奏された混合音和音に対するピッチ推定および各楽器音の分離同定を目的とした研究へ, その対象が拡張される傾向にある.ここで, ピッチの推定には入力楽器音の周波数の分析が必要であり, 各楽器音の分離同定には各々の楽器音の抽出および特徴の判別が必要である.しかし, 各楽器音は固有の倍音成分を含み, 混合音和音ではそれらが複雑に重畳するため, 混合音和音の採譜は大変困難であり複雑な計算等が必要となる.筆者らは, 周波数領域において等間隔に零点をもち, 問題とされていた倍音成分の影響を回避できるくし形フィルタを用いたピッチ検出方法を提案した.本システムでは, くし形フィルタを用いて楽器音に含まれるすべての周波数成分を除去し, 零出力の検出によりピッチ推定を行うため, 楽器の種類と数に関係なくピッチが推定できる.本論文では, 各楽器が異なった音を演奏した場合を仮定して, くし形フィルタによる異種楽器和音の推定法と単一楽器音の分離する手法を提案し, その波形情報を利用した楽器判別法の可能性を示した.
著者
岡本 栄司 千石 靖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.642-645, 1993-06-25
被引用文献数
2

猛威をふるうウイルス : あなたのソフトは大丈夫ですか?
著者
白石 裕一 鈴木 亮太 田邊 正宏 熊本 剛 升田 康晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.390, pp.109-112, 2011-01-20

気象レーダ用アンテナとして,高速でビーム走査可能なアクティブフェーズドアレーアンテナが求められている.本稿では,GaN HEMTを用いたX帯アクティブフェーズドアレーアンテナ用の送受信ユニットを開発したので報告する.開発したユニットは,高出力のGaN HEMTと移相器を用いた送信回路,低雑音増幅器を用いた受信回路をそれぞれ8系統有しており,レーダ用アクティブフェーズドアレーアンテナとして必要な送受信機能を1つのユニットで実現するものである.このユニットにおいて,1系統あたりの送信出力がユニット出力端で平均約20W,GaN送受信ユニット合計送信出力として約160Wとなる送信性能を確認した.また,受信性能も良好な性能を有しており,その有効性が確認できた.
著者
鈴木 亮太 中田 大平 熊本 剛 佐竹 芳彰 菅藤 和博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.350, pp.65-69, 2008-12-05
被引用文献数
5

送信最終段にGaN HEMTを用いた高出力送信回路,および低雑音受信回路を各16系統内蔵し,それぞれの回路にMMICを用いた位相制御機能を付加した,X帯アクティブフェーズドアレーアンテナ用アンプユニットを開発した.パルス動作において1系統あたりの送信出力がユニット出力端で30W(全系統の合計送信出力480W)となる送信性能を確認し,さらに移相性能と受信性能についても良好な結果を得た.これにより,アクティブフェーズドアレーアンテナの高出力化が可能となる.
著者
山内 悠嗣 山下 隆義 藤吉 弘亘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.1125-1134, 2009-08-01
被引用文献数
5 12

本論文では,Boostingに基づく特徴量の共起表現による人検出法を提案する.既に,特徴量間の共起を表現する手法としてAdaBoostにより2値に識別した符号を複数組み合わせる手法が提案され,顔検出においてその有効性が確認されている.しかし,入力特徴がオクルージョンなどの影響によって,どちらのクラスとも言いがたい場合にも2値に識別して共起を表現するため,間違えた符号を組み合わせる問題がある.そこで,弱識別器の出力が連続値であるReal AdaBoostを用いて,出力を演算子によって結合した共起表現による人検出法を提案する.提案手法は,オクルージョンなどの影響を抑制することができるため,高精度な検出が期待できる.評価実験により,従来法と比較して誤検出率5.0%において検出率を約6.8%向上させることができた.
著者
邱 楓 中村 恵一 古宮 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.300, pp.31-36, 2012-11-10

漢詩は文字数が少ないが、守らなければならない制約が非常に多く、初心者では簡単に作成できないという現状がある。本研究では、詩語表(漢詩作成によく利用される語句のデータベース)を導入し、対話型システムを作成することにより、仮令中国語の文法と音韻(平仄、押韻など)が分からなくても、漢詩の制約に叶う語句の生成を可能にする漢詩推敲支援システムを提案する。
著者
岡本 卓也 長谷川 剛 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.384, pp.13-18, 2002-10-11
被引用文献数
2

現在のインターネットにおいては、Webプロキシサーバを経由したWebサーバへのアクセスが数多く存在する。Webプロキシサーバはその性質上、WebクライアントホストからのTCPコネクションおよびWebサーバへのTCPコネクションを収容しなければならないため、Webプロキシサーバにおいて効率的な資源管理が必要になる。そこで本稿では、Webプロキシサーバの高速・高機能化を実現するための資源管理方式を提案する。提案方式は、Webプロキシサーバの特性を考慮し、WebプロキシサーバがWebサーバからドキュメントをダウンロードする際に、各TCPコネクションのネットワーク状況に応じた大きさのTCP受信バッファを動的に割り当てる。したがって、ネットワーク帯域が大きいTCPコネクションにはより多くの受信ソケットバッファを割り当て、またネットワーク帯域が小さいTCPコネクションにはより少ない受信ソケットバッファを割り当てることが可能となるため、Webプロキシサーバの資源を効率的に利用することができる。本稿では、提案方式の有効性をシミュレーションを用いて検証した。その結果提案方式を用いることによって、Webプロキシサーバの特性を考慮した効率的な資源管理を行うことができ、資源管理をしない従来方式と比較して最大2倍のスループットが得られ、応答時間も約1/4に短縮できることを示す。
著者
渡邊 辰也 瀧本 英二 丸岡 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.707, pp.73-79, 2002-03-04
被引用文献数
4

ランダムプロジェクションは,高次元空間における任意の2点間のユークリッド距離が,高い確率で,射影先の低次元空間においてもほとんど変わらないという性質を持つ.ここで,ランダムプロジェクションは,各成分がそれぞれ独立にある確率分布に従うランダムn×k行列として定義される.本稿では,{-1,+1}上の一様分布U(-1,+1)を成分に持つランダム行列のユークリッド距離の保存性に対する評価を与える.この評価は,従来のものに比べて弱いものの,行列の各列については各成分が独立である必要はなく,4限定独立であれば成立するものである.一方,各列が3限定独立な分布に従う成分を持つランダム行列は,一般に距離の保存性を持たないことも示す.また,ランダムプロジェクションを半空間概念の学習問題に適用し,サポートベクトルマシンに匹敵する性能を持つ単純なアルゴリズムを与える.
著者
駒木 亮 山田 玲子 ヨンオン チェ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.165, pp.39-46, 1999-07-08
被引用文献数
1

第二言語音の知覚に及ぼす母語の影響を検討した. 韓国語話者と日本語話者の米語/r/,/l/音のききとり実験の結果を報告する. (1)/r/-/l/対立が含まれる音韻環境別のききとり難易度, (2)カテゴリー知覚, (3)/r/-/l/音知覚の手がかり, の各実験から,/r/、/l/音知覚における韓国語話者の優位性が示された. しかしどの側面においても同じように優位なわけではなく, 音韻環境別の難易度と母語との間に顕著な交互作用が見られた. そこで, 日韓両話者が米語/r/,/l/音をそれぞれの母語内でどのような音韻に対応づけているがという点に焦点をあて, 音韻環境別に知覚的同化の実験を行った. 第二言語音が同化する母語音および両者の適合度から外国語音対立知覚の困難度が予測可能であるという説明モデル, PAMに即して解釈することにより, 知覚的同化実験の結果が確かに音韻環境別のききとり難易度の実験結果と一致していることが確かめられた.
著者
神野 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.220-225, 2011-03-01
被引用文献数
4 1

光ファイバ当りの伝送容量は30年で1万倍以上の驚異的なペースで増加してきた.次期開発ターゲットは,チャネル当りのビットレート〜100Gbit/s,総伝送容量8〜10Tbit/s,周波数利用効率〜2bit/(s・Hz)が視野に入っているが,既存光ファイバの物理的な容量限界が顕在化しつつある今,伝送容量増加のペースにはさすがに陰りが見え始めている.一方,インターネットトラヒックは2年で2倍前後のペースで今後も増加すると見込まれ,近い将来,光ネットワークの容量不足が問題となるとの懸念が広がっている.本稿では,10年後のトラヒック需要に対しても経済的に収容するための光ネットワーク技術として,エラスティック光パスネットワークとその実現技術を解説する.
著者
高橋 朝英 田口 元貴 小林 良太郎 加藤 雅彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.12, pp.2058-2068, 2011-12-01

現在,ウェブサービスは広く一般に利用され,日常生活を行う上で欠かせないものとなっている.それに伴い,ウェブサービスが停止した際の社会的影響も大きくなっている.一方,攻撃対象のシステムのサービス提供を不能にするサービス妨害(DoS)攻撃が存在し,問題となっている.手動によるDoS攻撃では,サーバ側で攻撃と思われる通信を単純にブロックしていることが攻撃者に気づかれると,攻撃者は攻撃を別の手段に切り換えて対策を回避し攻撃を行ってくる場合がある.本研究ではこの点に着目し,DoS攻撃の一種であるHTTP-GET Flood攻撃に焦点を当て,この攻撃に対して一般利用者の通信をできるだけ生かしつつ,対策を行っていることが攻撃者に気づかれにくくなるようウェブサービス提供側で可能な対策の提案を行う.本対策手法では,仮想マシンを複数台使用することで資源の分離を行い,攻撃者と通常利用者の使用する資源を分ける.また,攻撃者が利用する資源の操作を行うことで,攻撃が成功しつつあるかのように見せる.更に,提案手法の実装を行い,実験を行うことで本提案手法の有効性を確認する.
著者
安本 護 池田 尚志 豊倉 完治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.423, pp.87-95, 1994-12-16

マルチメディア環境の進展に伴い、従来のような画一的なフォントだけではなく、多様なフォントデザインが求められるようになってきている。その中に、ユーザの個性を表現できる手書き風文字を望むものがある。しかしながら、日本語文書の表現には非常に多くの漢字が必要であり、これをユーザごとにデザインすることは事実上不可能である。そこで、我々は漢字の構造的特徴に着目し、漢字をへんやつくりなどの部分字形に分解し、その組合せによって手書き風フォントを自動生成することを考えた。本稿では、常用漢字1945文字を対象に入力された手書き文字データから基本部分字形及び漢字生成規則を抽出して個性的なフォントの生成を試みた。
著者
渡部 好美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.185, pp.57-60, 2013-08-16

煩わしい文字入力等を介さず直感的に操作できる編集キーの設計を行った。視覚認知を応用したデジタルのエスペラントのうち、方法を表すKeyを設計した。自然なインターフェイスのヒントを、言語ではなく人間の方法や行為から抽出した編集工学を元にした。高次の立体目次で構造照射マッピング検索に使用可能。このインターフェイスを介して情報弱者ケアを考える提案のうち、13編集キーと構造照射マッピングについての具体的な説明をする。これらの開発の目的はパーソナルな学習とビジネスをサポートすることである。
著者
保立 香織 山野 和恵 佐藤 浩史 原 俊介 大武 信之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.464, pp.17-24, 1997-12-20
被引用文献数
4

現在、様々な読み上げシステムが開発されており、これらのシステムを使うことにより、視覚障害者にとっての、電子化されたテキストの音訳による情報収集は、以前に比べ容易なものになってきた。しかし、数式を含むテキストを読み上げるソフトウェアはまだ開発されていない。そこで我々は、理数系高等教育における視覚障害者の学習を支援するために、LATEXでテキスト化された数式を含む文書を自動的に読み上げる「数式読み上げシステム」を開発した。さらに、日本語による数式読み上げにおける問題点を考察した。
著者
藤沼 祥成 横野 光 Pascual Martinez-Gomez 相澤 彰子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.367, pp.35-40, 2012-12-12

近年 Twitter を始めとする Consumer Generated Media (CGM) の発展により、正式な表記でないもの、いわゆる崩れた表記が増加してきた。特に日本語を処理する時に前処理として分かち書きを必要とするが、このような崩れた表記に対しては現在の自然言語処理ツールは対応できていない。本論文においては一つの単語、「おはようございます」に注目し、Conditional Random Field (CRF) を用いて崩された「おはようございます」を抽出した。また、「おはよう」がどのようなルールにて正式な表記から崩れた表記に変化するかを追究した。実験では「おはよう」に相当する部分の抽出と「おはようございます」に相当する全体の抽出を行った。実験の結果、共に 0.91 を超える F1 値で抽出できた。また「おはよう」に相当する部分に対しては「おはよう」からどのように変換されたかのルール抽出を行い、JUMAN7.0 にないルールを抽出できた。