著者
湯浅 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.52, pp.19-24, 2006-05-12

CMC (Computer Mediated Communication)とはコンピュータを媒介するコミュニケーションのことであり,Mail, BBS, Blog, SNS (Social Network Service)などの総称である.CMCは近年,爆発的に普及している.しかし普及に伴い例えば"フレーミング"や"コメントスクラム"などコミュニケーションにおいて様々な問題が生じている.本稿ではCMCにおける問題を分析し問題解決への指針を提案する.具体的なアプローチとしてコミュニケーションにおける"文脈"に着目したコミュニケーションモデルを考案し,その実装可能性について検討する.
著者
芳賀 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.151, pp.9-11, 2009-07-17
被引用文献数
2

安全技術の導入によりリスクが低下したと認知すると,人間の行動はリスクを高める方向に変化する可能性がある.このリスク補償行動の発生メカニズムをモデル化したものがWildeのリスクホメオスタシス理論である.Wildeによると,ドライバーは自らが持つリスクの目標水準と知覚された交通状況のリスクを比較して両者が等しくなるように行動を調節する.リスクホメオスタシス理論には賛否両論あるが,自動車の安全技術にはおそらくリスク補償行動が伴うであろう.したがって,自動車安全技術の開発と導入にあたっては,行動と技術のインタラクションを通した「ネットとしての」安全性を追求しなければならない.
著者
高野 敦子 平井 誠 北橋 忠宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.95, no.29, pp.25-32, 1995-05-12
被引用文献数
2 1

我々は,ユーザが自然言語を用いてシステムと対話することによってデータベースから情報を検索するためのユーザフレンドリーなインタフェースの提供を目指している.そのための基礎技術の1つとして,本研究ではユーザの検索文に対する協調的な応答生成手法を提案する.我々は,既に対話一般を対象として,質問文に対して協調的な応答を生成するモデルを提案している.そこで,ユーザの検索文を質問文と捉え,そのモデルをデータベース検索という観点から再構成することによって協調的な応答生成手法を示す.本手法では,検索者の意図を考慮することにより,検索の失敗への対応含めてより検索者の目的に合った応答の実現を図る.また,検索者の意図の実現や心理的要素を考慮して検索者にとって有用な情報を付加した応答を生成する.
著者
植田 泰士 神谷 年洋 楠本 真二 井上 克郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.863-871, 2003-12-01
被引用文献数
14 20

ソフトウェアの保守作業を難しくしている要因の一つとしてコードクローンがある.コードクローンとは,ソースコード中の同一,または類似した部分を指す.あるコード片にバグが含まれていた場合には,そのコード片のコードクローンすべてについて修正の是非を検討する必要がある.しかし,大規模なソフトウェアの場合,それらすべての箇所を手作業で発見し,修正の是非を検討することは非常に困難である.本研究では,コードクローン検出ツールCCFinderの検出結果を利用したコードクローン分析環境Geminiの構築を行う.本システムは,開発保守におけるコードクローンの利用を支援するため,コードクローンの位置情報の視覚化,コードクローンに関するメトリックス値の算出,及び対応したソースコードを参照する機能を備える.本システムを実際のプログラムに適用することで,特徴的なコードクローンなどを抽出できることを確認した.
著者
加藤 宏明 津崎 実 匂坂 芳典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.97, no.587, pp.15-22, 1998-03-06

聴取実験により, 促音, 撥音, 無声化母音, 長母音などいわゆる特殊拍を含むセグメントの時間長変動に伴う知覚的な歪みがどの程度許容されるかを調べた.特殊拍を特徴付ける2つの要因, つまり母音・子音などセグメントのタイプと, 拍数の違いなどによるセグメント持続長のバリエーションに着目し, 通常拍との比較を行なった.その結果, 前者の要因の効果が, 母音, 鼻音, 摩擦音と無音の順に許容される変動の範囲が広がるという傾向で, 後者は, 短い持続長より長い持続長の方が許容範囲が広いという傾向として現れた.さらに, セグメントタイプと持続長の要因の交互作用も見られた.母音タイプの方が摩擦音タイプよりも持続長の効果が大きかった.以上の結果に介在する知覚メカニズムを, 音韻固有のラウドネスや持続長の違いに基づく時間長弁別能の違いと, 拍数など音韻論上の構造の内的処理との関係において論じる.
著者
松田 晃一 上野 比呂至 三宅 貴浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1675-1683, 1999-10-25
被引用文献数
36

最近のコンピュータ技術とネットワーク技術の進歩により,サイバースペースを実現するための基盤が整ってきた.このような環境の中,3Dのマルチユーザ仮想空間の実用化研究がなされ,参加したユーザが同じ仮想空間内で同じ体験を共有できるメディアとして実現されてきた.今後の重要なステップとしては,このメディアを仮想社会にまで昇華させることである.我々は,これまで開発してきたCommunityPlaceシステム上に,パーソナルエージェント指向の仮想社会PAW(Personal Agent World)を構築し,数百人の同時アクセス,数千人の延べアクセスを目標とした大規模仮想社会の実験を行ってきた.PAWは,アバタとテキストなどによるコミュニケーションという従来の仮想空間のもつ機能に加え,ユーザと一緒に行動する犬型のパーソナルエージェント,社会的・環境的なインフラストラクチャをもつ仮想社会である.本論文では,PAWのインターネット上での公開実験に関して,その設計方針,ユーザプロファイル,特性,コミュニティについてその結果を報告し,今後の課題について考察する.
著者
山下 清貴 和久屋 寛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.101, pp.85-90, 2008-06-26
被引用文献数
3 3

ホップフィールドネットワークは,組み合わせ最適化問題の解探索法としての有効性が知られているが,必ずしも最適解が求まるわけではない.近年,その対策法として仮想磁場漸弱法が提案されており,先行研究によれば,仮想的な磁場パラメータを導入し,その極性反転によって正答率が改善するという報告がある.そこで本研究では,ネットワークの振る舞いを状態遷移の可視化表現とエネルギー関数の形状に着目して観察することにより,その動作メカニズムについて検討した.その結果,仮想磁場パラメータにはニューロン出力の切り替わる臨界値が存在し,仮想磁場パラメータの極性反転による正答率の改善は,この臨界値を超えることでニューロン発火の容易さを制御したためであることを明らかにした.
著者
神原 浩平 光山 和彦 中川 孝之 池田 哲臣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.188, pp.157-162, 2008-08-20
被引用文献数
8

800MHz帯FPU (Field Pick-up Unit)システムは,マラソン中継などの移動映像伝送に用いられている.現在,筆者らはより高画質で途切れにくい次世代システムを目指してMIMO伝送技術および誤り訂正技術の研究を行っている.LDPC符号はその高い誤り訂正能力から近年注目されており,中でもLDGM構造のLDPC符号を連接した直列連接LDGM (SCLDGM:Serially-Concatenated Low-Density Generator Manix)符号は,LDPC符号の短所である符号化演算量およびエラーフロアの両方を低減可能なため,大容量伝送で非常に低いビット誤り率が要求される次世代FPUシステムに適用可能である.本稿では,LDGM符号のLDGM部の列重み1の比率を可変する新しいLDGM構造を提案し,このLDGM構造を用いてSCLDGMに適した符号設計を行うことにより,既存のLDGM構造を用いたSCLDGMよりも優れた特性が得られることを示す.
著者
山田 奈津子 箱田 裕司 中村 知靖 湯田 恵美子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.563, pp.29-33, 2000-01-20
被引用文献数
1

本研究では, 視覚的刺激(顔)と聴覚的刺激(声)という複数の手掛かりを情報として用いた場合の印象形成と, 単独の情報(顔または声)による印象形成との間に違いがあるのかを, 因子分析によって抽出された共通のパーソナリティ因子である「活動性」「社会的望ましさ」の2次元において観察し, 知覚の分野で有力な視覚的刺激優位仮説(マガーク効果)と印象形成との関連性を調査した.また, 顔と声という異なるモダリティーの評定尺度をそろえることで, マルチモダリティー間の印象形成の相違を直接比較した.その結果, 顔と声による印象形成においての視覚的刺激優位性は頑強なものではなく, とりわけ, 顔と声のパーソナリティ的属性(高-低)が不一致である場合において, 聴覚的刺激(声)が人物の印象に強い影響を与えていたことが示唆された.
著者
宮下 和巳 西村 寿彦 大鐘 武雄 小川 恭孝 鷹取 泰司 長 敬三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.86, pp.13-18, 2002-05-17
参考文献数
12
被引用文献数
92

MIMOチャネル情報が送信側で既知の場合,固有ベクトルを用いたマルチビーム形成により直交チャネルを形成し,注水定理による送信電力制御を行うことで,チャネル容量を最大とすることができる.ここでは,この概念に基づき,固有ビーム空間分割多重(E-SDM)方式を提案し,計算機シミュレーションにより従来のSDM方式との比較を行った.その結果,送信素子数5,受信素子数2の場合において,平均誤り率10^-3で約10[dB]の利得が得られることが明らかとなった.
著者
野村 祐基 磯村 太郎 板井 陽俊 安川 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.239, pp.73-77, 2007-09-21
被引用文献数
2

近年,歩行足音を用いた個人識別に関する研究が進められている.従来の研究では特徴量抽出を中心に議論されている場合が多い.著者らは歩行足音のスペクトルに対してDPマッチングを適用することで個人識別が可能であることを示した.しかし,観測波形に含まれる足音の開始位置を既知として足音部分の波形を切り出して処理している.本稿では足音の開始位置が未知とした場合のリアルタイム処理を考慮したDPマッチングによる識別方法を検討し,その結果を示す.
著者
中澤 仁 米澤 拓郎 徳田 英幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.418, pp.249-254, 2015-01-26

ウェブ空間には、大気汚染物質量や渋滞情報、駐車場の空き情報などを初めとして、現実空間に関連した膨大な量のデータが存在する。しかし多くのそれらはウェブ空間に埋没していて、容易にアクセスできない上に、定期的に更新されて古いデータが消えていく。このような、ウェブ空間に埋没した有益なデータ(ウェブ埋没データ)を発見、発掘、および再生するために、我々はSensorizerアーキテクチャに関する研究を進めている。同アーキテクチャでは、クラウドソーシングを活用してウェブ埋没データを発見し、ヘッドレスウェブブラウザを用いて周期的なスクレイピングを実現した上で、XMPPを用いて抽出されたデータを配信する。本稿では、Sensorizerアーキテクチャの概要を述べた上で、実現可能なアプリケーションと評価について述べる。
著者
中澤 仁 米澤 拓郎 徳田 英幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.418, pp.249-254, 2015-01-26

ウェブ空間には、大気汚染物質量や渋滞情報、駐車場の空き情報などを初めとして、現実空間に関連した膨大な量のデータが存在する。しかし多くのそれらはウェブ空間に埋没していて、容易にアクセスできない上に、定期的に更新されて古いデータが消えていく。このような、ウェブ空間に埋没した有益なデータ(ウェブ埋没データ)を発見、発掘、および再生するために、我々はSensorizerアーキテクチャに関する研究を進めている。同アーキテクチャでは、クラウドソーシングを活用してウェブ埋没データを発見し、ヘッドレスウェブブラウザを用いて周期的なスクレイピングを実現した上で、XMPPを用いて抽出されたデータを配信する。本稿では、Sensorizerアーキテクチャの概要を述べた上で、実現可能なアプリケーションと評価について述べる。
著者
川畑 勇馬 藤坂 尚登 神尾 武司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.271, pp.181-186, 2013-10-21

電磁波検出と電子波レンズの簡単な量子系モデルに対してネルソンの確率過程量子化を適用し,集中定数型モデルを作成した.モデル化された電子の軌跡は電磁波検出器に対しては電磁場によるエネルギー状態の励起がみられた.また,電子波レンズに対しては屈折現象が確認できた.さらに,電子の軌跡から得られた存在確率密度はシュレディンガー方程式の波動力学が予想する結果とほぼ一致し,波動系と粒子系の対応が認められたので報告する.
著者
鴨井 好正 沼波 秀晃 大石 進一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題
巻号頁・発行日
vol.96, no.208, pp.1-8, 1996-07-27

本報告では, 浮動小数点数を用いて, 高速な演算が可能な精度保証ライプラリを提案する. 浮動小数点演算の際に起こる丸め誤差は, 丸め方向を強制的に変更できる. これを利用すると, 区間の上限と下限に浮動小数点数を使っても, 四則演算結果の真の値を含む区間演算を行なうことができる. この区間演算をもとにした精度保証ライプラリを, C++言語によって作成した. 精度保証付き数値計算では様々なタイプのデータ型間の演算が行なわれるので, C++言語の演算子多重定義の機能を有効に利用して, プログラム開発が極めて容易になるように工夫している.
著者
飯塚 重善 小川 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.306, pp.55-60, 2005-09-26
被引用文献数
1

インターネット利用者(Webサイト閲覧者)が, Webサイト利用時に重視する要因を抽出するため, 「The Stanford Web Credibility Survey」をベースにした, Webサイト利用時の重要項目抽出調査を行い, Webショッピング利用者, 非利用者それぞれについて, 重視する要因を抽出した.その結果, Webショッピングの利用経験に関係なく, 「使いやすさ」がWebサイト利用可否の判断に重要な要素であることが確認できた.また, Webショッピング利用者にとっては, サイトの「知名度」が重要な要因であったことが確認できた.本稿では, 今回の調査結果について示す.
著者
大屋 紀和 村田 健史 木村 映善
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.508, pp.13-18, 2006-01-06

本研究では, 肢体不自由者や視覚障害者, 聴覚障害者のための福祉地理情報データベースとデータベースを活用したWebマップシステム設計開発を行う.本研究ではまず, 障害者が外出時に必要とする項目の聞き取り調査を行った.本システムでは, これらの項目を5つのXMLにより表し, XMLデータベース管理システムにより管理する.XMLデータベースとして管理することにより, 福祉情報の取り扱いや情報更新への対応が容易になる.さらに, データベース化した福祉情報をWebマップを通じて公開する.Webマップは, 広領域はGoogle Mapsを用い, 狭領域はSVGを用いた.本システムにより, 障害者や生活弱者が必要とする情報を手軽に入手することができる.
著者
石端 恭子 西木戸 友昭 上島 博幸 松原 直樹 斎藤 裕 稲垣 正司 杉町 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, no.1, 2006-09-07

心臓ペースメーカやICD (植込み型除細動器)等の植込み型医療機器において,無線通信により外部機器とのデータ(心電図などの医療データ,医療機器の制御プログラム等)送受信を行うことで,医療従事者の行動や患者の姿勢に対する制限の解消,治療時間の短縮など患者に対する負担の軽減が見込まれている.欧米では,400MHz帯を使用周波数とした規格が整備されており,日本でも同周波数帯での導入が検討されている.また,2.4GHz帯を利用した人体内外の無線通信システムとして,人体植込み機器用アンテナの研究も行われている[1].本検討では,400MHz帯を利用する植込み型医療機器に搭載するアンテナとして微小ループを用い,人体ファントムに植込まれた状態における放射特性及び,植込み位置を変化した場合の利得の変化傾向を実験により把握した.
著者
阿部 悌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.96, no.599, pp.119-126, 1997-03-19
被引用文献数
1

高度化する文書認識/再現技術において文字画像に対して文字コードのみならず、そのフォントやサイズを識別する技術が求められている。フォント識別技術は文書画像の忠実な再現やOCRの辞書の切り替え、キーワードの自動抽出といった応用に対して非常に有用である。本報告では識別対象のフォントを明朝体とゴシック体に限定し、文字種毎の辞書や文字コードの情報を使わずにこれらを識別する方式を提案する。ランレングスヒストグラムやストロークの幅とその変化率、セリフの抽出など様々な特徴量を用いたロバストな方式となっている。本方式を多くの文書画像データベースに対して実験を行ない、その有効性を検証した。
著者
本島 邦行 吉澤 将一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.2, pp.497-501, 2009-02-01
被引用文献数
2 5

近年,地震に先行して発生する電磁気学的な現象が注目されている.本論文では,見通し内にあるVHF帯放送波を470日間にわたって常時観測し,得られた受信電界強度変化を統計的に解析した結果と電波伝搬路近くを震央とする地震発生との関連性を考察する.