著者
皆川 昇子 中澤 仁 徳田 英幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ASN, 知的環境とセンサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.166, pp.1-5, 2014-07-23

GPSやセンサ搭載のモバイル端末の普及により,多くの端末から収集した位置,環境,ユーザ情報を解析し,様々な統計情報を取得可能なモバイルセンシングが注目を集めている.しかし,データを提供したユーザのプライバシが侵害される恐れがある.そのため,プライバシ保護手法の提案と評価を行う.本提案手法は次の特徴を持つ.端末側はセンシングデータとは異なるデータをある規則に従い選択し,サーバへ送信する.サーバ側はその規則を利用して実際の統計情報を再構築できる.このとき,サーバは個々の端末のセンシングデータを知り得ないため,ユーザのプライバシが保護される.さらに,既存手法と比較し,再構築における精度が向上することをシミュレーションにより示す.
著者
齋藤 毅 後藤 真孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.100, pp.1-6, 2009-06-18
被引用文献数
2

歌唱指導による歌声中の音響特徴の変化を分析し,その変化が歌唱力評価与える影響を調査した.3名の男性アマチュア歌唱者が歌唱指導を受ける前,及び後に収録した歌声(歌謡曲歌唱)を対象に,歌声特有の各種音響特徴を分析した結果,歌唱ホルマントに類似した3kHz付近のスペクトルピークの生起,及びF0変動成分であるオーバーシュートとヴィブラートにおける特性の変化を確認した.聴取実験によってF0情報及びスペクトル情報の変化に対する歌唱力変化を調査した結果,F0変化を指導前から指導後のパターンに変化させた場合の方がスペクトルを変化させた場合に比べて歌唱力の向上が大きい結果となった.また,個々の音響特徴の歌唱力評価への寄与度を比較した結果,ヴィブラート,歌唱ホルマント,オーバーシュート,プレパレーションの順で大きいことが明らかとなった.
著者
楊 雲輝 坂田 和実 鈴木 文明 新貝 鉚蔵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.685, pp.137-139, 2001-03-15

線虫 Caenorhabditis elegansのシナプス結合は、White らの電子顕微鏡を用いた研究によって明らかにされている。線虫の頭部にある神経環では、神経突起が環状に密集し多数のシナプス結合が存在し、その周囲には多数の神経細胞が存在する。これまでの種々の実験結果から、神経環・それを構成する神経細胞群が C. elegansの中枢機能を果たしていることが示されている。本研究では、White らのデータを利用し、更にC. elegansと類似の神経回路を持つAscaris suumの電気生理学データを基にすることで、神経環回路のシミュレーションを行った。
著者
森本 龍太郎 松宮 雅俊 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.716, pp.103-110, 2001-03-15
被引用文献数
1

地形モデルを生成するためのモデリングシステムでは,ユーザの思い通りの多様な地形を容易に生成できる必要がある.本研究では,この要求を満たすために,没入型仮想環境と3次元操作可能なペン型デバイスを用いることで,直感的で対話的な操作による地形モデリングシステムを提案する.提案環境は,傾斜型ディスプレイを表示装置として用いることで,ディスプレイ面による2次元平面と,ディスプレイ上に映し出された映像を立体視した3次元空間により構成される.ユーザはこの2次元平面に対して地形の外観の特徴を表した図形を描画し,この図形を3次元空間に直接引っ張り上げ,斜面の傾斜具合を設定することで地形のモデリングを行なう.本稿では,提案するモデリングシステムについて詳しく述べ,実際のモデリング結果と実験によって本研究の有効性を検証する.
著者
住谷 美登里 福島 幸子 福田 豊 瀬之口 敦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.218, pp.1-6, 2005-07-22
被引用文献数
2

日本国内空域では、現在29,000ft以上を飛行する航空機の垂直方向の管制間隔は2,000ftである。航空交通量の増加に対応するため、2005年秋に日本国内空域において29,000ft以上の垂直間隔を2,000ftから1,000ftに短縮するRVSM(短縮垂直間隔)が導入される予定である。航空機は出発前に巡航する高度を要求する。他の航空機との水平方向の間隔を確保するため要求高度とは異なる高度を管制機関から承認されることがある。RVSM導入により、このような場合において要求高度と承認高度の差である高度変更量が小さくなることが期待される。そこで、羽田、成田空港からの出発便が通過する地点での航空交通量、要求高度と承認高度について調査した。また簡単なモデルにてRVSM導入時の高度変更量の推定を行ったところRVSM導入前と比較して高度変更量が1/2以下になった.
著者
山中 直明 大木 英司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.566, pp.1-6, 1999-01-28

ユーザのPCの蓄積能力が大幅に向上し、ディジタルビデオのコンテンツを配信するプッシュ型サービスが中心となった次世代ネットワークのアーキテクチャを提案した。コンテンツの識別子(コンテンツID)をユーザが網内の各ノードに定義し、各ノードは配下にこのコンテンツを転送すべきか否かでフィルタリングする(テーブルルックアップ)。転送は、すべてシェアードメディア型のブロードキャストセレクションで行い、各網リソースは、一時的には1つのコンテンツをフルスピードで転送するために占有されるバースト転送型のネットワークを提案する。
著者
佐藤 勝彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.1, pp."SS-23"-"SS-24", 2010-03-02

日本の携帯市場にもGoogle社のAndroidやApple社のiPhone OSなど,世界を席巻する新たな携帯端末やそのプラットフォーム技術が参入し,技術動向や展開戦略が注目されている.また,Windows MobileやSymbian, Linuxなど既存のプラットフォームがモバイルマルチメディアへの期待やユビキタス社会のニーズや変化を受けて今後どのように進化していくのかにも注目が集まっている.このような状況の中で,本講演では,今後の携帯電話における端末開発はどう変わっていくのか,またモバイルマルチメディアライフを実現するために端末プラットフォームはどうあるべきかについて議論する.講演者は株式会社ユビラボにおいてAndroidをべ一スとした開発業務に携わっているため,その経験を生かし,技術開発者の立場から意見を述べる.これにより,携帯端末プラットフォームに求められる技術や課題,方向性を明らかにすることを目指す.
著者
鈴木 規之 津田 徹 齋藤 利文 森山 京平 ザモーラ ジェーンルイ フレスコ 樫原 茂 藤川 和利 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.384, pp.49-54, 2012-01-12
被引用文献数
1

大規模災害時において,建物の倒壊や負傷により移動できない被災者を救出するためには,発生直後から如何に迅速な救助活動を行うかが重要となる.しかし,災害時には,既存の通信インフラが使用できないため,被災者の情報を入手することが困難となる.そこで,本稿では,各ユーザのスマートフォン間で蓄積運搬転送型通信を行うことで,被災者からの救助要請メッセージを伝搬し,救助者が被災者の状態や位置を把握できるアプリケーション(SOSCast)の設計を提案し,実装する.SOSCastは救助要請メッセージに含まれている被災者のGPS情報と,救助要請メッセージの受信者のGPS情報を用いて,多くの救助要請メッセージを収集することで,被災者の位置の把握を行うことができる.また,プロトタイプシステムを用いた実験評価では,被災者のGPS情報が誤差を含んでいる,または取得できない場合においても,受信者のGPS情報をもとに被災者の位置を推測できることを示した.
著者
加藤 稔 久原 理央 森 澄人 今崎 充智
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.132, pp.17-22, 2014-07-03

近年のクラウドサービスでは,テナントのユーザが自由に自身のネットワークトポロジを仮想化環境上に構築でき,複数のテナントが同じIPセグメントを重複作成しても通信制御が可能となっている.この技術は,通信制御ノードがネットワーク名前空間を用いることによって実現している.しかし,ネットワーク名前空間は,ノード固有のOSカーネル空間に作成されるため,他ノードと共有することができず,故障した通信制御ノードに収容されていたネットワーク名前空間を使用するテナントは,他の通信制御ノードが正常であっても通信できなくなる.したがって,このネットワーク名前空間を用いる通信制御ノードは,通信システムにおける単一故障点となり得る.本稿では,OpenStackのネットワーキングコンポーネントであるNeutronを使用した,ネットワーク名前空間を用いる通信制御ノードにおけるフェイルオーバ手法について検討し,テナントの通信遮断時間を短縮するための新たな高可用基盤を提案する.
著者
樋口 三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.260, pp.59-60, 2014-10-11

プログラミング課題を,テスト入力に対する出力に基づいて裁定することを考える.乱数を利用するランダムアルゴリズムを含むプログラムの場合には,統計的検定に基づいて採点する方法,乱数発生ユニットとその処理を行うユニットに分割して採点する方法が考えられる.連続乱数発生器の採点方法を提案する.
著者
溝渕 翔平 西村 竜一 入野 俊夫 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.52, pp.279-284, 2014-05-17

本研究では通常歌唱をグロウル系統の歌唱音声の印象をもつ音声に変換するシステムの検討を行っている.先行研究では簡単な信号処理で歌唱音声にグロウルらしさを付与する方法が提案された.本報告では提案手法で用いる特徴付与のパラメタを対話的に操作し,歌唱音声にグロウルらしさを付与するGUIについて紹介する.提案手法は時間変調による基本周波数の高速な時間振動の付与,FIRフィルタによる処理範囲に共通した帯域強調処理,及び近似時変フィルタによる第3フォルマント周辺の高速な時間変調の付与の3つより構成されている.提案手法は変換処理に分析・合成を必要としないためリアルタイム処理を可能とし,ライブで一種のエフェクターとして用いることが出来る.GUIの開発は主にデモやポスターセッションの場で本手法による処理内容と処理の影響について直感的理解を促すことを目的としている.開発したGUIは実際にポスターセッションの場で操作し,操作性やデザイン性についてコメントを頂きたい.
著者
中川 裕太 河野 恭之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.113, no.51, pp.39-44, 2013-05-10

通常の自撮り写真ではカメラのレンズと撮影者自身との距離が最長でも腕の長さに制限されるため背景を広く写しこむことが難しい.自撮り写真の背景を広く映し込むことは写真の情報量を多くするだけではなく,1枚の写真で撮影者自身の様子と周囲の状況を見栄え良く伝えられるため,SNSへの投稿など体験の記録や共有に効果的である.本研究では自撮り動画像から人物領域を抽出し,背景のみを繋ぎ合わせた背景パノラマ画像と人物のみの画像を生成して重ね合わせることで従来では撮影しづらかった背景が広く写った自撮り写真を生成する手法を提案する.自撮り動画像はカメラを持った腕を前方に伸ばして撮影者が写り込むようにし,カメラは撮影者自身に向けたまま身体が中心軸になるように腰を回転させて撮影するものとする.この撮影方法で得られた動画像中の背景領域は横軸方向へ変動するのに対し人物領域はほぼ変動しない.この変動の差異を動画像中の特徴点移動量と分割ブロックごとの輝度の時間軸変動から検出して人物領域を推定し,残りの背景領域を背景の移動量に合わせて重ね合わせた背景パノラマ画像に貼り合わせることで自撮りパノラマ写真を生成する.
著者
大久保 貴之 辻 純一 徳永 憲洋 古川 徹生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.480, pp.381-386, 2009-03-04
被引用文献数
1

本研究の目的は,ダイナミクスの「集合」を扱うニューラルネットワーク(Multi-Dynamics Learning Network:MDLN)を開発することである.このMDLNには次の3つの機能を求める.i)教示されるダイナミクスの可観測状態変数から,非可観測状態変数とそのダイナミクスを推定すること.ii)推定するダイナミクス間の順序づけを行うこと.iii)順序づけしたダイナミクス間の内挿補間を行うこと.本論文ではこれら3つの機能を満たすMDLNの実現において既存のアプローチでは限界があること,その理由と解決方法について議論する.そしてシミュレーションを行い,われわれの主張する論理の整合性を検証したので報告する.なお本研究では,既存のアプローチにとしてRecurrentNeural Network(RNN)を機能モジュールとするモジュラーネットワーク型SOM(mnSOM)とParametric Bias(PB)法を用いたRNNPBの2つのニューラルネットワークを用いて検証を行った.
著者
今川 直樹 中垣 淳 宮永 喜一 吉田 則信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.573, pp.51-56, 2001-01-17

音声信号のスペクトル推定法として、線形予測法があげられる。従来の線形予測法では、女性や子供の声などのピッチ周波数の高い音声信号を分析する場合、ピッチの影響を受けることによって必ずしも正確なスペクトル包絡の形やホルマント周波数を推定できるとは限らなかった。したがって、ピッチの影響を取り除くことが重要になってくる。本論文では、線形予測法によって音声信号のスペクトル包絡を推定する過程の中で、ケプストラム分析を用いることによって、入力音声信号のピッチの影響を取り除いてからスペクトル包絡を推定する手法を提案する。本論文のスペクトル推定法を用いてピッチ周波数の高い子供の声を分析すると、従来の線形予測法に比べてより精度の高いホルマント周波数の推定ができる。
著者
齋藤 大輔 松浦 良 朝川 智 峯松 信明 広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.406, pp.189-194, 2007-12-13
被引用文献数
6

本報では,ケプストラムベクトルの方向成分が声道長の変化に対して強く依存していることを理論的,実験的に示す.さらにこの依存性がn次元のケプストラム空間における回転として表出されることを示す.音声認識の研究においては,年齢や性別の違いといった歪みを取り除くため,声道長正規化(VTLN)とよばれる技術が広く用いられている.VTLNはスペクトルドメインにおける周波数ウォーピングによって実現されるが,ケプストラムドメインでは線形変換c=Acとして表現する事ができる.しかしこの変換行列Aの幾何学的な性質に関しては今まで十分に議論されてこなかった.本研究ではn次元空間における幾何学を通して,これらの変換が全てのケプストラムベクトルをおよそ等しく回転させる事を示す.さらに分析再合成音を用いて,実際にケプスラムベクトルが回転している事を実験的に確認した.身長180cmの話者と身長120cmの話者を比較した場合,そのケプストラムベクトルがおよそ直交していることがわかった.本報の結果から従来の音声認識システムが子供の声のような特異音声を苦手とする一因を定量的に示す事ができた.
著者
佐藤 弘康 白井 宏 ヘイマン E.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.78, no.10, pp.439-447, 1995-10-25
被引用文献数
3

等方性インパルス状線電流源によって励振された電磁波が,誘電率の異なる媒質の直線境界平面に入射して作る散乱電磁界について,STT(Spectral Theory of Transients)法によって定式化し,厳密解を求めている.こうして求められた解は,他の方法によるものと一致することが確認され,過渡散乱波を構成する空間スペクトルの特異点の重要性について述べている.更に数値計算によってインパルス波の伝搬のようすを視覚的にとらえやすい形に表現し,直接波,反射波,透過波および頭波のそれぞれの波面が伝搬するようすについて明かにした.
著者
鈕 龍 [マツ]本 真佑 佐伯 幸郎 中村 匡秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.110, pp.73-78, 2014-06-19

近年,センサ技術や無線技術の飛躍的な進歩に伴い,屋内測位システム(Indoor Positioning System,IPS)の研究が盛んである.また,屋内位置情報を用いた屋内ロケーションアウェアサービス(Indoor Location-Aware Service,InLAS)に注目が集まり,いくつの実用化事例も登場している.しかしながら,現状では,IPSとInLASが密結合しているため,InLASが複雑化し開発効率が低下してしまう.先行研究で,IPSで得られる屋内位置情報をその目的や用途,推定手段に依存せずに,中立的に表現するためのデータモデルData Model for Indoor Location(DM4InL)を提案している.本研究では,DM4InLを基づいて,InLASのための屋内ロケーション問い合わせサービス(Indoor Location Query Services,ILQS)の実現を目指し,ILQSのAPIを検討する.これらのAPIを利用することで,InLASの開発者はIPSの詳細な実装を知らなくても屋内情報を取得することができ,効率的なInLAS開発を実現できる.
著者
武仲 正彦 吉岡 孝司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.194, pp.183-188, 2005-07-15
被引用文献数
5

JPEG等の圧縮画像ファイルに対する部分完全性保証技術を実現したので報告する。本技術は、我々がFIT2004等で提案した電子文書の訂正・流通を考慮した部分完全性保証方式を画像に対して適用したもので、画像への墨塗りを行っても、それ以外の部分の完全性を保証可能である。また、我々は本技術のプロトタイプを作成した。それを用いて実際にスキャナから取り込んだ画像に署名を行い、墨塗りを行うと、墨塗り箇所が検出でき、それ以外の部分の完全性を保証できることを実証した。
著者
ウイリアム ウイッテ ジェフリー ホフステイン ジル パイファー ジョセフ シルバーマン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.311, pp.91-96, 2001-09-10

NTRU公開鍵暗号化方式およびNTRU Signature Scheme(NSS)署名方式について解説いたします。この両方式は、ラティス問題の困難さに基づくものであり、既存の署名方式および暗号方式と比較して、大きな利点があります。本論文では、この2つの方式につきて記述し, 両方式で得られるパフォーマンス測定値を示します。
著者
中里 純二 班 涛 島村 隼平 衛藤 将史 井上 大介 中尾 康二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.502, pp.101-106, 2014-03-20

スパムメール本文を用いた特徴分析では,スパムメールの目的や攻撃活動(キャンペーン)の違いにより特徴が変化する.そこで,キャンペーンなどに影響を受けない新たな分析手法として,メールヘッダ内に記載されている転送経路に着目したスパムメール分析を行う.複数のスパムメールの転送経路情報を利用する事で,確度の高い分析を行う事が可能となる.本論文では,スパムメール関連ホストの状態をNICTERで収集しているスパムメールと大規模ダークネット観測を用いた分析を行う.複数のスパムメールから抽出した転送経路とダークネットトラフィックを突合する事で,ボットなどによるスパム送信ホストやリレーサーバの存在を明らかにする.