著者
内田 元喜 橋本 成仁
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.691-696, 2010-10-25
参考文献数
19
被引用文献数
3 1

本研究では、多くの集落を抱える岡山県高梁市を対象に、これまで十分に検討されていない免許返納に関するアンケート調査を実施した。そして、居住者がいつ免許を返納したいと考えているのか、またどのような状況であれば免許を返納したいと思うのか、といった意向について個人属性や居住地特性に着目した分析を行った。分析の結果、性別や年齢のみならず、バスサービスレベルなどの居住地特性も免許返納意向へ大きく影響していることが明らかとなった。また、居住地区や居住者自身に関する状況の変化以上に、バスサービスの改善によって免許返納が促進される可能性などを示した。
著者
渡辺 聡 後藤 春彦 三宅 諭 中村 隆
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.769-774, 2001

This study aims to clarify the characteristics of pedestrian's eye fixation behaviors in a shopping street. On this paper, first, we clarified the relationships between the characteristics of the street formation and the characteristics of pedestrian's eye fixation behaviors. Second, we clarified the relationships between the form & color of the sign and the eye fixation behaviors. And then we verified the relationships between the estimation and the eye fixation behaviors.
著者
鶴田 佳子 陣内 秀信
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
no.37, pp.901-906, 2002-10-15
参考文献数
11
被引用文献数
1

イスラーム地域の都市の中心部にはバーザールと呼ばれる商業空間が広がっている。商業空間には、商業機能だけでなく多様な機能が含まれ、活気あふれる都市の核をなしている。こうした都市の核となる商業空間の構造を分析することによって、イスラーム地域、とりわけトルコの都市の特徴を把握することが本稿の目的である。本論で対象とするトルコの3都市は、いずれも緑豊かな木造文化圏に属す都市であり、城壁の内側に高密、かつコンパクトに形成されたアラブ都市に比べると、建物と建物の間の隙間や前庭、外庭、広場といったオープンスペースが多くとられ、全体としてゆったりとした景観を見せていることが特徴として抽出された。
著者
石倉 智樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.68-73, 2012-04-25
参考文献数
7

現在我が国では、少子高齢化と人口減少が急速に進行しているが、これは過疎化や限界集落など人口低密度地域ばかりでなく、都市部における中心市街地の空洞化の要因にもなり得る。我が国の大都市部では,都市圏全体としては人口減少が顕在化していないものの、都市によっては中心市街地の縮退が進んでいるところもあれば、周辺都市からの人口・需要の吸い上げによって都市集積が進んでいるところもある。多都市システムにおいてどの都市へ集積しどの都市が縮退へ向かうのかを定量的に分析することは、今後の少子高齢化・人口減少という人口構成変化フェイズにおける都市政策検討にとって非常に重要な情報となりうる。そこで本研究は、経済理論に基づく定量的な空間経済分析モデルを我が国の北関東地域へ適用し、今後予想される人口減少が大都市圏の外縁部における都市の集積と縮退に対してどのように影響を及ぼすかについて検討した。
著者
鈴木 勉
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.421-426, 2011-10-25
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

本論文では、施設数の増設・廃止の両方に対応することのできる既存施設を活用した施設再配置モデルを提案する。p-メディアンモデルと最大被覆モデルを基礎として、メディアン型および最大カバリング型の2つの再配置モデルの定式化を行った。小学校および投票所の統廃合を例としてケーススタディを行い、再配置を許す施設数の増加に応じて、施設までの移動距離の減少、あるいは施設から一定距離でカバーする需要量の増大を定量的に評価できるなど、モデルの有効性・有用性が確認された。また、少数の施設の再配置だけで施設までの移動距離や需要のカバー率を大きく改善することができることが明らかとなった。
著者
片岡 裕介 及川 清昭 浅見 泰司
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
no.39, pp.829-834, 2004-10-25
参考文献数
19
被引用文献数
2

本研究では,通常,周辺住民から好まれない施設である迷惑施設の配置計画について,距離に基づいた数理的な分析および評価を行うことを目的としている.施設立地の適性を考える際に「公平性」という概念に着目し,不平等度を計量する指標として知られるジニ係数を,住民から施設までの距離に適用したときの数理的把握を行い,その特性について明らかにした.また,清掃工場を想定したときに,「大気汚染」,「電波障害」などの施設立地に伴う,自然・社会的な諸条件に基づいた目的関数を用いた場合での,候補地比較に関する計量的評価法を提案した.以上の分析では,最適地についてのみならず,対象領域内の任意の地点での立地適性度を把握することで,候補地どうしを比較することが可能となること,および,計画の初期段階に要求されるような,複数候補地を挙げる際の手法としての有効性が示された.最後に,実際の配置計画をもとにして,最終的な用地決定に伴う決定要因の優先度の推測を行った.ここでは,各候補地の適性度の値を用いて,現状の施設位置と他の候補地とを比較し,より重視されたと考えられる項目に関する説明の妥当性を検証した.
著者
森 傑
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.32, 2010

本研究は、北海道の過疎地域の郵便局を対象とし、郵便業務以外での地域貢献や地域交流といったボランティアサービスが民営化前後においてどのように変化しているのか、そのような取り組みへの郵政民営化の影響を郵便局側がどのように認識しているのかについて把握し、地域住民の利用実態と郵便局への期待と評価についても詳細に分析することで、郵便局が地域におけるコミュニケーションの接点としてどれほど人々の日常生活に浸透しているのかについて考察し、過疎地域のソーシャル・キャピタルの核としての郵便局の今後のあり方を探求するための基礎的知見を得ることを目的とした。その結果、郵便局員と地域住民が郵便サービスを授受するだけの関係にとどまらず日常の生活においても密接に交流を持っていること、郵便局が地域の公共資産として保持されることが期待されていること、郵便局のあり方は、他の公共施設と公共サービスとの関係の中で郵便局の徒歩圏域の立地特性が重要な意味を持っていること、が明らかとなった。
著者
河村 信治 市古 太郎 野澤 康 玉川 英則
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.379-386, 2015

広域にわたる東日本大震災の津波被災地では、復旧・復興の進行も、支援の形も多様であり、さまざまな専門性を持った外部からのグループが、復興支援のための活動に取り組んでいる。筆者らは、そのような活動の一つとして、岩手県沿岸北部に位置する野田村において、2011年から4年間にわたり「野田村復興まちづくりシャレットワークショップ」(以下、野田村CWS)を開催してきた。本研究では、この一連の活動のねらい、活動内容、課題をふりかえり、今後野田村の復興のためにこの活動経験を次に繋げていく展望について考察する。
著者
花田 信介 樋口 秀
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.55-60, 2003-10-25
参考文献数
7
被引用文献数
3

現在、地方都市の多くでは中心部人口が減少している。都市が居住機能を持続させるためにも、居住機能にほぼ特化し多くの世帯を抱える都心周辺部での人口・世帯確保が重要である。さらに、持続性ある住宅地を築くためには、世帯のライフステージ変化による世帯構造・世帯規模変化に対応し得なければならない。 そこで本研究は、長岡市をケーススタディとして、地方都市都心周辺部の住宅ストックと世帯の関係性に着目し、居住世帯像の差異、住宅と世帯構造変化の関わりを明らかにし、多様な世帯が住まえる地区住宅ストック像を明らかにすることを目的とする。 まず、国勢調査より、都市全域の世帯と住宅ストックの状況を把握し、エリアによる特性および都心周辺部の特性を明らかにし、6つのクラスターに類型化した。次に、現状の世帯・住宅ストック構造から、4地区を抽出し、それらの地区を対象にアンケート調査を実施した。世帯構造変化のメカニズムと住宅ストックと世帯の関係を把握した結果、持続的な住宅地を築くためには、戸建持家に居住する前段階の若い家族世帯向けの住宅の整備が必要であることを示した。その具体策として、住民の賛成意見が多数を占める借家利用を想定した戸建住宅ストックの整備が有効であることを明らかにした。
著者
青木 義次
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.40.3, pp.181-186, 2005-10-25 (Released:2017-07-01)
参考文献数
1

青木により提案された確率論的都市モデルは熱力学分子モデルによく類似している。この類似性に注目し、熱力学におけるエントロピー、自由エネルギーに相当する概念を都市モデルに導入した。とくに、都市の安定均衡状態は、自由エネルギーに相当する F関数の値が最小化されるところで達成されることを示した。これらの概念と統計力学の平均場理論を用いることで、都市の均衡状態に関し、パラメータの値によって安定均衡状態がひとつの場合と二つの場合がありうることが分かった。後者の場合では、規制誘導・補助等の都市コントロールにより都市のパラメータが徐々に変化させたとしても均衡状態は不連続的に変化する場合もあることが判明した。この事実は、都市全体の活性化・沈静化が都市制御上重要であることを示している。
著者
近藤 雄太 大森 宣暁 長田 哲平
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.856-862, 2017

本研究では,地方都市活性化の視点からは,観光・私事目的来訪者のみならず出張者を含めた交流人口の増加が,出張先での自由時間における活動に対する消費金額の面からも重要であるとの認識の下,独自のWebアンケート調査データを用いて,関東1都6県居住者で北関東3都市への出張者の自由時間における活動・消費行動の実態を明らかにした.一連の分析から,出張先での自由時間において,日帰りでは宿泊よりも飲酒を伴う飲食を行う人の割合が低く,飲酒を伴わない飲食および特に何もしなかった人の割合が高く,活動終了時刻が早いこと,出張先での自由時間における消費金額は,自営業や高年収,飲酒を伴う飲食を行う,活動終了時刻が遅いほど高いこと,出張者の消費金額は観光・私事目的来訪者の消費金額の50~60%を占めることなどの知見が得られた.
著者
宮前 保子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.49-54, 1999

The purpose of his article is to clarify the problem on the landscape-management at historical landscape in Asuka village, Nara pref. Conclusions are below: (1) The main methods of landscape-management is to maintain economic activities which is agriculture and forestry. (2) The aim of projects about public owned land is to promote the development of sightseeing. (3) The main problems are to be left the landscape to run wild, and to be insufficient of the torchbearers. (4) Residents' perception shows that they recognize the regional-landscape honor and want the understandings and supports of all the people. To create the better landscape-management, it is significant to experiment the new methods and to prepare the total landscape planning and involve both residents' and many people's participation.
著者
西山 貴史 伊藤 香織 丹羽 由佳理
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.48-54, 2017
被引用文献数
1

近年,市民ロードランナーの拠点であるランニングステーションが増加している.本研究では,皇居周辺の5施設の利用者へのアンケート調査によりランニングステーションの利用実態を把握し,利用満足度を構成する要因を明らかにする.因子分析によって[イベント],[快適性],[利用満足度],[機能性],[交流],[ショップ],[交通利便性]の構成因子が抽出され,共分散構造分析によって6つの因子がどのように[利用満足度]を構成するのかを明らかにした.得られた主要な結果は,(1)[快適性]が[利用満足度]と最も関連が強い,(2)[イベント]は[交流]を介して間接的に[利用満足度]を構成する,(3)自宅アクセスは施設利用者の満足度評価との関連が弱い,(4)利用頻度の高い利用者,若い世代,同伴者のいる利用者では[交流]が[利用満足度]を構成する重要な要素である.
著者
續橋 和樹 川崎 興太
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.215-223, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1

本研究は、2017年9月に実施した訪問面接式アンケート調査の結果に基づき、避難指示解除後の浪江町中心市街地における生活環境の復旧・再生状況と帰還者の生活実態を明らかにするものである。本研究を通じて、以下のことが明らかになった。(1)浪江町への帰還率は非常に低い値であり、ほぼ全ての家屋が空き家である、(2)商業環境や医療環境は現在でも、十分に復旧・再生していない、(3)帰還者は高齢の夫婦・単身世帯が多い、(4)町にスーパーや総合病院を求める声が多い。以上を踏まえて、被災者支援策を打ち切ることで帰還を強いる単線型の復興政策を転換することが必要であり、帰還者と避難者の双方の生活再建に向けた複線型の復興政策を確立・充実することが求められていることを指摘している。
著者
阿部 大輔
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45.3, pp.211-216, 2010-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
19

本稿は、スペイン・バルセロナの市街地拡張プラン(1859年)を作成した土木技師イルデフォンソ・セルダに着目し、彼の大著「都市計画の一般理論」(1867年)の構築に至るまでの各種理論書の展開やそこで示された計画概念の包括的な特徴を明らかにするとともに、それらの継承関係、連続性を解明することを目的とする。セルダは旧市街の「改善」ならびに新都市の「拡張」のために必要な理論を構築する過程において、徐々に論点を物理的な空間の平等性から開発に際する地権者の経済的な平等性へと移していったこと、プランの実施にあたってもとの内容に必ずしも固執せず、理想を各段階での現実と調和させるだけの柔軟性を持ち合わせていたことなどが明らかとなった。
著者
今井 公太郎 藤井 明
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.42.3, pp.457-462, 2007-10-25 (Released:2017-02-01)
参考文献数
12
被引用文献数
2

本論稿は、障害物の配置された平面におけるボロノイ図を、現実的で簡単な計算機アルゴリズムにより、近似的に求める方法を提案している。アルゴリズムには、多数のランダムな母点を元に作図したドローネ網(rDn)を用いる。rDnにより平面をセグメント化し、迂回距離を測定することにより障害付ボロノイ図の近似解を求めている。そのため、利用するrDnの等方性と歪の安定性を計算機実験により検証している。また、厳密解が求まる単純な事例において、実験により障害付ボロノイ図の近似解を求めている。これを厳密解と比較して得られた境界の信頼性を分析し、この方法の有効性を示している。そして自由形状の障害物が配置された事例に対して障害付ボロノイ図を作図している。
著者
劉 暢 赤崎 弘平
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.133, 2005

本研究は北京緑化隔離帯の計画及びその実現可能性に着目した。具体的には、計画策定の流れ、計画内容及び緑化隔離帯として指定された地域の実態を把握した。そして形状、計画内容、実現手法についてロンドン、東京のグリーンベルトとの比較により、北京緑化隔離帯の問題点及びその実現に向けて、ロンドンと東京の事例から参考すべき点を探り出す。本研究から得られた結論は以下の通りである。1、ロンドングリーンベルトと北京第二緑化隔離帯は「都市構造」のひとつであることに対して、ロンドンのグリーン・ガードル、東京の環状緑地、北京の第一緑化隔離帯は形状、位置から見れば「都市基盤施設」として位置づけることができ、道路、公園などと同じレベルの都市施設であり、レクリエーション機能が重要でる2、北京では、「第一緑化隔離帯」は都市構造としてのグリーンベルトと認識されたため、レクリエーション機能が重視されず、林地の建設と農地・農村の保全が行われた。3、しかし実際に建設された林地は景観・レクリエーション機能が果たせずに孤立し、農地・農村の保全は後追い的な関連法は効果がなく、市街地化及びスラム化が進行した。
著者
北地 祐幸 渡邊 貴介 村田 尚生
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.391-396, 1998-10-25 (Released:2018-04-01)
参考文献数
2

This paper aims to clarify spatial characteristics of nationwide distribution and citywide location of 'Yuri' (gay quarters) in Yedo era. Based on historical documents and maps of towns, the analysis was conducted. Findings are as follows, 1. The number of 'Yuri' increased in 4times during Yedo era. 2. The citywide location and the spatial characteristics of 'Yuri' in castle towns can be classified in 7 patterns, and each type of 'Yuri' depended on relations between the Tokugawa shogunate and the lord of the castle. 3. All the allocation of 'Yuri' fulfilled the function of psychological gates.
著者
瀬戸 寿一 関本 義秀
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1515-1522, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
15

本研究の目的は、日本における様々なシビックテック活動の実態を明らかにし、特にシビックテック活動とアプリケーション制作課程の背景を明らかにするために「アーバンデータチャレンジ(UDC)」における取り組みに着目し分析することである。日本のアプリケーション開発コンテスト等で行われてきたアイデアソンやハッカソンと行った一過性のイベントに限らず、地域の取り組み状況や体制に応じた幅広い活動が行われていることが明らかとなり,同時に幾つかの地域では活動の持続可能性に向けた工夫もされていることが明らかになった。さらに、活動の最終成果としてコンテストにおいて高い評価を受けた作品は、継続的な横断的発展と翌年の賞につながる特徴や側面を持っていることが明らかとなった.
著者
高橋 知里 岡崎 篤行 梅宮 路子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.57, 2005

公共施設計画の設計者選定において、最も多く用いられている方法は入札である。しかし、より優れた公共施設を計画するためには、設計者選定段階においても市民参加を取り入れることが重要である。そこで、本研究では、新潟駅駅舎・駅前広場計画提案競技における運営体制と参加の経緯、市民参加システムの実態を明らかにする。結論は次のとおりである。1)JR東日本は消極的な姿勢であった。2)設計者選定において市民参加組織の積極的な働きにより2回の提案前と最終審査時の3段階で参加の場が確保された。3)市民は公開審査と応募要項別冊の作成によって満足を得られた。4)事業者の積極的な市民参加への取り組み、第二段階作品提案前での市民と提案者のより具体的な議論の場が必要である。