著者
難波 博孝 森 美智代 豊福 晋平 幸坂 健太郎 本渡 葵 菅谷 克行 黒川 麻実 篠崎 祐介 細 恵子 氏間 和仁 高橋 茉由
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、小学生児童が、デジタルデバイス(パソコンやタブレット端末)のディスプレイ画面(以下デジタル端末)と紙(本)とで「深く読む」ことにどのような違いがあるのかを明らかにし、デジタル端末で「読むこと」の特徴(強みと弱み)を踏まえ、デジタル端末に習熟しながら「深く読む」ための指導方法の要諦を明らかにするものである。対象は小学校児童とし、読む文章は、説明的文章と文学的文章の両方を対象とする。
著者
北仲 千里 横山 美栄子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

学術論文の著者の定義/範囲について、国際的な議論と基準の設定がなされているにもかかわらず、日本の科学者はあまりそれを意識していない。日本の自然科学系の研究者へのアンケート調査とインタビュー調査から、国際基準とは異なる考え方にもとづいて、彼らの考える「正しいオーサーシップ」が実践されていることがわかった。例えばそれは「資金を提供した人が入る」「研究室の長が入る、(実験室等の研究環境を整えた人として)」「研究の材料の提供者」「テクニシャン」「何らかの形で”手を動かした”人はすべて」などであった。
著者
北仲 千里 横山 美栄子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

2020年度は、以下の点について研究の進展があったが、研究成果の公表にまでは至っていない。(1)調査対象となる全国すべての国公立大学医学部歯学部の教員のサンプリングを行い、他学部とは大きく異なり、教員の大部分を占める人数が助教であり(とりわけ臨床系分野)、臨床の現場で働く医師と大学教員との区別が比較的緩やかであることがわかった。(助教については、教員数にはカウントしているものの、教員名簿には載せていない大学も、私立大学などでは見られた)したがって、本調査が対象としている研究者、研究組織としての大学教員とは少し異質な「大学教員」がかなり含まれている可能性がわかった。(2)2000年ごろ以降、欧米でも「職場のいじめ」研究の文献が多くなり、その中にはアカデミックな場でのいじめについて取り上げているものもあることがわかった。しかし、本研究が目指すような研究組織、研究集団やアカデミック・ミスコンダクト、オーサーシップに焦点をあてた議論がどの程度あるかどうかは確認できなかった(むしろ、これまでの研究で確認してきたように、研究不正に関する論文や議論において、オーサーシップは積極的に議論されている)。引き続き文献収集と検討が必要である。(3)コロナ禍で大学教員が大学に来ているかどうかの状況が不明(理系は文系よりは来ていると思うが)、また、臨床の医療現場はひっ迫していることが考えられ、アンケート調査を送付して依頼することが不適切であることなどを考え、アンケートの送付や回収が実施できなかった。
著者
河本 昌志 大澤 恭浩 藤井 宏融 弓削 孟文 向田 圭子
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

日本国内での悪性高熱症(MH)を発症した患者やその血縁者およびMHと関連性が疑われる疾患の患者を対象とし,骨格筋小胞体のCa-induced Ca release(CICR)機構の以上亢進と,CICRチャネルであるリアノジン受容体(RYR1)の遺伝子の異常との関連性について研究した.方法は,対象者の同意を得て末梢血からDNAを抽出し,RYRl遺伝子領域のPCRプライマー7組を用いて増幅し,制限酵素断片長多型(RFLP)による解析と同近傍領域のマイクロサテライトプローブを用いた解析を行った.また,骨格筋を生検してサポニン処理して化学的にスキンドファイバーを作製し,遠藤らの方法でCICR速度を測定した.これまでの2年間に26家系72名よりDNAを抽出した.また筋生検によるCICR速度の測定は26名で行った.このうち臨床的に劇症MHを発症した4名とその家系の3名でCICR速度の異常亢進が認められたが,C1840Tの変異はいずれの対象者にも認められなかった.しかし,1家系でRFLPとマイクロサテライト法により,RYRl遺伝子領域の異常とMH素因(CICR速度異常亢進および劇症MH)との関連性がより明らかになった.従ってこの家系では末梢血採血という最低限の侵襲で,より広範囲の遺伝子検索ができる可能性が高くなった.さらに従来報告された遺伝子変異を検出するためのPCRプライマーを作製中で,これを用いて広範囲のDNA異常を検討する予定である.MHは希な疾患であり,しかも筋生検は侵襲的であるために,承諾を得てCICR速度測定を実施できる症例数は限られる.今後はこのプライマーを用いて最低限の侵襲で広範囲のDNA異常を検討する必要があると考えている.
著者
越智 貢 岡野 治子 山内 廣隆 松井 富美男 後藤 弘志 衛藤 吉則 畠中 和生 濱井 潤也 野村 卓史 石崎 嘉彦 石田 三千雄 硲 智樹 手代木 陽 眞嶋 俊造
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、平和実現のための実践的で総合的な理論モデルを提示することである。とりわけ、その特徴は、「平和」の問題を、現実生活の諸相が織りなす「和解」の問題として再構成する点にある。研究期間を通じて、応用倫理学(生命、環境、教育、政治、社会)的アプローチによって上記の課題を追求した。本研究の結果、異質な者に対する排他性、闘争性とその連鎖という根源的な問題に、「和解」のプロセスを示すことができた。
著者
河本 正次
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、米由来のα-グルカンが生体防御能の調節を介して日本人の健康増進に一役買っているのではないかとの仮説を検証することを目的とした。米由来のデンプン含有食をアレルギー性鼻炎モデルマウスに自由摂食させたところ、著明な鼻炎症状の進展抑制が認められた。一方、米デンプンの摂食は本モデルの獲得免疫応答には影響を及ぼしていないことが明らかとなった。この抗炎症作用はもち米由来デンプンよりもうるち米由来デンプンにおいてより顕著であり、同機能性を担う主要なα-グルカン構造単位がアミロースであることが示唆された。更に米デンプンの摂取量調節により当該機能性を必要に応じて発揮させうる可能性を見いだした。
著者
明照 博章
出版者
広島大学
巻号頁・発行日
2016

内容の要約
著者
中石 ゆうこ
出版者
広島大学
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部, 文化教育開発関連領域 (ISSN:13465554)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.385-392, 2003-03-28

In this study, I investigated the usage of transitive and intransitive verbs that appears in several Japanese textbooks for beginners after reviewing the grammatical characteristics of intransitive and transitive verb pairs. As a result, I found out the inappropriateness of some of the explanation for intransitive and transitive verbs to be fundamental grammatical knowledge. Learners need to learn intransitive and transitive verbs not only grammatically but also pragmatically to be natural in Japanese. Pragmatic usage should be taught in more advanced level. However, the rules in some current Japanese textbooks for beginners may inhibit the acquisition of pragmatic and communicative usage of transitive and intransitive verbs.
著者
石井 亮 土基 善文 稲場 道明 上原 北斗 島田 伊知朗 木村 俊一
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

A型クライン特異点の極小解消上の例外集合に台を持つ連接層の導来圏に関して, Bridgelandの定義した安定性条件の空間を決定し, 特にそれが連結かつ単連結であることを示した. また, ダイマー模型にそれぞれ適当な条件を課すと, 付随する箙の表現のモジュライ空間が, 対応する3次元特異点のクレパント解消になり, 箙の道代数はその非可換クレパント解消であることを示した. 特殊McKay対応との関係も明らかにした.
著者
石原 康宏 冨永 貴志 大黒 亜美 大島 隆幸
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

医療や産業に使われている化学物質の中には、バルプロ酸やポリ塩化ビフェニルなど、胎児期や乳幼児期の曝露により、成長後の行動異常を引き起こすものが幾らかある。一方、脳内には免疫を担当するミクログリアと呼ばれる細胞が存在し、常に脳内を監視して異物を排除している。本研究では、化学物質の発達期の脳への作用メカニズムについて、ミクログリアに着目して検討する。ミクログリアが過剰に活性化すると、障害作用を有する炎症性分子を放出することから、まずは化学物質と炎症との関連を解析する。
著者
斉藤 英俊 河合 幸一郎 長澤 和也
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、釣餌輸入にともなうヒッチハイカー種(非意図的輸入種)および寄生種の日本国内への侵入状況を調査した。1)ヒッチハイカー種および寄生種の出現リストの作成 小売店における調査の結果、スジエビ類にチョウセンブナを含む外来種や寄生性等脚類エビノコバンが混入していることを確認した。2)ヒッチハイカー種および寄生種の野外への侵入状況の解明 広島県瀬野川において、チュウゴクスジエビは3~7月に抱卵しており、繁殖していることが判明した。また、本種は、福岡県や神奈川県を含む7県で生息が確認された。さらに、東京都の河川においてスジエビ類に寄生するエビノコバンを確認し、その寄生生態を調べた。

1 0 0 0 太閤検地論

著者
宮川 満
出版者
広島大学
巻号頁・発行日
1961

博士論文
著者
原 久美子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

唾液腺マッサージの唾液分泌機能への効果を明らかにすることを目的に, 若年者と高齢者を対象とし, 唾液腺マッサージ直後の効果(短期効果)を調べ, 高齢者を対象に, 長期間, 唾液腺マッサージを行うことの効果(長期効果)について検討を行った。その結果, 若年者, 高齢者ともに短期効果が示唆され, 特に, 安静時唾液量の少ない者に有効であった。また, 高齢者においての長期間の唾液腺マッサージは, 安静時唾液量の維持および口渇感の改善に有効であった。2年間の研究により, 若年者, 高齢者に対する唾液腺マッサージによる唾液腺機能の賦活が示唆され, 唾液腺マッサージが口腔健康維持に役立つ可能性が示された。
著者
山内 廣隆
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

研究成果は『ヘーゲルから考える私たちの居場所』(晃洋書房)に凝縮されている。この本は昨年十一月に出版された。この研究の成果は以下のようにまとめられる。(1)国家と宗教の関係のあるべき姿を提示できた。(2)現代アメリカの新自由主義批判のための、理論的根拠を構築できた。以上の二つの成果を、私はドイツ実践哲学の代表者ルートヴィヒ・ジープのヘーゲル解釈に依拠しながら、導き出すことができた。