著者
菊地 史倫
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日常生活で使用されるウソやユーモアが社会的に機能するときに、聞き手の心的機構(認知・感情過程)に与える影響について明らかにすることを目的としている。過失により他者に不利益を与えてしまった状況(e.g.,遅刻)において、人は他者からの罰(e.g.,叱責)を避けるために弁解をすることがある。本年度は弁解としてのユーモアが聞き手の認知(おもしろさの程度)を媒介して感情調整(ネガティブ感情の抑制・ポジティブ感情の促進)を行っている可能性に着目し、ユーモアに関わる立場(ユーモアの話し手・聞き手)とユーモアの聞き手の状況(聞き手の不利益が大きい状況・不利益が小さい状況)を考慮した実験を行った。その結果、ユーモアに関わる立場に関係なく、弁解としてのユーモアは聞き手のおもしろさの認知を媒介することで過失に対するネガティブ感情を抑制し、聞き手からの罰を避けていることが明らかになった。また、ユーモアは聞き手のおもしろさの認知を媒介することでポジティブ感情を促進するが、罰の回避に与える影響は小さいことが明らかになった。そして、聞き手の不利益が大きい状況では不利益が小さい状況に比べて、ユーモアのおもしろさの程度が低く認知されることが明らかになった。ただし、ユーモアの聞き手の不利益が大きい状況においても、おもしろさが高く認知されれば、感情調整が行われ、聞き手からの罰を回避できることが明らかになった。これらの結果から、ユーモアに関わる立場に関係なく、弁解としてのユーモアは聞き手の認知を媒介し感情調整を行うことで社会的に機能することが示された。また、聞き手の状況(e.g.,不利益の大きさ)によっておもしろさの認知は影響を受けるが、この認知を聞き手に生じさせることができれば感情調整が行われ、ユーモアは社会的潤滑油として機能することが示された。
著者
佐藤 嘉倫 近藤 博之 斎藤 友里子 三隅 一百 石田 浩 尾嶋 史章 中尾 啓子
出版者
東北大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2004

本プロジェクトは、社会階層の流動化と固定化という、一見相反する現象を統一的に理解・説明するための階層論を展開することを目的とした。この目的のために、理論的な検討をするとともに、データ分析のための社会調査を実施した。2005年に日本、韓国、台湾でほぼ同一の調査票を用いた実査を行った。また労働市場の流動性の影響をもっとも受けている若年層を対象とした郵送調査・ウェブ調査を2007年に行った。これらの調査データを用いた分析結果は、全15巻の研究成果報告書にまとめられた。また報告書以外にも、プロジェクトメンバーによる学会報告や論文・単行本刊行は多数に及ぶ。本研究プロジェクトは総合的研究なので、社会階層と社会移動をめぐってさまざまな視点からの分析を展開した。このため、研究成果すべてを述べることはできないが、たとえば(1)佐藤俊樹『不平等社会日本』で示されたホワイトカラー上層雇用の閉鎖性は2005年には存在しないこと、(2)非正規雇用者になる傾向は低学歴者と女性に高く見られること、(3)所得格差については正規雇用と非正規雇用の間の格差が大きいが、その格差が拡大しているかどうかは慎重な検討が必要であること、などの知見が得られた。また本プロジェクトが、本格的な東アジアにおける社会階層と社会移動の比較研究として初めてのプロジェクトであることも特筆に値する。その成果の一端は、研究成果報告書第13巻『東アジアの階層ダイナミクス』に収められている。
著者
曽 道智 河野 達仁 高塚 創 張 陽 中島 賢太郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は4つの方面から空間経済学を発展させ、持続可能な都市・地域の成長を実現するための方策を考案した。1. 都市、地域の成長政策立案に結びつく空間経済学の理論を構築する。特に、賃金格差を内生的に決めるモデルを開発し、地域間の経済格差の研究ができ、経済成長理論との融合も実現した。2. 都市の開発と持続可能な振興政策を目指し、観光産業の役割、都市のデベロッパー行動、土地利用の方針についての研究を行った。3. 交通政策の分析を行うため、産業集積や防災の立場から道路のインフラ整備を検討した。4. 実証の面において、地域間の効用格差の動向や企業間関係や財の輸送費用削減を通じた集積効果を明らかにした。
著者
山下 博司
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、インドの近代を準備するに当たってのヨーロッパ宣教師の貢献について、彼らの「文化適応(インカルチュレーション)」という行為・方法を通じて浮き彫りにしようとする試みである。考察の中心に、南インドで展開したイエズス会のマドゥライ・ミッションを据え、彼らがヒンドゥー教の支配的な環境の中でどのように宣教活動を繰り広げたのかを、現地語(タミル語)による創作活動・翻訳活動に焦点を当てて検証しようとするものである。ヨーロッパ人宣教師たちのインド近代文学の生成に果たした役割を吟味することで、具体的側面からキリスト教ミッションの近代史における役割を再考しようとしたものである。研究対象は、エンリケ・エンリケス、ロベルト・デ・ノビリ、コンスタンツォ・ジュゼッペ・ベスキに絞り、彼らの文学作品を収集し、読解して分析することで、文献に即して実証的に跡づけるという方法を採った。また、インドにおける現地調査を行った成果も、本研究の中には活かされている。特に、積極的な文学活動を展開し、南インドの印刷・出版の黎明に大きな貢献を為したデンマーク・ミッション(ルター派)の根拠地であったタミルナードゥのトランキバールでの取材、およびC・J・ベスキが長年にわたって宣教活動を行い、中世末期キリスト教文学の代表作である『テーンバーヴァニ』を著した場所・イェーラークリッチでの取材は、本研究成果報告書にも纏められ、有機的関連のもとに数編の論文の一つを構成している。これらに加え、現代アジアにおけるキリスト教、特にカトリシズムの問題をめぐって、「宗教多元社会」、「グローバリゼーション」、「異宗教間対話」の観点を踏まえて報告した<現状調査広告>の2編収録している。
著者
坂上 和弘
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的は、近現代日本人およびアメリカ人集団の全身骨における左右差の変異幅や左右差の出現場所を調べることである。過去の左右差研究では極めて限られた資料および骨しか扱われていないため、全身骨における左右差を調べた本研究は極めて独創的である。資料としては1890年から1970年の間に死亡した年齢、性別既知の近現代日本人、近現代アメリカ人を資料に用いた。その内訳は日本人男性50個体、日本人女性43個体、アメリカ白人男性50個体、アメリカ白人女性50個体、アメリカ黒人男性50個体、アメリカ黒人女性50個体の計293個体である。年齢は鎖骨胸骨端癒合〜50歳まで、対象となる骨が完形で保存されており、病変が見られないものを資料として用いた。対象となる骨は、頭蓋骨、下顎骨、鎖骨、肩甲骨、上腕骨、橈骨、尺骨、第一中手骨、第三中手骨、寛骨、大腿骨、脛骨、腓骨、第一中足骨、第三中足骨であり、各骨の長さ、骨幹中央の径や太さ、両骨端の大きさを中心に112項目について左右の計測を行なった。結果としては、どの集団においても、頭蓋骨、鎖骨、肩甲骨、寛骨といった体幹部の骨は左が統計的に有意に大きい傾向にあり、特に鎖骨の長さは全集団で左が有意に長く、全体の約80%の個体で左が長かった。上肢骨はほとんどの変数で右の方が有意に大きく、全体の約70%以上の個体で右が大きい。また、下肢骨はほとんどの変数で有意な左右差は見られなかった。これらの結果は、「体幹部の発生では左右軸が決定された後、細胞の分化に左右の偏りが見られるのに対して、四肢の発生では右肢と左肢の偏りは見られない。こういったことから、体幹部と四肢部での左右差が異なる傾向を示すと予想される。」という予測を支持するものであり、体幹部の左右差は神経系や循環器系などの左右差に影響され、上肢の左右差は利き腕に影響され、下肢の左右差の無さは運動器としての必然性に影響されると考えられた。
著者
鹿島 英一
出版者
東北大学
雑誌
東北大学文学部日本語学科論集 (ISSN:09174036)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.13-24, 1993-09-30

昨今、日本語へのカタカナの進出振りは留まるところを知らないかのようである。一方、日本語より一足先に国際化した(シンガポールの)華語にも外来語が氾濫している。中国語の比ではない。無論、既存の漢字を転用するわけである。日華両語ともただ置かれた環境に独自に反応しているだけである。だが、外来語の表記 (処理) 法を見る限り、よく似た現象にいろいろぶつかる。本稿ではこの問題を取り上げ、日本語のカタカナと華語の表音文字の異同に関して二つほど論じた。一つは表音文字表の作成の試みであり、もう一つは表記のゆれ方の相違である。前者はカタカナの用字法との対照を基に、当地の実際の文字資料を使って行なった。また、後者では日本語の音のゆれと華語の文字のゆれが、表記体系の中で似た役割を果たしていることを指摘した。
著者
高山 真 中澤 徹 劉 孟林 檜森 紀子 門馬 靖武 菊地 章子 志賀 由己浩
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は、健常者を対象に、漢方薬当帰芍薬散、桂枝茯苓丸を単回投与した際の眼底血流促進効果をレーザースペックルフローグラフィ(LSFG)検査等により評価し、その効果を検討する(研究①)、正常眼圧緑内障患者を対象に、通常の眼科的治療に漢方薬を追加内服した際の効果を検討する(研究②)ことにより、正常眼圧緑内障に対する漢方薬による治療の有効性を明らかにすることである。研究実績の概要:研究①については、前年度までで研究が終了し、学会や論文等による発表を行った。研究②については、本年度も対象者に漢方薬による治療追加を行うデータ収集を行った。平成30年3月31日時点で、正常眼圧緑内障の女性12名がエントリーされた。1名が除外基準により該当した。11名に対し6ヶ月間当帰芍薬散の投薬を行い、全11例がこれを完了した。中間解析では、9名17眼について、母集団の解析、および当帰芍薬散単回投与前後の眼底血流の検討を行った。その結果、母集団の検討では漢方医学的に「血虚」(末梢血流障害、冷え症)と診断された症例が多く、正常眼圧緑内障の病態である眼底血流低下と合致すると考察された。また、眼底血流の解析では、当帰芍薬散服用後に、7眼で眼底血流の上昇を認めた。血流が上昇した症例は、漢方医学的に血虚のスコアが高い傾向がみられ、正常眼圧緑内障と漢方医学的「血虚」の病態との関連、そして当帰芍薬散がそうした症例の眼底血流を上昇させる可能性が示唆された。有害事象の検討では、1名に軽微な腹部違和感が出現したが、服薬を継続し症状は軽快した。本研究に関連し、眼底血流が著明に改善した症例の発表、論文発表を行った。
著者
遠藤 由香 庄司 知隆 福土 審
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

過敏性腸症候群(IBS)は代表的な思春期心身症である。成人IBSでは幼児期の虐待などのトラウマが発症リスクの一つと報告されているが、思春期IBSでは発症要因の解明は不十分である。そこで本調査では宮城県内の中学校で疫学調査を施行し、東日本大震災のトラウマ的体験がIBS発症率を増加させ、その影響は年余におよぶという仮説を検証する。疫学調査を施行すべく県教育委員会や養護教諭会に調査協力を依頼したが、教育現場では未だ混乱が続いており、協力を得がたい状況であった。そこで海外の疫学調査専門家と討議を重ね、調査法の変更や規模の縮小をして再度協力を依頼したが、最終的に調査を断念せざるを得なかった。
著者
堀田 昌寛
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

量子エネルギーテレポーテーション(QET)を2つの量子ビット系で実現できる最も簡単なモデルを構成できた。また基底状態の量子もつれ量が大きいほど、転送エネルギー量も大きくなることが示された。また量子電磁場の零点振動の量子測定においてより大量の基底状態の情報を引き出すと、それを用いたQETでの転送エネルギーも増えることが分かった。一般的な量子スピン鎖モデルにおいては、基底状態のエンタングルメントエントロピーが転送エネルギーの2乗に比例する量の上限値になることも証明された。また量子ホール端電流系を用いると実験でQETが検証できる可能性が高いことも発見された。さらに有限温度系でもQETが有効であることも示された。
著者
神園 巴美
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究では、ブトキシブチルアルコール(BBA)の作用を明らかにするために、(1)実験条件をそろえた精度の高い実験系を確立し、次に(2)その実験系でブロイラーの筋肉タンパク質代謝とエネルギー代謝に対するBBAの効果を調べ、最後に(3)BBAによる代謝連鎖機構について調べることとした。平成25年度は、主に上記(2)と(3)の一部を中心に研究を進め、すなわち、0日齢ブロイラー(オス、Ross、16羽)を供試し、基礎飼料給与の対照区、BBA添加飼料(30mg/kg基礎飼料)給与のBBA区に2区に分け、各試験飼料で27日齢まで飼育して屠殺・解体した。その結果、BBAには体重・筋肉重量の増加による成長促進効果、飼料効率の改善、ならびに、脂質過酸化とタンパク質酸化損傷の抑制、α-トコフェロール濃度上昇による酸化ストレス軽減効果があることを明らかにした。BBAによる成長促進効果、特に筋肉タンパク質代謝に対する影響に関しては、タンパク質分解の抑制だけでなくタンパク質合成能の上昇も関与した。これらはμ-calpainとatrogin-1 mRNA発現量の低下、さらにIGF-1 mRNA発現量の上昇の結果として捉えることができる。また、BBAによる飼料効率の改善効果は、ATPを必要とするユビキチン・プロテアソーム系(IGF-1とatrogin-1が関与)によるタンパク質分解抑制によってATPが節約され、その結果、エネルギー変換効率が上昇したとの仮説が成り立つ。一方、BBAが酸化ストレスを軽減することを考え合わせると、酸化ストレスの原因となる活性酸素を消去し、またはミトコンドリアでの活性酸素産生量を抑えることで酸化的リン酸化効率を高めている可能性も否定できない。このように、BBAはタンパク質代謝だけでなくエネルギー代謝にも影響し、それらが相互に連関して成長促進効果を発揮している可能性を明示した。
著者
本堂 毅 鈴木 哲 村瀬 雅俊 北條 祥子 石堂 正美
出版者
東北大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

日常環境レベルでの電磁場が生物及び人体に対して与える影響について,細胞及び人体レベルでの研究を行い,低周波磁場の細胞への影響を,コメットアッセイ解析等の定量評価から明らかにした.疫学研究では調査に用いる問診票を確立した。また,身体レベルでの愁訴を研究に活かすために,科学的不確実性(不定性)を伴う知見の専門家・非専門家間でのコミュニケーションが成立するための基礎的条件を明らかにした.
著者
西村 直子
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

古代インドでは牛を中心とする牧畜生活が行われており, 多彩な乳製品が基本食物とされていた。仏典にも多くの乳製品が登場し, 醍醐を最上とする重要な比喩表現も散見する。しかし, それらの具体的な製品について, 加工法の解明と同定は課題として残されたままであった。本研究ではヴェーダの祭式文献(中心となるものはB. C. 800-600年頃)から知られる以下の発酵乳製品について, 加工法の解明と同定を行い, その神話的宗教的意義と共に言語的側面からも精査した:ダディ(dadhi= 酸発酵乳), サーンナーィヤ(samnayya= 酸発酵乳と加熱乳の混合物), アーミクシャー(amiksa=カッテージチーズ様凝固発酵乳), パヤスヤー(payasya=amiksaに同じ), アータンチャナ(atancana=発酵または酸化促進剤), ヴァージナ(vajina=ホエイ)。
著者
たら澤 邦男 藤森 研司 森谷 就慶 尾形 倫明 千葉 宏毅 三澤 仁平
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

日本は超高齢・多死社会を迎え、国民が希望する場所で最期を迎えるための条件整備が急がれる。国民の55%は自宅で最期を迎えることを希望する一方、死亡場所の74%は病院であり、がんによる病院死は83%とさらに高い。がん患者について、病院死症例を多く含む病床機能と終末期医療の実態は明らかにされておらず、在宅看取りが多い地域にはどのような病院機能があるか解明されていない。そこで本研究は、在宅看取りの高低に対し同一地域の病院機能が与える影響を明らかにすることを目的とする。目的達成のためNDBレセプトデータ、官公庁公開データを併用した分析を行い、地域で実現可能な在宅看取りの普及啓発のあり方を検討する。
著者
沼口 勝
出版者
東北大学
雑誌
集刊東洋學 (ISSN:04959930)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.29-37, 1979-05-30
著者
黒木 玄
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

任意の対称化可能一般カルタン行列に付随するワイル群双有理作用で生成されるτ函数の量子化を構成した。たとえば、一般カルタン行列がアフィンA_2型ならば量子化されたτ函数は量子パンルヴェIV方程式のτ函数になる。古典版のτ函数は従属変数に関する多項式になる。その結果の量子化を証明した。すなわち、量子化されたτ函数は量子化された従属変数に関する多項式になることを示した。その証明にはカッツ・ムーディ代数の表現のBGG圏における平行移動函手を用いた。以上の構成は量子群を用いて、q差分版の場合に拡張される。
著者
藤原 真理
出版者
東北大学
雑誌
東北大学文学部日本語学科論集 (ISSN:09174036)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.120-131, 1991-09-30

助詞「よ」の下接によって《下品さ》が生じる文には, 文脈的背景としての「話題となる情報の持ち出し方・扱い方の点における話し手の非優位性 (受動性・消極性)」が認められるのに対して, 「よ」に備わった表現性は「述べる情報に関する話し手の聞き手に対する優位性」に深く関わっている。「よ」こよってもたらされる《下品さ》は, このような, 一見, 相反する立場が一文において両立する二重性によりもたらされる。