著者
佐藤 滋
出版者
東北学院大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

1920 年アイルランド統治法の施行によって、北アイルランド政府・議会は独自の立法権限、財政権限などを獲得し、イギリスは実態として「連邦制国家」となった。法施行直後は、これを機能させようとした勢力もいたが、第二次世界大戦を経て、1920 年法は形骸化するに至る。本研究は、この間の経緯を、財政権限委譲論議を中心に分析することで、イギリスおよびイギリス帝国における統合と分離の力学を明らかにする。
著者
渡辺 昭一 木畑 洋一 秋田 茂 横井 勝彦 菅 英輝 吉田 修 木畑 洋一 秋田 茂 横井 勝彦 菅 英輝 吉田 修 都丸 潤子 波多野 澄雄 河西 晃祐 山口 育人
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

冷戦体制の確立期におけるアジア国際秩序の再編問題について、国際援助計画コロンボ・フランの実施過程との関連から検討した。第一に、コロンボ・プランは、イギリスにとってコモンウェルス体制として影響力を残存させるために、インドおよびオーストラリア、ニュージーランドにとってアジア安全保障体制の強化のために、策定されたこと、第二に、その計画のド要な財源となったスターリング・バランスの枯渇により、イギリスの支援が資本援助から技術援助へとシフトしたこと、それによって被援助のアジアは、積極的な資本援助を求めて支援の多様化を図っていったこと、第こに、イギリスのコモンウェルスの存続、アメリカのヘゲモニー支配が強化される中で、その多様化が自立したアジア地域連合という新体制の成、忙につながったことを明らかにした。
著者
菊地 立 佐久間 政広 元木 靖 佐藤 信俊
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

地球温暖化防止を目指した京都議定書が2005年2月に発効した。我が国に科せられた二酸化炭素排出量の削減目標(1990年比-6%)を達成するための重要な施策として,植物の二酸化炭素吸収を組み入れ海外で植林活動を行っている。一方国内では,伝統的な屋敷林が継続的に減少しており,屋敷林が蓄積していた二酸化炭素が大気中に放出されている。この現状をふまえ,我が国の屋敷林中心地の一つである仙台平野中部を主たる対象地域として,以下のような現地調査を試みた。(1)現在の屋敷林の分布,規模,構成樹種(2)屋敷林の気候緩和機能の調査(3)屋敷林植生による大気浄化機能の調査(4)屋敷林の樹木が蓄積する二酸化炭素量の推定(5)屋敷林面積の減少(6)屋敷林を持つ農家の意識調査本研究の結果,仙台平野中部には多くの屋敷林が現存しているが,仙台市の拡大にともなう都市化の波により,過去40年間における屋敷林面積の減少が約40%に上ることが判明した。屋敷林は二酸化炭素の蓄積にとどまらず,気温や風に対する環境緩和効果および大気汚染の浄化機能も顕著であることが確認され,今後とも屋敷林を保護・育成することが重要であることは明らかであるが,住民の意識調査では高齢層は維持の方向,中年層は伐採と開発の方向と2極分化しており,今後の推移は楽観を許さない。何らかの体制的支援策が必要と思われる。
著者
佐藤 義則 竹内 比呂也 倉田 敬子 小山 憲司 三根 慎二 逸村 宏
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

国内 45 機関の参加・協力の下, 2011 年 10 月から 12 月にかけ電子ジャーナルの利用に関するアンケート調査を実施し,広範囲の主題領域の研究者(教員,博士後期課程大学院生)から 3,922の回答を得た。これらのデータを多方面から分析した結果,電子ジャーナルの利用がより広範囲にかつ深く浸透するようになっただけでなく,利用者の読書行動や意識(選好)も変化しつつあることが明らかとなった。
著者
高橋 信二
出版者
東北学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,中高齢者の身体活動量を従来の方法(回帰法)と研究代表者が開発した方法(FCS法)の比較を行った.成果は以下の通りである.成果1:FCS法は回帰法よりも身体活動量を高く評価する.この結果は,生体の動的特性をFCS法が反映したものである成果2:一方,両方法の健康状態の変化に対する関係性はほぼ同等で低い値であった.分析手続きの複雑さを考慮すると回帰法の方が一般性に優れることが示唆された.
著者
大塚 浩司 後藤 幸正
出版者
東北学院大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

X線造影撮影法を用いて、コンクリートのフラクチャープロセスゾーンを検出し、その性状を明らかにすることを目的とする研究を行った結果、研究の期間(平成4年度〜平成5年度まで)に得られた成果の概要は次の通りである。(1)本研究によって得られた、X線造影撮影法はコンクリート中に発生する微細なひび割れ群からなるフラクチャープロセスゾーンを非破壊的に検出するのに有効な手法であることが明らかとなった。(2)CT試験(コンパクトテンション試験)供試体を用い、供試体の寸法を同一とし、コンクリートの粗骨材の最大寸法を4種類に変えた場合のフラクチャープロセスゾーンの検出結果を比較したところ、微細ひび割れ群からなるそのフラクチャープロセスゾーンの性状は粗骨材の最大寸法に極めて大きく関係しており、特にその幅(破壊進行領域と直角方向)は粗骨材の最大寸法が増大するほど大きくなる傾向があることが明らかとなった。その最大幅は、粗骨材最大寸法が5mmの場合はその2.5倍程度であり、微細ひび割れの周辺の雲状の部分も含めると4.3倍程度であった。(3)荷重-開口変位曲線下の面積から求められる、破壊に使用されたエネルギーを破壊領域の面積で除した、破壊エネルギーGFは粗骨材の最大寸法が増大するにつれて大きくなる傾向がみられた。一方、破壊に使用されたエネルギーを破壊領域の体積で除した、破壊エネルギーGWは粗骨材の最大寸法に関わらずほぼ同様な値となる傾向が見られた。(4)粗骨材として河川砂利を用いたコンクリートの場合のフラクチャープロセスゾーンの幅は砕石を用いた場合のそれよりもやや広くなる傾向が見られた。
著者
榎森 進 七海 雅人 谷本 晃久 七海 雅人 谷本 晃久
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

江戸時代に「サンタン人」と呼ばれていたアムール川下流域の人々は、ウリチ民族だけでなくニヴフ民族他の民族で構成されていること。また、彼等は、15~19世紀にサハリンの諸民族と活発に交流していた。
著者
加藤 和夫 志子田 有光 加藤 和夫 佐々木 整
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

研究計画に基づき、システムの構築、教材の作製を行い、実技教育を行う授業において2年間のデータをサーバに蓄積し、時系列分析を行った。これらの内容を論文(投稿中を含む)にまとめ、国内外の学会、研究会で報告した。その結果オープンソースLMSを大規模実習室に導入することでコストを軽減できるほか、柔軟な進捗分析を行うことができ、教育支援システムとして有効であることが確認された。
著者
細谷 良夫 ELIOT M STARY G 成 崇徳 蒲地 典子 王 鐘翰 陳 捷先 石橋 崇雄 楠木 賢道 PAN A.T 加藤 直人 中見 立夫 松浦 茂 岸本 美緒 江夏 由樹 松浦 章 香坂 昌紀 河内 良弘 松村 潤 神田 信夫 STARY Gioban ELOT Mark TATIANA A.Pang WANG Zhong-han CHEN Jiw-xian CHENG Chong-de 王 禹浪 関 嘉禄
出版者
東北学院大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

「実績の概要」1994〜96年の3年間にわたり、清朝史研究の基礎的な作業として、多岐にわたる清朝史料の体系的把握を目的に、満州語史料を中心とする各種史料の所在状況の調査及び版本と档案の関係を課題とする共同研究を実施した。研究活動は国外の研究分担者の協力を得て中国、台湾、香港、アメリカ、ロシアで実施したが、はじめに調査研究の対象となった主要な(1)史料所蔵機関と(2)史料名称を以下に列挙する。(1)史料所蔵機関(中国)第一歴史档案館、遼寧省档案館、吉林省档案館、吉林市档案館、黒龍江省档案館、北京図書館、科学院図書館、吉林大学図書館、中央民族学院図書館、遼寧省図書館、大連市図書館、中国社会科学院歴史研究所、中国社会科学経済研究所、中国社会科学院清史研究室、中国社会科学院近代史研究所、遼寧省博物館、黒龍江省博物館、黒龍江省民族博物館、新賓満族自治県博物館、伊通満族博物館、海拉尓民族博物館、阿里河鄂倫春族博物館、莫力達瓦文物管理所図書館、承徳市囲場県文物管理所、赫哲族民族博物館、赫哲族民族館(中華民国・台湾)台湾中央図書館、故宮博物院文献處、中央研究院近代史研究所、中央研究院歴史言語研究所(香港)香港大学図書館、香港理工学院図書館(アメリカ)カリホルニヤ大学(バ-クレイ)図書館、議会図書館、ハ-ヴァト大学燕京漢和図書館、プリンストン大学ゲスト図書館、ニューヨーク市立図書館(ロシア)ロシア科学アカデミー極東研究所中国学図書館(モスクワ)、ロシア科学アカデミー東洋学研究所(サンクトペテルブルグ)、サンクトペテルブルグ大学、サルトコフシチュドリン名称公衆図書館(2)主要な史料と史料系譜の名称無圏点「満文老档」、有圏点「満文老档」、満文「清実録」(太祖・太宗朝)、内国史院档、崇徳3年档、逃人档、〓批奏摺、戸科史書、礼科史書、内閣大庫漢文黄冊、戸部銀庫大進黄冊、戸部銀庫大出黄冊、江南銭糧冊、徽州文書、理藩院題本、黒龍江将軍衙門档案、三姓档、黒図档、尚務府档、朝鮮国来書簿、尚可喜事実冊档案、南満州鉄道北満経済調査所所蔵史料、哈爾濱学院所蔵史料、駐哈爾濱外務局特派員公署所蔵史料、満漢文清朝初期関係の石碑拓本、嫩江流域達斡尓族所蔵の満文史料、大楊樹付近の満族関係史料、烏蘇里江流域赫哲族所蔵の満族史料、琿春付近の満族関係史料、鴨緑江流域所在の満族関係史料「共同研究会の開催」上記各史料所蔵機関で、各種の資料をめぐり中国では王鍾翰、成崇徳、台湾で陳捷先、アメリカでエリオット、ロシアでタチアナ・パン各教授と個別課題で共同調査と研究を実施した。また文書史料のみならず、中国東北地域で、清朝初期史をめぐる石碑史料、宗譜や牌単などの祖先祭祀史料、鄂倫春族などを含む満族をめぐる口承伝承資料の採集などの現地調査と研究を関嘉禄、王禹浪研究員と共に行った。3年間にわたる共同研究のまとめとして、1996年12月に成崇徳教授を招聘、満族史研究会の招聘などで来日中の陳捷先、スターリ、パン、エリオット教授をまじえ、満漢文史料をめぐるシンポジュウムと満文版本目録作成のためのワークショップを5日間にわたり実施し、これまでの総括と今後の共同研究の方法を討議した。「成果」共同研究の実施の結果、各所蔵機関の資料状況が明らかになったことに併せて、個別資料の研究、すなわち実録の基礎となったであろう国内史院档の系譜や実録写本の検討、礼科史書と理藩院題本の関係、清朝から満州国に及ぶ東北土地文書の史料系譜、銭糧冊や黄冊などの清朝の経済政策を解明する基礎史料の整理などの官本と档冊の研究が行われた。同時に従来所在不明とされていた朝鮮国来書簿あるいは既に倒壊したと伝えられていた尚可喜神道碑の発見、あるいは逹斡尓族の満州語使用とその档冊や写本を見出した。これらの多くの成果は分担者それぞれの研究成果として公表されると共に「満族史研究通信」の誌上に史料状況を中心とする調査報告が公開されている。また満族史研究通信は国外に対する共同研究の成果の還元として、各国に送付され高い評価を得ている。
著者
石橋 良信 真野 明
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

昨年に引き続き、主にヒ素溶出要因解析、細胞表層工学によるヒ素除去およ癩轟地下水取水時のヒ素輸送解析を試みた。装置実験から・有機物としての下水汚泥の含有量の増加に伴い、ヒ素の溶出量が増える傾向が認められた。また、酸化還元電位が-80mV付近で最もヒ素が溶出することを再度確認できた。なお、2価鉄とヒ素溶出およぴ炭酸水素イオン濃度とヒ素溶出の明確な関連性はみられなかった。一方、モデル解析にも必要な、水中から土中へのヒ素の吸着量と土中から水中へのヒ素の溶出量の平衡状態時における分配係数としてバングラデシュでの浅い帯水層とオーダー酌に近似する値κ_Δ0.69×10^<-7>(m^3/mg)を得た。細胞表層工学を適用した実験では、pTV118N+lamB-arsRプラスミドを作製し、70%以上のヒ素除去がみられたが、再度lamB、arsRが適正に挿入されているかを確認する課題が残った。さらに、バングラディシュでは将来、ヒ素汚染の著しい30m付近の浅層地下水を避け、現時点でヒ素汚染の少ない深井戸が主な水源になると予想される。したがって、深度別の帯水層の取水に伴うヒ素輸送を、現地データを用いてモデル解析を試みた。浅い帯水層でのヒ素濃度は長い年月の間に徐徐に低下する傾向にあるが、深い帯水層では次第に高濃度になり、ヒ素の吸脱着反応が平衡になるまでの時間スケールを5年と推定した計算例では100年後には70mの帯水層までヒ素汚が進むと見積もられた。
著者
齋藤 哲
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

翻訳3点の原本は、ノルウェーにおける刑事和解手続の推進者ニルス・クリスティーエの著作である。我が国においては司法制度改革の一環として、刑事裁判における私人の損害賠償請求制度や被害者参加制度が施行されたが、ノルウェーでは刑事事件そのものの和解を民事上の和解とともに試みる制度がある。オスロ大学の刑事政策の正教授クリスティーエは、ノルウェーにおけるその精神的基盤を確立した人物であり、民事及び刑事の手続きの融合の思想を知る上で、上記の翻訳は意味があると考えている。簡易裁判所の本来的機能と将来についての発表は、裁判所のアクセスの観点から、ドイツ及び英国の調査を踏まえ、これらの国の裁判所の位置的事情を比較の対象に、我が国において裁判所の位置や数のあるべきかたちについて報告したものである。論説「守秘義務について」は、裁判員制度の設計、施行にともない、にわかに世間の衆目を集め賛否の議論が活況を呈するものの、いまだ十分な基礎的研究のなされていない守秘義務のあり方について、これまで我が国において民事及び刑事に関わり市民の司法参加の認められていた制度における守秘義務や、同じ司法に携わる職業裁判官のそれとの相違や日本国の母法国であるドイツ制度の裁判官や名誉職裁判官の守秘義務の沿革にまで遡り歴史的意義を探求し議論することで、今後の民刑量手続きにおける司法機関の判断主体の守秘義務に対する考え方に関する基本的な資料を提供するものである。
著者
片瀬 一男 秋永 雄一 古賀 正義 木村 邦博
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

2003年11月から12月にかけて「教育と社会に対する高校生の意識:第5次調査」を実施した。そして、このデータをもとに分析を行い、2005年3月に報告書を作成した。報告書では、次のようなテーマをもとに、分析を行った。1.第1に、高校生の進路志望(教育・職業アスピレーション)や教育達成など教育をめぐる高校生の意識や実態をとりあげ、それがどのような要因に規定されているのか分析した。この分析においては、高校生の出身階層となる親の地位が、彼らの進路志望や教育達成に与える影響、さらには父母の結婚類型が子どもに及ぼす影響などが明らかになった。またフリーターの問題も、進路意識や規範意識(校則意識)との関連で扱った。くわえて、「アノミー型アスピレーション」という現代の高校生に特有の進路志望のあり方についても、それが形成されるメカニズムが明らかなった。2.第2に、高校生が現代社会をどのように認知し、また評価しているのかについて検討を加えた。ここでは、不公平感や学歴社会イメージ、性別役割意識といった高校生の社会意識が、家族や学校においてどのように形成されているのか分析を行った。3.第3に、この17年間の宮城県の高校教育の変容についても触れた。そして、いくつかの高校を事例として選んで、いわゆる「進路多様高」の成立経過や、仙台における女子教育の変容について時系列的な分析を行った。
著者
白鳥 圭志
出版者
東北学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本年度は両大戦間期における外為銀行(横浜正金銀行)の分析の歴史的前提として、明治期から産業革命期に至る同行の経営動向の分析、管理体制の分祈を中心に行った。その結果、国内における産業資金供給の効率性を担保とする経営制度の確立は既に1880年代に見られたほか、日露戦争後までの時期の間に貿易金融機関としての経営体制のみならず、「満州」開発のための金融機関としての制度内容も整えられたことが明らかになった。その上で、産業革命期までの間に形成された経営体制を前提に第一次世界大戦期に経営拡大が図られることが判明した。ここまでの成果を前提に、第一次世界大戦期から金融恐慌前までの史料収集と分析に着手したが、残念ながら本年度中に史料収集も完了せず、したがって具体的な成果を挙げるには至らなかった。来年度は本科学研究費補助金の助成期間を過ぎてしまうが、何らかの形で財源を確保した上で第一次世界大戦期から1920年代半ばまでの史料収集と分析を継続し、成果としてのとりまとめを図りたいと考えている。また、できるだけ早い時期に、上記の産業革命期までの分析を論文として公表することを考えている。為替政策については、昨年度中に史料収集をほぼ完了することができた。もっとも、残念ながら、上記の外為銀行の史料が膨大だったために、予想外にこちらの史料収集と分析に時間がとられたため、為替政策の分析に着手することはできなかった。来年度、こちらの分析に着手し、成果としてのとりまとめをはかるつもりでいる。
著者
吉村 富美子
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、近年英語圏において「剽窃」および「他人の文章の借用」がどのようにとらえられているかを整理し、その理解に基づいて日本の大学において英文ライティング指導をどのように行うべきかについて理論的研究を行うことであった。この研究は、平成 25 年の 6 月に『英文ライティングと引用の作法-盗用と言われないための英文指導』というタイトルで研究社から出版される予定である。この本の中で、英語圏における引用と盗用(剽窃と同意)の考え方を紹介し、学生が盗用の指摘を受けないように日本の大学で英文指導をどう行うべきかを提案した。
著者
楠 義彦
出版者
東北学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

歴史学研究で用いる文書資料を計量的なテキストマイニングにより分析することは、歴史学研究者のみに可能な事柄である。これは文書資料を構成する語の時代的、地域的また文脈による多様性を計量的分析では捉えられず、通常の文書分析と並行して行わなければならないためである。解釈批判の実行は極めて高度な歴史学研究の能力と経験を必須の基礎としており、現状ではコンピュータで人の代わりをさせることはできない。仮にできたとしても、そのための準備作業に膨大な時間と労力がかかり、コスト高となってしまう。今後資料のデジタル化が進展や新たな方策を開発により、テキストマイニングの歴史学研究への利用可能性は高まるものと考えられる。