著者
佐藤 実 佐藤 美和 土屋 靖彦
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.1605-1608, 1981
被引用文献数
2

In the strongly acidic amino acid fraction of the muscle extract of abalone <i>Hariotis discus hannai</i> several acidic ninhydrin positive substances were detected by paper electrophoresis and paper chromatography. They were purified by ion exchange chromatography. One of them, which gave a yellow color with ninhydrin reagent and a blue color with isatin, was obtained as colorless crystals. Its chemical structure was established as L-pyrrolidine-2, 5-dicarboxylic acid (IV) by means of mass, NMR, ORD and IR spectrometries. IV has only been found in a red algs <i>Shizymenia dubyi</i> but not in animal tissues until now.
著者
福島 章
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.169-174, 2001-02-15

疾病論から操作的診断へ 1.疾病論 神経症の概念は,古く18世紀のCullenの命名に遡るが,心因にもとづく心理的障害という近代的な定義は今世紀に入ってからのもので,神経症という上位概念の下に,その後さまざまな類型が命名された。 一方,境界例の概念は,始めは偽神経症性分裂病,潜伏分裂病,外来分裂病,境界状態(分裂病の前後の状態),境界患者(疾病単位)などと呼ばれるなど,その概念は始めから大いに変遷を重ねたが,おおむね,神経症と精神病との「境界」領域と考えられてきた。(このほかに,正常,精神病,人格異常,神経症の4つに跨る境界状態とするSchmidbergの考え方もある)。そして,症状学的にはGundersonらの臨床的な症状の整理や記述,精神力動学にはKernbergの境界人格構造(BPO)の提唱などによってその理解が大いに進められたが,病跡学の領域においてこれらの貢献が活用された例はあまり多いとはいえない。
著者
近藤 有輔 高原 里奈 毛利 広野 高木 牧人 前田 理 岩佐 豪 武次 徹也
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.64-69, 2019
被引用文献数
2

<p>原子クラスターは自由度が高いために多くの構造異性体を持つ.通常の理論研究では,その最安定構造の探索と続く電子物性解析が主であったが,近年の理論化学的手法の発展により,安定構造間の異性化反応や,異性体を含めた触媒活性の研究が可能になってきた.本研究では,金,銀,銅のクラスターを対象として安定構造および異性化反応経路,およびNO解離の触媒反応経路の探索を行いその比較を行った.異性化反応の計算からは,金と銀に比べると銅は異性化反応の障壁が高く,これはバルクのモース硬度と同様の傾向を示していた.NO解離反応の触媒作用に関しては,金と銀は障壁が高い一方で,銅は障壁が低く,安価で豊富な元素による触媒の可能性があることが分かった.</p>
著者
樋口 貞行 角田 元成
出版者
日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会
雑誌
日本家畜臨床学会誌 (ISSN:13468464)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.51-55, 2007-10-30 (Released:2009-04-22)
参考文献数
5
被引用文献数
2 1

重篤な下痢症に罹患した子牛の救命率を向上させるには下痢症に伴って生ずる電解質・酸塩基平衡異常の改善が重要であるが、黒毛和種子牛に関するこれらの情報は極めて少ない。今回、携帯型の血液ガス分析装置を供試して、生後30日以下の黒毛和種子牛および下痢に罹患している子牛の静脈血の血液ガスおよび血液生化学成分の諸成分を測定した。その結果、健康な子牛では、pHv7.35±0.09、炭酸ガス分圧(PvCO2)60.5±12.5mmHg、総炭酸ガス濃度(tCO2)33.5±3.5mEq/l、重炭酸(vHCO3-)32.5±3.5mEq/l、Na+136.5±2.5mEq/l、K+4.75±0.65mEq/l、Cl-99.5±3.5mEq/l、過剰塩基(Base Excess;BE)7±4mEq/l、アニオンギャップ(Anion Gap;AG)9.35±2.65mEq/l、BUN9±6mg/dl、血糖114.5±29.5mg/dl、ヘマトクリット(Ht)27.55±10.25%、ヘモグロビン(Hb)9.15±3.35g/dlであった。健康な子牛における血液ガスおよびその関連血液成分の測定値は、下痢症に伴う代謝性アシドーシスに陥った子牛の多くの血液成分値との間に明確な相違を示した。子牛の救急診療あるいは日常診療における静脈血液の血液ガス分析は、臨床的な意義が大きく、また本研究における健康な子牛の血.液ガス諸相の測定値は、黒毛和種子牛における静脈血液の基準値になり得るものと考える。
著者
山縣 亮太 山田 洋明 花本 剛士 矢田 智春 稗田 祥正 藤原 宗
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.140, 2014

植物工場における植物育成用光源としてLED照明が使用されつつある。しかし、植物工場の従来のLED駆動電源システムでは、LEDの温度変化による順方向電圧の変化を考慮した制御が行われていない。そのため、LEDの温度上昇に伴い、LEDを駆動するシステムでの損失が増大することが課題であった。この課題を解決するために、本論文では、LED高速点滅機能を搭載した温度フィードバックタイプの新たな電源システムを提案する。提案システムでは、植物育成に適した高速点滅機能を有しており、消費電力も従来のシステムに比べ大幅に削減できる。実験により提案システムの有用性を確認したので報告する。
著者
尾身 茂
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.588-589, 2004-08-01

前号では,専門家会議で30億円のワクチン購入費用のための資金提供の要請に対して1円たりとも約束が得られなかったと書いて終わったが,今回はその資金調達の奮闘記である. 専門家会議の直後から,私は,ワクチン購入の金策のため,開発援助機関(世界銀行,アジア開発銀行等),援助国,ユニセフなどの公的機関を巡り歩いた.いわば“営業マン”としての生活が始まった.しかし恐らく,30億円という「金額」と,アジアでのポリオ「根絶」が,相手には荒唐無稽に映ったようで,こちらがポリオ根絶の可能性をいかに力説してみても,「大変良い話ですが,いずれまたお話をしましょう」と門前払いも同然だった.
著者
笠原 広一
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.113-128, 2019 (Released:2020-04-28)
参考文献数
51

本研究は近年,国際的な美術教育研究において注目されるArts-BasedResearch(ABR)に基づく日本での美術教育研究の可能性について検討を行ったものである。 その結果,ABRの海外での研究動向を調査すると,近年の国際学会やABRを専門とする学会や部会が成立するなど,一つの重要な研究動向となっていることが分かった。次に国内での研究動向の調査から,日本では教育学や社会学における質的研究において2000年代初頭に紹介され,演劇や社会学での実践が先行していることが分かった。近年の国際的な教育政策の連動性の中では,こうした国際的な研究動向の検討も不可欠であり,美術教育ではここ数年に研究が始まった状況であり,今後の研究が求められる。また,海外での成立の背景と歴史を整理すると,人文科学や社会科学における質的研究の発展と,そうした質的研究が芸術の特性に着目することでABRの理論化と実践化が進み発展してきたことがわかった。新しい美術教育の実践理論としての可能性も示唆され,今後は日本の美術教育研究においても理論的,実践的に検討を進める必要性がある。
著者
前田 英三 萩原 俊昭
出版者
日本作物學會
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.68-76, 1974 (Released:2011-03-05)
著者
神谷 卓司 和泉 昭宏
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第26回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.75, 2015 (Released:2015-10-20)

(はじめに) アジアをはじめ多くの国で家庭から出るごみは殆ど分別されずに埋め立てられている中で、日本、韓国、台湾ではそれぞれ特徴あるリサイクルの仕組みが整えられている。  このうち韓国については、プラスチック製容器包装の分別と処理にかかる「資源の節約と再活用促進に関する法律」改正で、制度や分離排出表示が変更されたが、このことはあまり知られていない。 今回、現地にて最新調査を行ったので報告する。 法改正に伴って、プラスチック製容器包装の分離排出表示(識別表示マーク)は、「ペット」(PET)、「プラスチック」「フィルム類」(비닐류(ビニールと呼称)の3種類となり、後者2つはPETを除くHDPE,LDPE,PP,PS,PVC,OTHERが適用材質となった。 ここで、OTHERは2種類以上のプラスチックを使用したラミネートを指す。(まとめ) 今回、 主に「プラスチック」と「フィルム類」(비닐류(ビニールと呼称)を対象に調査した。  その結果、1) 韓国において、複数の樹脂を使用した「フィルム類」OTHERの割合が増加していること。2) 収集実績は、「プラスチック」:「フィルム類」= 49%:51% (2014年KORA調べ)であった。 一方、韓国では「プラスチック」と、OTHERの多い「フィルム類」(비닐류(ビニールと呼称)とを、排出時点の最初から分別している点が、日本と大きく違う。(日本では、材料リサイクル(MR)に不向きの複数の樹脂がラミネートされている「フィルム類」がプラスチックと一緒に収集されている。) 「プラスチック」からは価格の高いリサイクルペレットが作られ、「フィルム類」はからは熱量が高い高品質のSRFが作られることになる。 そして、「プラスチック」は、ベールとペレットが有価で販売されるため、KORAからの支援金が無くても、収集からリサイクルペレットまでのサイクルがうまく機能する、と考えられる。 これは韓国全域の共通ルールであるため市民にも分かりやすいシステムであると考えられた。
著者
茂原 亜由美 本間 友貴 平山 哲郎 石田 行知 柿崎 藤泰 泉﨑 雅彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.467-472, 2019 (Released:2019-08-28)
参考文献数
37

〔目的〕努力呼気における広背筋下部線維筋厚の左右非対称性の有無と,骨盤側方挙上角度,呼吸機能との関連性を検討した.〔対象と方法〕若年健常成人男性20名を対象とし,安静呼気位と最大呼気位での左右広背筋下部線維筋厚,骨盤側方挙上角度を測定,また,呼吸機能検査を実施した.〔結果〕安静呼気位において広背筋下部線維筋厚は右側が厚く,筋厚左右比率と%ICの間に負の相関を認めた.最大呼気位には左側広背筋下部線維筋厚が増大した.最大呼気位での筋厚左右比率と骨盤側方挙上角度,%PE maxの間に負の相関を認めた.〔結語〕左右の広背筋下部線維筋厚は,骨盤の前額面上での水平化および%IC,%PE maxとの間に関連性があることが示唆された.
著者
内藤 貴司 山口 裕嗣 大柿 哲朗
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.103-113, 2016 (Released:2016-06-17)
参考文献数
40
被引用文献数
3 1

The timing at which ice is ingested prior to exercise may be important for optimizing internal pre-cooling effects. However, previous reports have not evaluated the influence of timing of ice ingestion on internal pre-cooling in the heat. The purpose of this study was to investigate the effects of differences in the timing of ice ingestion on endurance cycling capacity, body temperature and perceptional sensation during heat stress. Seven healthy males [age=26±2 yr, height=1.71±0.04 m, body mass=63.6±2.8 kg, surface area=1.74±0.03 m2, VO2max=49.7±4.4 ml・kg−1・min−1] ingested ice for 30 min before exercise under 3 separate conditions: ice ingestion at 30-(30D), 15-(15D) and 5-(5D) minute intervals. The total volume of ice ingestion was identical during 30D, 15D, 5D and was divided equally by the number of times drunk in each experiment. Subjects performed cycling to exhaustion at 70%VO2max in a hot environment (35℃ room temperature and 30% relative humidity). Rating of thermal sensation was lower in the 5D group at 15 min period during exercise than those under the other conditions (p<.05). Rating of perceived exertion was lower in the 5D group at 20 and 25 min periods during exercise than those under the other conditions (p<.05). There were no significant differences in rectal temperature, mean skin temperature or exhaustion time between the 3 conditions. These results suggest that there are no significant differences in exhaustion time or rectal temperature if the total volume of ice ingestion is identical, although ice ingestion until just before exercise attenuated the perceptual sensation of heat during exercise in a hot environment.