著者
Tie LI Keiya NISHIDA Yuyin ZHANG Tuyoshi ONOE Hiroyuki HIROYAU
出版者
社団法人 日本機械学会
雑誌
JSME International Journal Series B Fluids and Thermal Engineering (ISSN:13408054)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.687-694, 2005 (Released:2006-05-15)
参考文献数
9
被引用文献数
5 19

The effect of split injection on the mixture characteristics of DISI (Direct Injection Spark Ignition) engines was investigated firstly by the Laser Absorption Scattering (LAS) technique. Through splitting the fuel injection process, two possible benefits were found: 1) High density liquid droplets piling up at the leading edge of the spray can be circumvented, subsequently the reduction of the spray tip penetration; 2) The quantity of “over lean” (φv<0.7, φv: equivalence ratio of vapor) mixture in the spray can be significantly reduced. These are believed to contribute to the reduction of the engine-out smoke and HC emissions. In order to clarify the mechanism behind the effect of the split injection, the spray-induced ambient air motion was investigated by the LIF-PIV technique. The strong ambient air entrainment into the tail region of the spray and a counter-vortex structure were found in both the single and split injections. In the case of the single injection, the spray develops in extending its length, subsequently a larger volume results and thus it is diluted to “over lean” by the ambient air entrainment. In contrast, in the case of split injection, the second spray is injected into the tail region of the first spray and its evaporation is promoted by the ambient air motion induced by the first spray. Hence the replenishment of the liquid fuel into the leading edge of the first spray is reduced. As a consequence, the high density liquid droplets piling up at the leading edge is avoided. Furthermore, a more compact spray results so that the ambient air motion plays a positive role on evaporating the spray into “more combustible” (0.7<φv<1.3). This is especially true in the tail region of the spray and the region where the counter-vortex motion is occurring.
著者
Yuyin ZHANG Keiya NISHIDA Takuo YOSHIZAKI
出版者
社団法人 日本機械学会
雑誌
JSME International Journal Series B Fluids and Thermal Engineering (ISSN:13408054)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.100-108, 2003 (Released:2004-06-25)
参考文献数
17
被引用文献数
2 10

Recent experimental studies have shown that with split injection strategy, the soot and NOx emissions from a diesel engine can be reduced significantly in comparison with a conventional non-split injection. To understand the mechanism of emissions reduction, it is essential to clarify the process of mixture formation in the diesel spray. For characterizing the droplets and vapor concentration distributions inside a fuel spray, a dual-wavelength laser absorption-scattering technique (LAS) was developed by using the 2nd harmonic (532nm) and the 4th harmonic (266nm) of an Nd: YAG laser and using dimethylnaphthalene as a test fuel. By applying the ultraviolet-visible LAS imaging technique, the distributions of droplets and vapor concentrations in the spray, which was injected into a high-temperature and high-pressure nitrogen ambient in a constant volume vessel by a common-rail diesel injection system, were measured and quantitatively analyzed. The effect of injection mass ratio of double-pulse injections on distributions of equivalence ratios of vapor and droplets in the sprays was examined.
著者
佐藤 喜一 POLPATHAPEE Sunanta PEERAVUD Sumet ANTARASENA Soontorn
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.733-739, 1990

タイ国における頭頸部悪性腫瘍の実態を, わが国の国立がんセンターの研究資料と比較し興味ある結果を得たので報告した. いずれも1985年度の調査で, タイでは総数835 例, わが国では, 1, 353例であつた. タイでは口腔癌が圧倒的に多く46.83%であり, 次いで上咽頭癌22.63%, 咽頭癌14.85%の順であつた. わが国では口腔癌が33.85%で, 喉頭癌30。38%, 上顎洞癌11.30%の順であつた. これらはX2検定で有意であつた. 罹病者は男性が女性の2倍から3倍にみられたが, わが国の男性はタイ男性に比較して1.5 倍高い罹病率であつた. 口腔癌のうち舌癌は第1位であるが, タイでは頬粘膜, 歯齦, 口唇癌が多かつた. これはタイの人々が生の煙草やbetelを好んで噛む習慣のためと考察した. 上咽頭癌がタイに多く, これに対し喉頭癌と上顎洞癌がわが国に多い点について若干の考察を加えた.
著者
宮崎 哲夫 田中 栄治 古城 則道
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.167-168, 1996-09-04
被引用文献数
4

最近、パソコンやネットワークの普及により、電子化された情報が大量に出回ってきている。現状ではこれらの情報は整理されているとは言い難い状態にある。このような未整理な情報源から何かの知識を取得したい場合、見当違いの方面を探索してしまい、目的である知識になかなか到達することができないことが多い。そこで、電子化された情報の効率的な検索支援のために、何らかの方法による整理・分類機能が必要になる。文書の自動分類には、文書に出現する単語パターンの類似性に基づく方法がある。通常は単語間の関係を考慮せずに、単語を含むか含まないかなどの情報のみで分類していることが多い。そこで本稿では、単語間の関連を考慮した文書分類のために、単語の共起関係データに対する主成分分析に基づく意味空間の生成、および、文書を意味空間へマッピングする方法について述べる。
著者
Toshihiko Sugiura Mikio Shiraishi Shohei Konno Akihiko Sato
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
The Horticulture Journal (ISSN:21890102)
巻号頁・発行日
pp.OKD-061, (Released:2017-04-26)
被引用文献数
12

To develop a method for predicting the skin color of grape berries of three cultivars of Vitis labrusca L. × Vitis vinifera L. grown in Japan, we investigated the relationship between skin color and air temperature in the grape production areas of 18 prefectures. When mean air temperature during the 40 days before harvest date was ≥24°C, the skin color ratings of ‘Kyoho’, ‘Pione’, and ‘Suzuka’ were significantly negatively correlated with temperature. Skin color ratings decreased by about 1 unit per 1°C increase; at a given mean air temperature during this period, the rating of ‘Suzuka’ was higher (by 0.7 units) than that of ‘Kyoho’, which was higher (by 1.0 unit) than that of ‘Pione’. Because an approach to predict harvest date has not been established, we developed a method to predict skin color at harvest based on air temperature after the full-flowering date. We found the times that had a strong negative correlation between the mean air temperature and the skin color rating at harvest was 43 days from 50 DAF (days after full flowering) for ‘Kyoho’, 46 days from 46 DAF for ‘Pione’, and 42 days from 52 DAF for ‘Suzuka’. We obtained a linear regression equation for the relationship between the skin color rating at harvest and the mean air temperature during the periods. If the full-flowering date is known, it is possible to predict skin color at harvest by using this equation and the predicted air temperature after full flowering. We also developed a method for predicting anthocyanin contents in berry skins at harvest using significant regressions among the skin color rating, the skin anthocyanin content, and mean air temperature.
著者
菅間 敦
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.55-58, 2017

<p>脚立は業種を問わずあらゆる場所で見かける用具であり,軽作業で利用される機会が多いが,その使用方法を誤れば転落などの災害に繋がり,場合によっては死亡に至るケースもある.本研究では,安全な脚立作業の確立に向けて,脚立使用中の労働災害に関する統計分析によりその実態を明らかにするとともに,災害発生防止に向けた取り組みについての提言を行う.特に,脚立上で作業者がバランスを崩して転落するケースが多いことから,脚立上での作業時における身体姿勢の不安定性の評価結果に基づいて適切な脚立の使用方法について述べる.</p>
著者
一色 賢司
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.29-32, 2017

<p> 人間は従属栄養生物であり,ご先祖から食べ物で多くの苦労をしてきた.食品安全は,国,民族,地域でとらえ方や定義が異なる.食品安全分野でも,地理的条件,食文化が違うのに否応なしに国際標準化は進行している.食料自給率が低い我が国は,食品のリスク分析だけではなく,農場から食卓までのフードチェーン・アプローチを重視すべきである.消費生活においても,川上と川下の協力がなければ安定的な調達は困難である.我が国のフードチェーンは,地球全体に伸びていることを国民に説明し,理解を得なければならない.気候変動や天災,さらにテロなどの不測の事態にも備えるべきである.</p>
著者
伊藤 忠信 村井 繁夫 斎藤 弘子 大久保 昇 斎藤 裕志 道尻 誠助
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.593-601, 1997-01-20
参考文献数
11
被引用文献数
2

柴胡加竜骨牡蛎湯 (SRT) および柴胡桂枝乾姜湯 (SKT) は臨床使用において, 虚実の区別はあるものの, お互いに類似した精神・神経症状が目標とされている。本研究においては, 両薬方の中枢神経に対する影響を明らかにするため, 脳内モノアミン類とその代謝に及ぼす影響について, マウスを用いて比較検討した。1) SRTおよびSKTの単回投与は線条体のドパミン作動性神経伝達物質の含量を増大し, 代謝を促進した。2) SRTの反復投与は視床下部および海馬のドパミン作動性神経系の伝達物質の代謝を促進し, アドレナリン作動性神経系の伝達物質の代謝を抑制した。一方, SKTの反復投与は海馬のドパミン代謝を促進し, セロトニン代謝を抑制した。従って, 両薬方のドパミン作動性神経系の充進作用とセロトニン作動性神経系の抑制作用が, 精神・神経症状の調節に関与しているかも知れないことが示唆される。
著者
平田 直之 宮本 英昭
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.271-280, 2011-12-25

土星系の魅力的な衛星は,タイタンやエンセラダスだけではない.カッシーニ探査機の活躍によって得られたさまざまな知見は,その他大勢の小型衛星も,太陽系科学において極めて興味深い対象であることを示している.小型衛星は,その小さな重力場や弱い熱的変成履歴という意味で小惑星と対比できるだけでなく,その特徴的な形態や表層の状態が,ほかの衛星や周囲の環と複雑な相互作用の結果であることから,土星系における衛星や環の形成や進化の鍵を握っていると考えられる.本稿では,こうした多様性に富む土星系小型衛星の姿と推定される内部構造,さらには進化史について概説するとともに,今後の探査で期待される観測について議論する.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1924年10月27日, 1924-10-27

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1923年12月04日, 1923-12-04
著者
宮本 ともみ MIYAMOTO TOMOMI
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
アルテス リベラレス (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.92, pp.67-86, 2013-06

2011年3月11日,巨大津波をともなう東日本大震災が発生した。そして,東日本大震災は福島第一原発事故をも引き起こした。警察庁の発表によると,死者は15,883人,行方不明者は2,676人である(2013年5月10日現在)。また,復興庁の発表によると,避難者は309,057人で,その所在は全国47都道府県1,200の市区町村に及ぶ(2013年4月4日現在)。避難者のうち,いまだ避難所生活をしているのが125人,親族・知人宅等で生活しているのが15,205人である。残る293,727人は住宅等に入居済みとされているが,公営住宅や民間住宅のほかに仮設住宅および病院への入居も含まれている。震災から2年以上経過した現在でも,被災者の生活再建には様々な困難が立ちはだかっている。日本は,もともと災害王国といわれている。今後も起こりうる災害に対処するために,今回の大災害がもたらした問題の一つ一つについて検証が求められる。本稿では,今回の大震災がもたらした問題の一つとして「災害関連死」を取り上げる。東日本大震災の発生以降,災害関連死については,新聞等のマスメディアでも度々取り上げられて注目を浴びてきた。また,2012年4月11日,岩手弁護士会が岩手県および市町村に対して「災害関連死に関する声明」と題する要望を提出している。同年5月11日には,日本弁護士連合会も「災害関連死に関する意見書」を取りまとめて,復興大臣,内閣府特命担当大臣(防災)および厚生労働大臣等に提出している。一体,災害関連死をめぐる問題点はどこにあるのだろうか。筆者は,複数の被災自治体の委託を受けて災害関連死に関する審査をするために岩手県が設置した災害弔慰金等支給審査会の一委員を務めている。災害関連死をめぐっても,災害から引き起こされる問題の一つとして,今回の経験から今後の教訓として生かせることは何であるのかについて考えることは有益であろう。そこで本稿は,災害関連死がいかなる問題であるのかを把握したうえで,東日本大震災において現実に直面した経験をもとに,今後の課題を探ることを目的とする。さて,災害関連死問題を把握するために,次の2点を認識しておかなければならない。第1点は,災害弔慰金および災害障害見舞金の支給について定める「災害弔慰金の支給等に関する法律」(昭和48年9月18日法律第82号)の存在である。第2点は,同法にもとづく弔慰金および障害見舞金の受給対象者には,災害の直接的な被害による死亡者や障害者だけでなく,災害にともなう過労や環境悪化等が引き起こした内科的原因にもとづく死亡者や障害者も含まれることである。本稿では,次の2で,災害弔慰金の支給等に関する法律を紹介する。続く3で,各方面において用いられる「災害関連死」を取り上げる。そして4で,岩手県災害弔慰金等支給審査会の取組について述べる。最後の5では,今後の課題について触れる。
著者
豊田 純子
巻号頁・発行日
pp.1-133, 2015-03-25 (Released:2017-03-08)

我が国の工業集積地では、現在個々の企業だけでなく地域全体での取り組みの一つとして、観光を用いた地域活性化手法が模索されている(須田2009)。また、岡村ら(2014)では、東京大田区での実践にもとづき、工業集積地の維持、発展のためには、産業振興・まちづくり・観光振興の3分野の総合的アプローチが重要であると述べられている。そうしたなかで、近年、「オープンファクトリー」と呼ばれる期間限定で地域内の複数の工場を一斉公開するイベントが全国各地で開催されている。これは、産業観光を出発点に産業振興やまちづくりに寄与することを目指しており、全国的な普及からもこのイベントに対する期待が窺える(川原ら2014)。しかし、オープンファクトリーが各地域でどのような背景のもと導入・活用され、実際どのような成果を得ているのか、明らかにされていない。そこで本研究では、まず、①オープンファクトリーがもつ特性を把握し、②その特性が地域特性や目的に応じて導入・活用されている実態や具体的方法を明らかにする。また、③工現行の行政施策の中で、オープンファクトリーが取り組める内容や、果たせる役割を示すことを目的とする。研究の主な方法は、ホームページやパンフレットをはじめとする各種資料の解読、企画運営者へのインタビュー調査、イベント視察である。第2章では、現在稼働中の工場を対象に地域全体で行われている様々な産業観光形態のなかでのオープンファクトリーの特徴を明らかにするために、日本観光振興協会主催の「産業観光まちづくり大賞」の歴代受賞プログラム23件を調べ、その観光対象の内容と体験方法を把握した。その結果、「単体工場見学」、「工場見学ツアー」、「工場景観見学ツアー」、「複数工場同時公開」の4つに分類できた。なかでも本研究ではオープンファクトリーと呼んでいる「複数工場同時公開」の特徴として、観光対象がモノづくり(工業、製造業)の生産現場から地域内の他の要素にまで幅広いことや、観光者がその現場の人との自由度の高い交流できることにより、モノづくりの現場をより幅広く深く理解しやすい状況をつくっている可能性が示唆された。第3章では、こうしたオープンファクトリーの特性を具体的に理解し、一般化する視点を得るために、東京大田区において筆者が参画する「大田クリエイティブタウン研究会」がアクションリサーチとして平成24 年より取り組んできた「おおたオープンファクトリーを事例に、その取り組み背景や意図、実施状況を調査した。その結果、「おおたオープンファクトリー」には、①イベント時に地域内の回遊を促進させる<回遊促進性>、②地域内の複数の資源をまとめてみせる<地域資源のパッケージ性>、③イベントの立ち上げを契機としてモノづくりに関連するまちづくり・産業振興・観光振興などの複数分野に継続的に取り組む<分野横断性>、④地域内の技術や職人の連携を顕在化・創出する<人および技術連携の顕在化・創出性>、⑤新たな活動創出のための社会実験の機会を生む<社会実験性>の5つの特性があることを見出した。第4章では、現在、「おおたオープンファクトリー」以外の全国8事例の内容を比較しその傾向を把握した上で、新たに追加すべきオープンファクトリーの特性があるかを確認した。まず、各事例はその実施目的や成果から、「オープンファクトリーの実施目的類型」として、「産業振興指向型」(墨田区、燕市・三条市、関市)、「住工共生型」(横浜市港北区、川崎市高津区)、「総合的地域振興型」(台東区南部、台東区浅草、大田区)、「観光振興指向型(尼崎市)」という4つの型に分けられた。販売や契約促進のためのファンづくりをその主な目的とする産業振興指向型については、来場者を惹き付けるためにデザイナーが企画に加わる傾向が確認された。住宅と工場が混在する地域において両者の相互理解を目的としている住工共生型では、イベントのPR や参加対象者を地域内に限定させていた。イベントを契機に工業集積地の継続的な発展のために産業振興・まちづくり・観光振興の3分野に総合的に取り組む総合的地域振興型は、開催地が都心で、徒歩圏内に多くの参加工場が集積している傾向があった。また、追加すべきオープンファクトリーの特性としては、イベントの立ち上げ背景の傾向から、既存の施設や敷地内でのイベントを、新たに地域に広げる<地域展開性>を見出した。第5章では、オープンファクトリーの導入・活用実態を把握するために、第3、4章でとりあげた全9事例を横断的にみて、オープンファクトリーの6特性が、「オープンファクトリーの実施目的類型」の4つの型に対して、どのような関係性があるかを評価した。その結果、どの目的類型でも、<回遊促進性>・<分野横断性>・<地域資源のパッケージ性>という特性は生まれやすい一方、<人および技術連携の顕在化・創出性>・<社会実験性>という特性は、総合的地域振興型のように、地域の持続的な活動を指向している地域でないと生まれにくいことがわかった。特に、<回遊促進性>については、産業振興指向型や、総合的地域振興型のような製品や企業をPRしたい特定の対象や目的がある場合は、対象別にテーマを特化させたツアー形式を導入している。<地域内要素のパッケージ性>については、工場と共に発展してきた商店街等との連携によって生み出されている例が多いことがわかった。第6章では総括として、以上6つの特性をもつオープンファクトリーが、地域活性化手法の中で果たしうる役割を明らかにした。本来は産業振興、観光振興、住工共生まちづくりなどにまたがる横断的課題であるが、従来は個別の施策の取り組まれていたものが、オープンファクトリーを通して、モノづくり関係者同士やそれ以外の人々との交流・コミュニティ形成、地域内外への情報発信の2点について効果を発揮して、横断的に取り組めることがわかった。 首都大学東京, 2015-03-25, 修士(観光科学)
著者
吉田 浩子
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.52-57, 2016-09-01 (Released:2016-09-15)