著者
家田 仁 志田 州弘 永井 邦彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.217-224, 1990

Train scheduling is nowadays regarded as one of the effective ways to improve user's benefit on commuter railways with heavy congestion in highly populated metropolitan region. In this study, many model cases varing either demand pattern and its level or train schedule pattern are analized to find the feature of the desirable train schedule, using user equilibrium theory in network assignment. Then some practical formulas to evaluate user's benefit are derived from the upper mentioned analysis, and their adaptability is verified in the situation of real railway lines. Finaly, the formulas are practically applied to the existing lines to compare train schedule at present with several proposed alternatives.
著者
遠藤 広晴 伊積 康彦 林 伸明
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.187-190, 2013-11-22

夏季の通勤列車内の温熱環境の実態を把握するため,営業運転中の通勤列車内の温湿度測定,および主観評価を行った。駅間走行中の車内には水平方向に平均で3℃,最大で6℃程度の温度差が生じており,車内位置により温熱快適性が異なる可能性が示唆された。車内各位置の上下温度差は4℃以下であり,温熱快適性に大きな影響を及ぼすほどではなかった。温湿度変化速度は±1.0℃/min, ±6.0%/min程度まで観測され,非定常性の高い温熱環境であることを確認した。駅停車中のドア開時の温度上昇幅は,ドア直近では平均2.7℃,その他の位置では平均1.5℃程度であった。主観評価結果と評価時の温湿度測定値を基に,PMV,PPDを算出し,本調査での不快申告率,不満足申告率との比較を行った。PPDがPMV=0で最小値となるのに対し,不快申告率,不満足申告率はPMV=-0.5付近で最小値をとり,季節性が温熱快適性に影響を及ぼしていることが示唆された。
著者
奥野 雅雄 中川 宏 宗吉 史昭 小硲 真智子 小篠 薫
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.531-536, 1977-08-05
被引用文献数
1

汚でい中の6価クロム{クロム(VI)}は,鉱酸などを用いることなくEDTAを用いてクロム酸塩を溶出し,直ちにジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(DDTC)と錯体を形成させメチルイソブチルケトン(MIBK)に抽出することができる.汚でい中に含まれる難溶性クロム酸塩をアンモニアアルカリ性溶液中においてEDTAで溶解し,結合金属イオンを錯化溶出してクロム(VI)を水溶化する.これをpH5付近でDDTCなどの還元剤で発生機状態のクロム(III)にした後,過剰のDDTCと錯体を形成させ,これをMIBKに抽出する.MIBK相を揮散させた後硝酸で分解して原子吸光分析(少燃料フレーム)することにより,共存物の影響をほとんど受けずに定量を可能にした.なお,本法は(10〜5)%の変動係数で汚でい中のクロム(VI)を迅速かつ簡便に定量できる.
著者
大黒 鉱
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.361-365, 1975-06-10
被引用文献数
1

空気-アセチレン及び空気-水素フレ-ムを用いるクロムの原子吸光分析において、数種類のクロム化合物より調製した標準溶液が、同じクロム濃度にもかかわらず異なった感度を示した。各クロム化合物の水溶液での感度の大きさは次のとおりであった。空気-アセチレンフレーム:クロム酸アンモニウム>重クロム酸カリウム>塩化クロム>クロム酸カリウム。 空気-水素フレーム:重クロム酸カリウム>クロム酸アンモニウム>クロム酸カリウム>塩化クロム。 このような感度差は、クロムに対して大きな増感干渉を示す塩化アンモニウムの添加によって補正することができた。その結果、検量線作成用の標準溶液と試料溶液にそれぞれ塩化アンモニウムを添加することにより、いずれのクロム化合物も標準として用いることが可能となり、また数種類の異なったクロム化合物が共存する試料中の全クロムの正確な分析も容易にできるようになった。
著者
阿久津 哲也 清水 得夫 上原 伸夫
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.693-698, 2009-08-05
参考文献数
18
被引用文献数
2

<i>in situ</i>抽出剤生成法とミクロ溶媒抽出法を組み合わせた水試料中のクロム(III)とクロム(VI)の分別法を開発した.試料水25 mLに,モル比を1 : 2とした二硫化炭素とピロリジンを3 v/v% 含むキシレンの混合溶媒を500 μL加え,ミクロ溶媒抽出して50倍濃縮を行った.有機相を分取し,黒鉛炉原子吸光測定した.pH 3.0においてクロム(VI)は,系内で生成したピロリジンジチオカルバミン酸と錯形成し,選択的に抽出される.pHを6.0として35℃ の水浴で30分間加温することで,酸化することなくクロム(III)をクロム(VI)と共に抽出できる.50倍濃縮における検量線は直線性を示し,クロム(VI)及び全クロム[クロム(III)]の検出限界(3σ)はそれぞれ0.75 ng/L,0.64 ng/Lであった.本法をミネラルウォーターと河川水試料に適用した.また,添加回収試験を行ったところ,本法は水試料中のクロム(III)とクロム(VI)の分別に有用であることが分かった.
著者
荒川 高晶
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.1742-1746, 1967
被引用文献数
4

一般式R<SUP>2</SUP>CrClで表わされるジアルキルクロムクロリドをテトラヒドロフランを溶媒とし, 無水三塩化クロムとアルキルマグネシウムハライドの反応により合成した。このジアルキルクロムクロリドは,普通テトラヒドロフランを配位した熱に不安定な緑褐色結晶で,常温以上の温度でクロムに結合しているアルキル基と同じ炭素数のアルカン,アルケンおよびその二量体,三量体等を生成しながら分解する。また,常温以下の温度で,ハロゲン化アルミニウム,有機ハロゲン化アルミニウムのようなルイス酸との二成分系で,エチレンを接触的に重合させ,分子量20万ないし100万程度の高密度ポリエチレンを生成する。
著者
林 兼六 小田島 守 伊沢 健
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.353-357, 1979-01-31
被引用文献数
2

牛の2品種(黒毛和種=B種およびホルスタイン種=H種)の発育性を比較するために,野草地および牧草地において放牧試験を行った。連続2ヵ年(1972,1973)の各放牧シーズンとも,野・牧草地のそれぞれに約20カ月令の去勢牛12頭(各品種6頭ずつ)を全放牧して増体について調査した。また2年目の春と秋に野草地放牧牛の放牧行動を観察し,酸化クローム・クロモーゲン法による食草量の推定を行った。得られた結果は次のようであった。1)野草地および牧草地における日増体は,それぞれB種では0.30kg(1年目),0.48kg(2年目)および0.47kg,0.51kg,H種では0.52kg,0.56kgおよび0.92kg,0.70kgであった。これをみると,両草地ともB種よりH種の増体が,また両品種とも野草地より牧草地における増体が優れていたが,両草地における増体の差はB種に比べてH種のほうが遙かに多かった。したがって,相対的にはH種よりもB種が野草地をより良く利用したといってよかろう。2)2品種の野草地放牧牛は,一団を形成して行動することが多かったが,朝夕2回の食草のピーク時には,品種ごとの2集団に分れる傾向があった。また急斜面での食草のばあいB種がH種より先行した。3)春の推定食草量(乾物/頭・日)は7.4〜7.5kgで納得のゆくものであったが,秋のそれは4.4〜4.8kgと非常に少なかった。秋におけるこの異常に低い数値は,草中のクロモーゲンが牛の消化器官通過の間に著しく変成もしくは吸収されたことによるものと推察された。この結果から,消化率推定のための指標物質としてクロモニゲンを利用することには,極めて問題があると思われた。
著者
永井 邦彦 家田 仁 下大薗 浩 志田 州弘
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.149-156, 1991

Mowadays the improvemont of train goheduting to reliev congestion comes to be more important. Recause there are a huge number of feasible alternatives, the development of a method to narrow down the pattern of train scheduling is required. At First, typical sections of seventeen lines in reality are drawn and their characteristics are analyzed. Then four nonlinear programming problems are solved. The results are referenced, demand pattern models and train scheduling pattern models are set up. User's disutility on each case is evaluated by user's equilibrum assignemnt on time-space network. Then relationship between demand pattern and adequate train scheduling pattern is made to be clear.
著者
沼 晃介 田中 克明 赤石 美奈 堀 浩一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回全国大会(2008)
巻号頁・発行日
pp.49, 2008 (Released:2009-07-31)

本研究は市民の表現活動を持続的に豊かにすることを目指す.表現の液状化と結晶化のサイクルモデルを示し,これをまわすことが市民の表現の成長につながると考え,表現候補の自動生成とインタラクションに基づき循環を促進する手法を提案,実装する.
著者
木村 邦博
出版者
The Japanese Association of Sociology of Law
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.45, pp.92-96,334, 1993

Students of "law and economics" adopt the rational choice approach. The approach contributes to giving an explanation of unintended consequences which result from aggregation of individuals' rational decisions or behaviors under the constraint of the law. However, it fails to explain why and how the law itself is established. Game theoretical models which formulate the problem of pollution caused by the use of metal-studded tires exemplify the possibility and the limit of the approach.
著者
関 裕也 関 貴子 黒沢 明子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.B3O1059-B3O1059, 2010

【目的】脳卒中片麻痺の麻痺側下肢筋力を対象とした研究では、大腿四頭筋のみを指標としているものが多い。しかし、脳卒中片麻痺の下肢筋力と他の因子との関係を調べる上で、大腿四頭筋のみの指標で十分なのだろうか。日々の臨床では、麻痺側大腿四頭筋を重点的に強化しても能力が改善しない例を多く経験するため、大腿四頭筋以外に重視すべき筋があるのではないかと疑問に感じている。そこで今回、ハンドヘルドダイナモメーター(以下、HHD)を用いて脳卒中片麻痺患者の大腿四頭筋を含む複数の下肢筋力を測定し、バランス・歩行・ADLとの相関を検討した。<BR>【方法】対象は、歩行能力が監視レベル以上の脳卒中片麻痺患者22名(男性14名、女性8名、平均年齢61.9±8.8歳、平均罹患期間66.2±70.1ヶ月)である。HHD(μTasF-1:アニマ社製)を用いた麻痺側下肢の筋力測定は、前脛骨筋、下腿三頭筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、股関節屈筋、伸筋、内転筋、外転筋を対象に行った。測定は、最大努力の等尺性収縮を5秒間行わせた。1回の練習後、30秒以上の間隔をあけ2回測定し、最大値を採用した。そして得られた値(N)に、関節からセンサーまでの距離(m)を乗じてトルク値を求め、さらにデータを標準化するためにトルク値を対象者の体重(kg)で除して筋力値(Nm/kg)とした。バランスおよび歩行指標はFunctional Reach Test(以下、FRT)、10m歩行速度(以下、歩行速度)、Timed U p & Go Test(以下、TUG)を計測した。歩行速度とTUGはいずれも最速歩行で計測した。ADL指標はFIMを用いた。統計学的解析は、各筋力値とFRT、歩行速度、TUG、FIMの間で、Pearsonの相関係数検定を実施した。<BR>【説明と同意】本研究は、ヘルシンキ宣言に沿って計画した。対象者には本研究についての説明を行い、同意を得た上で計測を行った。<BR>【結果】前脛骨筋、大腿四頭筋、股関節内転筋、外転筋においてFRT(r=0.44, 0.45, 0.65, 0.64)、歩行速度(r=0.52, 0.51, 0.68, 0.70)、TUG(r=-0.45, -0.49, -0.64, -0.71)、FIM(r=0.45, 0.46, 0.65, 0.58)の全指標と相関が認められた(前脛骨筋と大腿四頭筋はp<0.05、股関節内転筋と外転筋はp<0.01)。また、股関節伸筋はいずれの指標とも相関が認められなかった。その他の筋に関しては、部分的な相関しか認められなかった。<BR>【考察】結果より、バランス・歩行・ADLと相関の認められた筋は、前頸骨筋、大腿四頭筋、股関節内転筋、外転筋であった。特に股関節内転筋と外転筋は前2者に比して高い相関が認められた。股関節内転筋が全指標と相関するのは仮説に反していたが、股関節外転筋との同時収縮で骨盤の側方安定性を得るために重要な役割を果たしていると解釈できる。以上より、脳卒中片麻痺の能力との関係を調べる際、大腿四頭筋だけでなく骨盤の側方安定性に関与する股関節内・外転筋群も指標として用いる方が、より的確に関係性を捉えることができると考える。<BR>【理学療法学研究としての意義】脳卒中片麻痺の麻痺側下肢筋力を対象とした先行研究の多くは大腿四頭筋のみを指標としているが、本研究結果から股関節内・外転筋群の方が指標として適している可能性が示唆された。さらに、麻痺側股関節内・外転筋群を強化し、同時収縮を促すことで、脳卒中片麻痺の能力が向上する可能性も示唆された。この点については、今後検討を重ねていきたい。
著者
長沢 工
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.271-280, 1978-08-15
著者
川口 洋平 永野 久志 松原 大輔 影広 達彦 高田 安章 橋本 雄一郎 廣池 敦
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

日立では、文科省の委託により、2009年度まで、駅などで使用できる高スループットの爆発物探知技術を開発してきた。この技術では、探知装置が発報した際、対象者の安全な確保が運用上の課題であった。報告者らは、この技術の実用化の支援のため、新たに分散配置した複数カメラの画像に対して対象者の通過時の画像をキーとした類似画像検索を逐次実行する方式を提案し、対象者の経路を逐次実時間で特定できる可能性を確認した。
著者
澤井 祐紀
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.9, pp.535-558, 2012
被引用文献数
1 34

2011年に発生した東北地方太平洋沖地震による津波以降,過去に発生した未知の超巨大津波の痕跡を研究する要望が高まってきた.本論では,新たに津波堆積物に従事する研究者や事業者を意識し,これまでに行われてきた古津波堆積物に関する研究を総括する.古津波堆積物の候補となる地層は,静穏な環境に堆積する泥炭層や泥層の中に見られることが多い.古津波堆積物の候補となったイベント堆積物は,層厚や粒度の変化,化石類,環境変化の同時性などによって総合的に評価され,津波堆積物であるかどうかを判断される.認定された津波堆積物の年代測定は,放射性炭素年代測定,過剰Pb-210法,Cs-137法,光ルミネッセンス法などによって行われる.特に放射性炭素年代測定では,測定物試料に十分注意しなければならない.例えば,津波堆積物の直上や直下から得られた大型植物化石や昆虫化石は信頼性の高い値を示すが,所謂bulk sampleでは信頼性の高い年代値は得られない.このような過去の津波堆積物の分布を平面的に追うことで,当時の最小限の浸水範囲を知ることができる.ただし,浸水域の復元には当時の海岸線の位置を考慮する必要がある.