著者
永井 紀彦 川口 浩二 吉村 豊 鷲尾 朝昭 谷川 亮一 青木 功
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_905-I_910, 2012

海洋構造物への外力条件として重要となる洋上風の乱れについて,大水深沖合観測点で波浪と洋上風の同時観測を実施しているGPS波浪計による観測データをとりまとめ,洋上風の乱れ強度の出現特性を検討した.すなわち,青森東岸沖、三重尾鷲沖、和歌山南西沖および高知西部沖の各GPS波浪計による観測データに関して,2008年における20分間単位の年間上位500観測の有義波高を記録した高波浪時を抽出し,洋上風の平均風速・乱れ強度および有義波高・周期との関係を整理した.各種波浪パラメータと洋上風の乱れ強度との相関性は必ずしも高くなかったが,強風時に乱れ強度が比較的大きな値を示す出現頻度は,北方向のフェッチが大きい観測点ほど,大きくなる傾向が見られた.
著者
島内 裕子
出版者
放送大学
雑誌
放送大学研究年報 (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.132(1)-122(11), 2011

吉田健一には、神戸とその周辺の土地の食べ物や酒について書いたエッセイがある。それらのエッセイの記述の背景には、当地を案内してくれた須磨在住の詩人・竹中郁の存在があった。竹中郁が書いた同様のエッセイと読み比べながら、吉田健一の神戸周辺の「味わいエッセイ」を検証すれば、そこに選ばれている食べ物や店の選択に、竹中郁が大いにかかわっていたことが明らかになる。このことはそのまま、吉田健一の記述に対する注解ともなり、吉田文学をより深く理解するための一助となろう。
著者
西森 拓
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
鉱物学雜誌 (ISSN:04541146)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.77-81, 1995-04-30 (Released:2009-08-11)
参考文献数
14

With the increasing interest on nonlinear complex phenomena which are lack of explicit symmetry and are not treatable with established methods of physics, new methodology is now required.Here, using a recent computational method with a new point of view, the global pattern dynamics of dunes is discussed. The present procedure of study is expected to give a new prototype for searching complex systems and to give a way to make collaboration between researchers on different fields.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1700, pp.37-39, 2013-07-22

スマホメーカーにとって、対応しなければならない通信方式がネズミ算的に増えていることになる。4Gのみならず、従来の2Gや3Gにも引き続き対応する必要があるためだ。 地域で違う周波数帯に対応するためには、受信信号を切り替える「スイッチ」、特定周波数の…
著者
宮崎 千穂
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

平成20年度より平成23年8月まで(途中、出産・育児による中断あり)の約3年間に亘る本研究では、医療・衛生の観点より「帝国」を捉えなおすことを目的とし、特に、ロシアから日本へと伝播された「検黴」(梅毒検査)を手がかりに、「性病」のあり方を考察してきた。最終年度である本年度(平成23年4月~8月)は、幕末の長崎で日本初の検黴を実施したロシア艦隊がその後、1890年代にいかなる「梅毒との闘い」を繰り広げたのか、ロシアにおいて収集した史料を分析することで明らかにし、その内容を論文としてまとめた。日本最初の検黴以後も、ロシア艦隊は継続して<長崎の梅毒>を憂慮しており、特に、<秘密売春(私娼)>目を向け、その取締りを長崎当局に要請していた。一方で、注目すべきことは、同時に、<売り手>である長崎の女性のみならず、<買い手>であるロシア水兵に対する管理も本格化していたことである。1890年代、ロシアでは梅毒蔓延対策をめぐり梅毒学者や医師などが参加する全国規模の大会が開催され、子孫の絶滅危機という梅毒を<国民病>とする語りによって農村での梅毒蔓延の危険性が訴えられた。その時、下級軍人(兵士)には<帝国全土への梅毒の散布者>というラベルが貼られ、罹患者の洗い出しのため、病に対する差恥心を捨てて病を自白し医師の治療を受ける必要性が教育されるとともに軍務生活中の自律が強く求められたのである。その際、下級軍人には、梅毒は都市の売春婦との性的関係により感染するものの、帰郷後の農村では性的関係以外の経路で家庭、子孫に感染させると教えられた。かような軍医による医学的語りは、<都市の性病>、<農村の生活習慣病>としての梅毒像を結んだのである。
著者
中間 実徳 松本 治康 蘭守 竜雄
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.433-441, 1970
被引用文献数
1

乳牛25頭, 30例の関節炎につき, 臨床的に観察し, 治療を行ない, さらに23例については起炎菌の検索を行なった. また, 分離菌を用いて, ウシの感染試験を行ない次のような結果を得た.<BR>1. 30例の発症部位は, 飛節 (足関節) が16例 (53%) でもっとも多く, 次いで腕関節 (手関節) が9例 (30%) あり, 球節ないし蹄冠部は5例 (17%) であった.<BR>2.25頭の症状については, 40℃前後の発熱を伴い, 食欲不振や泌乳量の低下などの全身症状を呈したものが15頭 (60%) あり, 局所症状に止まったものは10頭 (40%) であった.<BR>3.これらを治療の結果, 治癒したと判定されたものは30例中22例 (73%) あり, 再発したもの2例, 廃用6頭であった.<BR>4. 細菌学的検査の結果, <I>Cory.pyogenes</I>のみ分離されたものが11例 (48%), <I>Cory.pyogenes</I>とその他の菌 (Streptococcus, Staphylococcus, <I>E.coli</I>, Proteus) の混合感染を認めたものが3例 (13%), Streptococcusのみのものが2例 (9%), 菌の検出されなかったものが7例 (30%) あった.菌の検出された16例のなかで, <I>Cory.pyogenes</I>が関与していた例は14例 (87.5%) であった.<BR>5.今回分離した<I>Cory.pyogenes</I>を乳牛2頭を用いて関節に接種試験し, 2頭とも実験的に関節炎を発症させ得た.また, 接種した関節から接種菌と同じ菌を分離できた.
著者
奥山 正 オクヤマ タダシ Okuyama Tadashi
出版者
山形県立産業技術短期大学校
雑誌
山形県立産業技術短期大学校紀要 = Research report of Yamagata College of Industry & Technology
巻号頁・発行日
no.13, pp.7-10, 2007-09-01

要旨 : 『JPCA Show ビンゴロボット競技会』は、毎年6月頃に東京ビックサイトで開催されている。このロボット競技会は、東北ポリテクニックビジョンにおけるビンゴロボット競技会のルールを採用している。山形校からは毎年東北ポリテクニックビジョンのロボット競技会に参加しており、同じルールである『JPCA Show ビンゴロボット競技会』への参加も容易なため、昨年の競技会から参加している。今年が2回目の参加であるが、参加した2台のロボットがそれぞれ準優勝・4位という結果を得ることができた。そこで本稿では、参加したこの競技会の様子の報告と準優勝できた要因の考察および今後の課題について述べる。 キーワード : JPCA Show, 東北ポリテクニックビジョン, ビンゴロボット競技会
著者
阿江 通良 宮下 憲 飯干 明
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム
巻号頁・発行日
vol.9, pp.105-113, 1988
被引用文献数
3 2

The purposes of this study were to analyze energy flows between lower limb segments during a cycle of sprinting and to clarify the characteristics of two different running motions, starting dash and sprinting at a constant speed, by comparing their energy flows. Three male sprinters dashed 20m and ran 100m giving their full effort. They were filmed at the 1-step and 5-step points after the start and at the 80m mark of the 100m sprint with a motion-picture camera. Ground reaction force data were simultaneously sampled at 500Hz. Digitized x and y coordinates of the body marks were smoothed by a digital filter cutting off at 8Hz for the start dash and 10Hz for sprinting. A 14-segment link modelling was used to compute linear and angular kinematics, joint forces, and net muscle moments. Joint force and muscle moment powers (abbreviated JP and MP) were computed as defined by Robertson and Winter (1980). Analysis and comparison of energy flow in a starting dash and sprinting at a constant speed revealed that: 1) Magnitude of energy flow by JP was much greater than that of MP in sprinting, while the difference in power level of JP and MP was less 1 step after the start. 2) In the early recovery period of sprinting, energy in the lower limb flowed from the trunk toward the foot, and it flowed in the reverse direction in the late recovery period. In the support period, the muscles at the ankle and knee joints absorbed most of the energy. Energy flowed from the trunk and thigh to the shank in the first half of the support period, and from the foot to the shank and from the trunk to the shank through the thigh in the second half. 3) In the recovery period of the starting dash energy flowed in the same manner as in sprinting. However, in the support period, the energy flowed from the foot to the thigh and the trunk. Notable was energy flow from the opposite thigh (i.e., the recovery thigh) to the trunk. From the viewpoint of energy flow patterns in the lower limb, a starting dash may be characterized as the running motion that accumulates as much mechanical energy in the trunk as possible through the generation of energy by the knee joint muscles and the transfer of energy to the trunk from the leg, especially the opposite leg at the support stage. Sprinting at constant speed may be characterized as the running motion to redistribute the energy between the body segments and the trunk with the minimum loss of energy.
著者
成合 英樹
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.3_39-3_43, 2016-03-01 (Released:2016-07-01)
参考文献数
2
著者
大野 和朗 山口 大輔 マリヤナ ニナ 嶽崎 研 嶽本 弘之
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1-9, 1999-03-25
被引用文献数
2

マメハモグリバエの幼虫寄生蜂4種6系統について, 増殖効率を明らかにするとともに, 羽化蜂を効率的に回収するためペットボトル容器を用いた羽化蜂回収容器の有効性を検討した.1) 飼育箱に一定数の雌蜂を放飼し, 数百頭の寄主幼虫を与えた場合, 雌蜂あたり次世代数には種間で有意な差は認められなかった.2) しかし, 性比はC. pentheus, D. isaeaおよびH. varicornisで雄に偏り, 雌の割合が低かった.対照的に, N. formosaでは極端に雌に偏り, 雄はわずかであった.3) D. isaea(DI-KGS)の放飼雌数を5, 10, 20頭に変えて約800頭の寄主を供試した場合, 次世代の生産に利用された寄主の割合は20頭供試区でも27%と低く, 寄主体液摂取の対象となった寄主すなわち死亡幼虫の割合は30&acd;50%と高かった.4) ハモグリミドリヒメコバチN. formosaの産雄性単為生殖系統(NF-KHO)および産雌性単為生殖系統(NF-KGS)の成虫数百頭を飼育箱に維持しながら, 数百頭の寄主を供試した場合, 前者の次世代数は後者の2倍近い値となった.しかし, 前者の性比は雄に偏り, 後者ではほとんどの個体が雌であった.5) ペットボトルを用いた羽化蜂回収容器にはいずれの種も80%以上の個体が試験管に回収されたが, その割合はC. pentheusで有意に低かった.6) 以上の結果から, N. formosaの産雌性単為生殖系統が大量増殖に最も適していると考えられた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.732, pp.78-82, 2009-06-10

「営業の頑張りで4兆円割れを防げ」。NECの全営業担当者に大号令がかかっている。赤字転落した業績の黒字化は必達事項だが、一方で売り上げの減少傾向に歯止めをかけることも急務。今後のNECの成長を支える柱となる営業改革は実を結び、売り上げと利益の二兎を追うことはできるのか。 痛恨の極み─。