2 0 0 0 しゃぼん玉

著者
乃南アサ著
出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
2004
著者
石井 正典 嘉村 多聞 室岡 良伸
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.98-104, 1998-05-16
被引用文献数
1

本研究では, 夏期(7〜9月)の河川流量と降水量, 平均気温および森林蓄積の関わりを調べた。1.降水量の増加, 気温の降下および森林蓄積の減少は河川流量の増加に影響することがわかった。2.平均流量に対する3変数の寄与は, 降水量, 気温, 森林蓄積の順であるが, 降水量の寄与は大きく, 気温と森林蓄積は降水量の1〜2割と小さい。3.河川流量が大きいとき(豊水時流量)は降水量の寄与が大きい。4.河川流量が小さいとき(渇水時流量)は降水量に加えて, 気温および森林蓄積の寄与も大きくなる。5.降水量の減少, 高温および森林蓄積の増大は水枯れの原因となるから, 更新に伴う森林の伐採は, 少なくとも, 研究対象流域では水枯れ防止に役立つものと推察される。
著者
品田 知美
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.3, pp.179-195, 1997-09-20

経済原理としての互酬は、これまで環境との関係では市場交換や再分配に比べて優位な扱いを受けてきたにもかかわらず、その理由が明確に語られたことはなかった。はじめに本稿では、互酬に対して「2以上の対等関係にある主体が、貨幣によらずに対象を取り引きすること」という操作的定義を与える。次に、環境と互酬の接点については、森林の取り引きを具体例とした理論的考察により、主体の対等関係および取り引きに仕随する内的意義という2つの要件からみて、互酬が市場交換よりも世代間や国家間の取り引きにおいて優位に立つ可能性を示す。その上で、"近代と両立しうる共同体"を指向する組織として共的セクターを位置づけ、ヤマギシ会、生活クラブ生協、(株)大地の3事例の検討を通して、互酬の存立要件を検証したところ、組織内部で互酬取り引きを存続させる場合、主体と対象に課すべき一定の制限が明らかになった。近年、組織内での互酬取り引きの維持はますます困難になりつつあるようだ。だが、主体の対等性という互酬の要件は近代社会の理念と親和的なので、組織内部に限らずとも、互酬は個人や他の民主的組織を主体とした私的領域において、十分に成立する余地がある。また、特殊な直場での交換にも、環境にとって有意義な「内的意義」を伴った取り引きが成立する余地が残されている。ここには、互酬と環境に関して共的セクターに限定しない議論の可能性が聞かれていると考える。
著者
長谷 紀志 岩田 全広 土田 和可子 鈴木 重行
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Aa0906, 2012 (Released:2012-08-10)

【目的】 筋力増強は,長期臥床や神経疾患あるいは骨関節疾患により生じた筋力低下を改善し,運動機能を向上させる。筋力は筋断面積と相関する(Narici G, et al., 1992.)ことから,筋力増強は筋断面積の増大つまり筋肥大に寄与するところが大きいと言われている。骨格筋線維(筋細胞)は過負荷やストレッチなどの機械的ストレスの増大に応答して肥大する。筋細胞が機械的ストレスに応答し,その効果が発揮されるためには,(1)機械的ストレスの受容,(2)化学的シグナルへの変換,(3)シグナル伝達,という3段階の過程を経る必要がある。機械的ストレスによる筋肥大に関わるシグナル伝達((3))については盛んに研究が進められているが,機械的ストレスの受容((1))や化学的シグナルへの変換((2))についてはほとんど解明されていないのが現状である。この点について,筋以外の細胞では,細胞表面接着分子の一種であるインテグリンが機械的ストレスを最初に受容するメカノセンサーとして働くことが提唱されている(Schwartz MA, et al., 2010.)。したがって,筋細胞においても,インテグリンを介して機械的ストレスが受容される可能性がある。そこで本研究では,機械的ストレスによって誘導される骨格筋肥大が,インテグリンを介して引き起こされるかどうかを検討した。【方法】 実験材料には,マウス骨格筋由来の筋芽細胞株(C2C12)を使用した。I型コラーゲンをコーティングしたシリコンチャンバー内に筋芽細胞を播種し,増殖培地にて2日間培養しサブコンフルエント状態にまで増殖させたところで,分化培地に交換して筋管細胞に分化させた。その後,Ara-C(10μM)を培地に添加して3日間培養することで残存する筋芽細胞を除去した後,実験を行った。実験群としては,通常培養した対照群,ストレッチ(頻度1/6 Hz,伸張率112%)を行った群(S群),インテグリンβ1/β3阻害薬(echistatin,25 nM)を培地に添加した群(E群),echistatinを培地に添加してストレッチを行った群(E+S群)の4群を設けた。筋肥大の評価は,Stittら(2004)の報告を参考に以下に示す方法で筋管細胞の横経を計測した。ストレッチ開始から72時間後に筋管細胞の位相差顕微鏡像をデジタルカメラで撮影し,PCに取り込んだ。そして,Adobe Photoshop CS5を用い,1本の筋管細胞につき50μm等間隔で計3箇所の横径を計測し,その平均値(mean±SD)を算出した。なお,計測に用いた筋管細胞は,細胞のアウトラインが明瞭で形が管状であるものとし,計測した細胞数は各群とも100本以上であった。統計処理には,一元配置分散分析を適用し,各群間において有意差が存在するかどうかを判定した。一元配置分散分析にて有意差を認めた場合は,多重比較検定にTukey法を適用し,2群間に有意差が存在するかどうかを判定した。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮】 本研究で使用した細胞は,市販されているものであり倫理的問題はない。【結果】 S群の筋管細胞の横径(19.6±10.8μm,n=113)は,対照群(14.7±5.4μm,n=119)に比べ有意に増大したが,E+S群(16.5±6.6μm,n=111)ではその増大が有意に抑制された。E群(15.7±6.9μm,n=123)の筋管細胞の横径は,対照群に比べ有意差は認められなかった。【考察】 ストレッチにより筋管細胞が肥大し,その肥大はインテグリンβ1/β3阻害薬であるechistatinにより抑制されたことから,本研究において観察された機械的ストレスによる筋肥大はインテグリンβ1またはβ3を介して引き起こされたと考えられた。この点について先行研究を渉猟すると,Kaufmanらの研究グループは遺伝子工学的手法を用いてインテグリンα7トランスジェニックマウス(α7BX2-mdx/)utr-/-マウス)を作製したところ,α7BX2-mdx/)utr-/-マウスの骨格筋では野生型マウスと比べインテグリンα7β1の発現が増加する(2001)とともに,機械的ストレスによる筋肥大効果も増大することを報告している(2011)。これらの報告と本研究結果を加味すると,機械的ストレスによって誘導される筋肥大はインテグリンα7β1を介して引き起こされるものと推察されるが,詳細については不明であり今後の検討課題である。【理学療法学研究としての意義】 機械的ストレスによる骨格筋肥大に関わる分子メカニズムが解明されることは,理学療法士が日常的に行っているリハビリテーション手技の科学的根拠の確立につながるとともに,筋萎縮の予防や回復促進をもたらす効果的かつ効率的な筋力増強法の早期開発を可能にするものと考えている。
著者
高橋 博子
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008-04-08

本研究の目的は、広島・長崎で収集された被爆資料が、米国政府が冷戦政策の中でどのように利用され、いかなる核時代が作られていったのかを、近年公開された資料や広島・長崎の被爆者や核実験によるヒバクシャの証言の分析に基づいて浮き彫りにすることにある。核兵器という人類の生み出した兵器が、非人道的であるのはいうまでもないことであり、本研究では、単に核兵器の開発史や核戦略史をたどるだけではなく、核兵器による被害者を視野に入れた、米国の核開発史の全体像を具体的、かつ実証的に検討した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.7, no.26, pp.37-39, 2008-12-02

東京・三田にあるフレンチレストラン「コート・ドール」。マンションの1階、それも通りからは見えない場所に店を構えながら、この店の味を求めて訪れるファンは多い。他県から何度も足を運ぶ常連客もいるほどだ。 オーナーシェフの斉須政雄さん(58歳)は、23歳の時にフランスへ渡り、12年もの間、本場で料理の腕を磨いてきた。
著者
佐藤武敏著
出版者
風間書房
巻号頁・発行日
2003
著者
大久保 滋郎
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:00231908)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.71-85, 1981

上皮小体摘出時に形成される家ウサギ切歯象牙質縞模様石灰化像と成長速度の抑制, PTHレベルおよび血清Ca量の減少を指標として, パロチンとPTH製剤カケルビンの作用を比較検討した.<BR>1) 栄研PTH-キットがウサギ血中PTHの測定に使用できることを確かめたのち, 上皮小体摘出によって従来の報告のごとく象牙質の石灰化不全, 発育抑制とともに血清PTH, 血清Ca量の減少が起こることを知った.<BR>2) 正常ウサギにパロチン (Lot EJ25E510) を1mg/kg静注すると, 血清PTH量とCa量の減少と象牙質石灰化像の促進を生じ, 増量3mg/kgでは血清PTHレベル, Caの減少をきたすが, 象牙質石灰化像では一過性の促進後抑制像を引き起こすことを確認した.また, カケルビン100u/kg静注は, 血清PTHレベルとCa量の一過性増量と, 成長速度に多少の抑制を生じたが象牙質縞模様石灰化像には影響が少なかった.<BR>3) パロチンは少量1mg/kgで上皮小体摘出の欠損症状である象牙質縞模様石灰化不全, 血中PTHレベル, Caの減少をカケルビン100u/kg静注時よりもより強く回復させたが, 象牙質の成長速度の回復は明らかではなかった。この場合, 初めに縞模様石灰化像の回復が起こり, 次いで血清PTHレベルとカルシウム量が相関しつつ回復するようであった.増量3mg/kgでは血清PTH量やCaの減少を回復させたが, 象牙質縞模様石灰化像ではその回復作用は弱く, 一過陛の抑制像を含むことがあった.<BR>4) 以上の成績より, 上皮小体摘出の結果生ずる石灰化抑制の場におけるパロチンとPTHの石灰化促進作用は本質的には同じであり, パロチンはPTH様の作用を持つと考えられる.しかし血清Caの影響にみられるように, 詳細な点では, PTHと若干の差があると思われた.
著者
清水 恵子 斉藤 修 小川 研人 水上 創 上園 崇 塩野 寛 粟屋 敏雄 藤田 育志 松原 和夫
雑誌
法中毒 (ISSN:09159606)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.122-123, 2001-05

雑誌掲載版これ迄に起きた標記犯罪例として,部活顧問の高校教師による猥褻事件,軟派した女性への強姦,眠剤服用者による放火,飲酒者に対する強姦の4事例を提示し,自施設で行った健忘機構の行動薬物学的・神経化学的研究を紹介した.この研究により酒とベンゾジアゼピン系薬物との併用による前向健忘の機構は,両薬剤がGABA神経の活性化を介して海馬におけるプレシナプティックなグルタミン酸放出を抑制することで記憶障害を惹起する可能性が示唆された
著者
安念 潤司
出版者
有斐閣
雑誌
ジュリスト (ISSN:04480791)
巻号頁・発行日
no.1279, pp.31-42, 2004-11-15
著者
北風 嵐
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.104-109, 2010-05-30

Sulfide blebs composing of bornite solid-solution, mooihoekite, isocubanite and pyrrhotite occur in andesite from the lava dome, Tarumai volcano, Hokkaido, Japan. The lava dome consists of two-pyroxene andesite. Some bornite solid-solutions are found as exsolution lamellae in mooihoekite which is originally crystallized as intermediate solid-solution (iss) in the Cu-Fe-S system at high-temperature, included in magnetite phenocrysts of the andesite. Isocubanite occurs closely associating with pyrrhotite included in orthopyroxene phenocrysts of the andesite, and is exsolved from the Cu-bearing pyrrhotite. Some bornite solid-solutions and mooihoekite are found in a ground mass as micro-crystals. The magnetite including mooihoekite and bornite solid-solution, and the orthopyroxene including pyrrhotite and isocubanite may be crystallized at different conditions. The crystallization temperatures are about 950 °C for the silicate melt including magnetite phenocrysts, and about 1150 °C for the orthopyroxene bearing silicate melt. Therefore, this andesite magma is thought to be formed by the magma mixing.<br>
著者
蒋 妍
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.653-665, 2013-03-28

In Japan, university students have to study 45 hours for 1 credit, including 15 hours in class and 30 hours out of class. However, according to some surveys, they study too little for the credits they receive and they spend only 1-5 hours a week for out-of-class learning. It is necessary to find ways for teachers to prompt students' learning from the students' perspective. This study focused on Japanese students' views on in-class learning and out-of-class learning using data from 233 students (male=114, female=119). Factor analysis for views on in-class and out-of-class learning extracted 3 factors―self-betterment, companionship and self-searching. Cluster analysis was performed and students were divided into 5 types according to different views on in-class and out-of-class learning. The relationships between views for in-class & out-of-class learning, achievement motives, future views and enervation among university students were examined. The results suggested that students who see out-of-class learning as important as in-class learning showed positive features, while students taking only in-class learning views or out-of-class views showed negative features. Approaches to prompt students' learning of each type were discussed.