出版者
毎日新聞出版
巻号頁・発行日
vol.49(51 増刊)(2716);1970・11・6, 1970-11
著者
平井 啓
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.310-317, 2016-10-15 (Released:2022-11-05)
参考文献数
7

総合病院におけるサイコオンコロジーなどの身体疾患の領域において,患者や家族の精神医学的・心理学的問題への対応は必須であり,メンタルヘルスの専門家のコンサルテーションによる対応が求められる。精神・心理的コンサルテーション(psychiatric and psychological consultation)は,一般的なコンサルテーションと同様にコンサルタントとコンサルティからなる構造があり,そのなかで,問題解決プロセスに準じて,患者と家族の問題や,コンサルティの課題について包括的アセスメントを行い,それに基づく仮説構築と仮説に対する解決策を考え,それらをコンサルティに提示し,コンサルティと協働で事例の問題解決を進めていくものである。本論では,精神・心理的コンサルテーションの背景となっているコンサルテーション,包括的アセスメント,問題解決技法などの概念について整理を行い,特にコンサルタントに求められるスキルという観点から,この精神・心理的コンサルテーション活動の構造と機能について明らかする。。
著者
Yudai Okuyama Yuta Kato
出版者
National Museum of Nature and Sciece (National Science Museum, Tokyo)
雑誌
国立科学博物館研究報告B類(植物学) (ISSN:18819060)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.133-139, 2022-11-22 (Released:2022-11-22)
参考文献数
11

To obtain a better understanding of the floral traits of sect. Heterotropa (genus Asarum, Aristolochiaceae), we conducted a detailed microscopic examination of the surface of the calyx, the floral part best representing the diversity of the lineage. The surface structures were highly variable among Heterotropa species, with remarkable variations in trichome morphology on the adaxial surface of the calyx lobes. Four types of trichome were identified on the calyx lobes, each of which was the sole type in most samples, although combinations of multiple types were occasionally seen. Variations were also found in the distribution of stomata on the surface of the calyx. Although the biological functions of the trichomes and stomata on the calyx are unclear, they may be related to pollination systems, e.g., through emission of the floral scents that are highly variable among Heterotropa species.
著者
出口 拓彦
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.1705, (Released:2017-09-08)
参考文献数
38
被引用文献数
2

授業中の私語を規定する要因について,個人レベル・集団レベルの変数に着目して検討した。中学生を対象とした質問紙調査を実施し,439名から有効回答を得た。質問紙では,自分および他者の「規範意識」と,自分および他者の「私語の頻度」などについて測定した。自分自身の私語の頻度を従属変数とした重回帰分析を行ったところ,自分の規範意識には負,他者の私語の頻度には正の関連が示された。さらに,行動基準(「遵守」「逸脱」等と態度をタイプ分けしたもの)の影響についても検討した。個々人が持つ行動基準(個人レベル)および各クラスにおける行動基準の割合(集団レベル)を投入した階層線形モデリングによる分析を実施した。その結果,個人レベルでは,「遵守」に負の関連,「逸脱」に正の関連が示された。一方,集団レベルにおいては,「遵守」の行動基準を持つ生徒の割合(31%)は比較的低かったにもかかわらず,クラス全体の私語の頻度を規定している可能性が示された。また,「同調」の割合(47%)は「遵守」に比べて高かったにもかかわらず,顕著な関連は見られなかった。これらのことから,教室内の一部の成員が,クラス全体における私語の頻度を規定しうることが示唆された。
著者
小川 好美 朝井 均
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 4 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-20, 2006-09
被引用文献数
1

性教育を施行する場合,どの時期に誰が実施するべきかなど,いつも議論の絶えないところであるが,最近は「行き過ぎた性教育」などがマスメディアに取り上げられ話題になるといった状況もある。ところで,ドイツの性教育に関する教材などを日本でも見かけることがあるが,文化的背景等の異なるところで作られたものであるということも注意しておかなければならない。本研究は,日独の性教育に関する比較検討を行うことにより,日本の性教育を客観視し,長所の再発見や応用の可能性を探ることなどを目的としたものである。日独の青少年の性交状況を比較すると性交率はドイツのほうが高かったが性交経験率の推移はどちらも上がりつつある傾向が見られた。性に関して日本では友人の影響が強いのに対し,ドイツでは親の存在感が強かった。家庭内において性教育若しくは身体発育や性に関する話をすることがあるとしても,その内容が異なるのではないかということが考えられた。ドイツではBundeszentrale fr gesundheitliche Aufklrung(連邦教育センター)から性教育に関する多種類のパンフレットなどが発行されており,具体的な性行動などについても書かれているが,愛情や様々な心情から取り扱い,身体に関する基本的な知識など多面的に盛り込まれ,また読みやすいように工夫されているものであった。一方,わが国ではそのような種類の刊行物は皆無に等しいといわざるを得ない。文化的背景,歴史,教育システム,学校と家庭の関係などが異なるので,日本とドイツの学校での性教育を単純に比較することは大変難しいが,その中で日本の性教育を考える上での参考になる点は,学校と家庭での性教育の関係,保護者と子どものコミュニケーションとその信頼関係であり,愛情や人とのつながりを考えさせ,正しい情報をわかりやすく伝えるための資料や手段などは重要であろうと考えられた。When we performs sex education, there is a difficult problem who should carry it out in which time in usually. This study was aimed at we regarded Japanese sex education as objectivity by doing comparison examination about sex education of Japan and Germany, and investigating rediscovery of a good point and potency of application. German one was high in the sex rate, but determination stopping both was seen in the transition of coitus experience coefficient when compared the young sex situation of Japan and Germany. When was troubled about sex, for the partner whom a youth talked with, influence of a parent was strong for a thing with in Germany and many friends in Japan. Even if we put it in home and could have a talk about sex education or sex, it was supposed whether you were not considerably different in the contents at Japan and Germany. Because it is different from cultural background, history, an education system, a school in domestic reference, it is not easy to compare the sex education between Japan and Germany. A point to be useful for at the top that thought about Japanese sex education was a school and communication of reference of sex education at home, a protector and a child and the relationship of mutual trust , and it was thought so that a document or medium it was easy to understand right information, and to tell were important.
著者
加藤 圭造 伊藤 彰則
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2012-SLP-90, no.14, pp.1-6, 2012-01-27

本研究ではデスメタル,メタルコアなどエクストリームメタルと言われるジャンルで頻繁に用いられる,グロウル及びスクリーム歌唱について音響的特徴の分析を行った.先行研究で特殊な発声の音響的な特徴として示されたサブハーモニクスの存在や macro pulse 構造の調査,病的音声の分析になどに使われる jitter,shimmer,HNR の値について測定を行った.

12 0 0 0 OA 謹読勅語

出版者
静雲堂
巻号頁・発行日
1891
著者
青山 薫
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.224-238, 2014
被引用文献数
2

本稿は, 公序良俗を守り, 「健康な成人向け娯楽」を提供し, 「女性と子ども」をこの産業から保護する法が, 男女を分け, 女性を, 公序良俗の内部にいる「善い女性」と商業的性行為によって無垢さを失った「悪い女性」に分断する性の二重基準にもとづいていることを批判的に検証する. そして, この法によってセックスワーカー (SW) が社会的に排除され, あるいは保護更生の対象とされることを問題視する. さらに本稿は, 法の二重基準に内包された階級とエスニシティにかかわるバイアスが, グローバル化が広げる格差と不安定さによって鮮明になったことを指摘する. そして, このような二重基準が, 近年, 移住SWをつねに人身取引にかかわる犠牲者あるいは犯罪者と位置づけ, とくに逸脱化・無力化する法とその運用にもあらわれていると議論する.<br>以上の目的をもって, 本稿では, SW支援団体と行ったアウトリーチにもとづいて, 人身取引対策と連動した性産業の取り締まり強化が, SW全体の脆弱性を高めていることを明らかにする. そして, 脆弱な立場におかれたSWの被害を真に軽減するためには, 従来の性の二重基準に替えて, 当事者の経験にねざしたエイジェンシーを中心に性産業を理解し, 法とその社会への影響を当事者中心のものに変化させようと提案する. それは, これもまたグローバル化によって広がっているSWの当事者運動に学ぶことでもある.
著者
福井 勉
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.153-158, 2000-08-01 (Released:2016-11-01)
参考文献数
12
被引用文献数
4 5

大腰筋は姿勢や動作に大きく関与する筋である.その長さとともに,身体における位置が非常に特異的である.身体重心位置を大きく覆っているだけでなく,身体重心高位となる骨盤には付着していない.そのため上半身と下半身に身体を分割して考えるとその間を結ぶ蝶番の機能を持つように見える.股関節制御は身体重心を移動させまいとする姿勢反応である.通常,体幹筋と大腿筋がこの制御に関係するが,大腰筋が本制御の核となっている可能性が高い.本筋筋力低下恵者に大腹筋をトレーニングすることによって身体バランスが改善する.大腰筋機能は[1]股関節制御能力,[2]股関節と腰椎の分離運動能力に集約されるのではないかと考える.
著者
藤野 智子 河合 桃代 清村 紀子
出版者
日本クリティカルケア看護学会
雑誌
日本クリティカルケア看護学会誌 (ISSN:18808913)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.18-32, 2022-03-31 (Released:2022-05-24)
参考文献数
31

【目的】急性・重症患者看護専門看護師(certified nurse specialist in critical care nursing;CCNS)のコンピテンシーを形成する要素と構造を明らかにする.【方法】無作為に抽出した関東圏内のCCNS 10名に半構造化面接をし,コンピテンシー・ディクショナリーを参考に分析した.【結果】コンピテンシー・ディクショナリーに示す,コンピテンシークラスターの尺度レベルの中央値と,抽出された尺度レベルの平均値の差を分析し,その差が大きいほど特徴的な要素と判断した.結果,『コアなコンピテンシー』に[雇用サービス重視]と[インパクト影響力],『サブ・コアなコンピテンシー』に[チームワークと協調]と[チームリーダー]のそれぞれ2要素を位置づけた.また,『コアなコンピテンシー』と『サブ・コアなコンピテンシー』を補完する『コンプリメントなコンピテンシー』の5要素と構造が明らかとなった.【結論】本研究で顕在化されたCCNSのコンピテンシーの要素と構造は,CCNSの教育や活動,自己分析の視点につながる可能性がある.
著者
村山 幸子 小林 江里香 倉岡 正高 野中 久美子 安永 正史 田中 元基 根本 裕太 松永 博子 村山 陽 村山 洋史 藤原 佳典
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.151-160, 2022-02-02 (Released:2022-02-02)
参考文献数
23
被引用文献数
3

世代継承性は元来中年期の心理社会的課題とされてきたが,近年は高齢期の課題としても注目されている。本研究は,高齢期の世代継承性を多元的かつ簡便に測定できる改訂版世代継承性尺度(以下,JGS-R)を作成し,その信頼性と妥当性を検討した。日本語版Generativity尺度(大場他,2013)をもとにJGS-Rの項目を作成し,都市部在住高齢者1,393名に質問紙調査を行った。探索的因子分析の結果,「世代継承的行動」,「世代継承的関心」,「世代継承的達成感」という3因子が抽出され,確認的因子分析により因子妥当性が確認された。この3因子をもとに作成した下位尺度は,いずれも高い内的整合性が認められた。さらに,JGS-Rの各下位尺度得点は他世代との会話頻度,他世代への手段的・情緒的サポートの提供頻度,および地域における子育て支援行動と正の相関関係にあり,このことから尺度の基準関連妥当性が認められた。
著者
酒井 明子 渥美 公秀
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.1824, (Released:2019-10-29)
参考文献数
37
被引用文献数
1

本研究は,災害という大きな困難に直面した被災者が新たな安定状態を回復する過程に着目した質的研究である。災害時の心理的ストレスは,単線的な心理的回復過程が暗黙のうちに前提とされている。しかし,今日の大規模な災害による被害の甚大さや避難所・応急仮設住宅の設置期間の長期化等は,大切な家族や住み慣れた家を失い生きる意欲を失った人々や自力で生活展望を考えることが困難な高齢者の孤立死や自殺,閉じこもり問題を加速化させており,心理的回復過程も長期化し複雑さを増していると考える。そこで,本研究では,東日本大震災後7年間の心理的回復過程を被災者の語りから分析した。その結果,被災者の心理的変化の特徴は6つのパターンに分類された。また,心理的回復過程には,潜在的な要因及びストレスを慢性化させる要因が影響していた。そして,個々の被災者の心理的変化ラインの時間軸を重ね合わせた結果,1年目,4年目,7年目の回復過程には調査回によって異なる特徴が見出せた。これらの結果を踏まえ,慢性化する可能性のあるストレスを抱えた被災者の長期的な心理的変化と影響要因について論じた。
著者
松本 澄子
出版者
日本女性学研究会
雑誌
女性学年報 (ISSN:03895203)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.3-26, 2021 (Released:2021-12-28)
参考文献数
60

わたしには、発達障害のある子どもが2人いる。わたしは20代でフェミニズムや女性学を知り、1978年に日本女性学研究会に入会した。その後、おぼろげながらも「フェミニズム」というアイデンティティがあって、そこに、30代で、(ある意味いやおうのない)「障害のある子どもの母親」というアイデンティティが発生した。子育ての過程や、「親の会」や学校など地域で活動する中で、「発達障害のある当事者」である子どもの代弁者であること、かつ「親当事者」であることのいろいろな意味での経験知を獲得し、発言・発信もしてきた。そして発達障害とフェミニズムやジェンダーとの接点を模索し、「女性と発達障害」について考える中で「発達障害のある女性」という領域にもジェンダーの視点を向けるようにもなった。 本稿では「発達障害とジェンダー」に関わる問題意識について、「女性」という当事者性からは「発達障害のある女性とジェンダー/フェミニズム」に焦点を当て、また「わたし=親当事者」ということからは「発達障害のある子どもの子育てとジェンダー/フェミニズム」に焦点を当てて、わたしの現在地としての考察を試みている。特に、フェミニズムの「自己選択・自己決定」「自己実現」「ジェンダー平等」という理念と、「発達障害のある女性当事者」及び「障害のある子どもの母親当事者」の葛藤(渦巻きの渦中にあること)を言語化してみることで、次の「何か」、「わたし」からのフェミニズム=女性「解放」とは「何か」をさぐるきっかけとしたい。
著者
Yuta Taniguchi Masao Iwagami Nobuo Sakata Taeko Watanabe Kazuhiro Abe Nanako Tamiya
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.356-360, 2021-05-05 (Released:2021-05-05)
参考文献数
22
被引用文献数
10

Background: With increasing age globally, more people may become vulnerable to food choking. We investigated the nationwide epidemiology of food choking deaths in Japan.Methods: Using Japanese Vital Statistics death data between 2006 and 2016, we identified food choking deaths based on the 10th revision of the International Statistical Classification of Diseases code W79 (Inhalation and ingestion of food causing obstruction of respiratory tract) as a primary diagnosis. We assessed the demographics of people with food choking deaths; temporal trends of food choking deaths by the year (overall and by age group), the day of year; and prefecture variations.Results: Overall, 52,366 people experienced food choking deaths (median age, 82 years, 53% were male, and 57% occurred at home). The highest numbers occurred January 1–3, and were lowest in June. Despite a stable total number of cases at around 4,000 yearly, from 2006 to 2016 the incidence proportion declined from 16.2 to 12.1 per 100,000 population among people aged 75–84 years. Among people ≥85 years, the incidence proportion peaked at 53.5 in 2008 and decreased to 43.6 in 2016. The number of food choking deaths varied by prefecture.Conclusions: There are temporal and regional variations of food choking deaths in Japan, possibly due to the consumption of Japanese rice cake (mochi), particularly over the New Year’s holiday.
著者
今西 一 河野 民雄 大石 進
出版者
小樽商科大学
雑誌
商学討究 (ISSN:04748638)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2/3, pp.3-95, 2013-12-25

論説