出版者
京都大学原子炉実験所
雑誌
アトムサイエンスくまとり : 京都大学原子炉実験所広報誌 (ISSN:18810446)
巻号頁・発行日
vol.9, 2010-03-01

巻頭特集 KURの再開と共同利用・共同研究拠点の活動について [1-2]ミニ特集 硼素中性子捕捉療法(BNCT)による悪性胸膜中皮腫への挑戦 [1-2]ASKレポート1 研究ハイライト [3-4]ASKレポート2 アトムサイエンスフェア実験教室 [4]ASKインタビュー 京都大学原子炉実験所の人たち [5]ASK WORLDレポート熊取滞在記 [6]ASK レポート3 好っきやねん!京都大学、原子炉実験所 [6]INFORMATION ASK掲示板
著者
古田 公人
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.7-14, 2003-03-31
参考文献数
22
被引用文献数
1

イロハモミジ樹上のモミジニタイケアブラムシ個体群の動態を13年間調べ、発生量(日・個体数)とピーク個体数について生物季節と天敵類の影響を解析した。(1)調査木上では通常、幹母、その仔虫(春の仔虫という)、越夏虫、秋の有翅虫、その仔虫である有性世代(秋の仔虫という)の5世代を経過する。(2)春と秋に活発な個体群が形成され、春の個体群は幹母とその仔虫、秋の個体群は有翅虫とその仔虫が主体である。(3)秋と翌春の全発生量間には高い正の相関があるが、春とその年の秋の全発生量間には有意な関係はない。(4)有翅飛来週が遅いと秋の有翅虫の発生量は小さい。(5)幹母ピーク数が多いと幹母の産仔開始に比べてヒラタアブ幼虫初出現は早まり、幹母の増殖率は低下する。ヒラタアブは増殖率を密度依存的に低下させる。(6)発育を開始した越夏虫ピーク数と同年春の仔虫世代ピーク数のそれぞれの自然対数値の差、すなわち分散せずに同一の樹上に残るものの割合は幹母ピーク数の上昇に伴って密度依存的に低下する。春の仔虫世代有翅虫の分散は個体群の調節機構として働いている可能性がある。(7)同一樹上での長期にわたる個体群動態に関しカエデの生物季節は直接的な影響をもたない。
著者
南 俊朗 大浦 洋子 Toshiro Minami Ohura Yoko 九州情報大学 経営情報学部 情報ネットワーク学科 九州情報大学 経営情報学部 情報ネットワーク学科
出版者
九州情報大学
雑誌
九州情報大学研究論集 (ISSN:13492780)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.39-50, 2012-03

大学生の学力低下が指摘されて久しい。現在入学してくる学生達は, いわゆる「ゆとり教育」世代であり, しかも大学全入時代でもある。十分な学力がなくても大学に入学できる。それを受けて, 大学はリメディアル教育を始め, 初年次教育を充実させるなど対策を充実させてきた。それにも関わらず, 教育現場での授業担当者の目から見ると学生の質が向上してきている実感がない。むしろ毎年低下してきている印象さえ受ける。その根本原因は学力以前の問題, たとえば学ぶことへの意欲, 知的好奇心, 将来へ向けた目的意識など, にあるもののように見える。本稿の目的は, このような現状認識の下,学生の目的意識や学習意欲を高め, その心的自立を促し, その結果学力も向上するというシナリオを実現することを目指して, 学生に対する学習支援のありかたを議論し, 解決策を模索することである。この目的に向かっての1 つのアプローチとして, 本稿では特にデータ解析を利用した学生理解法について議論する。このアプローチを取ることにより, データによる裏付けのある知見を得, それに基づき学生一人一人へのアドバイスのできる仕組みを確立したい。このような手法の発展は, 学生の学力不足という大問題に対する根本的な対策への第一歩となるであろう。
著者
根山 亮 後藤 真孝 村岡 洋一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.275-276, 1997-03-12
被引用文献数
2

近年, 計算機とのジャズセッションを実現するシステムに関する研究が多くなされてきた. しかし, これらのシステムは, ある特定の計算機環境でしか動作せず, またぞれぞれのシステムで用意された特定の計算機演奏者としかセッションを行なうことができなかった. 本稿では, ユーザが新しい計算機演奏者を容易に開発・カスタマイズしてWWW上に公開したり, 計算機演奏者をWWW上から自宅のパソコンのような身近な場所にダウンロードし, セッションを行なうことを可能とする枠組を提案する. 特にダウンロードした計算機演奏者がセッションをする際に必要となる通信を, 安全性を確保して行なうための方法, 新しい計算機演奏者の開発労力を削減する方法について述べる. 本システムはJavaで記述されており, Java対応のWWWブラウザ上で動作するので, 計算機環境に依存しない. 我々は演奏者の実装例として, ジャズのピアノトリオのべーシストとドラマーを実装した. ユーザはピアノを演奏することにより, 計算機演奏者と即興演奏を楽しむことができる. 実験の結果, 実際にHTTPサーバからダウンロードしたべーシストとドラマーをWWWプラウザ上で実行し, 人間のピアノの演奏にあわせてリアルタイムに演奏させることができた. また本システムが異なる複数の計算機環境で動作することも確認した.
出版者
京都大学総合博物館
雑誌
京都大学総合博物館ニュースレター = Newsletter
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1-8, 2015-07-24

館長就任に際して (岩﨑奈緒子)[2]
著者
村山 悟郎
出版者
東京藝術大学
巻号頁・発行日
(Released:2015-07-10)

平成26年度
著者
井上 裕珠 村田 光二
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.1-8, 2014
被引用文献数
2

Envy is an unpleasant emotion caused by comparison with a person who possesses something we desire. We conducted two studies to test our prediction that less envy would be felt when the person could attain what others had. In Study 1, participants read scenarios in which their friend could achieve a goal which they could not, and rated their emotions toward the friend. We manipulated the attainability according to whether the goal could be achieved by effort. In Study 2, participants competed with a confederate, and were informed that their performance was worse than that of the confederate. Afterwards the attainability was manipulated by either informing the participants that the possibility of improving their ability was very low or high. Then participants rated their emotions toward the confederate, and we also checked whether the participants had helped the confederate. As predicted, our findings demonstrated that those in the high attainability condition felt envy less than those in the low attainability condition, but showed no significant differences in helping behavior.
著者
林嵜 和彦
出版者
福岡教育大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、海外におけるコミュニティ・スクール(以下CS)の制度・実践・諸研究を国際比較の観点から分析し紹介した。分析対象は、英国の拡張学校・拡張サービス、スコットランドの統合CS、合衆国のフルサービスCS、チェコとボスニアのCS、韓国のCSである。日本のCSとはことなり、これらのCSはそのいずれにおいても貧困削減やコミュニティ開発をつうじた学力の底上げをその目的としており、本研究では英国と米国を中心に、保護者支援や子どもの生活支援などの多様なとりくみを事例研究としてあきらかにした。
著者
太田和 良幸
出版者
筑波大学大学研究センター
雑誌
大学研究 (ISSN:09160264)
巻号頁・発行日
no.32, pp.125-142, 2005-03

ただいまご紹介をいただきました東京芸術大学事務局長の太田和でございます。今日は2枚ほどのレジメを皆さんにお配りしております。それから、ここに私が今年書いた本(『大学マネージメントの理論と実際』黎明書房、2003)があります。この本の中に書いてあることを、時々参照してお話 ...
著者
橋本 浩子 谷 洋江
出版者
一般社団法人日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.65-71, 2009-03-20
被引用文献数
3

本研究の目的は、外来通院中の点滴・採血を受ける血液・腫瘍疾患の子どものストレスの状態とプレパレーションを通じて処置に対する理解や認知を知ること、通常のケア時とプレパレーション実施後における処置中の子どもの行動の違いを明らかにし、点滴や採血によるストレスを緩和する看護援助を検討することである。5組の子どもと保護者を対象とした。その結果、1.処置前は4名がストレスがある状態であり、処置前後のストレスレベルの変化については個別性があるが、処置後もストレスがある状態であった。2.プレパレーション時の子どもの反応から、子どもは経験した処置内容を正確に観察しているが、すべて理解できているわけではなかった。3.プレパレーション実施後の処置中の子どもの行動には、子どもの頑張ろうとする行動が観察された。繰り返し処置を受けている子どもに対して、プレパレーションを通してこれまでの経験を表現できるように援助を行うことは有用と考えられた。
著者
成 恵卿
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
no.4, pp.p167-196, 1991-03

十九世紀末から始められた英訳の歴史において、注目すべき一冊は、フェノロサ=パウンドによる『能―日本古典演劇の研究』 'Noh' or Accomplishment, a Study of the Classical Stage of Japanである。これは、パウンドがフェノロサの能の遺稿を編集・完成した本であるが、この一冊を世に出すまで彼が注いだ情熱や努力は並々ならぬものであった。その周辺には、伊藤道郎、久米民十郎、郡虎彦などの若い日本人芸術家たちがおり、パウンドの能理解、とりわけ舞台面での理解を助けた。一九一六年に出版されたこの一冊は、西洋の読者に、能の劇世界の美と深さを広く伝えるとともに、同時代の芸術家たちにも新鮮な衝撃を与えたのである。この時期におけるパウンドの能への関心は甚だ高く、自らも能をモデルとした幾つかの劇作品を書いた。 能訳集の出版の仕事を終えた後も、パウンドの能への関心は消えることなく、特に一九三〇年代からは能への関心が再び高まり、以降能は、パウンドにとって、自分と日本とを結ぶ重要な媒介物となった。 後年のパウンドの生涯には、能にまつわる興味深いエピソードが多い。それらのエピソード、そして書き残された様々な文章からは、彼の能への愛着さらには執着が鮮やかに浮かび上がる。 パウンドの能理解には、確かに限界があり、断片的なものにすぎないところがあった。また時には、懐かしい過去の思い出として、かなり理想化された節も窺える。しかし、能の文芸的価値がまだ日本でも十分に認められていなかった時期に、能に前述のような強い関心を示したことは注目に価する。なお、彼のそうした能への情熱が、周辺の人々にまで少なからぬ影響を及ぼした点を考えるとき、西洋世界への能の伝達史において、彼が果たした役割は大きく、かつ意義深いものであったと言える。
著者
瀧口 吉郎 大川 裕司 宮川 和典 小杉 美津男 鈴木 四郎 久保田 節 加藤 務 設楽 圭一 谷岡 健吉 Park Wug-Dong 小林 昭 平井 忠明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.57, pp.13-18, 1998-10-22
被引用文献数
1

高感度固体撮像素子を目指して、a-Seのアバランシェ増倍現象を利用したHARP光電変換膜とMOS型トランジスタからなる固体走査部とを多数のInの柱で接合した固体HARP撮像素子の研究が進められている。この固体撮像素子では走査回路の耐圧が60Vであることから、HARP膜の印加電圧が60V以下に、すなわち使用できる膜の厚さが制限される。そこで、この条件下においてもっとも良好な特性の得られるHARP膜の膜厚についての検討を行った。その結果、0.4μmの膜厚とすることで、印加電圧60Vにおいて目標とする4倍の増倍率を暗電流が抑制された状態で実現できることが明らかになった。また、HARP膜のさらなる感度向上を目的として、Te添加による光電変換効率の改善を検討し、シミュレーションと試作の両面からTe添加により緑色光に対する光電変換効率を従来の2倍以上に向上できることを確認した。
著者
田中 聡久 山下 幸彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.37-42, 2000-04-20

画像の局所的な方向性に適応した重複直交変換(LOT)を提案し, 適応画像符号化への応用を示す.まず, 2MとMの2種類の長さの基底関数を持つ直交重複変換を考える.そして, 長い基底関数が与えられている場合, エネルギー集中性の意味で, 短い基底関数の最適解を導く.次に, この最適解を使って, 画像の局所的な方向性に適応した重複直交変換(OALOT)の定義を与え, その解と設計法を示す.計算機実験の結果, この変換がブロック歪みだけでなく, 強いエッジの周りに発生する高周波雑音も抑制することを示す.