著者
小林 淳 池田 啓一 寺田 宙 望月 眞理子 杉山 英男
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.281-285, 2012 (Released:2012-04-27)
参考文献数
23

For human safety, we investigated how metals (aluminum, cadmium, chromium, copper, lead, manganese and tin) are leaked from fused slags by contact with acid rain and basic concrete effluent. We obtained 13 fused slags prepared from general garbage. Elution tests (6 hours interval in the room temperature) by using diluted nitric acid (instead of acid rain), water, and diluted potassium hydroxide (instead of basic concrete effluent) were performed. As a result, it has been understood that the elution rates are greatly different according to both the kinds of metal and slag. The influence of aluminum was especially large. The elution concentrations of aluminum from the slags were ppm-level in alkaline. On the other metals, the elution concentrations were lower than that of aluminum. The elution pattern also differed from aluminum, and it seemed to influence the character of the metals (dissolubility in alkaline and ability to be an oxyanion).
著者
多賀 太
出版者
大阪府立大学女性学研究センター
雑誌
女性学講演会 (ISSN:18821162)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.30-62, 2018-03
著者
光武 範吏
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.161-165, 2016 (Released:2016-11-24)
参考文献数
9
被引用文献数
1

甲状腺未分化癌は,頻度が少なく,また極めて悪性度が高いため,これまでまとまった解析の報告は少なかった。2015,2016年に3つの次世代シークエンサーを用いた甲状腺未分化癌の網羅的ゲノム解析結果が報告されたので,本稿ではそれらをまとめて紹介する。甲状腺未分化癌では,分化癌で見られるドライバー変異のうち,BRAF,RAS変異の頻度が高く,それらの重複はなかった。RET/PTCなどの融合遺伝子は全く検出されなかった。未分化癌で頻度が上昇している遺伝子変異は,TP53とTERTプロモーター変異が約70%で最も多く,その他は,PI3K-AKTシグナル経路を活性化する変異,クロマチンリモデリングに関与する変異などであった。今後は,同定された変異の分子機能解析を進め,臨床応用可能な標的の同定を行っていく必要がある。多施設共同研究を進め,研究の進展を促進させることが望まれる。
著者
松本 昇
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.39-57, 2022-02-28 (Released:2022-03-25)
参考文献数
129

自伝的記憶に関する研究は数多く行われてきており,自伝的エピソード記憶と自伝的意味記憶といったさまざまな区分とそれらの測定課題が提唱されている.その背景には,神経心理学,認知神経科学,認知心理学,臨床心理学の各領域において必要とされた課題が開発され,研究が進められてきた過去がある.しかしながら,これらの研究領域は,相互参照されることの少ないままに進められているのが現状である.本論文は,これまでに提唱された自伝的記憶に関する概念課題の対応を測定課題に基づいて整理することを目的とした.自伝的記憶をどのように分類するのか,そのためにどのような測定課題があるのか,自伝的記憶はどのように検索されるのかといったテーマについて,これまでの知見をまとめた.さらに,知見の統合と新たな研究領域の開拓へ向けた,将来の方向性を提言した.
著者
木下 冨雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.465-472, 2011 (Released:2019-09-06)
参考文献数
20
被引用文献数
5 3

私は社会心理学の研究者である。原子力の世界とは長いお付き合いがあるが,その中味は所詮外野席からの聞きかじりであって,専門知識は乏しい。したがって以下の意見は,原子力の専門家からすれば的外れのことも多いだろう。それを覚悟しながら,社会心理学,ないしリスク学の立場から見た今回の事故の問題点を述べることにしたい。

12 0 0 0 OA 難聴と補聴技術

著者
伊東 慶太
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.74, no.8, pp.440-447, 2018-08-01 (Released:2019-02-01)
参考文献数
7
著者
中谷 彪 Kaoru Nakatani
雑誌
武庫川女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09163115)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.9-20, 2008-03-31

The Prime Minister Shinzo Abe Administration advocates“break away from the postwar regime”. As a part of measures crystallizing his idea,the government party occupying an absolute majority of the Diet forced to amend the fundamental law of education completely,and enforced the new fundamental law of education,on December 22,2006. The original law was made in 1947,based on the educational philosophy and principles which profoundly criticized and denied the prewar educational system under the imperial rescript on education. In addition,the government party passed three education- related bills(school education law,teacher license law,organization and management of the local educational administration). What is the true purpose of successive amendments on educational laws? What kind of problems in terms of educational science do they have? This paper examines the new fundamental law of education carefully,and,pointing out the problems of the law,clarifies the real figure of“break away from the postwar regime”in the field of education. This paper also proposes some viewpoints to overcome the problems.
著者
鈴木 鉄忠
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.49-61, 2006-04-30 (Released:2007-08-01)
参考文献数
36
被引用文献数
1

本稿の目的は、「共通利益と個別利害のジレンマ」の解決に「連帯集団」が及ぼす効果と社会的メカニズムを、マイクロ・レベルに基礎付けて解明することにある。利己的な行為者を仮定する社会理論では、ジレンマを解決する主要因として、「連帯集団」の存在がたびたび取り上げられてきた。しかしそれが行為者の意思決定状況や行動に及ぼす効果と社会的メカニズムについては十分な分析がなされていなかった。そこで本稿では、ジレンマが生じる問題状況を「n人チキンゲーム」によって定式化し、プレイヤー間の提携を考慮に入れた「強ナッシュ均衡」を用いて新たに分析した。分析の結果、「連帯集団」がコミュニケーション回路として機能することで行為者同士の共同行動が促されることによりジレンマが解決されるという、マイクロ-マクロ・レベルの社会的メカニズムが明らかになった。そしてこれは、「連帯集団」を通じた「集団まるごと加入」によって効率的な動員が可能になるという資源動員論の主張からも実証的に裏付けられることがわかった。
著者
名取 良太 福元 健太郎 岸本 一男 辻 陽 堤 英敬 堀内 勇作
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.105-115, 2014 (Released:2018-02-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1

参議院選挙は,戦後日本政治の変動に,何度も重要な役割を果たしてきた。しかし,従来の日本政治研究,特に選挙過程の分析は,そのほとんどが衆議院を対象にしたものであり,日本政治の理解もこの範囲を出なかった。参議院選挙データはほとんど分析されず,参院選が日本政治に与えた影響は解明されてこなかったのである。その状況をもたらした原因の一つは,参院選データが十分に整備されていないことである。そこで我々は,参院選の市区町村別データを収集し,データベースを開発した。参院選研究を活性化させ,日本政治に対する参院選の意義や,二院制の意義そのものの再検討を促したり,選挙研究の理論モデルを発展させたりすることが狙いである。本論文は,その参院選データベースの内容と利用方法を説明するものである。

12 0 0 0 OA 国宝略説

著者
文部省宗教局 編
出版者
文部省宗教局
巻号頁・発行日
vol.昭和11年度, 1936
著者
大出 彩 松本 文子 金子 貴昭
雑誌
じんもんこん2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.103-110, 2013-12-05

本研究では,日本レコード大賞及び優秀作品賞を受賞した楽曲の歌詞について計量テキスト分析を行った.1978年から2012年に発表された全344曲の年代ごとに表れる歌詞の変化を読み取った結果,全年代を通してラブソングが流行する傾向にあると分かった.また,1990年代後半から2000年代にかけてネガティブな内容からポジティブな内容への変化が見られ,1997年が変化の境界になっていることが分かった.その要因には当時の社会背景が関係しており,失業率の増加や凶悪犯罪の増加などから人々の社会に対する不安が増大したこと,流行の発信者が若者へと移行していったことが影響していると考えられる.