著者
前橋 明 浅川 和美 佐野 裕子 泉 秀生 松尾 瑞穂 長谷川 大
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2012年度から2014年度の3年間で、述べ25県の幼稚園に通う3歳~6歳児15,575名、1都1府35県の保育園に通う1歳~6歳児41,797名の生活習慣調査を実施し、結果の返却と、希望の保護者には個人健康カードを作成して配布した。また、各地の行政や教育委員会と連携し、2012年は、18地域で延べ22回、2013年は、34地域で延べ70回、2014年は、24地域で延べ79回の健康づくり理論普及の講演会や、生活リズム向上のための運動指導などを展開した。生活習慣調査と講演会開催担当者358名を対象に、実践に対する評価を調査た結果、子どもたちの生活リズムが改善し、元気になったと回答が寄せられた
著者
上羽 陽子
出版者
国立民族学博物館
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、ものづくりの「作りの手個人の創意工夫」や「伝統的技術の戦略的継承法」に実践的にアプローチし、その製作と流通の歴史を掘り起こすことによって、「伝統的」とされてきた手工芸品の社会・文化的意義をめぐる従来の視点を大きく変えることを目的とした。成果としては、南アジアの染織技術の特質について、インド西部やネパールなどの事例から明らかにした。
著者
香川 敬生 野口 竜也 赤澤 隆士 小林 明夫 北村 正志
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

2007年10月より緊急地震速報が運用され,他にもP波センサーが機器の緊急停止に用いられ,計測震度計で得られた各地の震度が速報されている。しかし,これらは独立に設置・運用されており,有機的かつ総合的な活用には至っていない。そこで,市販の計測震度計に緊急地震速報受信およびP波センサーの機能を付加することでP波センサーによる推定震度,緊急地震速報を用いたその場所の予測震度,実際の揺れによる計測震度を出力する「三段階震度計」を試作し,その活用方法の検討をおこなった。
著者
小池 博明
出版者
長野工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、古今集的表現と一括される三代集の表現を、助詞・助動詞・構文・文章構成を観点として考察した。その成果として、以下の点をあげることができる。第1に、古今集から後拾遺集および拾遺抄の文末語と句切れのデータベースを、私家版ながら作成し、和歌の表現研究を効率的に行えるようにした。第2に、初句切れの表現構成を明らかにした。第3に、文末「らむ」と句切れとから、倒置的表現による体言止めの歌の形成過程の一端を明らかにした。第4に、三代集各に特徴的な詠歌の場が、「疑問詞……らむ」の用法に差異をもたらすことを明らかにした。第5に、三代集の「……ものは……なりけり」構文の展開を明らかにする端緒を得た。
著者
梅田 泉 今西 利之
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

この研究は、留学生センターで初めて日本語を学ぶ国費研究留学生のための学習環境を開発することが目的である。彼らは来日から授業開始までの間、少なくとも一週間自由な時間がある。そして、未知である日本文化と日本語に対する学習動機が高いことがわかっている。そこで、この期間に彼らが日本語を学習する場所、学習する教材、学習を支援する人の3つの学習リソースを含んだ学習環境を開発した。学習場所には、留学生の宿舎、留学生センター、大学生協の店などを含み、支援者には日本語教師やそれぞれの場所で働く人々を含む。教材は、印刷教材とビデオ教材、マルチメディアによるひらがな学習教材がある。教材の項目は、以下の4項目である。1 挨拶おはようございます:こんにちは:こんばんは:行ってきます:ただいま:しつれいします:しつれいしました2 自己紹介はじめまして。〜です。〜とよんでください。〜からきました。専門は〜です。どうぞ、よろしくおねがいします。2 買い物ちょっとすいません:〜、ありますか:これ、いくらですか:じゃあ、これお願いします。すいません、またきます:どうも。4 質問をするこれは、なんですか:これは、日本語でなんですか:そうですか留学生は、熊本に来た翌日、留学生センターでオリエンテーションがある。キャンパスの案内や一週間後に始まる日本語コースの説明の他、今回開発した教材での学習方法を説明する。学生は、留学生センターでは、コンピュータとビデオを見たり、教師やボランティアスタッフと練習し、宿舎では、印刷教材などで練習する。こうした学習によって、日本語コースが始まるまでの間に、日本語学習のためのレディネスが高められると考えている。こうした学習の過程は、印刷教材やビデオ、写真等で記録する。日本語コース開始時に日本語教師がその記録を参照することで、その学習者の特徴や学習のレディネスについて理解を深めることができる。
著者
齊藤 雅也 辻原 万規彦 羽山 広文 宿谷 昌則
出版者
札幌市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

札幌・東京・熊本の小学校教室で夏と冬に温熱的不快に達する閾値温度を解明する実測調査を行ない、ロジスティック解析により以下のことがわかった。1)夏に「暑くて授業に集中できない」児童が過半数(60%)になる外気温は札幌で30.5℃、熊本で32.5℃、実際室温は札幌で29℃、熊本で35.5℃だった。その時の児童の想像温度は札幌で27.5℃、熊本で32.5℃で、教室にエアコンが設置されている東京では外気温が28.5℃のときだった。2)冬に「寒くて授業に集中できない」児童が40%のときの児童の想像温度は、札幌:9℃、東京:7℃、熊本:2℃だった。以上から、児童の夏と冬の閾値温度には地域差があった。
著者
山田 純
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.287-290, 1997-07-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
26

日本語児の発達性難読症についての関心が高まりつつあるが, 現在のところその研究は乏しい.本稿では, 日本語の後天性難読症, 英語の発達性難読症, 失語症の研究を概観し, 日本語児発達性難読症研究への示唆を検討する.特に, 日本語の書字特性, 難読症のタイプ, 診断について考察する.
著者
佐山 公一 PAWEL Dybala PAWEL Dybala DYBALA Pawel
出版者
小樽商科大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

平成24年度に引き続き, メタファー概念ネットワーク構築の具体的作業を行った。日本語表現大辞典(小内, 2005)から収集したメタファーの文例3万についてメタファーのsalience imbalanceの閾値(基準)を計算した。格フレーム等を使い, それぞれの直喩の喩辞と被喩辞の属性のリストをとりだして比較し, 両方のリストに現れた項目を抽出した。項目に, 直喩の共通属性または共通属性らしいものが現れたら, 喩辞の属性リストと被喩辞の属性リストの中の位置を計算し比較する。たとえば, 『疑問が雲のように湧く』では, 喩辞が『雲』, 被喩辞が『疑問』, 共通属性が『湧く』となる。共通属性『湧く』の属性リスト内の位置を計算する。『疑問』の全属性の数188のうち, 『疑問』側の『湧く』の位置が9(平均位置, 9/188=0.048), 『雲』の全属性の数123のうち『雲』側の『湧く』の位置が27(平均位置, 27/123=0.220)となり, 平均位置の差は0.172となる。この平均位置の差をsalience imbalanceの閾値と考える。このようにして, 直喩におけるsalience imbalanceの閾値を計算する。閾値を超えればメタファーとして処理し, 超えなければメタファーとして処理しない, という条件を設けることで, データ内のメタファーを実際にコンピュータが処理できるかどうかを調べた(現在もこの作業を行っている)。作業を行っている過程の中で, 『ような』のような指標を含み, かつ比喩として受けとられる(比喩性を持つ)表現ではあるが実際には直喩ではなく, 文字通りの比較ではあるがその中に換喩を含む表現が数多くあることが分かった。こうした表現は, 表層表現からは直喩と区別がつかない。たとえば, 『クジラのような小さい目』はクジラが小さいことを述べているわけではむろんなく, クジラの目がクジラの体に比べて非常に小さいことを述べている。日本語母語話者はクジラとクジラの目との間の隣接関係を使ってこのことを簡単に理解できていると考えられる。しかしながら, そうした処理はコンピュータには難しい。この日本語の表現を英語に翻訳すると, 『Eye small as whale's』のようになり所有格が使われる。英語では表層表現からそれがクジラの目であることが分かるが, それを日本語にすると表層表現上では分からないことになる。日本語母語話者にとっては, そうした表現も直喩も同じように比喩的に感じられる。日本語母語話者はこういった表現を一種の換喩として理解している。そこでメトニミーもメタファーネットワークに含めることにし, システムの中に換喩と直喩を区別する仕組みも導入することにした。メタファーとメトニミーを, 閾値を使って区別するアルゴリズムを作り実際にコンピュータに判定させた。日本語母語話者にもメタファーかメトニミーかを区別してもらい, その判定結果をコンビ。ユータの結果と比較した。
著者
中道 仁美 大友 由紀子 柏尾 珠紀
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

林業女性の研究は日本と欧州の代表的林業国(オーストリア、スウェーデン、ドイツ)の調査から、まだほとんど進んでおらず、林業女性の活動も緒に就いたばかりである。日本は他国に比べて林業女性支援が公的に行われ、林業女子会の活動のように、異業種との交流や若い女性の活動などの見られるのが特徴的である。女性の自立的活動では、欧州では女性の林業経営者が見られ、ドイツやオーストリアでは、相続により林業経営をしているものが多かったのに対し、スウェーデンでは、狩猟を目的とした林業経営、林地の購入などが特徴的であった。女性の林業労働者は内外ともに非常に少なく、機械化が進んでも、重労働であることが一因である。
著者
伊藤 直 村田 彩 松見 淳子
出版者
JAPAN SOCIETY FOR RESEARCH ON EMOTIONS
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.52-59, 2012

This study used a diary method and investigated the relationship between self-reports of depressive symptoms, and engagement in "pleasant and unpleasant activities" as well as affective reactions to these activities in Japanese undergraduate students. First, participants (<i>N</i>=121) monitored, for one day, whether they experienced each activity that was included in "the Scale of Life Events in Interpersonal and Achievement Domains for Undergraduate Students" (Takahira, 1998) and rated the degree of affective reactions to each activity. Participants also responded to the Beck Depression Inventory (BDI). Result revealed individual differences in the level of positive and negative affects following experienced activities. Second, based on the BDI scores, we selected depressed (<i>n</i>=34) and nondepressed (<i>n</i>=34) groups of students. Pleasant and unpleasant activities were respectively defined as those activities that individuals rated and followed by positive or negative affect evaluations. Result showed that the depressed group reported significantly less pleasant activities, more unpleasant activities, and a higher level of negative affect following experienced activities. The two groups did not differ significantly in the levels of positive affects. These results demonstrate the importance of conducting an accurate assessment of specific daily activities and associated affects in understanding depression.
著者
長谷部 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.2, pp."SS-112"-"SS-115", 2010-08-31
被引用文献数
1

本稿ではオープンソースのLinux無線LANドライバであるath9kのカスタマイズについて述べる。具体的にはアドホックモードにおけるIEEE802.11n動作の他,レイヤ3メッシュネットワーク技術を中核とするオープンメッシュネットワークにおいて,有用と考えられる下位層アクセス機能を実現する。1節では無線LANインターフェースの制御について述べる。2節ではアドホックモードにおけるIEEE802.11nサポートについて述べる。3節ではリンクごとのレート設定機能実現について述べる。4節ではリンク層通知機能実現について述べる。5節ではユーザースペースプログラムiwの機能拡張について述べる。6節では以上をまとめる。
著者
今榮 國晴 中西 宏文
出版者
名古屋音楽大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

コンピュータ利用に関する性差gender differenceの状況を分析して、できるだけ性差が少ない状況を実現するための、教育的働きかけを提案することが本研究の目的である。平成9年度において調査票を作成し、小学校911名、中学校875名、高校生1504名、平成10年度に大学生432名(合計3722名、いずれも有効回答者数)を調査した。1970年代、情報機器の普及が始まって以来、情報リテラシーについて男性が女性より高い水準にあるという一般的な信念が、世界的に認められてきた。我々が最初に調査した1984年には、小・中・高校生でパソコンを操作できる女子は、男子の1/3から1/4しかなかった。しかし、1990年代に入り、中学校で情報基礎領域の授業が始まる頃から、性差が急激に縮小し、今回の調査では、パソコン・ワープロ使用率では男女とも90%を越えるようになり、性差はほぼ消滅したと考えられる。このことは本研究の主要な結論と言えるが、これには学校教育が大きく寄与したと思われる。しかし、パソコン等の使用内容には大きな性差がある。1.パソコン等の利用内容として、絵や文字の作成では女子が、ゲーム等の利用では男子が多い傾向があり、利用内容には性差が存在するが、このことは教育的にどのような意味をもつかは明らかにできなかった。これに関連して、電子おもちゃの所有傾向も、ファミコン及びポケット型ゲーム機は男子の所有率が高く、ラベルづくり機、電子手帳の所有率は女子が男子より高いことが分かった。2.パソコン・ワープロを使えない児童生徒は少数であるが、かれらは教科学習が好きでなく、また不得意であり、学習塾への通塾も少なく、学校生活に適応感が低い傾向があることが明らかになった。
著者
奥田 泰子 大槻 毅 長尾 光城 松嶋 紀子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.137-145, 2008

本研究の目的は,在宅で生活する健常高齢者の入浴の現状及び入浴の安全性を左右する要因を明らかにすることである.研究方法は,高齢者の入浴に対する認識,行動及び判断等を内容とする調査用紙を作成し,研究対象として在宅で生活する健常高齢者と同居者の121組に調査を実施した.その結果,高齢者の大多数が入浴を好み,毎日の生活において入浴を必要だと思う者が多かった.入浴行動では,男性は女性に比べて,肩まで湯につかるものが有意に多かった(p<0.05).入浴するかどうかの判断に関しては,高齢者の約8割が安全な入浴可否判断基準を必要としていた.入浴に対する安全認識の高い高齢者と低い者で入浴前・中・後の行動を比較した結果,入浴前では湯温調整に5%,体温測定に1%,入浴後では休息に5%の有意差があった.前期高齢者との同居者は,高齢者の入浴に対する安全への配慮が後期高齢者との同居者よりも有意に低かった(p<0.05).以上の結果より,高齢者は入浴を好み,自らの判断で入浴行動をとっている者が多かったが,入浴行動にリスクを伴っていることも明らかになった.また,高齢者の入浴に対して同居者の関与も乏しかった.そのため,高齢者の入浴は絶対に安全ではないことを高齢者,同居者ともに認識する必要があること,また,安全な入浴行動が取れるような高齢者教育の必要性が示唆された.