- 著者
 
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             淺野 敏久
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 公益社団法人 日本地理学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - E-journal GEO (ISSN:18808107)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.3, no.1, pp.1_18-24, 2008 (Released:2010-06-02)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 26
 
          
          
          - 被引用文献数
 
          - 
             
             
             1
             
             
          
        
 
        
        
        環境問題は客観的な環境の変化だけでは成立しない.現象が社会的に認められて,それが問題状況にあるとの言説が広まり,支持されることで成立する.ある環境変化(将来に予想される変化)を社会問題に仕立てていく原動力の一つに市民・住民運動がある.その発生の仕方や,担い手の社会経済的あるいは文化的属性が異なるので,当然のこととして環境運動の性格は地域によって異なる.結果として,環境運動の訴える環境問題も地域的な特徴を有したものになる.環境運動を研究するには,さまざまなアプローチがあるが,本稿では地域的な視点から環境運動にアプローチすることに焦点をあて,その場合の分析視点について試論を述べる.地域と環境運動の関わりについて,運動への地域性の反映という着目の仕方と,運動の地域への働きかけに着目する仕方があり,それぞれについて,筆者が行った研究をもとに,いかなる論点があるのかを例示的に示してみたい.