2 0 0 0 OA 曼珠沙華

著者
正岡子規 著
出版者
[正岡子規]
巻号頁・発行日
1900
著者
田丸 浩
出版者
三重大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本研究では、ゼブラフィッシュをモデル動物として、受精卵(1細胞)からの発生・分化過程という「時間的・空間的な動態」におけるミリスチル化脂質修飾酵素ならびにその標的タンパク質を介した時空間動態の定量的解析法の確立を目指した。最終年度となる今年度は、ミリスチン酸(myr)-グリシン(Gly)残基に対する抗体を作製し、ミリスチル化ペプチドに対する抗体の免疫学的力価の検討を行った。その結果、50ng以上のミリスチル化ペプチドに対して直線的な相関が得られた。さらに、大腸菌発現系を用いてゼブラフィッシュzNMT1遺伝子の組換え体酵素を精製し、標的ペプチドに対するミリスチル化の反応産物を質量分析器を用いてMyr付加の有無を検討した。その結果、組換えzNMT1は標的ペプチドをミリスチル化し、ミリスチル化ペプチドに予想通りの分子量の変動が確認された。最後に、ゼブラフィッシュ遺伝子発現系を用いて蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によるタンパク質間相互作用について検討を行った。当研究室で開発したpZexベクターならびに全身細胞で発現するpXIを組み合わせて、孵化腺細胞におけるFRETを観察した。その結果、受精後24-48時間において強いFRETが観察され、高等動物におけるタンパク質間相互作用解析が可能となった。今後は、発現が困難である膜タンパク質についてのミリスチル化とタンパク質間相互作用解析を組み合わせることで、タンパク質ミリスチル化が関与する生命現象の解明を進めていく予定である。
著者
辻田 隆廣 高久 武司
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.102-108, 2008-03-15
参考文献数
17
被引用文献数
4 5

カンキツ類の未熟果,成熟果果皮及びじょうのう膜に含まれる脂肪分解活性を測定し,比較検討した.未熟果と成熟果の果皮及びじょうのう膜に脂肪分解活性が認められたが,果汁には認められなかった.未熟果の活性が最も高く,じょうのう膜は果皮の約30%であった.果皮ではフラベドがアルベドより約3倍高い活性が認められた.田中の分類によるダイダイ区(イヨカン,アマナツ等)やミカン区(ウンシュウミカン,ポンカン等)のカンキツには強い脂肪分解活性が認められたが,ライム区(タヒチライム等),シトロン区(レモン等)及びザボン区(土佐ブンタン,グレープフルーツ等)のカンキツには強い脂肪分解活性は認められなかった.以上のことより,カンキツの種類により脂肪分解活性は大きく異なり,未熟果,果皮及びじょうのう膜でもその傾向は同じであった.未熟果のシネフリン含量と脂肪分解活性の間には正の相関関係が認められた.<BR>以上のことより,カンキツジュース製造過程の廃棄物である搾汁粕(果皮やじょうのう膜)は,抗肥満作用やコレステロール低下作用を有する機能性食品素材としての利用が考えられる.
著者
讃井 真理 田村 和恵 平間 かなえ 浅香 真由巳 今坂 鈴江 原 ひろみ 迫田 千加子 岡本 響子 熊田 栄子
出版者
広島文化学園大学看護学部
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.22-28, 2011-09

現在,学士課程の教育及び看護系人材育成は,知識や技術だけでなく利用者のニーズに対応し,応用力のある人材を,また,自発的な能力開発を継続するための素養を育成することが求められている。今回,本学の1年次~4年次の学生とオープンキャンパスに参画した学生に,オープンキャンパスという大学行事への参加に関するアンケートを実施した。その結果,1年次生のオープンキャンパス時の入学動機では,ボランティア学生と教職員の対応,またその関係性から感じ取った大学全体の雰囲気の良さを評価していた。そして,様々な模擬体験,或は学生ボランティアや教職員との関わりを楽しさと受け止め,学ぶこと・知ることへの意欲が記述されていた。オープンキャンパスに向けた後輩への選好メッセージを,各学年別に類似している内容毎カテゴリー化した。全学年に共通した項目は,仲間および教員との関係性を示す内容と,看護を学ぶことへの充実感,後輩への励ましと応援であったが,学年によってその内容に変化が見られた。学生は他者との関わりを通して,看護職者として不可欠である人間関係を構築していることがわかった。更に,正課外活動が,学生の主体的・自主的に学ぶ機会となっており,学生が主体的に学ぶことを支援することに繋がると考えられた。
著者
和生 謙二
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.31-36, 1992-03-31
被引用文献数
1 1 1

摘要:アメリカの動物園で生態的展示が発達してきた経緯を明らかにするために,アメリカの動物園史の時代区分を行い,その史的全体像の把握を試みた。ハーゲンベックのパノラマ様式をとりいれることにより発達した生態的展示は,その後,動物地理学的配列の制約と近代主義の影響をうけたが,パイオームの概念をとりいれることにより,生息地別配列にもとづく生態主義の時代をむかえた。その起源は,アメリカ自然史博物館のジオラマ展示にみることができた。またアメリカでは,初期に移動動物園をともなったサーカスが人気を博していたため,動物園をショーの世界と同一視する動物園観が永く定着していた。
著者
野田 幹雄 北山 和仁 新井 章吾
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.5-13, 2002-07-15
被引用文献数
15 5

アイゴ科魚類は、インド・太平洋の熱帯・亜熱帯水域に分布の中心をもち、全世界で27種が知られている。いずれの種も植食性で、緑藻・紅藻・褐藻類に属する糸状の微小藻類や葉状・樹枝状・膜状の芝生状の海藻類を主要な食物源とするグループである。アイゴ科魚類の中でもっとも広範囲の緯度(本邦中部域からオーストラリア南部)にわたって分布するアイゴもその例外ではないと考えられている。また、アイゴ科魚類はシンガポール・フィリピン・パラオ・ハワイなどの熱帯地方や地中海東部のイスラエルにおいて重要な水産資源であり、上述した食性上の特性から低蛋白質餌料による低コストでの養殖の可能性が検討され、各地で増養殖に対する研究がさかんに行われている。本邦でもアイゴ科魚類は沖縄県では水産上重要な有用種である。一方、本邦温帯域では藻食性魚類の採餌活動が天然藻場の衰退に深く係わるとともに、藻場造成や海藻養殖の成否にも大きな影響力をもつことが近年指摘されており、その原因種の一つとしてアイゴが注目されている。実際、本種がコンブ目とヒバマタ目の大型褐藻類を採食することは、野外での行動観察や水槽内での採餌実験において確認されている。しかし、自然条件下での本種の食性については極めて断片的な知見が散見されるにすぎず、定量的に調査された報告は見あたらない。
著者
Lin Y. Chen David G. Benditt Alvaro Alonso
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-14-0814, (Released:2014-09-26)
参考文献数
36
被引用文献数
5 45

Evidence is emerging to indicate that atrial fibrillation (AF) is independently associated with an increased risk of sudden cardiac death (SCD). This association has been consistently observed in specific patient subgroups such as patients with myocardial infarction (MI), heart failure, and hypertension, and importantly, in the general population. Data from studies of implantable cardioverter-defibrillator recipients suggest that the rapid and irregular rhythm of AF and the short-long-short cycles that are highly prevalent in AF increase susceptibility to ventricular tachycardia and ventricular fibrillation. An alternative explanation for the association between AF and SCD includes confounding or mediation by shared risk factors such as coronary artery disease and heart failure. Possible risk factors for SCD in patients with AF include black race, left ventricular hypertrophy, history of MI, and diabetes. Additional research is needed to confirm the inherent proarrhythmic nature of AF, identify patients’ characteristics or clinical conditions that potentiate SCD risk, and define effective SCD prevention strategies for patients with AF.
著者
菱刈 美和子 Miwako Hishikari
出版者
共立女子短期大学看護学科
雑誌
共立女子短期大学看護学科紀要 (ISSN:18808557)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-6, 2013

The purpose of this study is to clarify the method how you educate "the skill" of the nursing based on the theory of Nightingale. Therefore at first I clarifies something with "the skill" generally and I take up the example of the guidance scene in the clinical scene of the adult nursing practice concretely and analyze significance and an effect of the legitimate peripheral participation afterwards. This is ever the viewpoint that has been emphasized long ago in the nursing training theory of Nightingale. I point out that the nursing thought of Nightingale is effective in the education of "the skill" of the nursing in today.
著者
十倉 好紀
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.621-627, 1994-08-05

遷移金属酸化物が物性科学的に興味深い対象であることは,古くから認識されてはいたが,理論的な取扱が困難な強い電子間相互作用-電子相関効果-をあらわに考慮しなければならないこともあって,その電子物性の研究は半ば冬眠状態にあった.しかし,銅酸化物系高温超伝導の熱病を契機として,強相関電子系の物理の理解が進みはじめ,いまや「強相関電子」は物質科学のみならず,次々世代電子材料の可能性を語るうえでの,不可欠なキーワードとなりつつある.そのプロトタイプとしての3d遷移金属酸化物を例にとり,価数(電子数)制御によって出現するモット転移近傍の異常金属相の物性とその材料物理としての展開の可能性を探りたい.
著者
金 志英
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.369-380, 2010-03-10

The aim of this paper is to understand more fully the high school diversification by a different approach, focusing on the policy planning process. It will make it possible to compare the motivation in the planning process with the results of each policy and to consider whether each type of school is a complementation policy or a dismantlement policy in relation to the HSEP. The conclusions of this paper are threefold as follows ; 1. The HSSP system was introduced as the complementation of the HSEP, and it is separated between the type of elite school, the FLHS, and the type of special purpose, the others of the HSSP, by planning purpose. 2. The FLHS itself is differentiated into a type of elite high school which is private school located in the metropolitan area, a type of high school with special purpose, the others of the FLHS. 3. Therefore, there is included a policy that conflicted with the HSEP in the contents of the high school diversification that was introduced as the complementation of the HSEP.

2 0 0 0 海と安全

出版者
日本海難防止協会
巻号頁・発行日
vol.12(9), no.237, 1978-09
著者
大串 和雄 月村 太郎 本名 純 SHANI Giorgiandr 狐崎 知己 千葉 眞 武内 進一 元田 結花 SHANI Giorgiandrea 酒井 啓子 竹中 千春
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、現代世界の武力紛争と犯罪について、グローバル化、アイデンティティ、デモクラシーという3つのテーマを軸にしてその実態を解明するとともに、実態に即した平和政策を検討した。武力紛争はアイデンティティとの絡みを中心に研究し、犯罪については東南アジアの人身取引をめぐる取り組みと、中央アメリカの暴力的犯罪を中心に取り上げた。平和政策では平和構築概念の軌跡、「多極共存型パワー・シェアリング」、移行期正義における加害者処罰の是非を中心に検討し、それぞれについて新たな知見を生み出した。