著者
岡本 仁宏 荒木 勝 菊池 理夫 木部 尚志 古賀 敬太 杉田 敦 千葉 眞 寺島 俊穂 富沢 克 的射場 敬一 丸山 正次 山崎 望 山田 竜作 大澤 真幸 岡部 一明 遠藤 比呂通 ありむら 潜 大竹 弘二 立岩 真也 石井 良規 天野 晴華
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

冷戦後の世界において、多くの人びとは我々の政治理論・社会理論が動揺する世界秩序を把握する言葉や構想を持ちえていないことを感じているという現状認識のもとに、近代政治理論における政治主体の基本用語の可能性と限界を追求した。「人間、国民、市民」(ヒューマニティ、ナショナリティ、シティズンシップ)という基幹的主体用語を中心に、「市民社会、ナショナリズム、グローバリズム」という三つの政治思想との関連において、その妥当性を検証し、既存概念の限界を指摘すると同時に、それらに代わる政治主体の可能性を検討した。
著者
サイウス・シャウル 多田 智之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, pp.9-15, 1999-01-20

20世紀後半になって、電子化したドキュメントは最も一般的な通信手段のひとつになった。インターネットなどのネットワーク上で入手できる電子化ドキュメントが増加するにつれ、必要なドキュメントを見つけるのがますます困難になってきている。インターネットやイントラネットの検索エンジンはWWW全体を検索できるように取り組んできた。WWWは急速に成長しており、月に100%以上の成長をする場合もありうる。またその内容はほとんど管理されていないに近く、ドキュメントは頻繁にあらゆるタイミングで、内容が更新されたり、場所が移動したり、消されたりしている。ユーザにとって直感的に分かりやすいインターフェースを提供するために、検索エンジンはインデックス作成や検索実行に形態素解析を使っている。本稿では、高性能のインターネット/イントラネット検索エンジンが直面しているこれらの問題について述べる。Digital documents have become one of the most common means of communication for the human race in the latter half of the 20^<th> century. As the number of digital documents available over data networks, such as the Internet, has increased, so has the difficulty in finding documents on these networks. Internet/Intranet search engines have tackled the problem of allowing people to search the entire set of documents that make up the World Wide Web. The WWW is a set of documents that grows at a rate that is hard to measure, but may be over 100% per month. The content of the WWW is administered in a completely decentralized manner, and documents can change content, location or disappear completely at any time, usually with high frequency. For a search engine to provide an intuitive interface for users to search for pages, search engines use morphological analysis to create and search the index. We will try to review in this paper the issues that face a high performance search engine in the Internet/Intranet environment.
著者
飯田 弘之
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

将棋ソフトは近年大幅に改善されてきた。早指しであればコンピュータが名人に勝つことも不可能ではない。本研究で開発した将棋ソフトTACOSは,研究開始当時,他の将棋ソフト同様,序盤や中盤などいくつかの致命的な欠点があった。本研究における様々な技術的進歩によってTACOSの強さは大幅に改善され人間を超えるほどに至った。顕著な進歩の例として,証明数を用いたAND/OR木探索があげられる。その他多くの改良により名人レベルに到達できた。
著者
福田 昌子 . 佐藤 寛子 Choochote Wej 高岡 宏行
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.121-123, 2004

Gynandromorphism was found in one adult black fly of Simulium asakoae collected while attracted to a human in Thailand. This is the first record of sexual mosaicism of Simuliidae in Thailand.
著者
深山 覚 中妻 啓 米林裕一郎 酒向慎司 西本 卓也 小野 順貴 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.78, pp.179-184, 2008-07-30
被引用文献数
8

本稿では歌詞の韻律を用いた歌唱曲の新しい自動作曲手法を提案する。旋律を音の経路と捉え作曲を経路探索問題として定式化することで、任意の日本語の歌詞を用いた歌唱曲の自動作曲が、歌詞の韻律に基づく制約条件下での最尤経路探索問題を解くことで実現できることを示す。さらにこの作曲原理を実装した自動作曲システム "Orpheus" を用いて実際に楽曲生成を行い、作曲家による生成された楽曲に対する評価を踏まえて、今回の手法によって妥当な音楽性をもった歌唱曲が生成されたことを検証する。In this paper, we discuss a new algorithm for automatic song composition and introduce our new composition system named "Orpheus". We show that composing melody on Japanease lyrics can be done automatically by considering musical composition task as an optimal-path search problem under constraints of the upward and downward pitch motions given from the prosody of the lyrics. Valuation on the results generated by "Orpheus" by a musical composer is also reported, which indicates that our new system can compose a song with a proper degree of musicality.
著者
岡原 正幸
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.463-484, 1990-12

文学部創設百周年記念論文集ITreatise0. はじめに1. 感情社会学 : 主題系と概念の整理 1.1. 感情社会学概観 1.1.1. ニューパラダイム 1.1.2. 分類 1.1.3. 本稿の視角(S.I.) 1.2. 概念装置 1.2.1. 感情 1.2.2. 感情規則 1.2.3. 感情操作 1.3. 感情文化 1.3.1. Emotional Culture 1.3.2. 歴史学との接点 1.3.3. 人類学との接点2. 感情文化の変容 2.1. 変容モデル 2.2. 母性愛の発明 : モデル的解釈 I. 母性愛の社会的問題化 II. 社会的感情操作化 III. 個人的感情捜査化 2.3. 感情文化の変容3. 感情と社会変容 3.1. 感情文化の歴史的変移 3.2. 感情の市場化 3.3. 感情シュミレーション4. おわりにEs ist die Ziel dieses Aufsatzes, die Emotionsphanomen in der modernen, oder manche sagten, postmodernen Gesellschaft deutlich zu machen. Dazu musse man sich zuerst vor allem die zwei theoretischen Ausgangspunkte klarmachen. Die gegenwartige Lage unsere Gesellschaft lasset sich zum einen als gewandelt in die selbst-reflexive begreifen und beschreiben. Zum zweiten werden einige Begriffe, wie sinnstiftete Emotionskonstruktion, Emotionsregeln oder Emotionsmanagement, die aus der symbolisch-interaktion-istischen Emotionssoziologie stammen, in die Analyse als methodologisches Gerat eingefuhrt. Empirische Ereignisse stellen einen Wandel in der in den verschiedenen Bereichen zum Ausdruck kommenden, kulturellen Kodierung der Emotionskultur fest. Sie Verandert sich der sozialen Transformation uberhaupt entsprechend, die sich auf dem Niveau der positiven Basis, worauf die jeweilige Gesellschftsformation grundsatzlich steht, allmahlich ereignet. Neu erschienen sind die Kommerzialisierung und die Selbst-thematisierung oder Simulierung von Emotionen.
著者
永田 宏 初田 正彰 若宮 加奈子 田中 恵理子 水島 洋
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.34, pp.9-14, 2000-06-13

A prototype of computer aided drug design using virtual reality technologies is introduced. The essence of our study is to make touchable the electrostatic potential field surrounding protein molecules using PHANToM^<TM> a most popular haptics device. Several viatual probes, which are representatives of parts to drug molecules, are prepared and linked to the PHANToM^<TM>. Users are available to scan the protein molecules by the proves with feeling electrostatic force between them.
著者
井餘田 敏彦
雑誌
電気設備学会誌 (ISSN:09100350)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.311-312, 2001-04-10
著者
千葉 克裕 吉本 啓 横山 悟
出版者
文教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日本における英語学習において、初級学習者は L2 英悟の語彙を日本語の翻訳を介して理解しているか、また上級になると直接第2 言語を処理するようになるか、という習熟度の変化にともない第2 言語語彙処理プロセスが変化するかどうかを脳磁図(MEG)を用いて観察した。分析の結果から上級者は単語認知処理において処理速度が速く、また初級者は脳のより多くの部位を使用して意味処理を行っていると判断された。
著者
鳥越 皓之
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

現在、私たちの国では、さまざまな環境保全の試みがなされている。とりわけ本研究のような人工的自然環境の研究の場合、いわゆる「まちづくり」の活動とたいへん強く関わっている。ちなみに、本研究でいう人工的自然環境とは、人間が手を加えた自然環境を意味し、いわゆる純粋な自然環境と対置する用語である。本研究の期間、奈良県吉野山を中心としつつも、かなりの地域を実地に調査することができた。とりわけまちづくりについて熱心に取り組んでいる地域を訪問し、それが結果的に人工的な自然環境-田畑やせせらぎ、里山、公園など-の保全に関わっている実態をつぶさに調査できたことは大きな収穫であった。吉野山の調査においては、どうして吉野山は千年以上も、桜の山を保全できたのだろうかという疑問のもとに、そのノウハウ、価値の体系、歴史的経緯などを、かなりの調査期間をとって調査をした。そして、信仰から始まった桜の保全が花見の隆盛などを経て、明治以降のいまでいうNPOの成立までの変化を追った。またこのNPOが時代の状況の変化のなかでどのような「生き残り作戦」をとっていったのかという事実も明らかにすることができた。一言でいえば、軍国気分の高いときにはそれに合わせた論理を、民主主義が評価されると、一般国民の意見を入れるというような対応をしつつ、桜を保全するNPO組織を保持することで桜の山を維持できたことが分かった。とりわけ特筆しておきたいことは、この研究を通じて、たんに人工的自然環境の研究にとどまらず、この研究が応用・政策的研究であるために、結果として「社会学の応用可能性」を探るという社会学そのものへの貢献もできたことであった。
著者
堀 信行 飯島 祥二 高岡 貞夫 岡 秀一
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

色彩景観研究に取り組むに当たり、城下町起源の東西の小都市である角館と萩を対象地域に選び、平成8年度には角館、平成9年度には角館と萩の両者について現地調査を実施した。研究は大きく二つの方向で進められた。第一の方向は都市景観の色彩に関する計測的研究で、街路景観を構成する施設色彩の特性の都市間比較および自然・人工景観における輝度や色度の特性の都市間比較を試みた。当初、研究対象地域の植生の色彩がその地域の色彩景観との間に何らかの相互関係が存在するのではないかと考えたが、色彩景観として街路景観やビルの外壁など施設色彩に注目して分析を行った結果、現在のところ角館と萩の両者を比較しても、この作業仮説を積極的に支持する成果は得られていない。第二の方向は色彩民俗学的視点を取り入れた研究で、お祭りや絵図の中に現出する色彩群に社会的・文化的コードの文脈を読み取り、それを自然景観や記憶色との関係から分析した。角館の9月上旬に行われる祭りには、ヤマと呼ばれる山車が各町内から出て町を練り回る。山の象徴である山車は、きわめて濃い濃紺の布で覆われ、それに春の象徴としての桜、秋の象徴としての紅葉したモミジが飾り付けられている。さらに山の象徴に杉の樹も使われ、季節の推移に連動して山と里の間を出入りする神のイメージが植生の色彩を通して表現されている。これらの分析から、色彩景観として住民が互いに共有する記憶色といえる象徴的な色彩が意識され、それぞれが祭りの山車に表現されていることが分かった。
著者
木之瀬 隆 野村 みどり 大崎 淳史 木之瀬 隆 徳永 亜希雄
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

特別支援教育を推進するバリアフリー生活情報環境デザインのあり方に関する研究の目的は、わが国の障害児教育が従来の特殊教育から個々の教育的ニーズに対応する特別支援教育への大きな変革に合せて、養護学校のバリアフリー生活環境デザインのあり方についてハード・ソフトの両面を含めたグローバルで学際的視点から課題を明確にすることであった。研究は2部で構成され、研究Iは特別支援教育で重要となるインクルーシブ教育の実態把握としてノルウェー王国の調査を行いまとめた。ノルウェーでは、ノーマライゼーションの考え方と合せてWHO国際生活機能分類(以下、ICF)の障害観に基づく教育が展開されており、地域での障害者支援技術としてアシスティブテクノロジー(Assistive Technology : ATと略す)のサービスと合わせたサポート体制が整っており、特別支援学校の展開にソフト面として重要な情報を得ることができた。研究IIはノルウェーの特別支援教育プログラムを参考に日本の養護学校における環境面からのアプローチを検討し、千葉県立桜が丘養護学校の教室とトイレに天井走行式リフターを導入し「抱っこによる移乗」の改善を試みた。その結果、授業時間にリフターを活用した重度重複障害児の自宅にリフターを設置し、自宅における環境改善と家族の介護負担の軽減が大きく図れた。一方、千葉県立袖ケ浦養護学校では、寄宿舎にリフターを設置することで、介助者の安全性・身体的負担軽減に有効であった。また、浴室に設置したリフターは利用する児童にとって、入浴の楽しみと快適性を高めるQOLの向上につながった。また、自立活動室にリフターを設置し、授業中のリフター活用で教諭の腰痛予防に配慮した安全性向上による移乗動作の獲得と自立活動の歩行補助用具としてのリフター活用の可能性を評価することができた。今後の課題としては、社会資源の活用を含めたバリアフリー生活情報環境のリソースセンター機能の構築が必要である。また、教育場面では教諭を中心とした、関連職種による支援体制整備と「個別の指導計画」の中に、ICFの視点から、児童の学校生活、自宅生活、卒業後の自立生活を視野に入れた、環境面からの目標を導入することが挙げられる。