著者
Ueda Kazuo Hirahara Tatsuya
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
Journal of the Acoustical Society of Japan (E) (ISSN:03882861)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.131-138, 1991-05
被引用文献数
3 1

Loudness comparisons were performed by four subjects, under two experimental conditions: free field (anechoic room) and diffuse field (reverberation room). Each subject adjusted the headphone level of critical band noise bursts untill they were equally loud as those from a reference loudspeaker (70 dB SPL). Measurement scatter was smaller in the diffuse field than in the free field. To examine the reliability of loudness judgments at high frequencies, another method-hearing thresholds by Bekesy tracking-was employed. Each subject's threshold was measured with both loudspeakers and headphones. After compensation was made for the loudspeaker and room transfer functions, headphone frequency response was extrapolated from the results. This method led to high-frequency responses similar to those from loudness comparison. A loudness comparison experiment in which the subjects continuously wore a headphone was performed. However, the method of sound pressure loss measurement should be reconsidered.
著者
大野 雅子
出版者
帝京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

17世紀後半に東インド会社によってイギリスに持ち込まれた紅茶や陶磁器などの茶道具は、富裕層にとっては自らが上品でポライトな階級に属していることを示すための重要な物質文化を形成した。紅茶や茶道具に熱狂する女性は17世紀から18世紀にかけての文学作品に数多く登場し、皮肉や揶揄の対象となる。さらに、女性の物欲の激しさは性欲の激しさと同一化される。聖書に始まる女性蔑視の伝統は紅茶と陶磁器という新たなメタファーを得ると同時に、「脆き器」としての女性はその激しい欲望を携えて消費文化の中を跋扈する存在となるのである。
著者
浅見 重幸 田子 晃 小林 保
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.519-527, 1996-08-25
被引用文献数
9

有線LANはケーブルを使用するため,機器の設置,再配置にコストがかかる.また,工場や構内の情報化に伴い,移動体との情報通信を含めたシステム化への要求が増加し,無線LAN利用への要望が高まっている.今回我々は,2.4 GHz帯直接スペクトル拡散変調方式(DS-SS)を用いた伝送速度2 Mbpsの無線LANシステムを開発した.本装置は, IEEE802.3 (イーサネット)インタフェースを備え,ユーザが使用している既存ネットワークOSを変更することなしに,無線化できる特長を備えている.本論文では,SSモデムのビットエラー率(BER)の測定結果,多重アクセス制御(MAC)の計算機シミュレーション結果,バッファサイズの検討,および室内伝搬特性としてフレームエラー率の測定結果を示す.更に,LANシステムとして実効データ伝送速度測定結果を報告する.
著者
庄司 博史 渡戸 一郎 平高 史也 井上 史雄 オストハイダ テーヤ イシ アンジェロ 金 美善 藤井 久美子 バックハウス ペート 窪田 暁
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

1980年代後半からの日本の急激な多民族化の進展のなか、移民とともにいくつかの移民言語が生活言語として定着しつつある。同時に日本語を母語としない移民にとって、生活、教育の面でさまざまな言語問題も生じている。本研究は、いままで日本ではあまり注目されることのなかった移民言語に焦点をあて、社会言語学的立場から、その実態、および移民にかかわる言語問題への政策に関し調査研究をおこなった。その結果、国家の移民政策、移民の地位、ホスト社会の態度とのかかわりなど、移民言語を取りまく状況は大きくことなるが、今後日本が欧米のような多民族化に向かう上で、移民、国家双方の利益にとっていくつかの示唆的な事例もみられた。
著者
木村 薫 竹内 伸
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05272997)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.A98-A105, 1986-04-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
姜 範熙
出版者
長岡造形大学
雑誌
長岡造形大学研究紀要 (ISSN:13499033)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.28-30, 2004-03-19

Peter Eisenman explains his design process through the development of a diagram. The first use of a diagram appeared in his Ph.D thesis in 1963 and the diagram has been used in his architectural designs consistently. With the fast development of digital computer technology, current social paradigm is shifting from analog paradigm to digital paradigm. Peter Eisenman is one of the famous architects who introduced digital paradigm in architectural design. The purpose of this study is to show the reason why Peter Eisenman uses digital design process for architectural design and the method being applied.
著者
大和田 英子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

ウィリアム・フォークナーは1920年代後半から1940年代前半まで映画脚本の執筆に携わっていたが、その動機は財政問題にあったため、この時期のシナリオ諸作品には、文化的・歴史的視点からのアプローチが欠けていた。しかし、フォークナーと同時期にハリウッドでシナリオ製作、あるいは、映画プロデュースに携わっていた、作家・映画監督などの動向を詳細に検討すると、当時のアメリカ政府による文化政策の影響が色濃く、フォークナーもその影響の範囲内での仕事を余儀なくされていた事実が浮かびあがる。本研究では、フォークナーがハリウッド時代、共に仕事をしたハワード・ホークス文書をユタ州ブリガム・ヤング大学図書館にて調査し、フォークナーとホークスのみならず、ガイ・エンドア、エイゼンシュテインらとの共通認識であったアメリカ海兵隊によるハイチ侵攻及びハイチからの撤退という歴史的事実が与えた映画界への影響の痕跡を探った。映画に携わった当時の映画人・作家は、表現のうえでも、思想のうえでも、アメリカの軍事行動に反発を示し、アメリカ政府がそれに対して検閲制度を強化していったが、そのような制限の中で、いかなる文学作品あるいは映画が生まれ、あるいは闇に葬られていったのかを検証した。ガイ・エンドアの『バブーク』はその好例でもあるが、エンドアとフォークナーが同時期にハリウッドで脚本制作に携わりつつ、全く異なるハイチ表象を選択した背景は、各々の思想的相違というよりは、ハイチに対するイメージの相違と考える。
著者
高橋 しのぶ
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.145-154, 2010 (Released:2010-06-01)

経済協力開発機構(OECD)は世界最大のシンクタンクとして,他の国際機関に先駆けて,充実したオンライン・ライブラリー・サービスを提供している。このたび,OECD iLibraryという名称で一新したオンライン・ライブラリーと,統計データベースOECD.Statの効果的な使い方を,OECD東京センターに寄せられた質問を例に挙げながら示すとともに,実際にご購読いただいている日本とアジアの大学でOECDのデータベースがどのように受け止められ,利用されているかを紹介する。
著者
高木 繁光 諫早 勇一 松本 賢一 メーリニコワ イリーナ 銭 〓 大平 陽一 宮崎 克裕
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、文学作品ではナボコフの小説『絶望』、ドストエフスキイの小説『おかしな男の夢』、マラルメの『イジチュール』、中国の『紅楼夢』を、映像関係ではアレクセイ・ゲルマンなど50年代のソ連社会を舞台とした近年のロシア映画、エイゼンシュテインの映画理論、30年代から50年代のドイツ映画と親近性をもつ近いマキノ雅弘作品などを主たる分析対象として、各研究者がそれぞれの分野で、「二重世界」、「二重文化性」、「二重の知覚」といった二重性を生きる分身的主体のあり方について考察したものである。ここで分身的主体とは、ジギルとハイドのような<病的>現象としてではなく、あれでもありこれでもあるという複数的存在様態を肯定してゆく創造的エネルギーを備えたものとして捉えられている。あれかこれかという単一的世界像の見直しを促すこのような分身テーマは、複製技術時代における文学と思想と映像の相互関係を理解する上できわめて有効な手掛かりとなりうるものである。
著者
木下 央
出版者
東京都立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

<調査活動>年度前半は予備的調査を行うと同時に研究の枠組みの検討を行った。年度半ばには、前年度の調査旅行時の資料収集でカバーしきれなかった図面資料を追加すべく、Victoria & Albert Museum及びBritish Libraryにおいて資料収集を行い成果をあげた。またヴァンブラの代表作であるカッスル・ハワードを訪れランドスケープ調査および建築の調査を行った。さらに現地での調査及び資料収集で得た研究材料に加え、国内からも積極的に資料収集を行った。<分析・研究>以上の活動より得られた研究資料をもとに、ヴァンブラの建築作品に見られる平面の構成手法に関する分析を行い、成果を上げた。その一部は日本建築学会大会で発表した。また追加調査により得られた図面資料を使用した分析を行い併せて論文集に投稿を準備している。本年度は特に建築図面を用いた研究に加え、ヴァンブラの喜劇作品の分析およびヴァンブラと修道士ジェレミー・コリヤーとの論争を分析し、そこに見られる古典主義への依拠を確認した。また古典という概念と田園の風景という物が分かちがたく結びついており、古典の概念がヴァンブラをピクチャレスク建築の構想へと導いたということが推察された。更に今後の課題としてヴァンブラの建築・喜劇作品における都市と田園という位相とヴァンブラがかつて滞在したインドのスラトにおける都市計画の関係について今後一層の調査研究を行う予定である。
著者
田中 彰吾
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 開発工学部 (ISSN:09177612)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.7-14, 2006-03-31

この論文は,近代科学という知の形式の問題性について考察し,オルタナティヴな知のありかを展望しようとするものである.考察の手がかりとして,E・フッサール,中村雄二郎という二人の哲学者の科学批判を取り上げる.両者の議論とも,近代科学の問題点を的確に指摘したものとして比較的よく知られている.中村は,科学という知の営みの特徴を,「普遍性・論理性・客観性」という三つの特徴が結合したことに見出している.近代科学は,観察者の主観から自然を切り離し,自然のうちに内在する因果関係を記述することで,ローカルな場所に限定されない普遍的な知識の体系を築き上げてきたという理解である.フッサールは,近代自然科学の知の典型的な起源をG・ガリレイに見出している.ガリレイの試みには,純粋な幾何学図形を適用して自然現象を測定し,物体の運動をはじめとする現象を代数的に表記したという特徴がある.近代科学の視線は,自然を客観的に測定する試みに始まって,逆に測定された姿(理念として把握された姿)こそ真の自然であるとする自然観をもたらしたとフッサールは指摘する.中村やフッサールの議論から明らかになるのは,近代科学の世界観が,世界を直接に経験している主体の場所を排除したということである.これは,身体によって世界のうちに根づいてい,という私たちの素朴な生の事実が,学問から捨象されてきたことを意味するだろう.「身体で分かる」という知のあり方のなかに,学問の主題として発掘すべき知の領域が広がっているのである.
著者
石井 健太郎 青木 直和 小林 裕幸
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿 (ISSN:02853957)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.49-52, 2006

ある顔画像にふさわしい,あるいは好ましいと思う肌色は,それぞれの画像の記憶色であるが,記憶色が画像がリアルかノンリアルかで異なるかを調べるため,本研究では,写真,イラスト画像,アニメ画像とリアルさが異なる画像をディスプレイで表示し,それらの絵柄に対して被験者がふさわしいと思う肌色を塗ってもらった.男女2名ずつの顔画像を用いたが,どの画像においても,写真が最も暗く、アニメが最も明るいという結果が得られた.
著者
Chiang Ted 大森 望
出版者
早川書房
雑誌
SFマガジン
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.9-34, 2008-01