著者
恵利川 大樹 安尾 信明 関嶋 政和
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:21888590)
巻号頁・発行日
vol.2020-BIO-61, no.11, pp.1-6, 2020-03-05

創薬のプロセスの一つである化合物最適化では,特定の化合物を出発点としてより薬らしい化合物の探索を行っている.機械学習を利用した化合物生成モデルの一つである ChemTS は優れた物性を持つ化合物を生成することに成功したが,特定の化合物を出発点とした化合物生成には対応していなかった.そこで,本研究ではモンテカルロ木探索を用い,特定の化合物の誘導体を生成することが可能な手法を開発した.また,本手法について化合物の薬らしさの指標である QED を最適化する実験を行い,平均 QED が 0.63 の化合物群に対して 0.93 を超える化合物を生成することに成功した.
著者
矢ヶ﨑 昭裕 YAGASAKI AKIHIRO
出版者
松本歯科大学学会
雑誌
松本歯学 = Journal of the Matsumoto Dental University Society (ISSN:21887233)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.153-154, 2016-12-25

松本歯科大学大学院歯学独立研究科博士(歯学)学位申請論文
著者
田中 恭子
出版者
埼玉大学経済学会
雑誌
社会科学論集 = SHAKAIKAGAKU-RONSHU (The Social Science Review) (ISSN:05597056)
巻号頁・発行日
vol.140, pp.31-39, 2013

さいたま市の見沼田んぼ地域では,公有地化推進事業が実施されている。農地の管理を委託された市民団体が,水田や畑を耕作し,緑地保全のための市民活動が盛んである。本稿では,見沼田んぼの公有地化推進事業の導入に至った歴史的な経緯を考察するとともに,現在の公有地の管理と利用の実態を明らかにする。市民団体などに委託された土地では,市民が共同して無農薬,有機農業を実践し,自然環境保全がはかられている事例を報告する。さらに2012年からは公有地の賃貸制度も導入され,公有地化推進事業に新たな展開も見られていることが注目される。
著者
島崎 篤子
出版者
文教大学
雑誌
教育学部紀要 = Annual Report of The Faculty of Education (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.77-95, 2017-12-20

大正期には,音楽文化の面でカチューシャの歌や浅草オペラの流行などによって,それまでとは違う新しい音楽が巷間に広まった.また子どものための文化運動である童謡運動が展開された時代でもある.一方,教育界では欧米の自由教育思想や芸術教育思想が広がる中で,明治以来,ひたすら唱歌教育が行われてきた唱歌科の内容に,初めて創作・鑑賞・器楽という新しい学習活動を加えようとする動きが見られた.本稿は,一部の先導的な教員や研究者によって大正期に始められた創作に着目したものである.大正期および昭和初期の文化状況や教育状況を振り返り,創作教育の黎明期における創作教育の推進者の理論や実践について検討する.
著者
イシカワ エウニセ アケミ イシカワ エウニセ アケミ Eunice Akemi ISHIKAWA
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-8, 2015-03-31

日本とブラジル間の国際移動は1908年に始まり、現在ではブラジルにて世界最大の日系人社会が築かれている。その一方で、1980年代からブラジルの経済危機から逃れるため、多くの日系人は人手不足で悩んでいた日本へ移動するようになった。当初は大人の移動が多かったが、現在では家族形態の移動が多く、日本で育った子どもが増加している。現在(2012)、在日ブラジル国籍者は19万人であり、そのうち17%は15歳以下である。その多くは日本で初等教育を受けたか現在受けている現状であると言える。親の労働・生活の状況の不安定さにより、この子どもたちが抱える問題は、家庭内から始まり、教育現場である学校、そして地域社会にまでいたるのである。しかし、このような状況の中でも、日本で育ったブラジル人の子どもが徐々に日本の大学に進学し、日本人と同じ入学試験を受けて合格している事例が増加している。本稿では、在日ブラジル人の第二世代を対象に行った調査をもとに日本の大学に入学した彼・彼女らの現状を紹介する。
著者
大塲 貴志 Takashi Oba
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 = Gakuen (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.946, pp.(1)-(9), 2019-08-01

The purpose of this article is illuminating the theoretical and pedagogical perspectives on grammar instruction in the field of second language acquisition (SLA) research and educational settings. In many educational contexts, although communicative activities have been strenuously implemented into language lessons, grammar instruction has not been appropriately integrated in the lessons. In this article, theoretical perspectives on grammar instruction will be explained and a systematic framework of grammar instruction, “form-focused instruction (FFI)”, will be demonstrated. Then an instructed model integrating FFI and communicative contexts proposed by Lyster (2007, 2017) will be illustrated. Finally, empirical findings regarding FFI will be reviewed.
著者
大神 訓章 日高 哲朗 内山 治樹 佐々木 桂二 浅井 慶一
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 教育科学 = Bulletin of Yamagata University. Educational Science
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.59(427)-72(440), 2001-02-15

要旨 : 本研究は,日本女子バスケットボールリーグ(WJBL)に所属する12チームを分析対象として,チームの平均身長を数学的手法により数量化・細分化し,それらを身長力として捉え,チームの身長力が戦力及び得点に及ぼす影響について分析したものである。 本稿で捉えたチームの身長力とは,各プレーヤーの出場率を加味し,併せて長身プレーヤーのチームに対する貢献率を考慮して数量化したものである。そして,その身長力について,回帰係数及び回帰直線を求め,その数値及び直線の傾きからチーム戦力を評価し,また,対戦した2チーム間の身長力の差並びに得点比を算出し,戦力比較を試みた。 その結果,チーム身長について,数学的手法による数量化,それに基づく身長力の細分化は,チーム戦力を捉える有効な手段のひとつであると考えられ,算出された数値は,体格的側面からみて,各チームの戦力をより適正に評価し得る数値であると思われる。また,チーム間における身長差と得点比には,高い信頼性と強い相関が認められ,それは,今後のチーム指導の示唆を得るものと考えられる。 The purpose of this study is to analyze the numerical terms on basketball player's height in detail and the effects on fighting power of team. The results may be summarized as follows: 1. Quantification of the baskeball player's height in detai1 can provide an effective means to understand the ability of each team. 2. It is shown that the ability of height can be valued for rate of contribution on strength of team. 3. It is shown that CK and JE are highly scores in S, CK is ah = 8.2, JE is S - ah = 9.7 in regular season, and CK is ah = 11.l, JE is S - ah = 5.2 in playoff, and that the difference in both teams are observed through the different of scores. 4. The regression line was analyzed, are a 2 = 1.68, σ = 5.0, r = 29.8 in regular season, and therefore it is recognized that between the difference of height and the rate of points have reliance and highly correlation.
著者
佐藤 哲郎
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
松本大学研究紀要 = The Journal of Matsumoto University (ISSN:13480618)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.19-31, 2014-03-18

社会福祉協議会の結成時から現在に至るまで活動の拠り所としてきた理論であるコミュニティ・オーガニゼーション(以下、「CO」という)に関して先行研究等を踏まえながら年代別に整理することにより、COが各年代でどのように認識され実践として位置づけられていったのかを関連する政策的動向も含めて明らかにしながら社会福祉協議会発展の経過をまとめる。
著者
林 雅清 Masakiyo HAYASHI 京都文教短期大学 Kyoto Bunkyo Junior College
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 = The Kenkyu kiyo (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.103-114, 2014-03-12

中国と日本の復讐劇の代表格である、元曲「趙氏孤児」劇と人形浄瑠璃『仮名手本忠臣蔵』、それぞれにおける登場人物の「死」の描写を分析することにより、両作品ないし両芸能の特徴の一端を明らかにすると共に、中国人と日本人の死生観や宗教観の相違についても検証する。
著者
田村 省三
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.116, pp.209-233, 2004-02-27

本稿は、日本の近代化の先駆けであり、薩摩藩の近代科学技術の導入とその実践の場であった「集成館事業」の背景としての視点から、薩摩藩の蘭学受容の実際とその変遷について考察したものである。薩摩藩の蘭学は、近世における博物学への関心と島津重豪の蘭学趣味から出発し、オランダ通詞の招聘や蘭方医の採用をとおして、しだいに領内に普及していった。そして、蘭学が重用され急速に普及していったのは島津斉彬の時代であり、藩が強力に推進した「集成館事業」の周辺に顕著であった。しかし、藩士たちの蘭学の修得については、中央から遠く離れた地域性や経済的な困難もあって、江戸や大阪への遊学は他の地域に比べて少なかった。むしろ、中央の優秀な蘭学者を藩士に採用したり、蘭学者たちとの人脈を活用するという傾向が強かったと思われる。ただし長崎への遊学は、例外であった。薩摩藩の蘭学普及は、藩主導で推進されている。したがって地域蘭学の立場からすれば、同時代の諸藩とはその目的、内容と規模、普及の事情に相違がみられる。一方で、蘭学普及の余慶がまったく領内の諸地域には及んでいなかったのかと言えばそうではない。このたび、地域蘭学の存在を肯定することのできる種痘の事例を確認することができた。それは、長崎でモーニッケから種痘の指導を受けた前田杏斎の種痘術が、領内の高岡や種子島の医師たちに伝えられ実施されたという記録によってである。また薩摩藩は薩英戦争の直後、藩の近代化を加速するため、洋学の修得を目的とした「開成所」を設置する。ここでは当初蘭学の学習が重んじられていたが、しだいに英学の重要性が増していった。さらに明治二年、国の独医学採用に伴い、藩が英医ウィリアム・ウィリスを招聘して病院と医学校を設置してから、英国流の医学が急速に普及する。この地域が本格的に西洋医学の恩恵を受けるのは、以降のことである。
著者
川合 恵生
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.129-156, 2019-09-30

During the initial stages of missionary work in Japan, Jesuit missionaries confronted differing views of the soul between Japanese and European peoples. Japanese Buddhists believed that their souls would be die with the body after death. But the Jesuit Missionaries argued that the soul is immortal.This articles investigates how Pedro Gómez sj., who came to Japan in 1583, introduced “On the immortality of the human soul” to the Japanese people. He created a textbook for use in collage philosophy classes in japan. This book was a commentary on Aristotle’s “De Anima”. According to the Jesuit educational policy, Jesuit missionaries were required to follow the interpretation of Thomas Aquinas when they commented on Aristotle’s texts. However, did Gómez’s comment reflect Thomas Aquinas’s comment as demanded? I argue that the book has its own unique perspective due to the particular circumstance of being “written in Japan”.日本における宣教活動の初期において、イエズス会宣教師たちは日本人と西洋人の魂観の違いに直面した。仏教徒である日本人は、魂は死後に肉体とともに死滅すると主張したが、キリスト教徒である宣教師たちは、魂は不死であると説いた。本稿は「人間の魂の不滅性」が日本人にどのように紹介されたのかを考察するものである。1583年に来日したイエズス会宣教師ペドロ・ゴメスは、日本のコレジョの哲学の授業で使用するために教科書を作成した。それはアリストテレスの『魂について(デ・ア ニマ)』の注解であった。イエズス会の教育方針ではアリストテレスを注解する場合はトマス・アクィナスの解釈に従うべきであると規定されていた。しかしゴメスの注解はトマスの注解と同じだろうか。投稿者は、ゴメスの『デ・アニマ注解』には彼独自の視点があったのではないかと考えている。なぜなら本書には日本で書かれたという特別な事情があったからである。
著者
津田一磨 鈴木秀和 旭健作 渡邊晃
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.805-811, 2013-07-03

Bluetooth に代表される近距離無線技術の発達により,ホームオートメーションの普及が期待されている.今後,宅内にある近距離無線通信機器を外出先から操作したいという要求が高まると考えられる.しかし,このような機器には通信可能範囲に制限があり,外出先から直接操作することができない.我々は,Bluetooth 機器のハードウェアとソフトウェアの間で交換されるコマンド等をインターネット経由で転送することにより,遠隔地の Bluetooth 機器へ接続する手法を提案している.提案手法により,ユーザは Bluetooth 機器の位置を意識することなく,一般のBluetooth アプリケーションを用いて近傍および遠隔地にある Bluetooth 機器とシームレスに接続することができる.本稿では,提案手法の検証を行うため,Linuxカーネルへのモジュール実装を行った.これにより,Bluetoothのコマンド等をインターネット経由で転送できることを確認した.