著者
前川 美行
出版者
リトン
雑誌
死生学年報
巻号頁・発行日
pp.187-206, 2014

In this paper, the author discusses "Gakkou no Kwaidan" in relation to the psychological development of schoolchildren. Originally, "Gakkou no Kwaidan" were tales of the supernatural circulated by word of mouth among schoolchildren. After Toru Tsunemitsu, a junior-high-school teacher, collected and edited them into a book in 1990, a boom of new "Gakkou no Kwaidan" publications arose and continued through the 1990s. The author points out, however, that the boom of newly published tales reduced school children's primitive power of narrating these stories themselves.In this article, the original tales of the supernatural in school, "Gakkou no Kwaidan" will be the focus. Why do children tell "Gakkou no Kwaidan?" Why do they like narrating the tales? The author explains two reasons for this. The first is from the viewpoint of "the sense of self" in childhood, and the second is from the viewpoint of the special space of school where children are experiencing life together.First, many researchers in developmental and clinical psychology have stressed a turning point in an 8-10 year old child's sense of self. It is a fundamental restructuring of the self. After that occurs, they begin to be aware of the existence of "another me" (an objective self) in themselves. The author proposes that sometimes this can emerge in a mysterious and/or supernatural form.Furthermore, the author explains the significance of the power of narration. Children experience various feelings in school life such as delight, happiness, sadness, distress, rage, loneliness and so on. Unfortunately, there is also severe bullying at some schools that many children go through which can wound them deeply. In this case, narrating tales of the supernatural in school can give children reassurance, and has a great power to bring peace to 206 them and others who have been injured. In other words, the narration of such stories could be seen as a requiem of sorts.In conclusion, the author emphasizes the power of narrating "Gakkou no Kwaidan" and people should be careful not to underestimate or reduce the positive power this may have for children.
著者
冨山 清升 庄野 宏
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学総合教育機構紀要
巻号頁・発行日
no.4, pp.101-116, 2021-03

現在、AI やビックデータの処理といった新たな情報科学分野が発展しつつあり、日常生活においても急速に浸透しつつある。これらの分野を扱う基礎科学は数理データサイエンスと呼ばれており、大学においても全大学生の必須の知識として身につけることが求められている。鹿児島大学では、数理データサイエンス教育(以下DS 教育と略す)を全学必修科目として教える事が計画され、2020年度から実行に移された。鹿児島大学におけるDS 教育の全学必修化は、2019年度5月から共通教育センターにより計画立案されたが、異例の短期間で実施することができた。鹿児島大学におけるDS 教育の教育プログラム具体化の過程を、他校の事例の調査、各学部との折衝、鹿児島大学独自案の策定、各種会議の承認、などの観点からまとめた。また、DS 教育の基本プログラムとして、1年次に全学必修科目となっている「情報活用」にDS 教育の初歩的内容として組み込み、1・2年次に主に理系学部で準必修科目となっている「基礎統計学入門」をDS 教育の応用的内容として位置づけ、各学部の専門課程で行われるDS 教育の専門的内容につなげていく、積み上げ式のカリキュラム内容を示した。
著者
鈴木 将史 Masashi SUZUKI
出版者
創価大学教育学部・教職大学院
雑誌
教育学論集 (ISSN:03855031)
巻号頁・発行日
no.73, pp.171-187, 2021-03-31

筆者は2018年4 月から3 年間の計画で、「江戸期の和算における教育課程の探究を通した算数・数学教育刷新の提案」とのテーマのもと科学研究費補助金を受けて研究を続けてきた。そもそもの発想は、「江戸時代には和算と呼ばれる数学が大変発達し、日本全国で算術教育を行う塾が盛んであったことはよく知られているが、そこではどのような教育課程に従って算術が指導されていたのであろうか?」という疑問であった。教育である以上、流派や地域によって異なるとはいえども何らかのカリキュラムがあり、ある種の指針に従って算術教育が行われていたに違いないであろうと考えたのである。その上で筆者は、日本の津々浦々、農村部に至るまで、多くの人々が楽しく数学を学んでいたという江戸時代の教育のあり方が、「数学離れ」を克服できない日本の数学教育において、新たな風を呼び起こすヒントになるのではないかとも考えた。 コロナ禍で移動が大幅に制限されたこともあり、全国の算術塾の調査が進んだとは言えなかったが、2019年に訪れた長野県で見聞した江戸時代の数学研究の様子や、それ以前に知った至誠賛化流と呼ばれる和算の流派の活動状況等から、江戸時代にはある種の「常識」として、数学が広く、しかも自発的・積極的に研鑽されていたことを知ることができた。 そのような研究の一環として、筆者は昨年発表した論考「和算流による算数・数学教育改革の試み」において、和算の醍醐味が算術塾における問題作りにあったこと、そして同様な作題活動を取り入れることが算数・数学教育を活性化させること、またそれが「創造的なアクティブラーニング活動」につながり、文部科学省の目指す「主体的・対話的で深い学び」にも通じることを主張した。ただ、そこで提案した作題は、あくまでも「学習を活性化させる方法・手段としての作題」であり、紹介した例も、既存の問題をつなぎ合わせる方法のみであった。 本稿ではその考えをさらに進め、もっとたくさんの「作題」を取り入れる方法について述べるとともに、和算のレベルを飛躍的に向上させた「遺題継承」と呼ばれる方式にならい、算数・数学をより「深い学び」へと導く方策について考察したい。
著者
繁田 信一
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
pp.77-98, 1995-06-10

本稿の目的は、医療および呪術の平安貴族社会における治療手段としてのあり方、および、平安貴族の治療の場面における医療と呪術との関係を把握することにある。この目的のため、平安貴族の漢文日記(古記録)を主要史料として用いるが、考察にあたっては近年の医療人類学的研究の成果をも利用し、次に示す諸点について明らかにする。(1)平安貴族社会において、医療および呪術は一定の専門知識にもとづく技術として認識されていたのであり、また、(2)平安貴族は医療と呪術とをそれぞれ別個の技術体系に属するものとして認識していた。したがって、(3)平安貴族社会における治療手段は、医療と呪術とによる二元的なものだったのであるが、(4)医療と呪術とは相互に排除し合う関係にあったわけではなく、そのいずれもが各々の資格において有効な治療手段として認識されていた。また、(5)呪術は医療の有効性および安全性を保障・保証するものと見做されてもいたのであり(6)総合的に見るならば、平安貴族社会における医療と呪術との関係は相互補完的なものであった。
著者
板垣 直子
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部保健福祉学科
雑誌
保健福祉学研究 = Journal of health and social services (ISSN:13484567)
巻号頁・発行日
no.17, pp.55-64, 2020-03-31

ソーシャルワーカー養成に欠かせない対人援助の技術習得の一つに、F.P.バイステックによる「ケースワークの原則」、通称「バイステックの7原則」があるが、介護福祉士、看護師、理学療法士、作業療法士はどのような理論を拠り所とし、どのような教材、授業実践で習得しているのだろうか。比較検討したところ、対人援助教育というより、コミュニケーション、アサーション、チームアプローチ教育に力を入れていることがわかった。しかし、5資格が対応するクライエントは共通していることも多いことから、今後、「バイステックの7原則」を含む対人援助教育を展開することの重要性が示唆された。
著者
安里 和晃
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.625-648, 2013
被引用文献数
1

ケアの求心力は人の国際移動を大きく促進した. 1つは香港, シンガポール, 台湾に存在する70万人をはじめとする家事労働者にみられ, 家事の補填のために雇用される途上国の女性である. 労働市場における非競合性, 雇用主にとっての「利便性」もあり経済成長や高齢化を背景として家事市場は拡大した. 外国からの豊富な労働供給を背景に市場は安定したが, 家事労働をめぐる階層化, 性役割分業の固定化を伴った. 次第に高齢化を背景とするケア需要が増大した. 各種補助金や税控除, 老親扶養法など「家族化政策」と連動し家事市場はさらに拡大したが, ケアの社会化は困難となった. 家族主義の問題点は家族形成を前提とするが, 日本, 韓国, 台湾など先進国における高齢者, 障害者などによるケア確保が一義的な国際結婚が増大した. 少子化や家族危機の言説と絡まり, 国際結婚は社会統合・多文化政策のきっかけとなった. 良き家族の一員としての統合は, 伝統回帰型かジェンダー平等型かという点で課題を抱えるが日本を除き政権にかかわらず推進されている. しかし, これらの移動は家事労働者の労働者性の担保, 婚姻過程の経済取引化などは結婚移民の脆弱性の原因となっている. 送り出しに伴う家族構成員の移動と欠如, 受け入れ側の家事労働者の家族接合, いずれにせよ従来とは異なるケアの供給体制であり, 近代家族自体が相対化されるものである.
著者
村上 雄一
出版者
福島大学
雑誌
行政社会論集 (ISSN:09161384)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.233-248, 1999-03
著者
木村 展子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.499, pp.171-177, 1997

Temples and shrines constructed by Hideyori are important architecture in Momoyama era. Upon Investigation, 90 temples and shrines proved to be constructed by Hideyori. The situations of the construction are divided into 4 different periods by the political conditions of Hideyori and different situations are found clearly in each areas divided into Yamasiro, Sekkasen, Yamato, and out of Kinki. These difference among periods and areas suggests rule of fiefs is one of the main reason for Hideyori to make such large construction.,