著者
金田 真実 伊藤 秀明 堀江 直世 多賀 峰克 渡邉 望 大越 忠和 今村 好章 横山 修
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.712-715, 2013-11-20 (Released:2014-12-11)
参考文献数
9

症例1は62歳,女性.腹部CT検査にて左腎腫瘍を指摘され受診した.腎細胞癌を疑い腹腔鏡下左腎部分切除術を施行した.腫瘍は類上皮細胞からなり,類上皮型腎血管筋脂肪腫と診断された.症例2は35歳,女性.背部痛精査のCT検査にて右腎腫瘍を指摘された.腎細胞癌の術前診断のもと,腹腔鏡下右腎摘除術を施行した.免疫組織化学検査にてHMB-45, MelanAなどが陽性で類上皮型腎血管筋脂肪腫と診断された.類上皮型腎血管筋脂肪腫は腎血管筋脂肪腫の一亜型であり,腎細胞癌や他の悪性疾患との鑑別が困難な,比較的稀な疾患である.悪性の経過を辿る例が報告されており,悪性腫瘍と捉えて腎細胞癌と同様の経過観察が必要と考える.
著者
大野 敏
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.27, no.67, pp.1500-1505, 2021-10-20 (Released:2021-10-20)
参考文献数
2

This paper describes the installation and evolution of the zushi (miniature shrine) and its shumidan (dais) in the main hall of the Fudōji temple in Shiga prefecture. By studying archives, it is believed that the zushi was built between late 15th century and early 16th century whilst the shumidan was built between mid and late 15th century. The zushi and shumidan is believed to have undergone modifications in 1599, 1888 and 1933. Through observation on restored parts, the original state of zushi and shumidan was deduced.
著者
大野 敏 チェン スイ・イー
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.27, no.67, pp.1524-1529, 2021-10-20 (Released:2021-10-20)
参考文献数
1

The butai (chapel) and gohai (porch) of the main hall of Fudōji temple in Shiga prefecture was preserved during the restoration of the main hall in 1933. This paper describes the installation and evolution of the butai and gohai as an expansion of the main hall by studying the munafudas (ridgepole plagues) of the main hall and archives on the restoration of the main hall. It is believed that the butai and gohai were installed between the 1660s and 1750s and went through multiple modifications in 1770, 1809 and 1933.
著者
野田 俊一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.119, no.1, pp.62-68, 1999-01-01 (Released:2008-07-15)
参考文献数
12

In this paper, we studied the resistance lattice circuits in two and three dimensions. The exact voltage distribu-tions on these circuit are obtained based on the Modified Bessel function. The combined resistance and asymptotic property of these circuits are formulated. Moreover another exact solution under the boundary condition of Kro-necker's delta is constructed.
著者
落合 いずみ
出版者
国立大学法人 琉球大学島嶼地域科学研究所
雑誌
島嶼地域科学 (ISSN:2435757X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.33-45, 2023-06-30 (Released:2023-06-30)

ブヌン語イスブクン(Isbukun)方言は次末音節にアクセントを置く語が多く(次末型),タキトゥドゥ(Takituduh)方言などは語末音節にアクセントを置く語が多い(語末型)。これらブヌン語方言におけるアクセント位置は,Huang[2008]により最適性理論の枠組みにおいて制約の優先順序を交替することにより最適な出力候補を導くことによって説明されている。本稿は次末型に属するタキバカ(Takibakha)方言を対象にし,最適性理論に頼らずとも,モーラと音節,そして二重母音の関わりからブヌン語方言のアクセントが導けることを述べる。次末型では,次末モーラを含む音節にアクセントが置かれるのであり,母音連続ai, ia, au, ua, ui, iu が生じる場合は母音連続が語末に生じるか非語末に生じるか,母音連続が二重母音に変化するかどうかの違いによってアクセントに差異が出る。非語末の母音連続ai とau は二重母音と見なされ,非語末の二重母音ia とua は音位転換の後に二重母音に変わり,さらにe とo に変化する。母音連続iu とui は二重母音化しない。
著者
尾崎 孝宏
出版者
日本沙漠学会
雑誌
沙漠研究 (ISSN:09176985)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.9-15, 2023-06-30 (Released:2023-06-30)
参考文献数
20

モンゴルの遊牧という生業を規定するのはステップの自然環境である.しかし,遊牧民も社会や国家の中で生きており,人文社会的な事象が彼らの遊牧実践に大きく影響している.例えば近現代においては,社会主義化や民主化といった政治経済体制の変化が大きな影響を与えてきた.本稿では,科学技術や社会制度から波及する要素,主として諸インフラを取り上げて論じる.モンゴルにおける近現代に発生した質的変化として,セメントや重機を使った建築や井戸などの構造物の出現が挙げられる.例えば1950年代末から本格的に始まるネグデル期のインフラ構築は,学齢期の子供や高齢者の越冬地としての定住集落と,遊牧民の労働場所としての草原の双方を睨みながらの季節移動や営地選定といった,現在まで続く新たな空間利用の形態をもたらした.また移動技術と結びついたモータリゼーションも近現代の質的変化の一つである.2000年以降には季節移動の手段としての自己所有の自動車の普及や,放牧を含む近距離移動手段としてのバイクの利用などが頻繁にみられるようになった.また同時期に及した生活用具の中で,特に大きな影響力を持っていると思われるものは,発電機と蓄電池のセット,携帯電話,プラスチック容器などである.プラスチック容器は従来,世帯レベルでの商品化が困難であった乳製品を容易に運搬可能とした点で大きな意義があるが,その背景として携帯電話の普及によるコミュニケーションの簡便化,さらには携帯電話の利用を可能とする電力へのアクセスによってもたらされた変化である.現状ではインターネットが遊牧実践に及ぼす影響の更なる増大が予測される.近年,スマートフォンの普及に伴いSNS利用の拡大などが見られ,その結果インターネットへのアクセス可否が営地選定に大きな影響を及ぼしている.この新しいインフラの普及は過去の社会制度の変化や災害と同様,再び彼らの牧畜戦略を変化させる可能性がある.
著者
村上 恭一
出版者
協創&競争サステナビリティ学会
雑誌
場の科学 (ISSN:24343766)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.42-57, 2023-05-31 (Released:2023-06-30)

本稿は Corporate Accelerator (CA) という非常に限られた研究しかなく先行研究において何が CA を構成するのかを定義することは困難であると指摘する現象を研究対象とする。CA は日本に輸入適応されたが日本での研究蓄積は皆無である。この現象を「場」における「講」により論究する。「場」において「与贈循環」をどのように産み出し成長へと結び付けたのかを論究した結果、CA の必須要素として「既存組織加速機能」 「内部仲介機能」「講」を提示する。これらは日本で歴史的に存在しているが研究として看過されてきた現象に光を当てるものでもある。
著者
井手 李咲
出版者
協創&競争サステナビリティ学会
雑誌
場の科学 (ISSN:24343766)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.26-41, 2023-05-31 (Released:2023-06-30)

本稿は、台湾原住民族の伝統的な知的創造の保護の枠組みを素材として、関連制度設計の在り方について検討したものである。一般的な知的創造は、多くの国や地域において知的財産法で保護されているが、知的財産法の法目的は、その多くが「産業の発達」や「文化の発展」又は「市場秩序の維持」にある。一方、先住民族の伝統的な知的創造は、一定の範囲において特定の部族により数百年の長い年月をかけて形成されたもので、先住民族の文化やアイデンティティ(自己同一性)そのものである。先住民族のこのような知的創造は、単一の価値を基準としては図り切れないはずであり、これを客体とする制度設計はその特性を踏まえたものでないと適切な保護が実現できない。台湾では、原住民族の伝統的な知的創造の特性を踏まえて特別(sui generis)立法を行い、専門機関を設けて運用しているが、本稿では当該特別立法を念頭に、事例研究も踏まえて諸課題を取りまとめた。
著者
Takeshi Matsui Eiji Takita Seika Oiwa Asuka Yokoyama Ko Kato Kazutoshi Sawada
出版者
Japanese Society for Plant Biotechnology
雑誌
Plant Biotechnology (ISSN:13424580)
巻号頁・発行日
pp.21.0414a, (Released:2021-06-12)
参考文献数
47
被引用文献数
2

Plant-made oral vaccines can be a cost-effective method to control infectious diseases of humans and farm animals. Pig edema is a bacterial disease caused by enterohemorrhagic Escherichia coli producing the toxin Shiga toxin 2e (Stx2e). In our previous report, we chose the non-toxic B subunit of Stx2e (Stx2eB) as a vaccine antigen, and Stx2eB was expressed in lettuce (Lactuca sativa L., cv. Green wave). We found that a double repeated Stx2eB (2×Stx2eB) accumulates to higher levels than a single Stx2eB. In this study, we analyzed progeny plants introduced with 2×Stx2eB in which the gene was expressed under the control of conventional cauliflower mosaic virus 35S RNA (CaMV 35S) promoter, and found that the lettuce underwent transgene silencing and bore few seeds. We resolved these problems by using a transgene cassette which harbored a transcriptional promoter derived from the lettuce ubiquitin gene and a longer version of HSPT. The lettuce harboring this expression construct will be valuable in establishing the seed lot system on the basis that thousands of seeds can be obtained from one plant body and the resulting progeny plants accumulate 2×Stx2eB at high levels without the transgene silencing.
著者
川島博著
出版者
日本統計協会
巻号頁・発行日
1955
著者
藪内武司著
出版者
法律文化社
巻号頁・発行日
1995
著者
筏 義人
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.522-529, 1990-08-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
11
被引用文献数
2 4