著者
西川 真太郎 関村 敦 楠 弘充 佐藤 圭樹 横山 敏之
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.101-107, 2022 (Released:2022-08-26)
参考文献数
14

新型コロナウイルス感染症は,その変異株により病原性に変化があるとされている。当院に入院した患者208例を対象とし,その重症度や治療方法,転帰などから,変異株の病原性の変化について検討した。入院中の最大重症度は,第4波,第5波において中等症Ⅰ,Ⅱが増加し,重症は減少する傾向にあった。傾向スコアマッチングでの比較においても,やはり中等症Ⅰ,Ⅱは有意に増加していた。
著者
Ijas Silja
出版者
北海道大学アイヌ・先住民研究センター
雑誌
アイヌ・先住民研究 (ISSN:24361763)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.117-160, 2023-03-01

Being able to use an endangered language in modern everyday life is an important part of language revitalization. However, most endangered languages lack a modern lexicon, and it needs to be deliberately created. Many language revitalization projects have established new words committees to take care of lexical modernization. Lexical modernization has also been conducted in Ainu language revitalization, but the process and different initiatives have not yet been comprehensively analyzed. The objective of this article is to analyze what kind of lexical modernization work for Ainu has already been done and what kind of tasks remain to be done. The analysis is conducted by reviewing the prior research about Ainu and other indigenous languages’ lexical modernization. The lexical modernization work conducted in other language revitalization projects has been used as examples and to draw ideas on how to proceed in the case of Ainu. The main findings are that while several projects have developed new lexicon for Ainu, there are no established guidelines for neologism-creation and the results of the projects are not published in a centralized way. Thus, this paper argues that Ainu language revitalization would benefit from establishing a language planning agency that would take care of coordinating lexical modernization.
著者
古澤 龍 柳川 智之 大原 崇嘉 大原 崇嘉
出版者
東京藝術大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

今まで感性として扱われてきた絵画用語であるヴァルール(鑑賞環境を含めた相対的な見えの強さ)の定量化を試みた。まずはビットマップ化した画像データの位置や色差による定量化アルゴリズムの基礎を考案し、作品発表等を通してその妥当性の検証を行った。また鑑賞環境によるバイアスを補正する必要があるため、環境要素の一つとして照明が絵画の見えにどのような影響を及ぼすのか、実験によって関係性の一端を明らかにした。画面の質感性(素材感)が比較的見えにくい低い照度環境においてはバイアスがかかりづらく、明るい環境においては画面の素材によって大きくバイアスを受ける可能性があることがわかった。
著者
古川 哲史
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.122, no.5, pp.375-383, 2003 (Released:2003-10-21)
参考文献数
42
被引用文献数
1 1

Na+チャネル·Ca2+チャネルなどの陽イオンチャネルに比べて,Cl−チャネルの細胞機能に果たす役割は今まであまり注目されていなかった.近年,数多くのCl−チャネルcDNAのクローニング,ヒト遺伝性疾患の原因遺伝子として複数のCl−チャネル遺伝子の同定,ノックアウトマウスの解析,Cl−チャネルタンパク質結晶のX線構造解析,タンパク質相互作用によるCl−チャネル制御など,Cl−チャネルに関して画期的な研究成果が相次いで発表された.細胞内膜Cl−チャネルは細胞内小胞の酸性化に重要であり,ClC-5は腎尿細管で低分子タンパク質の再吸収に関与し,ClC-7は破骨細胞osteoclastの骨基質吸収に関与する.これらの異常はそれぞれタンパク尿と腎結石を主徴とするDent病·骨過形成を主徴とする骨化石症osteopetrosisをもたらす.細胞表面膜Cl−チャネルのClC-K1,ClC-K2,ClC-3Bは上皮細胞に特異的に発現し,一方向性Cl−輸送に関与する.これらの異常もヒト疾患と関連しており,ClC-K1の異常は尿崩症,ClC-K2の異常はBartter症候群をもたらす.
著者
布施 五郎
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.14, no.143, pp.648-653, 1965-08-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
43
著者
坂内 くらら 遠藤 伸太郎 大石 和男
出版者
日本音楽教育学会
雑誌
音楽教育学 (ISSN:02896907)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.13-24, 2022 (Released:2023-03-31)
参考文献数
52

音楽を専攻する大学生 (以下, 音大生とする) は抑うつ傾向が高いことが知られている。本研究は音大生を対象に, 演奏不安, 自尊感情, 友人および主科の指導教員との関係の良好度と抑うつ傾向との関連を検討することを目的とした。従属変数を抑うつ傾向とし, Step 1に統制変数として性別と年齢, Step 2に演奏不安, 自尊感情, 友人との関係の良好度, 主科の指導教員との関係の良好度, Step 3に自尊感情と演奏不安, 自尊感情と主科の指導教員との関係の良好度, 自尊感情と友人との関係の良好度, 主科の指導教員との関係の良好度と友人との関係の良好度, それぞれの交互作用項を投入した階層的重回帰分析を行った。その結果, 自尊感情と主科の指導教員との関係良好度と抑うつ傾向の間に有意な負の関連が認められた。このことから, 音大生の自尊感情が低い場合や, 主科の指導教員との関係が良くない場合は, 抑うつ傾向がより高まる可能性が示唆された。
著者
戒能 民江
出版者
The Japanese Association of Sociology of Law
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.54, pp.94-96,259, 2001-03-30 (Released:2009-01-15)

There are various implications which included in making women's experiences in sexual violence to be social issue. First, it includes violence of human rights of women. Secondly, it means gender motivated violence, and thirdly it justifies the victim's rights to restore the human dignity and independence. Therefore there should be created criminal justice system for protecting women from sexual violence as well as reform of rape law into which reflects the reality of victim's situation. At the same time, the attitude of jurisprudence should be more gender sensitive.
著者
畠山 悠馬 髙橋 武彦 小笠原 正剛
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.102, no.3, pp.33-40, 2023-03-20 (Released:2023-03-31)
参考文献数
13

スギ粗粉末をリング媒体利用粉砕機で粉砕した粉末は高い酵素糖化性を示すことが知られている。この高い酵素糖化性をもたらす構造的要因は明らかにされているが,粉砕力などの物理的因子と構造変化との関係は十分に明らかとなっていない。本研究ではリング媒体粉砕における物理的因子として,接触応力とせん断角速度を定義した。そして,接触応力とせん断角速度が構造変化に与える影響を調査した。スギ粗粉末の粉砕は接触応力が27 MPaから42MPaの範囲でせん断角速度が147 rad/sから168 rad/sの範囲で実施した。粉砕粉末のメディアン径,セルロース結晶化度(CrI)およびドメインサイズを評価することで接触応力およびせん断角速度との関係を調査した。粉砕粉末のメディアン径は接触応力とせん断角速度に関係なく,凝集によって増加した。接触応力はCrIと正の相関を示し,ドメインサイズとは負の相関を示した。一方で,せん断角速度はCrIとドメインサイズと相関がないことが分かった。
著者
小松 史生子
雑誌
大衆文化 = Popular culture
巻号頁・発行日
vol.23, pp.20-36, 2020-09-25