著者
栗田 明 品川 直介 小谷 英太郎 岩原 真一郎 高瀬 凡平 草間 芳樹 新 博次
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.336-343, 2012 (Released:2012-12-26)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

目的:2年前の本誌に我々の超高齢者の看取りケアについて報告した.時間の経過とともに症例も増加しているので,その後の経緯と常勤医の立場から特養における医師の役割について私見を述べる.対象および方法:平成20年2月1日から平成23年6月下旬までの間に看取りケアを実施した7例(101.5±4歳,女)と当施設に入所中に病院に入院加療を要請した98歳未満の130例(87±6.5歳,男/女:42/88)及び同時期に入院加療を要請した98歳以上の12例(101.8±7歳,男/女:2/10)である.結果:看取りケアを実施した7例中4例は480±297日で死亡した.現在3例に看取りケアを実施中である(805±662日).入院加療を依頼し当施設へ帰所出来た症例は93例(71.5%,86.7±10歳,男/女:27/66)で,死亡退所例は37例(28.5%,86.4±11歳,男/女:15/22)であった.生存退所例は誤嚥性肺炎についで消化器疾患が多かったが,死亡退所例は誤嚥性肺炎についで心不全が多かった(p<0.05).98歳以上で看取りケアにエントリーしない症例は15例で,12例は入院加療が必要になった.死亡退所例は9例(75%)で,98歳未満の入院症例に比べて多かった.103歳の左乳がん例に摘出術を行い成功し3日後に退院出来た.しかし看取りケア開始90日後に死亡した.当施設の入院加療しない入所者の死亡率は15.3%で全国平均の37.2%に比べて低かった(p<0.01).総括:特養で看取りケアをスムースに行うには病診連携と職員の日頃からの医学的な知識の蓄積が重要である.特養に勤務する医師はこれらの諸点に留意しながら職員の研修や指導を行いながら終末期ケアに取り組むことが肝要である.
著者
西谷 尚道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.8, pp.641-649, 1980-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
59
被引用文献数
6 7
著者
佐藤 博之
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.141-147, 2018 (Released:2019-12-02)

日本信頼性学会・故障物性研究会では,不再現現象分科会を立上げ,電子機器や電子部品で発生する 不再現現象の事例を共有し,故障メカニズムや環境要因などとの関連性を調査・研究してきた.ここで は,不再現現象に結びつきやすい電子部品の故障メカニズムやその対策案について解説する.
著者
佐久間 毅
出版者
京都大学 (Kyoto University)
巻号頁・発行日
2002-03-25

新制・論文博士
著者
石本 宙
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2022-08-31

保型形式や保型表現は整数論において価値のある情報を多く含んでいる研究対象である。しかし、重さ半整数の保型形式やメタプレクティック群の保型表現は、重さ整数の保型形式や古典的な代数群の保型表現よりも研究の歴史が浅く、知られていないことが多い。本研究は、重さ半整数の保型形式の理論とメタプレクティック群の保型表現論のさらなる発展への貢献を目的として、重さ整数の保型形式や古典的な代数群の保型表現との関係やその応用について調べる。

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著者
加藤 克佳
出版者
日本刑法学会
雑誌
刑法雑誌 (ISSN:00220191)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.915-919, 1987-03-30 (Released:2022-12-30)
著者
髙瀬 陸 小林 隆史 大澤 義明
出版者
応用地域学会
雑誌
応用地域学研究 (ISSN:1880960X)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.25, pp.15-26, 2022-03-01 (Released:2022-03-03)
参考文献数
15

我が国では各地で「地域医療構想」が策定され病院の集約が検討されている。一方で、5Gなどの最新技術によるデジタル化の進歩で、病院間の連携はスムーズになり、そして住民は自宅で医療サービスを享受できるようになる。この二種類のデジタル化は病院の集約化にどのような影響を与えるのか、線分都市モデルを通して、投票と費用最小化との間に生じる齟齬、多数決のパラドックスに及ぼす影響を抽出する。さらに、集約化が進む医療高度化時代の費用構造に限定すると、投票ではハコモノ行政と揶揄される非効率な選択がされること、自宅病院間のデジタル化が改善、病院間デジタル化が改悪になることを明らかにする。
著者
島本 彩
雑誌
日本文學 (ISSN:03863336)
巻号頁・発行日
vol.108, pp.175-191, 0000
著者
鹿沼 俊介 藤野 創太 羽深 昭 木村 克輝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.III_33-III_41, 2022 (Released:2023-03-10)
参考文献数
26

嫌気性MBRにおけるSRTの延長とHRTの短縮が下水汚泥消化効率に与える影響を明らかにするため,SRTを3条件(30,60,90日),HRTを2条件(30,15日)設定し,各運転条件における糖,タンパク質および脂質の分解率を求めた.それら有機物分解率はSRTが30日の条件に比べ,60日や90日と長い条件において上昇した.バイオガス生成速度はHRT短縮に伴う有機物負荷上昇により,HRTが30日の条件に比べ15日での運転において約2倍に増加した.膜間差圧は最大で41kPaに達したが,比較的内径の大きい中空糸膜を用いてクロスフローろ過を行ったことで154日間膜洗浄および交換を行わずに連続膜ろ過がなされた.運転終了後の膜洗浄の結果,不可逆的無機ファウリングが支配的であった.無機ファウラントとしてCa,PおよびMgが多く抽出された.
著者
津田 壮章
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科
雑誌
人間・環境学 (ISSN:09182829)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.135-151, 2020-12-20

本稿は, 京都府立鴨沂高等学校の学校行事「仰げば尊し」を主な題材に, 「自由な校風」という教育実践の意義と限界を考察するものである. 同校では, 戦後直後から表現の自由が重視されていた. 当初は仮装行列であった「仰げば尊し」は, 1960年代にデモンストレーションとなる. 1980年代には教育実践としても位置づけられているが, 2010年代の校舎改築及び校風改革によって廃止された. しかし, 主権者教育が推進される現代においてこそ, 自由で自立した市民を育てる校風として再評価できるのではないだろうか.
著者
中 義勝
出版者
関西大学人文科学研究所
雑誌
關西大學法學論集 (ISSN:0437648X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1-2, pp.185-235, 1974-06

故岩田健次教授追悼特集
著者
高橋 聡 三田 知子 村上 恵理 遠藤 雅士 丹波 嘉一郎 長谷川 聰 白井 克幸
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.89-94, 2023 (Released:2023-03-29)
参考文献数
15

【緒言】ブプレノルフィン経皮吸収製剤(BTDP)の自己中断により,急性オピオイド退薬症状を呈した在宅医療患者を報告する.【症例】84歳,在宅訪問診療利用中の男性.腰部脊柱管狭窄症の悪化により,4カ月前からBTDPで鎮痛されていた.症状改善傾向と考えた家人が,患者本人に無断でNSAIDs経皮吸収製剤に貼り替えたところ,約50時間後から5分ごとの頻尿や失禁,水様性下痢,発汗,血圧低下,足裏の不快感,不眠などの多彩な症状が表出された.Clinical Opiate Withdrawal Score(COWS)では12点の軽度退薬症状に該当した.発症後24時間で激しい症状はほぼ自覚されなくなり,48時間後には完全に消退した.【結論】BTDPの急速な中止による退薬症状の報告例は少ない.医学薬学的な側面のほか,在宅医療におけるオピオイド製剤使用上の社会的問題点も明らかとなった.