著者
武田 恵史 西田 晃 小柳 義夫
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.51(2002-HPC-090), pp.13-18, 2002-05-27

近年 広域に分散された世界中の情報資源を統一的に扱う Grid と呼ばれる技術が盛んに研究され 開発が進められている. 本研究では LAN 上のPC クラスタを Grid に見立て グローバルコンピューティングのソフトウェアインフラストラクチャに必要とされる様々な要素技術を提供するツール群である Globus toolkit をクラスタ上に実装した. 実験ではGlobus を用いて実装された MPICH の拡張である MPICH-G2 を使用してLinpack ベンチマークテストを行い Grid 上での並列計算における性能を Globus上に実装され資源管理機能を備えた MPICH-G2 と通常の MPICH の複数のネットワーク上での比較により評価した. 実験から 十分な通信帯域幅のある環境では 両者はほぼ同等な性能を示すことが分かった.
著者
吉村 洋輔 大坂 裕 伊藤 智崇
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.441-445, 2022 (Released:2022-08-20)
参考文献数
10

〔目的〕ノルディック・ウォーキング(NW)とT字杖での歩行が歩容や姿勢に及ぼす影響を明らかにする事を目的とした.〔対象と方法〕対象は,NWの経験がない健常若年成人20名とした.NW,T字杖での歩行,杖なしでの歩行の3つの条件での歩行をトレッドミル上で実施した.歩行の速度は快適歩行速度とした.モーションキャプチャシステムを使用し,身体各部の角度(頸部・体幹・股関節・膝関節)を算出し比較を行った.〔結果〕通常歩行に比べ,T字杖歩行で歩行中の頸部最大屈曲が有意に大きな値となった.また,NWでは歩行中の膝最大屈曲が有意に小さい値となった.〔結語〕頸部疾患や膝関節疾患を有する症例に対して,力学的負荷を軽減したいような場合にはNWの方が有効となる可能性を示唆する結果となった.
著者
福岡 範恭 山田 広行 安心院 康彦 池田 尚人 尾方 純一 杉田 学 髙松 純平 中村 光伸 溝端 康光
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.580-586, 2019-08-31 (Released:2019-08-31)
参考文献数
5

救急隊員による病院前救護における疾病の観察・処置の標準化として『PEMECガイドブック2017』が出版されて以降,PEMECコースが開催されている。本稿ではコース概要と開催状況,参加者より得た意識調査結果から今後の課題について考察し報告する。2018年10月までに行われたコース受講者196名に意識調査を実施した結果,184名から有効な回答が得られた。全体的な評価で「よい」と回答した75名(40.7%)を高評価群,「まあよい」「普通」「あまりよくない」と回答した109名(59.2%)を低評価群に分類し,全体の評価に強く影響を与えたコースプログラムの各項目をロジスティック解析により分類した。その結果「アルゴリズムの理解」「インストラクターの知識」「インストラクターの解説」が評価に関連する主要な因子として明らかになった(p<0.05)。コース内容は,概ねよい支持を得ているが,インストラクターの教育技能を向上させること,アルゴリズムの理解を深める指導の必要性が示された。
著者
岡田 将太朗 奥野 拓
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21888809)
巻号頁・発行日
vol.2021-IS-158, no.5, pp.1-4, 2021-11-27

本研究の目的は,マインドフルネスを用いてスマートフォン依存症を容易に改善できる仕組みを実現することである.そのために,マインドフルネス認知療法を支援するスマートフォンアプリを構築する.本研究ではマインドフルネス認知療法の一種であるマインドを用いる.マインドは,出来事や思考に対する自身の感情を擬人化して扱う手法である.自身の感情を擬人化し客観的に観察することにより,その感情を引き起こした出来事や思考に対するストレスを軽減させるという効果がある.本研究にて構築したアプリでは事前にユーザに,依存しているアプリとそのアプリを制限したい時間帯を設定してもらう.その後,設定した時間帯に依存アプリを開いた場合にのみ,本アプリが自動的に起動する.ユーザはその際に浮かんできた思考や出来事を記入する.記入後,それらの思考や出来事に対する感情が推定されるため,その感情を観察することでマインドを行う.しかしながら,先行研究においてスマートフォン依存症者にスマートフォンを通じてマインドフルネス認知療法を行うことや,推定された感情を観察してマインドを行うことの有用性については検証されていないため,本研究では脳波や構築したアプリから取得するデータを用いて,それらの有用性についても検証を行う.
著者
武本 京子 伊藤 康宏 石原 慎 川井 薫 飯田 忠行
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

これまでの研究結果をもとに、新たにソルフェジオ音階を用いた楽曲を作曲し、これを実験に供した。ソルフェジオ音階とは174Hz、285Hz、396Hz、417Hz、528Hz、639Hz、741Hz、852Hz、963Hzの9種の音を指す。これらの音を用いた楽曲は、聴き心地が良く心身に何らかの良好な影響をもたらす可能性がある。近年、何の根拠もなくソルフェジオ音(単音)が身体に良いというマスメディアによる誇張が広がり、商品化さえされている。しかし、消費者に受け入れられること自体が何らかの効果を生じている証拠ではないかとも考えられる。したがって、本研究課題を進めるのにあたり、本年度はソルフェジオ音階による楽曲を用いた。実験方法は「イメージ奏法」を用いたイメージファンタジー(イメージ画像+演奏)を実験参加者に供与し、これまでと同じ実験方法により質問紙による状態不安得点と、唾液中生理活性物質の濃度変化を指標にソルフェジオ音階の効果の解析を行った。今回は新たに実験参加者の一部に目隠しをし、聴覚のみの入力と視聴覚入力との差異も含めて検討した。その結果、気分(mood)に関しては、目隠しした方が負の感情・気分が低下しなかった。一方、陽性の気分「活気」、「友好」については視聴覚対聴覚に差はなかった。すなわち、負の感情である「怒り」、「不安」などの亢進は音楽による誘導ではなく、色彩・言語による知覚感情効果であったと考えられた。逆に、陽性の気分は音楽だけで誘導されたことが示された。これは、音楽が喜びや幸福感をもたらすことを意味しており、個人の持つ記憶やそれらに裏打ちされた共感性に基づくものと考えられる。
著者
Yingxiang Gong Zile Fan
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE Electronics Express (ISSN:13492543)
巻号頁・発行日
pp.19.20220431, (Released:2022-10-18)
参考文献数
41
被引用文献数
1

How to replace the referee in sports with artificial intelligence has attacked a huge amount of attention recently. In this paper, non-battery pressure detection and communication system are designed and fabricated aiming to help the referee in the basketball games. To get the information from player and ball at the same time, the designed system is consisted of three parts, including the basketball monitoring system, the shoes monitoring system, and the laptop to collect and process the data. For the basketball monitoring system, eight piezoelectric polyvinylidene fluoride (PVDF) flexible thin films are used as the sensor on the surface of the basketball with the sensitivity of 0.065 V/N and four hard piezoelectric Lead Zirconium titanite (PZT) patches are set inside the ball as the power source. As for the shoes monitoring system, four PZT patches work as both power source and pressure sensor with a sensitivity of 0.025 V/N. To solve the referee problem in basketball game, time delay of different systems is first measured. The different systems have similar time delay of about 3s, which will help to make sure whether the players break the rules. In this paper, whether the player has a traveling violation in a game can be refereed by the collected data, which has more than 97% accuracy. This work shows an innovative progress in automatic referees in games and the Internet of Things (IoT) in the human health monitoring.

1 0 0 0 源義経

著者
村上元三 著
出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1952
著者
岸村 顕広
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.6_46-6_52, 2022-06-01 (Released:2022-10-21)

日本学術会議若手アカデミーの第24期の活動を振り返りつつ総括する。そこから未来へ向けて学術コミュニティに求められる態度について考えるとともに、第25期の活動への展望と期待を述べる。
著者
荒井 穂菜美 青木 俊太郎 石川 信一 坂野 雄二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.127-135, 2017-05-31 (Released:2017-10-30)
参考文献数
27

不安のコントロール感は不安症共通の心理学的脆弱要因である。そして、不安のコントロール感は安全確保行動を介し、社交不安に影響をおよぼすことが示唆されている。しかし、これまでの研究において過活動、制限行動、身体症状を隠す行動という三つのタイプの安全確保行動の媒介効果について実証的に検討を行った研究は存在しない。そこで本研究では、不安のコントロール感から社交不安への影響に対する過活動、制限行動および身体症状を隠す行動の媒介効果について検討を行った。対象者は、174名の大学生であった。媒介分析の結果、三つのタイプの安全確保行動の媒介効果および間接効果が有意であった。本研究の結果から、不安のコントロール感の低さから安全確保行動が生起し、結果として社交不安が維持されるという経路が確認された。本研究の結果から、今後社交不安の軽減を目的とするうえで、不安のコントロール感と安全確保行動の存在の重要性が示された。
出版者
早川書房
巻号頁・発行日
1961

1 0 0 0 近代将棋

出版者
近代将棋
巻号頁・発行日
vol.6(6), no.63, 1955-05

1 0 0 0 OA 韓非子

著者
塚本哲三 編輯
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
1924

1 0 0 0 OA 韓非子20卷

著者
芥川煥校
出版者
柏原屋與左衞門刊
巻号頁・発行日
1795
著者
原田 康徳
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.1-7, 2022-10-21

プログラミング言語ビスケットが誕生して19年になる.その間,単なるプログラミング言語の開発を越えて,ビスケットによる教材,ビスケットの指導法の開発にも関わってきた.ビスケットの指導者育成を目指した「ビスケットファシリテータ講習」は100回を超え,修了者も1,000名に達した.無償で提供しているアプリも,GIGAスクール構想で配布されたタブレットに採用された影響もありiOSだけで260万ダウンロードに達し,非常に多くの小学校に採用されている.本稿ではこの19年間を振り返って,どのようにビスケットとその周辺が変わってきたのか,そしてこれからどの方向に進むべきなのかを述べる.
著者
赤澤 紀子 赤池 英夫 柴田 雄登 山根 一朗 角田 博保 中山 泰一
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.19-34, 2022-10-21

2022年度より,高等学校の「共通教科情報科」は,必履修科目の「情報I」と選択科目の「情報Ⅱ」が設置され,すべての高校生が,プログラミングなどを含む情報の科学的な理解を主とした「情報I」を履修することになる.また,2025年度入試から「情報I」が大学入学共通テストで出題されることが正式に決定された.これにより,各大学の個別入試においても入試科目に「情報」が設置される可能性が増してきた.大学入学試験として情報を出題するためには,大学など出題する側と,受験する高等学校側で,出題内容や範囲,用語などの共通な知識体系が必要となる.しかし現在はまだ,「情報科」の知識体系は明確に定められていない.そこで,本研究では,知識体系の明確化を目標として,「情報I」の教科書で用いられる用語から知識体系に関する考察を行う.