著者
遠藤 幸男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.1046-1053, 1980

テレビ放送におけるゴースト対策の研究開発の動向について, ゴーストの測定および評価法の開発, 電波吸収壁やSHF放送の実用化など, 最近の動向を主に解説する.
著者
田村 すず子
出版者
早稲田大学語学教育研究所
雑誌
アイヌ語音声資料
巻号頁・発行日
vol.12, pp.61-105, 1999-03

I カッコウの神 KAKAKOK KAMUY YAYEYUKAR KAMUYUKAR カッコク カムイ ヤイエユカラ カムユカラ = カッコウの神が自分のことを謡った神謡 ; 語り手:ワテケ(鳩沢ふじの) ; 録音日: 1959年10月31日
著者
枡富 由佳子 邉見 蓉子 田中 結子 枡富 健二
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.66-79, 2019-02-25 (Released:2020-01-31)
参考文献数
46

第三大臼歯は,大臼歯のうち最も後方に位置する歯で臨床的問題がしばしば出現することから,それらに対する対応が求められる。しかしながら,第三大臼歯に対する治療の明確なガイドラインが存在しないため,対症療法であったり,個々の歯科医師の経験に基づく判断で治療介入が行なわれているのが現状である。そこで,今回われわれは,当院の患者のパノラマエックス線写真を用いて第三大臼歯のエックス線学的形成時期の調査と治療介入時期に関する検討調査を行った。 本調査から,パノラマエックス線写真で第三大臼歯の骨包の形成が確認できる目安は9.4 歳であり,歯冠は13~15 歳で形成が完了し,歯根は16~17 歳頃形成が開始し,18~23 歳頃に形成が完了することがわかった。18 歳以降の調査から第三大臼歯を1 歯以上有する者は94.8%であり,そのうち60.7%の者に4 歯全て存在することがわかった。第三大臼歯の97.3%は顎骨から歯冠が萌出しており,口腔内に萌出しない場合でも多くの第三大臼歯は粘膜下での埋伏であることがわかった。また,患者の意識調査から,第三大臼歯に対する認識は約80%にあり,そのうち「要らない歯」と認識する者が約60%と多かった。抜歯に対しても「早く抜くべきであれば抜いてほしい」と考える者も多く,抜歯時期については「すすめられたら」や抜歯時期については「定期検診時に情報提供を求める」とする者も多かった。 本調査を通し,第三大臼歯は全ての人に存在することを前提に,骨包の出現が始まる9 歳頃より管理を開始し,周囲の歯や歯列への影響が出現すると考えられる歯根形成時期である中高生時期には特に注視しながら,保存か抜歯の検討を早期から行うことが大切だと思われた。その際には,スクリーニング法としてパノラマエックス線写真は有効であり,また,画像所見や症状に基づいたフローチャートを使用することで客観的な判断が可能となることが示唆された。
著者
Taisuke Konno Hiroyuki Suzuki Hitoshi Nakamura Yuriko Murai
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.1225-1231, 2022-09-01 (Released:2022-09-01)
参考文献数
15

In veterinary medicine, various drugs are used on a daily basis. Using inappropriate medications poses health hazards to companion animals and humans; thus, assessing adverse events in veterinary medicine has great social significance but remains an untapped area of research. In this study, to promote the appropriate use of veterinary drugs and clarify common pharmaceutical issues in Japanese veterinary medicine, we analyzed information in the Veterinary Drug Side Effects Database (National Veterinary Assay Laboratory of the Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries, Japan). We found that the number of reports has been increasing annually, including those on high-risk drugs, molecular-targeted drugs, and antibody-based drugs. The details of the reports were similar to those from the United States, including the misadministration of veterinary drugs to humans, improper drug management, and re-administering drugs with a history of side effects. Furthermore, 46.50% of all reports mentioned the administration of one or more drugs, with the highest number of concomitant drugs being 10. In addition, 37.78% of all reports described the use of drugs in manners deviating from the intended use indicated in the package insert. Therefore, to avoid adverse events, pharmacists may have to be involved in dispensing and aseptically preparing veterinary medicines and providing drug information and medication guidance. To optimize pharmacotherapy for ill companion animals, “veterinary pharmacy” and “veterinary medicine pharmacy” must be developed in line with clinical situations in Japan, while considering knowledge from countries that are advanced in terms of veterinary medicine.
著者
三上 和久 古田 浩之 中村 崇
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.931-935, 2015 (Released:2015-10-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

症例は79歳,女性.両側の大腿骨人工骨頭置換術と複数の腹部手術歴があった.2日間持続する腹痛と嘔吐にて紹介搬送され,腹部CTから癒着性イレウスと診断された.骨盤底はアーチファクトの影響で読影困難だった.しかし,改めてアーチファクトの影響が少なくなるようCT条件を調整したところ,左閉鎖孔に嵌頓する小腸を同定することが可能となり,超音波検査とあわせて左閉鎖孔ヘルニア嵌頓によるイレウスと診断を改め,即日緊急手術となった.人工物によるアーチファクトの影響で一見読影困難にみえても,CT条件の調整と超音波検査を併用することで,アーチファクト部でも積極的に読影することが重要であると考えられた.
著者
西 康行 平川 治男 佐々木 淳
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.37-41, 2013-01-20 (Released:2014-02-07)
参考文献数
11

うつ病の既往を持ち、精神症状の増悪を主症状に当院精神科入院となり、副甲状腺腺腫摘出術後、精神症状が改善した副甲状腺腺腫の 1 例を経験した。基礎疾患に精神疾患を有する場合、副甲状腺機能亢進による高 Ca 血症に伴う精神症状が、基礎疾患の増悪ととらえられ、診断、治療が遅れることがあり、精神症状を主症状とする副甲状腺機能亢進症があることを認識すべきと考えられた。また今回の症例において、副甲状腺腺腫摘出術により精神症状が改善しており、精神症状の改善に関して、副甲状腺腺腫摘出術が有効であると考えられた。
著者
中野 晋 蒋 景彩 上月 康則
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
河川技術論文集 (ISSN:24366714)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.397-402, 2022 (Released:2022-09-01)
参考文献数
10

令和3年7月に熱海市の逢初川源頭部で大規模盛土が崩壊し,深刻な土石流災害が発生した.逢初川源頭部付近で複数行われた地形改変に注目し,これらの地形改変が流出過程に及ぼした影響について数値解析により検討した.地形改変前と後の地形データを用いて令和3年7月豪雨時の雨水流出過程を計算し,逢初川源頭部付近の断面通過水量の比較を行った.その結果,尾根部を削って谷を埋めるなどの宅地造成に伴う地形改変の結果,北側を流れる鳴沢川流域から多量の雨水が逢初川側に流入し,盛土末端部では地形改変前の4倍に達する表流水が通過した可能性があることが明らかとなった.
著者
齋地 崇大 前田 敦司
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.1-20, 2020-10-23

リージョンによるメモリ管理は,メモリ空間をリージョンと呼ばれる単位で分割し,リージョン単位でLIFO順にメモリの割付けと解放を行う.プログラム中のメモリを必要とするオブジェクトは,それぞれの生存期間に対応したリージョンにメモリが割り付けられる.オブジェクトとリージョンの対応付けは,プログラムの構造を静的に解析することによって決定できる.実行の前にオブジェクトの生存期間を決定するため,ガベージコレクションによる実行時オーバヘッドの削減が期待できる.Ruby,Python,そしてJavaScriptといった動的言語は,実行時まで得られない動的な情報がプログラムに含まれるため,不要となったオブジェクトの割り付けられたリージョンを速やかに解放できる精度の高いオブジェクトとリージョンの対応付けを静的な解析で決定するのは困難である.本研究では,精度の高いリージョンによるメモリ管理を動的言語へ適用する手法として,実行時リージョン解析を提案する.実行時まで決定しない情報を用いてリージョンを解析するため,静的な解析と比較して精度の高いリージョン対応付けを決定できる.提案手法の性能を計測するため,プログラミング言語Rubyの処理系へ実行時リージョン解析機構を実装し評価を行った.いくつかのケースでは,ガベージコレクションの頻度や停止時間が削減され,実行時間の短縮が確認された.
著者
武藤 美香 河内 繋雄 福澤 正男 斎田 俊明
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.1543, 2000 (Released:2014-08-19)
被引用文献数
4

薬疹におけるリンパ球刺激試験(DLST)の診断的価値について検討した.DLSTが施行された薬疹の報告例812例について,発疹型別,薬剤系統別, 個別薬剤別にDLST陽性率を解析した.全症例におけるDLST陽性率は42%であった.発疹型別では,陽性率は中毒性表皮壊死症型(61%),紅皮症型(52%)で高く,紫斑型(11%),光線過敏症型(21%),固定薬疹型(30%)で低かった.蕁麻疹型でも38%の陽性率が認められた.薬剤系統別では,総合感冒剤(72%),抗結核剤(56%),抗てんかん剤(54%),解熱消炎鎮痛剤(53%)で高く,痛風治療剤(22%),合成抗菌剤,循環器官剤(ともに29%)で低い傾向が認められた.塩酸ミノサイクリン(13例),アリルイソプロビルアセチル尿素(8例)ではDLST陽性例は認められなかった.また,薬剤アレルギー検査法としてのDLSTの特異性を明らかにするために,同意のえられた健常人4名を被験者として,主としてDLST陽性率の高い薬剤についてDLSTを試行し,非特異的陽性反応(偽陽性反応)の有無について検討した.その結果,スパクロ■(クロレラ製剤),パリダーゼオラール■,シオゾール■は高率に偽陽性反応を呈し,PL顆粒■(総合感冒剤),ビオフェルミン■(乳酸菌製剤)も偽陽性反応を呈し得ることが判明した.これらによる薬疹では,DLSTが陽性であっても原因薬剤ではない可能性があるので注意を要する.