著者
金子 晋一
出版者
尚美学園大学
雑誌
尚美学園大学芸術情報学部紀要 (ISSN:13471023)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.15-31, 2004-09-30

本稿は、ビョーク・グズムンスドッティル(Bjork Gudmundsdottir)のアルバム「ヴェスパタイン」(Vespertine)で聞く非楽器音、たとえば氷の割れる音、雪上を踏む音等の、小さな音量の非楽器音を、ビョークがアルバムで使用する事を発見する動機と、プログラマーの助力について、の2点を中心にビョークの音楽創作姿勢の1つを提示している。さらに、ジョン・ケージ(John Cage)の非楽器音に対する姿勢にも触れている。現在、ヒーリング・ミュージックなどで非楽器音使用は常識となっているが、今後、ラップトップ等の活用と共に、ポピュラー音楽や現代音楽で、非楽器音をどのように扱うか--、音楽創作素材の1つとして、まだまだ無視出来ない分野である。
著者
西田谷 洋
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.59-66, 2017

As part of the Haruki Murakami studies, I take up Makoto Shinkai,s anime with deep Haruki novel and relation, arrange the Shinkai style, analyze correspondence with each anime and the Haruki's novel, and consider Makoto Shinkai's novel, the relation of anime, and the locus of anime.
著者
鳩飼 未緒
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.27-47, 2016

<p>【要旨】</p><p>本稿は日活ロマンポルノの田中登監督作、『実録阿部定』(1975 年)を論じる。異性愛者の男性観客をターゲットに製作され、同時代的にはほぼ男性のみに受容された本作が、想定されていなかった女性観客との親和性を持ち、家父長主義的なジェンダー規範を再考させる転覆的な要素を内包することを説き明かす。背景にあるのは、ロマンポルノに関する既存の言説が男性の手による批評ばかりで学術的見地からの評価が進んでおらず、同時代的にも少数ではあれ存在し、昨今その数を確実に増やしている女性観客の受容の問題が論じられていない現状に対する問題意識である。そこで第1 節ではロマンポルノにおける女性の観客性を考察するうえでの古典的なフェミニスト映画理論の限界を明らかにしつつ、ジェンダーの固定観念を逸脱する表象の豊富さによって、ロマンポルノが異性装のパフォーマンスと呼べるような流動的な観客経験をもたらしうることを論じる。続く第2 節では『実録阿部定』の視聴覚的・物語的要素を仔細に検討し、とりわけヒロイン定の表象が保守的なジェンダー観に背くものであることを確認する。最終的には、第2 節で考察した特徴によって『実録 阿部定』が女性観客に異性装的な観客経験による映画的快楽をもたらすことを示し、さらには女性の主体的な性的快楽の追求を肯定させる仕組みがテクストに内在することを明らかにしたい。</p>
著者
上原 作和
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.16-28, 1991-12-10

「内侍のかみ」巻において、従来、難解とされてきた「蓬莱の悪魔國に不死薬・優曇華取りにまかれ」の一節の出典論的解釈から出発し、この条が朱雀帝・仲忠の問答による俊蔭巻以来の琴の物語史の発展的な完結を企図した修辞(レトリック)であったとする試案を提出する。そして、この問答体の形式を踏まえた<語り>の方法が、構造的に《三周説法》を型取りつつ、相互関連本文(インターテクスト)を媒介とした《類想》によって、物語の展開を規定していると措定する。
著者
石井 和夫
出版者
福岡女子大学
雑誌
香椎潟 (ISSN:02874113)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.1-14, 2008-12-25
著者
渕田 孝康 森 邦彦 村島 定行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.9, pp.927-935, 2000-09-25
被引用文献数
10

2次元離散平面上に存在する互いに重複しない一般図形を生成元とする離散ボロノイ図を, 波面法を用いて高速に作成する手法を提案する.波面法は, 離散平面内に一様ダンラムに母点が存在する場合, 母点数によらずほぼ一定時間で離散ボロノイ図を作成するアルゴリズムであり, 一般図形を母点とする場合でも, 全く変更しないで適用可能である.しかし, 一般図形を構成するすべての点を母点とみなして波面法を適用すると, 領域拡大の判定時に重複する領域が多く, 無駄な処理時間を要してしまう.本論文ではこの無駄を省き, 一般図形ボロノイ図をより効果的に波面法で作成するアルゴリズムを提案する.また, 計算機シミュレーションにより, その有効性を確認する.
著者
伊藤 靖朗 ボルジン ジャシル 中野 浩嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. AL, アルゴリズム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.70, pp.35-42, 2002-07-25
参考文献数
10

本論文では,文脈自由文法に対するCKYパージングを高速に行う入力依存回路によるFPGAへの実装を提案する.文脈自由文法Gと文字列xが与えられたときに,CKYパージングはGがxを導出するか否かを判定する.このCKYパージングは,xの長さがnのときに,O(n^3)時間で導出するかを判定するできることが知られている.任意の文脈自由文法Gが与えられたときに,その文法に対するCKYパージングを行うハードウェアのVelilog HDL記述を生成するハードウェアジェネレータを示す.生成された記述は,FPGAに実装され,任意の文字列xに対して,Gがxを導出するかを判定する.このFPGAは,特定の文法Gに対してのみパージングを行うので,入力依存ハードウェアであり,究極の高速化が可能である.このハードウェアの性能をタイミング解析により評価し,また,アルテラ社のFPGAを用いて動作確認を行った.結果として,ソフトウェアによるCKYパージングより約750倍高速であることがわかった.
著者
黒木 香
出版者
広島大学国語国文学会
雑誌
国文学攷 (ISSN:02873362)
巻号頁・発行日
no.107, pp.p12-21, 1985-09
著者
土谷 岳史
出版者
慶應義塾大学大学院法務研究科
雑誌
慶應法学 (ISSN:18800750)
巻号頁・発行日
no.4, pp.123-196, 2006-01

1.はじめに2.EC/EUにおける人の自由移動3.「セキュリティ」と共同体の境界4.EU市民の自由移動指令案の提出と判例の発展5.ネイション‐ステートの防衛6.EUシティズンシップとしての自由移動と平等の地平7.2級市民の存在8.おわりに
著者
大和 広明 三上 岳彦 高橋 日出男
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.120, no.2, pp.325-340, 2011-04-25
参考文献数
12
被引用文献数
3 18

We analyze the influence of sea breeze on temperature distribution in the Kanto Plain (central Japan) on a day that a sea breeze front was detected (known as sea-breeze front days) using high-resolution temperature data observed by our research team.<br> The high-temperature area on sea breeze front days moves northwest from central Tokyo, and was located at Kawagoe city (middle Kanto Plain) at 14 JST, and the northern Kanto Plain at 16 to 18 JST, respectively. This high-temperature area appears at the head of the sea breeze front to the leeward of central Tokyo, where the daily maximum temperature is highest in Kawagoe city and the northern Kanto Plain. After the sea breeze front passes, the area where the temperature is higher than that at the circumference is distributed in the shape of a wedge. This wedge-shaped area is located to the leeward of central Tokyo where the wind from Tokyo Bay and Sagami Bay forms a convergence zone. The high-temperature area around Kawagoe city, which cannot be found on days with strong winds, is formed from the hindrance of cold air advection caused by sea breeze front penetration.<br> On the other hand, high temperatures in the northern Kanto Plain may not be related to the penetration of sea breeze fronts, which do not reach the northern Kanto Plain on days when the daily maximum temperature is recorded. However, the temperature in the northern Kanto Plain is higher on sea breeze days than on strong southerly wind days, and this suggests that local circulation plays an important role in causing high temperatures in the northern Kanto.
著者
長沢 理恵 松島 俊明 坪井 邦明
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.103, pp.39-44, 1994-11-19

尺八譜(都山流)を対象として,イメージスキャナで取り込んだ尺八譜画像の自動読み取りシステムと,手書き入力による対話型尺八譜入力・編集システム(尺八くん)の開発を行っている.今回,尺八くんに,演奏機能と指使いの表示機能を付加し,譜字,音,指使いの3種の情報を同時に得られるようにした.編集機能の強化,印刷機能,SMFファイル経由による五線譜での表示機能等も追加した.これにより,尺八譜の入力・編集システムとしての用途の他に,尺八演奏の練習システムとしても利用できる見通しが得られた.We are developing a system which can input and edit, the Shakuhachi tablature. We added the function of fingering and sound output to the system, and it is named Shakuhachi-kun. Shakuhachi-kun is a multi-media system for the Shakuhachi tablature. The user can not only input and edit the Shakuhachi tablature by easy pen operations, but also obtain musical information of Shakuhachi tablature as notes (fuji), sound and fingering synchronously. We presume Shakuhachi-kun will be useful for the learning system of Shakuhachi.