著者
岡本 一毅 奥西 淳二 渡邉 幸彦 西原 豊 池田 雅裕
出版者
Japanese Society for Infection Prevention and Control
雑誌
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.68-72, 2010-03-25
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

現在,アルコールベースの消毒薬は手指衛生において重要な役割を担っている.しかし,臨床的なニーズを充足できていない点も有している.その一つとして,近年その感染拡大が社会問題となっているノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスに対する薬効が挙げられる.今回,我々はアルコールに有機酸と亜鉛化合物を組み合わせた処方を用いノンエンベロープウイルスに対する薬効(<i>in vitro</i>)と皮膚刺激性(<i>in vivo</i>)に着目した検討を行った.アルコールに有機酸を添加した処方では,ネコカリシウイルスに対して接触時間30秒以内に4 log以上の不活化効果を示したが,アデノウイルスに対しては消毒用エタノールと同程度の薬効であった.一方,アルコールに有機酸と亜鉛化合物を添加した場合,ネコカリシウイルスとアデノウイルスの両ウイルスに対して30秒以内に4 log以上の不活化効果を示し,消毒用エタノールよりも優れた薬効を示した.また,ウサギ皮膚を用いてこれら処方の皮膚刺激性試験を実施した結果,アルコールに有機酸と亜鉛化合物を組み合わせた場合,刺激をほとんど示さないことが明らかとなった.このように,アルコールに有機酸と亜鉛化合物を組み合わせた処方は,ノンエンベロープウイルスに対して従来にない有効性を示すと共に,スキンケアの観点から皮膚への刺激にも配慮した新しいアルコールベースの消毒薬を創出できる可能性が示唆された.<br>
著者
榊原 吉郎
出版者
桧書店
雑誌
観世
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.24-33, 2015-12
著者
石井 リーサ明理
出版者
一般社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.273-276, 2005-06-01

ノートル・ダム大聖堂は, 世界文化遺産のひとつとして世界有数の観光地であると同時に, カトリック司教座教会として現在もフランスで重要な宗教的・政治的地位を誇る.その正面にあたる西側外壁面のライトアップが, ミレニアムを記念して再整備された.パリ市が指揮する整備事業チームに, 専門家として2社の照明デザイナーが加わり, 延べ14年の歳月を掛け, 2002年クリスマス・イブ前日に点灯式が行われた.
著者
出雲井 亨
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.497, pp.121-124, 2006-01-09

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著者
三具 淳子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.305-325, 2007-12-31
被引用文献数
2

第1子出産は女性の労働者としての地位を大きく変える分岐点である.「妻の就業」は本人の経済的自立の基盤であり,夫婦の平等志向を実現させる重要な要因であるとともに,夫婦の内と外のジェンダー・アレンジメントの結節点でもある.<br>この点をふまえ,本稿は,第1子誕生を間近に控えた夫婦へのインタビューをもとに,出産後の妻の就業継続等の行動を決定する過程を分析した.その際,Komterによる3つの権力概念の適用を試みた.その結果,夫婦の個別的相互関係においては「顕在的権力」の作用は認められず,確認されたのは,マクロなレベルに規定要因をもつ「潜在的権力」と「目に見えない権力」の作用であった.<br>「目に見えない権力」の背景には,ジェンダー・イデオロギーとともに合理主義的判断の優位性がみられ,こうした複合的な規定要因が補強しあって作用するため,妻の多くが不満をもたずに労働市場から「スムーズ」に退出していく態様がとらえられた.<br>これらの分析結果は,Komterの権力概念の再考を迫るものとなった.1つ目は,「潜在的権力」が社会構造的レベルにも規定要因をもつという点,2つ目は,「目に見えない権力」はジェンダー・イデオロギーのみによって規定されているわけではく,複合的な要因を考慮する必要があるという点である.
著者
松石 昌典 森 壽一郎 文 允煕 沖谷 明紘
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.163-170, 1993
被引用文献数
7 1

牛肉は熟成で軟化するとともに加熱香味も向上することが報告されている.本研究では牛肉の香味のうち特に報告の少ない生肉の香り(生鮮香気)の熟成中の変化を調べた.屠殺4日後の乳牛のロイン部を貯蔵し,その生鮮香気を官能評価した結果,含気下で0°Cに20日間熟成させたものは熟成させずに-80°Cに18日間貯蔵した後に解凍したものよりも有意に好ましいと判定された.このとき熟成肉には甘いミルク臭に似た香気が感じられた,この香りは熟成肉を加熱した後にも残存し,熟成牛肉の加熱香味を優れたものにしていると推定された.われわれはこの香りを牛肉熟成香(ぎゅうにくじゅくせいか)と命名した.ステーキ店への実地調査の結果,和牛肉でも熟成香があり,にれは乳用牛肉と同様牛肉全般に見られるにとが判明した.牛肉を真空包装下あるいは脱酸素剤存在下で貯蔵すると熟成香の生成は抑制された,熟成香は赤身,脂身の単独部よりも赤身と脂身の共存部で強く生成した.クロラムフェニコールあるいはNaN3の水溶液を噴霧して含気貯蔵すると熟成香の生成が抑制された.以上の結果は,熟成香は酸素存在下で赤身と脂身の共存部においてある種の細菌の作用で生成することを強く示唆した.加熱殺菌脂肪と赤身の水抽出液を吸着させた各濾紙および両濾紙を接触させたものを含気貯蔵したが,いずれにも熟成香と同じ香りは生じなかった.市販のラクトン類,マルトール,シクロテンなどには牛肉熟成香と同一の香りを示すものはなかった.
著者
任 正赫
出版者
統一評論新社
雑誌
統一評論
巻号頁・発行日
no.530, pp.90-96, 2009-12
著者
佐藤 哲 岩佐 英彦 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

重力場を可視化するために、重力場の中に物体を置いてそれがどのように見えるかを光線追跡法により調べる方法がある。この手法では、ある点の重力の向きや強さなどの局所的な情報は分からない反面、空間の歪み具合など大域的な情報が可視化されるという利点がある。我々はこれまでに、この方法に基づく重力場の可視化の手法を動く物体を扱えるように拡張した。本稿では重力によって生じる時間の進み方の変化を考慮して、光の赤方偏位と呼ばれる現象をシミュレートした画像を生成した。
著者
津田 俊輔 横谷 尚睦 木須 孝幸 辛 埴
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.258-262, 2002-04-05

光電子分光のエネルギー分解能はここ20年で2桁向上し,最近では1meVに迫る分解能も得られるようになった.その結果,光電子分光測定からも固体物性を支配するフェルミ準位極近傍の数meVという微細なエネルギースケールを持った電子構造を直接的に観測できるようになった.本稿では超高分解能化および測定試料温度の低温化により拓かれた微細な電子構造に関する光電子分光研究を,最近発見されたMgB_2超伝導体を例に紹介する.
著者
加部 二生
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
no.76, pp.83-119, 1998-03

幕末から明治期にかけて長く日本に滞在し,多くの日本研究の著書をもつ,英国人外交官アーネスト・サトウは,考古学に関する探究も行っている。その調査のために,サトウは実際に,1880年3月6日から10日までの間に,現在の群馬県前橋市にある大室古墳群を訪れている。その報告は,翌月の日本アジア協会の例会において早くも発表され,紀要としてまとめられている。本著は全編英文による論文で,その後,多くの研究者に引用されているものの,いままでに完全な翻訳は存在しなかった。彼が訪れた大室古墳群は,その2年前に石室が開口して,多くの遺物を出土した。地元区長等が迅速に対応したために,遺物類の散逸を防ぎ,出土状況の詳細を後世に伝えることができた。サトウの調査は,これらに携わった人物から直接話を聞いて,現地を見学し,同行させた画家に,出土遺物のスケッチを詳細に行わせ,ガラス製小玉やベンガラのサンプルを持ち帰って,科学的分析を行っている。また,被葬者の考察を行うに当たり,日本書紀等の文献史料を引用して,いわゆる「大化の薄葬令」から古墳の絶対年代の推定を試みている。当時としては,あまりに斬新過ぎる研究に,日本人研究者は驚きの色を隠せなかったようであり,且つ,多大なる影響を及ぼしている。さらに,古墳被葬者の住まいである居館跡について考察しており,結果的にはその位置については間違っていたものの,付近から近年,豪族居館跡である梅木遺跡が発見され,その想定が実証されている。現代の考古学研究者に最も教訓となることは,文献史料を援用しても,あくまで実年代論については,考古学的成果に委ねるべきと警鐘している。大室古墳群は近年,史跡整備のために事前調査されて,墳丘規模と墳丘構造の間に相関関係が認められることが明らかになった。こうした何らかの制限が古墳を築造する際に下され,首長層のみに前方後円墳が構築されていったものと推定される。The English diplomat Ernest Satow (Sir Ernest Mason Satow) stayed in Japan over a long time span during the end of the Tokugawa Period and the beginning of the Meiji Period, authoring many books and scholarly articles on Japanese Studies. Satow was especially interested in archeology, and visited the Omuro Tombs in Maebashi City, Gunma Prefecture, from the third to tenth of March, 1880. The results of this research were presented at the annual meeting of the Asiatic Society of Japan the following year, then published in English as Ancient Sepulchral Mounds in Kaudzuke (Transaction of the Asiatic Society of Japan; Vol 8 Part 3). This document has been referred to and cited by many subsequent scholars, but had not been fully translated into Japanese until now.The Omuro Tombs which Satow visited had just been opened two years previous, with a wealth of artifacts being discovered. Thanks to quick action on the part of the local authorities, haphazard removal of the artifacts had been avoided, and careful and accurate records could be made in situ. Satow talked directly with the people in charge of the excavation, visited the site, and brought along an artist to make detailed sketches of the artifacts. He also carried back some samples of glass beads and for scientific analysis. Utilizing historical documents such as the Nihonshoki and lists of noble families, Satow attempted to estimate the date of construction and determine the occupants of the tombs. Satow's methodology came as a surprise to Japanese researchers, and exerted as strong influence. Satow also surmised that the residences of the people entombed should be nearby. Although the location he suggested turned out to be mistaken, remains of nobility residences have recently been discovered at the nearby Umeki Site, thus verifying Satow's intuitions. Satow's work showed Japanese archeologists that interpretation of ancient burial mounds must be based not only on historical documents, but on careful analysis of the archeological evidence as well.In recent years the Omuro Tombs have been researched in preparation for preserving the site. A relationship has been identified between size and shape of he individual tombs. Only the larger tombs, designed for the most prestigious people were built in the keyhole style.
著者
原野 和夫
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.635, pp.2-4, 2002-02
著者
吉武 久美子
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.17-24, 2001-03-15

The study investigated the effects of anxiety and public self-consciousness as a self-handicapping behavior occurs. The results were as follows: The subjects with high public self-consciousness chose more self-handicapping strategies than those with low public self-consciousness. And the subjects under low anxiety showed moderate performance. While the subjects under high anxiety that chose self-handicapping behaviors showed low performance, those under high anxiety that didn't choose self-handicapping behaviors showed high performance. It was suggested that the effects of anxiety and relationships between anxiety, self- handicapping, and performance.
著者
中村 仁志
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.77-83, 1999-03

注意欠陥/多動性障害(ADHD)は, これまで微細脳機能障害, 多動性障害, 学習障害などとも呼ばれてきた障害であり, DSM-III-Rにおいて, 行動面に注目し定義された診断カテゴリーである。行動の特徴には不注意, 多動, 衝動的行動がある。注意欠陥/多動性障害の子どもたちと接していると自己評価の低さを随所に認める。こうした問題行動に起因すると思われる自己評価を回復するために, 彼らは遊戯療法場面であたかも自分の多動性や衝動性をコントロールしようとすることをテーマとした遊び(以下コントロール遊び)を展開することがある。Aくんは学校の規則や社会の決まりが守れない, 衝動的な行動が目立つことで相談に訪れた子どもである。我々は彼との遊びを通して, 彼の自己評価の低い一面を見た。彼は遊びの中で, 彼が投影されてるのであろう"パジェロちゃん"というキャラクターを用い, 自己評価を回復するために"コントロール遊び"を展開した。"コントロール遊び"を繰り返すことは, 衝動コントロールの感覚をつかみ自分の機能を高める訓練であり, 自己評価を回復するためのロールプレイであると考えられた。
著者
大黒屋 勉 大黒屋 有美
出版者
山口県獣医学会
雑誌
山口獣医学雑誌 (ISSN:03889335)
巻号頁・発行日
no.37, pp.13-17, 2010-12

3歳,去勢オスのロシアンブルー猫が,前日からの元気消失を主訴に来院した。稟告では,前日に1回のみ,黄緑色の液体を嘔吐したとのことであった。症例は,5%以上の脱水を呈していた。血液検査の結果,重度の高窒素血症が認められた。急性腎不全として輸液療法を開始したが,12時間以内に尿の生成は認められなかった。このため,ドパミンとフロセミドによる利尿を開始したが,12時間が経過しても効果は認められなかった。マンニトールによる利尿を追加したが,尿の生成は認められなかった。この時点で,飼主より症例が数日前にユリの花と葉を食べていたという稟告が得られ,ユリ中毒と判明した。同日,腹膜透析を行ったが,翌朝に死の転帰をとった。左右腎臓の病理組織検査においては,急性の尿細管壊死が認められた。これは,過去のユリ中毒の症例で認められた病理組織検査所見と一致するものであった。
著者
藤原 和弘 高橋 智一 鈴木 昌人 青柳 誠司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学]
巻号頁・発行日
vol.2014, no.16, pp.1-6, 2014-08-18

楽曲から抽出した遷移確率を用いて旋律部分と伴奏部分を自動作曲する方法を提案する.遷移確率とは,音高,音長について,ある音高 (音長) のつぎに,どのような音高 (音長) が続くかの確率である.本稿では,実際の楽曲 (アーティスト:バンプオブチキン,ラルクアンシエル) から遷移確率を抽出した.アンケート調査の結果,音楽的に悪くなく,アーティストらしい曲が作曲できている事が確認できた.