著者
原田 成
出版者
公益財団法人 産業医学振興財団
雑誌
産業医学レビュー (ISSN:13436805)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.199-216, 2022 (Released:2022-01-18)

生体試料の網羅的解析手法であるオミックス解析は、近年の分析技術の発展とともに、環境曝露のリスク評価に用いられるようになってきた。DNA のメチル化、遺伝子発現、タンパク質、代謝物、DNA 付加体など、様々な生体指標のオミックス解析により、有害物質曝露の網羅的な評価、慢性的な曝露による健康影響の機序解明と早期評価、社会的決定要因の生物学的な評価など、職業性曝露のリスク評価における課題解決に結び付けられる可能性がある。
著者
林 和弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.549, 2019

<p>「インフォプロの未来を考える ~INFOPRO 新たな出発!~」のテーマで開催された第16回情報プロフェショナルシンポジウム(INFOPRO2019)にお越しいただき,あるいは,ご発表,ご登壇頂いたみなさま,誠にありがとうございました。タイトなスケジュールの中,スポンサーとなっていただいた企業様にも厚く御礼申し上げます。INFOPROは開催時期を秋から夏に移すために,一日開催となった昨年の移行期間を経て,2年ぶりの2日開催となりました。移行のためとはいえ,一旦縮小したイベントの規模を戻すことができるのだろうかという不安もありましたが,結果として一昨年と変わらず多くのご参加と発表をいただいたことで文字通り安堵いたしました。とはいえ,新米委員長にとっては,勝手がわからない中の運営であり,文字通り"番頭さん"として動いてくれた川越副委員長を始めとする実行委員はもちろんのこと,会長を筆頭とする三役や担当理事のみなさま,さらには,JSTさん他,関係のみなさまの全面的なバックアップにより無事開催することができました。この場を借りて御礼申し上げます。</p><p>さて,今回のテーマの副題は"INFOPRO新たな出発!"ということで,いくつかのチャレンジをしてみました。中でも一番大きなものは,プロダクトレビューのプレゼンテーションに投票を取り入れたことです。これは製品や企業の優劣をつけるのではなく,そのプレゼンをしている方を褒めるのはどうか,ということで試行的に行ってみたものです。その目的や意義自体にも賛成・反対のご意見をいただいた中,ある程度のリスクを覚悟で行ってみると,投票のためにプロダクトレビューの枠の間,最後まで参加者が留まってくださり,また,後半,製品の特徴や違いをはっきりさせるディスカッションができたなど,これまでのプロダクトレビューでは実現できなかった濃度の高い場が提供できたように思います。一方,プレゼンの評価にどのくらいの意味があったかは,みなさんにご意見を伺ってみたいところです。</p><p>また,特別講演の代わりにJST CRDS(研究開発戦略センター)の全面的なご協力のもと,科学技術俯瞰報告書の最新の内容を網羅的にご紹介いただきました。これも,企業と繋がりたいCRDSさんと,意外に俯瞰報告書自体を認識していなかったインフォプロという具合で,一見近いようで実はそれほど交流がなかったことがわかり,今後に繋がりそうな話となりました。(そして3iの裏番組だったために,参加ができなかった方々にはお詫び申し上げます。)他にも,OUGのコマを設けてガイダンスを行ったり,ポスターをよりオープンにしてミニ発表の時間を設けたりもしました。ポスターと展示会場が賑わっているのは,やっぱりいいですね。懇親会は昨年の低コスト手弁当スタイルを踏襲し,食事や飲み物の質よりもコミュニケーション促進を重視することで,狙い通り,コストパフォーマンス良く活発な交流を促すことができたと思います。そして,最近はワークショップ形式で行うトーク&トークでは,副題に正面から向き合い,インフォプロの将来像を探るべく,清水さん(IMIC),森長さん(NEC),黒沢さん(医中誌)さんをロールモデルに議論を行いました。各参加者が自分ごととして,その立ち位置を確認しながら将来を模索する姿を見て,このような対話の場を提供するのがINFOPROの大事な役目だと改めて確認した次第です。</p><p>このようにして,INFOPRO2019は,リニューアル初回としては致命的なトラブルもなく,成功裏に終わったと言えると思います。この経験,知見を生かして,来年のINFOPRO2020に向けて,実行委員会一同ほぼ同じメンバーで臨みます。インフォプロの新たな出発をより確実かつ魅力的なものにできるようみなさまのご賛同とご協力を改めてお願いする次第です。まずは,INFOPRO2019の記事をご覧いただき,奇譚のないご意見や今後に向けた示唆を賜ればと思います。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。</p><p>(INFOPRO2019 実行委員会委員長 林 和弘)</p><p>INFOPRO2019 実行委員会 委員長:林 和弘(科学技術・学術政策研究所),副委員長:川越康司(㈱富士通総研),委員:高杉秀隆,矢口 学(科学技術振興機構),小山信弥(関東学院大学),矢田俊文(クラリベイト・アナリティクス),山中とも子(㈱ファンケル),担当理事:吉野敬子(日本医療研究開発機構),副担当理事:増田 豊(ユサコ㈱)</p>
著者
横浜市商工課 編
出版者
横浜市商工課
巻号頁・発行日
vol.大正10年12月現在, 1922
著者
小美濃 幸司 舟津 浩二
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.283-286, 2009

従来,鉄道は安全対策として,絶対に事故を起こさないための技術開発を進めてきたが,近年,万一の事故時にも人的被害を最小化するための研究開発,特に鉄道車両の衝突安全性にも関心が高まっている.鉄道車両の衝突安全性を検討するにあたり,車両自体の挙動と乗客・乗務員の衝撃挙動の両面を考慮に入れる必要がある.鉄道車両(特に車体の構造)については,衝突エネルギー吸収による衝撃の緩和と,生存空間確保の両立が課題となる.一方,乗客・乗務員の衝撃挙動については,車内設備や他の乗客等との衝突による傷害を防ぐことが課題となる.これらの課題解決のため,車体構造については破壊試験とコンピューターシミュレーション,乗客の挙動についてはダミー人形の衝撃試験とコンピューターシミュレーションを活用している.実験結果とシミュレーション結果は,相互に比較・検証されている.今後の安全性評価では,車体構造と乗客を連携させた衝撃挙動解析も重要になっていくと考えられる.
著者
大島 剛 安部 計彦 高木 裕子
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
神戸親和女子大学研究論叢 = Review of Kobe Shinwa Women's University (ISSN:13413104)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.137-146, 2008-03-01

全国児童相談所の一時保護所担当心理士(以下一保心理士)の配置や役割の現状および,児童心理司が一保心理士の役割についてどのように考えているか,について調査検討を行った。自由記述を含む質問紙調査を行い,回答のあった122ヶ所の児童心理司,43ヶ所の一保心理士の結果を分析した。一保心理士は回答のあった75ヶ所中43ヶ所(57.3%)に配置され,うち女性31名(73.8%),平均年齢28.07歳,平均経験年数1年10ヶ月,36ヶ所(83.7%)で1人配置,非常勤37名(88.1%),週平均3.52日,1日平均6.56時間,有資格19名(44.2%),うち心理系資格13名(30.2%)であった。一保心理士の役割や業務はまだ明確に確立されていないが,「ア.一時保護所内の心理的業務(対子ども)」「イ.一時保護所内の心理的業務(対職員)」「ウ.一時保護所内の一般的業務」「エ.児童相談所の心理的業務」「オ.児童相談所の一般的業務」の5つの内容に分類して,児童心理司が考える理想と一保心理士の実際の状況のギャップを検討した。アとウが多く大筋では傾向は似ているが,一保心理士はより一時保護所内の直接的な業務にどっぷりと使っている傾向が見られた。一保心理士は非常に経験が浅い若手が中心であり,目の前の業務に追われているため,児童心理司ほど児童相談所の中の位置づけやその役割を十分に認識できにくい状況にあることも推測される。自由記述から,長いスパンで個別ケースの「これまでとこれから」を見ていく児童心理司と,集団の中の個として「今ここで」を大切に見ていく一保心理士の役割の違いが鮮明になった。

1 0 0 0 OA 犯罪論序説

著者
滝川幸辰 著
出版者
文友堂
巻号頁・発行日
1938
著者
冨山 侑子 宇都宮 陽一 奥田 隆史
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.815-816, 2017-03-16

電車において擬似混雑(混雑の偏在)が発生すると,乗客が乗降車できない状況になることがある.この状況を防ぐために,駅員は乗客に車内中央まで移動するように促す.しかし,乗車区間の短い乗客が車内中央まで移動すると,その乗客は降車が困難になる.加えて他の乗客はその乗客のために立ち位置を変更しなければならなくなる.この立ち位置変更は各乗客のストレスを増やすことになる.そこで本研究では,各乗客のストレスを車内での立ち位置に基づいて表し,乗客の最適な立ち位置を明らかにする.そのために,乗客をエージェントとして捉え,混雑時の車内立ち位置選択をエージェントベースドモデルとして表現し,シミュレーションをおこなう.
著者
石黒 格
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.88-95, 2021-03-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
32

Despite recent advancements in the theory and assessment of maximization, only outdated scales of maximization have been available in Japanese. Based on the two-component model of maximization, I translated into Japanese the Maximizing Tendency Scale and the alternative search subscale of the Maximization Inventory as indexes of high standards and alternative search, respectively, and also tested the validity of both scales. The results of exploratory and confirmatory factor analyses and item response theory revealed considerable internal reliability for both scales. The correlation analyses depicted a significant positive relationship between the Maximizing Tendency Scale and the Multidimensional Perfectionism Cognition Inventory as predicted, implying external validity of the Maximizing Tendency Scale as an index of high standards. Conversely, the Maximization Inventory did not correlate with the General Procrastination Scale, though a positive correlation was expected between alternative search and procrastination tendency. However, considering that correlations between the two factors of maximization and psychological traits were hardly reported, the result is not decisive.
著者
坂尾 南帆 土橋 宜典
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.150-155, 2022

<p>コンサートや音楽ライブの演出において照明は欠かせない要素である.また,インターネット配信を利用した仮想的な興行も普及しており,個人レベルで照明の演出を必要とする機会が増加している.しかし,効果的な照明演出を設計するには専門的な知識や経験が必要で,初心者が初めから演出を作りあげるのは困難である.本研究ではこの問題に着目し,効果的な照明演出の設計を支援するための照明演出動画を生成する手法を提案する.提案法では,照明演出を撮影した短いビデオクリップからなるデータベースを用意しておく.そして,データベースから最適なビデオクリップを複数選択して結合することで,入力として与えられる音楽波形に調和した照明演出動画を生成する.ビデオクリップの選択においては,入力波形とデータベースの各ビデオクリップに付随する音楽波形の音響的類似度を考慮する.</p>

1 0 0 0 OA 日本の野菜

著者
米安 晟
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.7-14, 1996-11-30 (Released:2011-01-31)
参考文献数
30