著者
山本 佐恵
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

本研究の目的は、田中一光(1930-2002)のデザイン活動の初期にあたる1950年代に焦点をあて、田中における前衛美術の影響について考察することである。彼が青年期を過ごした関西では、 グラフィックデザイナーは美術家と活発に交流し、独自の美意識やデザイン感覚を発展させた。 事実、田中に強い影響を与えたのは早川良雄と吉原治良であることはよく知られている。<br> 50年代の田中の活動においては舞台美術も重要であり、吉原が舞台美術を担当した52年の国際ファッションショーでは助手を務め、また吉原が主宰した具体美術協会が57年に開催した「舞台を使用する具体美術」の大阪公演では演出助手を務めている。さらに注目すべきは、吉原によって前衛書道への開眼に導かれた点である。森田子龍が創刊した『墨美』を吉原から何度か借りたことで、田中は前衛書道に関心を持つようになる。前衛書道の造形は田中に刺激を与え、後に制作したシルクスクリーン作品やモリサワのポスターなどに興味深い類似性がみられる。前衛書道への開眼は、田中がグラフィックデザインにおけるカリグラフィやタイポグラフィの効果について研究する上で役立ったと推測される。
著者
土居 陽子
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.18-26, 2003

国の施策に沿ってボランティア導入は促進され,増加の一途を辿っているが,それが却って学校図書館の充実を妨げるのではないかとの危倶がある。つまり,司書教諭とボランティアだけで学校図書館の機能が十分に発揮できるのか,ボランティアが入ったことで司書配置の道を閉ざすのではないか,といった心配である。実際にボランティア活動に関わっている人たちの中にもそうした懸念を抱いている人は多い。本稿では,学校図書館の充実にとって,ボランティア導入がどんな影響を生み出すのか,問題点は何か,ボランティアの導入をどう考えるかなど,現場に視点を置いて考察するとともに,学校図書館に必要な「人」についても若干の意見を述べてみたい。
著者
亀岡 淳一
出版者
東北医科薬科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

学会等の議論の場で日本人の質問が少ないことはしばしば指摘されるが、質問力の体系的な教育はほとんど試みられていない。そこで我々は、質問力育成のために3段階による教育手法の開発を計画した。まず、学内授業で考えついた質問を全て書き出させ提出させ、質問を考えながら聞く習慣をつけた。次に、「重要性」「独自性」「レトリック」「ミクロかマクロか」「ベネフィットの及ぶ範囲(質問者、聴衆、発表者)の5項目による質問評価表を作成し、3学会で信頼性・妥当性を確認した。最後に、希望する学生を学会に参加させ、指導医と一緒に聞かせ質問を評価させ事後ワークショップを実施した。これらの教育は質問力向上に有用と考えられた。
著者
広島県立文書館
出版者
広島県
巻号頁・発行日
no.(12), 2013-03-15
著者
光山 秀行
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.1-16, 2017-03-31

[概要]近畿大学体育会バレーボール部は平成27年度関西大学バレーポール連盟男子1部春季リーグ戦において全勝優勝を果たした。対称的に同年度秋季リーグ戦では1次リーグ戦を 1位通過するが,上位リーグでは優勝を逃し4位という結果となった。これらの結果の相違は戦術がどのように機能するかという点を分析する上でよい題材になる。そこで本研究では,JVISデータを用い,サーブレシーブ(SR)の成功率,アタック(A)決定率,そしてブロック(B)本数(1セット当たり平均)の3つのプレーにおいて分析し各大学との対戦別に比較・考察を行った。その結果,3つのプレーにおいてブロックが勝敗を左右するということが明らかになった。[Abstract] Kindai University volleyball team won the championship in a complete victory in the 2015 Spring League, hosted by Kansai University Volleyball Federation. However, in the Autumn League of the same year, the team lost the championships, and ranked 4th, even though they had won all the games in the preliminary games before the final league. This big gap in the results between the two leagues can be the sources to find out how the strategies worked. Using the JVIS data, this study analyzes three categories; The success rate of the Serve Receives (SR), Attack (A), and the number of Blocks (B) Average per one set by game matches against different collegiate teams to investigate the play style of Kindai University volleyball team. As the result, we found that Blocks influence victory or defeat most in 3 plays.
著者
中原 健二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.63-66, 2020-05-01 (Released:2021-05-01)
参考文献数
2

中枢神経領域疾患には多くのアンメットメディカルニーズが残されており、複数の製薬企業が重点領域に掲げている。一方で本領域をターゲットとした創薬は、薬理学的メカニズムの複雑さから難度が高く、開発成功率が低いことから、共同研究によって活路を見出す製薬企業が少なくない。塩野義製薬株式会社はJanssen Pharmaceuticals, Inc.(ヤンセン社)にアルツハイマー病治療薬の開発候補品であるBACE1阻害剤(atabecestat)を導出し、同時にバックアップ化合物の創製に関する共同研究を開始した。筆者は、ベルギーにあるヤンセン社の研究所にてメディシナルケミストとして上記共同研究に参画する機会を得た。本稿ではヤンセン社の研究環境や共同研究を通して感じたことについて述べたい。
著者
今井 史 小川 健二
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<p>物の動きを描く動的視覚イメージには,身体運動の結果を心的に予測するための運動シミュレーションが関わるといわれている。しかし,たとえば機械を操作するとボールが飛ぶという身体的要素の少ない内容や,ボールが空の彼方まで飛ぶという身体運動では実現できない内容のイメージにも運動シミュレーションが関わるかは,定かではない。そこで本研究では,運動シミュレーションの妨害課題の有無を参加者間要因,イメージ内容の身体的要素の多寡,身体運動による実現可能性の二つを参加者内要因として参加者に飛翔するボールをイメージさせ,その鮮明性を調べた。実験の結果,運動シミュレーションの妨害との交互作用は身体的要素の多寡についてのみ検出され,妨害のない群では身体的要素の多い内容のイメージがより鮮明化したが,妨害のある群ではその効果はなかった。これは動的視覚イメージの身体的要素に運動シミュレーションが関わっていることを示唆する。</p>
著者
片岡 瞳 伊東 佑真 小中 祐希 大囿 忠親 新谷 虎松
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2020-ICS-200, no.11, pp.1-8, 2020-09-07

講義やプレゼンテーションなどのパフォーマンスにおいて,仮想エージェントとのインタラクションを含む演出は効果的な場合がある.しかし,そのようなコンテンツを作成するには,事前の準備・打ち合わせや,動画撮影後の編集作業といった手間がかかる.本研究では,この課題に取り組むため,ライブパフォーマンスのための AR パペットを実現する.AR パペットは,パフォーマンスを進行中のパフォーマー自身によって制御される拡張現実空間内の仮想エージェントである.本稿では,ライブパフォーマンスのための AR パペットについて検討し,これを制御するためのシステムについて述べる.
著者
日比野 英彦
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.13, no.11, pp.539-547, 2013

リン脂質(PL)は細胞やオルガネラの膜形成やシグナル伝達分子の機能を果たす重要な成分である。細胞間と細胞内のPL由来シグナル伝達分子は,PL分子種自身,ホスホリパーゼA(PLA<sub>1,2</sub>),ホスホリパーゼC(PLC),ホスホリパーゼD(PLD)による分解産物とそれらの代謝産物である。PL,特に特定のホスファチジルコリン(PC)分子種は核受容体に認識される。このPC分子種は転写因子を活性化し標的遺伝子を発現させ,脂質代謝を促進する。PLのPLA<sub>1,2</sub>による加水分解はリゾPL(LPL)と当モルの脂肪酸またはアラキドン酸(AA),エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)などを含む高度不飽和脂肪酸(PUFA)を産生する。LPLにはリゾPC(LPC)や免疫関連作用を示すリゾホスファチジルセリンなどが含まれ,PUFAからは,AAのカスケード領域が華々しく創生され,EPAはエイコサノイドとDHAはドコサノイドへの進展が観られる。PLのPLCによる加水分解はホスファチジルイノシトールが主な対象であり,プロテインキナーゼCを活性化するジアシルグリセロールと滑面小胞体からカルシウムイオンを放出させるイノシトール1,4,5-三リン酸を産生する。PLDによりPLの作用に関し,ホスホジエステラーゼ(PDE)機能による加水分解はたん白質を活性化するホスファチジン酸(PA)とコリン(Cho),セリン,エタノールアミンなどの塩基を産生する一方,塩基交換機能では中枢領域においてPCやホスファチジルエタノールアミンがホスファチジルセリン(PS)に転換され,そのPSが神経細胞膜のシグナル伝達に関与している。LPCをリゾPAとChoに加水分解する分泌型リゾPLDが細胞運動性刺激因子オータキシンであると同定された。新たに発見されたCho含有PL特異的PDEはLPCとグリセロホスホコリン(GPC)をホスホChoに分解してCho代謝を制御することが見出された。GPCはCho補給源として母乳に豊富に存在し,精液,睾丸,腎臓に存在が認められ,成長ホルモン分泌促進,肝機能障害改善などが知られ,腎臓や精巣での浸透圧調整作用との関係が深い。
著者
阿部 康久 李 商益
出版者
日本都市地理学会
雑誌
都市地理学 (ISSN:18809499)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.71-79, 2016

<p>中国・延辺朝鮮族自治州の延吉市を対象として,情報サービス産業の進出と停滞について従業員の雇用条件等に注目して検討した.調査結果として,延吉市内には,主に国内企業や韓国企業を中心に情報サービス産業のある程度の立地がみられる.同市への企業進出は2006 年頃から顕著になり始めたが,当初は,韓国語を理解できる朝鮮族住民が多く,しかも賃金水準が低かったことが進出の大きな要因となっていた.しかしながら, 2008 年以降は,リーマンショック等の金融危機が起こったことに加えて,賃金水準の上昇が顕著になったことで一部の進出企業では経営状況が悪化するものや撤退するものもみられた.一方,賃金水準は以前に比べると上昇しているものの,国内の他地域や海外を勤務地とする求人に比べると依然として低い水準にあることが分かった.この要因として,求人の職種や勤務内容をみると,高賃金が期待できるものが少ないことが指摘できる.</p>
著者
西村 善博 前田 均 田中 勝治 橋本 彰則 橋本 由香子 横山 光宏 福崎 恒
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.795-801, 1991-07-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
18
被引用文献数
8

加齢による呼吸筋力の変化を検討するため, 成人116名 (男性57例, 女性59例) を対象に, 座位にて全肺気量位での呼気最大口腔内圧 (PEmax) 及び残気量位での吸気最大口腔内圧 (PImax) を測定した. 口腔内圧測定の至適回数に対する予備的検討で, 最低3回測定すれば再現性のよい値が得られたので, 3回測定での最大値を用いた. PEmaxの平均値は, 男女それぞれ123.6cmH2O及び79.0cmH2O, PImaxの平均値はそれぞれ98.4cmH2O及び71.9cmH2を示し, 性別間で有意差を認めた. PEmax及びPImaxは男女とも年齢との間に有意な負の相関を認めた. PEmaxは全肺気量と有意な正相関を, PImaxは残気率と有意な負の相関を認めた. 残気率は加齢による増加を認めた. 以上の呼吸筋力の検討より, 加齢による吸気筋力低下の原因の一つに経年的な残気率増大が関与している可能性が示唆された. 一方, 呼気筋力の経年的筋力低下は肺機能諸量と明確な関係を示さず, 栄養状態, 全身的筋力低下など多因子の関与が推測された. 最大口腔内圧測定は最低3回行えば再現性のある値の得られることが確認された.

1 0 0 0 OA 奈良朝文法史

著者
山田孝雄 著
出版者
宝文館
巻号頁・発行日
1913

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1932年02月22日, 1932-02-22
著者
今井 亮二
出版者
尾道市立大学芸術文化学部
雑誌
尾道市立大学芸術文化学部紀要 (ISSN:21873550)
巻号頁・発行日
no.17, pp.[114]-[117], 2018-03-31

「調査情報540号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『ペコジャニ∞!』木村真梨子(TBSテレビ)「調査情報539号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『7つの海を楽しもう!世界さまぁ~リゾート』宇野宏美(アックス)「調査情報538号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『V6の愛なんだ2017 史上最高の夏祭り!』金子靖明(アックス)「調査情報537号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『人生最高のレストラン』宇野宏美(アックス)「調査情報536号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『王様のブランチ』谷 佳奈恵(アックス)「調査情報535号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『KUNOICHI』太田卓志(TBSテレビ)・金子靖明(アックス)