著者
今井 新悟
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.146, pp.117-128, 2010

<p> 受身文は直接受身文と間接受身文に分けられてきた。所有(持ち主)受身を立てることもあるが,これも,間接受身の亜種とされることが多かった。これに対し,本稿では,所有受身が間接受身ではなく,直接受身であることを主張する。その証拠として二重対格制限,ガノ交替,主格降格と参与者数,付加詞・必須項,主語尊敬構文「お~になる」の尊敬対象,再帰代名詞「自分」の先行詞,および数量詞遊離に関しての統語論的な現象を示す。これらは先行研究でも繰り返し使われた統語的テストであるが,統一した結論に至っていない。本稿の分類により構文と意味の対応,すなわち,「直接受身=中立の意味」ならびに「間接受身=迷惑の意味」の単純な結論に収束することを示す。日本語教育にあっては,本稿の言語学的な裏づけにより,所有受身を間接受身とせず,構文と意味の明確・単純な対応を示すことで混乱なく受身の指導ができる。</p>
著者
野崎 富作
出版者
新潟大学人文学部
雑誌
新潟大学法経論集 (ISSN:04682572)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.223-246, 1955-03
著者
平尾 賢三郎
出版者
日本私法学会
雑誌
私法 (ISSN:03873315)
巻号頁・発行日
vol.1963, no.25, pp.167-174, 1963
著者
濱沖 敢太郎
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.111-130, 2017

<p> 本稿の目的は,定通モデル校事業を事例として,1960年代の定通教育振興の論理を明らかにすることである。1960年代は定時制が量的に縮小する中で,都市部の労働力需要を背景とする定通教育改革が進められたと理解されてきたが,実際に展開された改革をめぐる諸機関の方針の異同を先行研究は精査してこなかった。<br> 本稿が明らかにした知見は以下のとおりである。<br> 第一に,文部省は都市部の勤労青少年を定通モデル校事業の主な対象と考えており,その教育機会拡充の具体的方策として定通併修などの導入を進めようとした。<br> 第二に,特に都市部の自治体では,定通併修の導入が勤労青少年の教育機会を危うくするものとして懸念されており,定通モデル校事業としての実績はあげられなかった。<br> 第三に,定通併修は都市部と異なる生活環境にある勤労青少年に関しても,就学可能性を高める具体策としては受け入れられず,むしろ農業・看護などに関わる教育施設との技能連携が,通信制の教育課程の再編成を伴う形で展開されていった。<br> 以上に示した定通教育の変容過程は,勤労青少年の進路形成に関する問題の射程を広げ,また,現代の定通教育の形態が作り出される一局面を明らかにしたという点において重要であろう。</p>
著者
小林武 佐藤豊著
出版者
研文出版
巻号頁・発行日
2011
著者
一ノ瀬正樹著
出版者
筑摩書房
巻号頁・発行日
2016
出版者
日経BP
雑誌
日経エレクトロニクス = Nikkei electronics : sources of innovation (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1230, pp.26-29, 2021-08

結論から言うと、内部的にはiPad Pro(2021)とMacBook Air(2020)/MacBook Pro(2020)は別物である(図1、図2、図3)。 まず、iPad Pro(2021)、MacBook Air(2020)、MacBook Pro(2020)で共通する部品としては、M1周辺と、USB関連がある。M1周辺では、3機種において、M1とDR…
著者
長島 弘三
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.395-400, 1955

化学分析では,重量分析にはもちろん,熔融,灼熱,濾過等にるつぼを用いることが多く,種類も通常の灼熱秤量,熔融用の他に,種々の濾過るつぼや酸素や窒素気流中で加熱するための特殊な形のものもある.しかしそれらの特殊のるつぼは分析法も進歩せず,分析化学者の主要な目標が原子量の測定にあって,特殊な沈殿形,秤量形を選ばざるを得なかった先人の苦闘の跡と称すべきものが多く,沈殿形,秤量形も楽なものが選べるようになった現在では特殊なるつぼは殆んど用いられなくなった.殊に有機試薬等の進歩により沈澱は焼灼せずに秤量可能のものが多いので,多くはガラス製濾過るつぼで事足り他の濾過るつぼの必要性も少くなった.使用の稀なものも含めて代表的なるつぼを挙げる.<BR>1.濾過るつぼ:グーチるつぼマンローるつぼ(以上は濾層を自分で作る)ガラス製,石英製,磁製の濾過るつぼ(濾層ができている)<BR>2.灼熱および熔融用のるつぼ:白金(純Pt,Pt-Cu,Pt-Ir,Pt-Rh合金製等)金(純Au,Au-Cu,Au-Pd合金等がありアルカリ熔融用)銀(アルカリ熔融用)ニッケル,鉄,石英,磁製,タンタル(Taは殆んど白金と同様に使える,王水に耐える)ジルコニウム(アルカリ熔融に最適といわれる)アルミナ,トリヤ,ジルコニヤ,ベリリヤ(以上4種は冶金或いはその研究用に)黒鉛(分析用ではないが炭酸ナトリウムの熔融に耐える.多量の試料の分解に用いて便.高温の実験のさやるつぼ.熔融塩電解に際して電極兼用のるつぼにも使われる).<BR>3.酸素,窒素等の気流中で灼熱するために作られたものとしては,磁製,白金製のるつぼの蓋に側管が接属して,外から気体を送るように考案されたものがある.<BR>1および2の各種のるつぼのうち,現在定量分析に多く用いられているものにつきその性質,使用法を述べる.
著者
福田 安典
出版者
大阪大学国文学研究室
雑誌
語文 (ISSN:03874494)
巻号頁・発行日
no.57, pp.p15-26, 1991-10
著者
蟻川 奈緒子 チェンバーズ ジェームズ 林 幸太郎 内田 和幸 苅谷 卓郎
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.77-82, 2018 (Released:2018-06-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

メルケル細胞癌を含む多発性皮膚腫瘍が発生した15歳齢の猫の臨床転帰および病理所見について報告する。腰背部に皮膚腫瘤を認め,病理組織検査からリンパ節転移を伴うメルケル細胞癌と診断した。背部にも多発性皮膚病変を認め,病理組織学的にボーエン様表皮内癌,基底細胞癌,および皮膚肥満細胞腫と診断した。第154病日に斃死し,病理解剖にて骨盤腔内にメルケル細胞癌の浸潤病変を確認した。本論文では,他の複数の皮膚腫瘍との併発がみられた猫のメルケル細胞癌の病理解剖および組織検査所見の詳細を述べる。
著者
星 祐希 松川 寿也 丸岡 陽 中出 文平
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.323-329, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
6

本研究は、残存農地を有する地方都市を対象に、残存農地集積地が存在してきた経緯や今後の土地利用方針から、人口減少都市が抱える残存農地集積地での土地利用制度設計のための知見を得ることを目的とする。その結果以下を明らかにした。 1)残存農地集積地は、人口増加を想定した当初線引きやそれ以前に指定された用途地域において、スプロールにより形成されてきた。 2)逆線引きが困難な残存農地集積地を抱えることは、市街化区域の人口密度維持や新たな市街地整備に支障となる。 3)この問題への地方自治体の措置は、居住誘導区域の指定による宅地化の促進である一方、田園住居地域の指定に対しては行政としてのメリットがない。 残存農地を田園住居地域に指定して、非可住地として扱うことで、人口密度維持と用途地域の拡大が可能と考えるが、農政側で田園住居地域内の農地の扱いを変える法改正が必要である。