著者
末廣 徹 武田 浩一 神津 多可思 竹村 敏彦
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.49-58, 2018 (Released:2018-11-03)
参考文献数
15

In this paper, we analyze the current inflation perceptions, the formation mechanism of the 5-year inflation expectations, and their heterogeneity by gender and age with Structural Equation Modeling (SEM) based on “Survey on consciousness of individual investors” conducted in February 2016. We find that 1) if the current anxiety, which is a latent variable related to anxiety about the current Japanese economy and the state of household, is higher, the current inflation perceptions become higher; 2) the current inflation perceptions also affect the 5- year inflation expectations; and 3) “future anxiety” doesn't directly affect inflation expectations. 4) If the “future anxiety” become stronger, the inflation expectations are boosted through “current anxiety” and inflation perceptions. 5) Young people and elderly people have higher inflation perceptions. This U-shaped tendency could be explained by their strong “current anxiety.” 6) Inflation expectations tend to be higher in the 50s and 60s regardless of their strong future and current anxiety. 7) Male's inflation perceptions tend to be low, but another analysis shows that there is no gender difference in inflation expectations.
著者
菊谷 和宏
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.172-187, 1998

本稿は, コントからデュルケームへの社会学的実証主義の系譜の背後に隠れ, これまで我が国では顧みられることの少なかった, トクヴィルからデュルケームへの社会思想の深化の系譜をたどりながら, 我々が今日当たり前のものとして用いている社会学的人間観が, どのように形成されてきたか, その一つの過程を描き出すものである。<BR>その際, 一八四八年二月革命とドレフュス事件という近代フランス史上の二つの, 時代を画する社会的事件を取り扱い, これらの歴史的事象が社会科学的認識の形成に与えたインパクトを明らかにしつつ議論を進める。<BR>その結論として, 我々の人間観 (の少なくとも一部) が, 歴史的に形成された, 超越性 (一般・普遍性) と世俗性 (個別・具体性) という相対する二つの認識視角を, その矛盾を内包しつつかろうじて融合させることによって成り立っていること, またそのような融合にはこれを支える一つの「権威」が不可欠であることが明らかとなり, またこのような人間観の分析は「コントからデュルケームへ」ではなく「トクヴィルからデュルケームへ」の社会認識の深化の過程を追うことによって有効に行われうるという可能性が提示される。<BR>またさらに, このような人間観の形成過程が, 同時に, 今日的な意味における社会観の形成過程でもあることも明らかとなろう。
著者
高橋 哲也 石井 健嗣 酒井 憲孝 関 学 佐藤 次良 落合 剛 岩城 孝次 小平 進
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.53-59, 1989-01-01
被引用文献数
1

胃癌13例, 大腸癌10例の手術症例を対象に術前あるいは術前・術後にレンチナン (Lentinan 以下LT) を投与し, 術前・術後の免疫能に及ぼす効果を比較検討した. 手術侵襲により術後の NK 活性, PHA 幼若化率, Leu7^+, HLA-DR^+ リンパ球が低下した. 術前 LT 投与では手術日の NK 活性, PHA 幼若化率, Leu7^+, CD8^+ リンパ球が上昇した. 術後は対照群と同様な低下を示したが, LT 投与によりその低下は相対的に軽度であった. 術前・術後 LT 投与では術後7日目の NK 活性, PHA 幼若化率, Leu7^+ リンパ球は LT 投与前のレベルを維持することができた. 術前・術後 LT 投与は有意義と考えられる.
著者
Agus Bahar Rachman Takashi Akazawa Masahiro Ogawa
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
The Journal of Poultry Science (ISSN:13467395)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.200-209, 2021 (Released:2021-07-25)
参考文献数
40
被引用文献数
1

This study aimed to determine the effect of olive leaf water extract (OEx) on the physical properties of chicken breast sausage (CBS) and the preventive effect of OEx against lipid oxidation in CBS during frozen storage. CBSs, to which 0.1 and 0.5% (w/w) OEx were added to minced meat, were stored frozen at −20°C for 60 days. The thawing weight loss of control CBS without OEx increased with the frozen storage period, while OEx-CBSs did not change, from 15 to 60 days in storage. The water-holding capacity, breaking strength, elasticity, and viscosity of control CBS decreased upon frozen storage, while those of OEx-CBSs did not change. The observation of CBSs using scanning electron microscopy showed that OEx-CBSs that were stored frozen, unlike control CBS, maintained a structure similar to their unfrozen counterparts. These results indicate that OEx confers resistance to CBS upon freezing. Furthermore, the application of OEx to CBS suppressed lipid oxidation, decrease in pH and discoloration induced by frozen storage. Thus, this natural OEx is useful in improving the physical and chemical qualities of frozen processed poultry foods.
著者
小南 一郎
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2001

論文博第410号
出版者
農林省茶業試験場
巻号頁・発行日
vol.昭和9~13年度, 1935

1 0 0 0 OA 諸系譜

巻号頁・発行日
vol.第26冊, 1800
著者
大橋 美幸
出版者
函館大学
雑誌
函館大学論究 (ISSN:02866137)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.47-76, 2018-03

北海道・北東北の縄文遺跡群は世界遺産への登録を目指している。各地の取り組みのインタビュー等を行った。webサイト、ガイドブックが作られ、ガイドの育成、発掘や土器野焼き等を行う観光商品の販売等がされている。 加えて3つの調査を行った。首都圏(ツーリズムEXPO来場者調査)における縄文遺跡群の認知度は「三内丸山遺跡」でさえ3人と1人と低くなっていた。業界・プレスの認知度も高くなく、業界・プレスに焦点をしぼったPR活動が求められる。 地元(函館での縄文文化関連イベントの来場者調査)では世界遺産を目指していることをおおよそ知っており、近隣の関連施設に行っている。取り組みに参加したいがしていないが2割であり、参加の機会が求められる。 地元への観光客(函館での縄文文化関連施設の観光客調査)からは、施設は縄文遺跡群と一連のものとしてとらえられていなかった。包括的につなげる仕組みが必要である。近隣の観光周遊はされてあり、移動手段等に改善が求められる。
著者
大嶺 哲雄 伊藤 嘉昭
出版者
沖縄大学教養部
雑誌
沖縄大学紀要 = OKINAWA DAIGAKU KIYO (ISSN:03884198)
巻号頁・発行日
no.15, pp.131-159, 1998-03-01
被引用文献数
2

沖縄やんばるの3地域の、スダジイを優占種とする自然林および育成天然林整備(改良)という補助金により下生えを完全に刈り取られた森林のマクロ土壌動物を調査し、得られたデータを多様度指数を用いて解析した。1995年から1997年にかけて行った5回の調査で、ヤスデ綱13種、ムカデ綱23種、コムカデ綱1種が採集された。これらを合わせた多足類は、ダニ、クモ、昆虫を除くマクロ土壌動物相の29-85% (平均47%)を占めていた。このうち琉球列島から初めて記録されたのは次の13種である。ヤマトタマヤスデ、プチダケヤスデ、オビヤスデ属の一種、リュウキュウヤハズヤスデ、ウチカケヤスデの一種、ミドリジムカデ?、ミドリジムカデ属の一種、シゴナガズジムカデ、ケナガトゲアシムカデ、イッスンムカデ属の一種、メナシムカデ属の一種、スコリジムカデ、トゲイシムカデ科の一種。ヤスデ綱とムカデ綱では下刈り区の個体数は自然林にくらべて減少していた。また後者では種数の減少も見られた。自然林の多足類の種多様度指数1-Dは、0.64-0.84、全マクロ土壌動物の指数値は0.72-0.83であった。各回別の計算では自然林と下刈り林の1-Dの値に有意差はみとめられなかったが、全データをまとめて計算したところ、下刈り林における全マクロ土壌動物の指数値は自然林のそれより有意に大きかった(ただし差は小さい)。この結果は同地区の昆虫、アリ、カプリダニにおいて下刈り林で種多様度が低下したという結果と異なる。この原因のひとつは、個体数の多いヤスデに下生え刈り取り区で激減した種があるとも考えられるが、サンプル数が小さいので調査区の地形、場所的条件などの影響も考えられ、今後の調査が必要である。
著者
桂 満希郎
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.122-132, 1966

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。

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著者
雨森芳洲
巻号頁・発行日
1728
著者
野津 厚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.187-194, 2017 (Released:2017-03-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1 3

地震動位相の微分可能性に関する理論的考察と,群遅延時間の数値計算法に関する検討を行った.地震動のフーリエ変換F(ω)から計算される位相θ(ω)は,アンラップ操作による不連続以外にも,ωの増加と共にF(ω)が複素平面上の原点を通過するとき微分不可能となる.数値計算上は,F(ω)がちょうどゼロとならない場合でも,複素平面上でF(ω)が原点に接近するとき,位相差分および群遅延時間の数値計算結果は不安定となる.数値的不安定への対処方法として,従来の群遅延時間に対し,フーリエ振幅スペクトルの自乗を乗じて補正した補正群遅延時間を用いることを提案した.補正群遅延時間はF(ω)がゼロとなる周波数でも定義可能であり,その差分近似はF(ω)が小さな値をとる場合も数値的に安定している.