著者
宮下 ひろみ
出版者
仙台白百合女子大学
雑誌
仙台白百合女子大学紀要 (ISSN:13427350)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.117-123, 2002-01-31
被引用文献数
1

若年女性の調理可能なレパートリー調査をしていく過程において,比較的調理経験の浅い対象者にとって,料理の「できる」「できない」という実態または判断にはどんな要素がどのように関与するものなのか,検討の余地が残されている。ここでは,料理の難易度はどのような要因に起因するのか,難易度の基準となるものはどのようなことなのかを探ることを目的として,これまで調査票に取りあげた34種のうちご飯物の6品の料理についてその食材数と調理過程を詳しく分析することを試みた。結果はご飯ものの場合,食材数は赤飯の5食品を除き,おおよそ10食品前後が使用されていた。食材の数と調理操作数をみると,ちらし寿司のように食材の数,調理操作数共に多い料理もあれば,赤飯のように食材数が少なくても調理操作数が比較的多い料理もみられた。調理操作数が同じ29のチャーハンと赤飯でも学生の調理可能者数の割合には大きな差がみられた。今後の課題として,調理過程の分析にはそのもととなる調理過程を設定するにあたり,家電調理器の普及や市販のインスタント調味料類や加工品の使用状況を把握したり,共存する調理法を標準化していく必要がある。
著者
安藤 信広
出版者
東京女子大学比較文化研究所
雑誌
東京女子大学比較文化研究所紀要 (ISSN:05638186)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.1-16, 2011-01-01

This paper considers the thoughts of Japanese people and an aspect of language through the unique circumstances of reading Aesop's Fables in Chinese. Aesop's Fables have been translated into various languages and published in many countries from ancient times till the present day. Although the first translation of this work was published in Japan and China by the Jesuits in the 16th and 17th centuries, a new translation did not appear for a long time after that.
著者
吉永 眞人 池田 裕子 樽井 里佳 松永 朋子 上村 雄一郎 横田 真弓
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.273-275, 2019-03-10 (Released:2019-07-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

【はじめに】100種類以上の酵素の構成要因として生体の様々な代謝系の調整に関与し、重要な微量元素の一つとされる亜鉛は、蛋白質合成・代謝などの生命維持に関係し、亜鉛の摂取については肉類・魚類・種実類からが主とされる。特に亜鉛欠乏症においては味覚障害・舌痛・貧血・食欲不振など様々な症状が表れ、近年注目される指標の一つとされるが、各医療機関において、あまり測定されていないのが現状である。今回、我々は当院健診受診者を対象に血中亜鉛濃度を測定し、世代別に有意な差が存在するか検討した。【対象者および対象期間】2017年7月から12月までの当院健診受診者を対象とした。【測定方法】採血は原則空腹時の早朝採血(午前8:30~9:30)。 血清亜鉛値の測定は、生化学自動分析器LABOSPECT008(株式会社日立ハイテクノロジーズ)およびアキュラスオートZn(株式会社シノテスト)を使用。各年代別の血清を用い比較した。【検討方法】 ①年代別および男女別で血清亜鉛値を比較 ②「亜鉛欠乏症の診療指針」に挙げられる血清ALP活性値・血清亜鉛値について比較 ③炎症マーカー(CRP)と血清亜鉛値との比較【結果および考察】各年代別に血清亜鉛値を比較した場合、20代男性が最も高く40代女性が最も低い結果であったが、年代別および男女別で明らかな有意差は認めなかった。 亜鉛欠乏が疑われる血清ALP活性値が 150U/L以下では血清亜鉛値基準値下限 80μg/dLを下回る割合が多く、活性値低下の一つの要因になっているのではないかと推測された。また、女性の20代から40代および60歳以上では約4割近くで、潜在性亜鉛欠乏が疑われた。 炎症マーカー(CRP)と血清亜鉛値は負の相関関係を認めた。 日本人の1日当たりの亜鉛摂取推奨量は、成人男性 10mg女性 8mgとされるが、その摂取量は男女ともに不足ぎみで、症状はなくとも日頃の食生活の偏りで亜鉛欠乏は潜在的に起こりうる。食生活を意識的に改善することが重要であり、それを知る上で血清亜鉛測定の有用性が示唆された。
著者
高橋 康夫
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
vol.267, pp.155-162, 1978

Contents are mainly classified by two items as follows : 1. The constitution of the Rokucho. -1. The territory of the Rokucho. -2. The names of the constituent towns. 2. The pre-history of the Rokucho : a consideration on the process of the urban development of the constituent towns.
著者
堀合 文子
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.35-37, 1956-02-01
著者
佐藤 諒
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.27-30, 1966-03-01
著者
戸島 雅宏 森野 良久
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-7, 2020-01-30 (Released:2020-01-30)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

国際リンパ学会分類病期IIの下肢リンパ浮腫患者36名46下肢を対象に,In Body770を用いて部位別細胞外水分量(ECW),細胞内水分量(ICW),総水分量(TBW)を測定し,下肢腫脹率,超音波皮下組織エコーフリースペース(FS)所見と対比,複合的理学療法(CDT)前後の変化を検討した.患肢ECW/TBW比0.410は健側0.391に比べ有意に高値で,下肢平均腫脹率とECW/TBWの患側/健側比に有意の相関を認めた.リンパ浮腫肢のFS分類3群間でECW/TBW比に有意差を認めた.CDT前後のECW/TBW比は,患肢で0.432から0.414へ,体幹で0.413から0.402へ有意の減少を認め,両上肢は変化を認めなかった.多周波数インピーダンス法による部位別水分量測定は,リンパ浮腫腫脹度,皮下エコー所見とよく相関し,CDT前後の水分変動を表示でき,リンパ浮腫の定量的評価法として有用と考える.
著者
島﨑 里子 Satoko Shimazaki
出版者
昭和女子大学女性文化研究所

In his Lives of Saints, Ælfric (c. 955-c.1010) dealt with the Life of Saint Eugenia, which is one of the most popular legends of the transvestite saints in Medieval Europe. It is worth to discuss how Ælfric treats Eugenia in the story, which inevitably contains the matters of sacred and secular sexuality. For further investigation, this article provides the diplomatic text of Ælfric’s ‘Life of Saint Eugenia’ in MS Cotton Julius E. vii, British Library, and compares in detail the newly edited text with Skeat’s edition.
著者
関 陽介
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.C-KA3_1-10, 2021-03-01 (Released:2021-03-01)
参考文献数
21
被引用文献数
2

Dialogue systems, which give users quick and easy access to required information interactively, have been widely used in various fields. Dialogue systems equipped with interfaces (e.g., humanoid robots and anthropomorphic agents) have been developed in order to enhance familiarity and dialogue continuity. Related studies, in which interactive agents generate humor expressions, have also been reported. Humor is indispensable for the formation of friendly relationships between people and systems, and humor expressions can be applied in situations that generate familiar responses and provide fun to users. In this study, in order to evoke humor through dialogue, a method to generate humorous expression by asking again due to pseudo mishearing of a part of users’ queries based on examples is proposed. Specifically, a conversion candidate dictionary for humor expressions, based on Wikipedia of Japanese edition and a classification vocabulary table in which words are classified semantically, is created by word completion using distributed representation. In addition, a word conversion method is designed by approximately 1,000 mishearing survey from Twitter, and the function based on the proposed method is implemented in a dialogue system introduced into a university as a model case. In the results of the comparative evaluation with other methods quantitatively, the proposed methods gave users the most humor by converting singular and multiple words. Thus, the effectiveness of the proposed method was clarified.
著者
大毛 宏喜 竹末 芳生 横山 隆
出版者
日本環境感染学会
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.320-324, 2002-11-26
参考文献数
23
被引用文献数
6

術後感染対策として閉鎖式ドレーンの有用性と問題点について検討を行った. 当科で開放式ドレーンをルーチンに用い, 1週間前後留置していた1992年と, 原則として閉鎖式ドレーンを用い, 排液量が少なければ48時間で抜去するとの基本方針に沿った2000年とを比較して, ドレーンの使用状況, ドレーン感染およびcolonizationの頻度, さらに分離菌を検討した. 1992年は開腹手術症例148例全例に開放式ドレーンを挿入していたのに対し, 2000年には118例中37例 (31.4%) でドレーンを使用せず, 使用した症例でも多くは閉鎖式で, 開放式ドレーンを使用したのは全体の5.1%にすぎなかった. その結果, 1992年はドレーン感染 (4.7%), colonization (22.3%) を合わせて27.0%認めたが, 2000年は合わせて14.8%と有意に減少した (p<0.05). 特に閉鎖式ではcolonizationを11.1%に認めたのみで感染例はなかった. 分離菌も外因性感染であるMRSAは7.4%から1.7%, コアグラーゼ陰性ブドウ球菌は12.2%から1.7%といずれも有意 (p<0.05) に減少した. ドレーン自体の感染減少に加え, 閉鎖式であるためにガーゼ交換が不要となり, 標準予防策を励行する意味からも, 院内感染対策として有用であったと考えられた. 留置期間は, 1992年に開放式を9.6±2.7日留置していたのに対し, 2000年は閉鎖式では4.2±1.5日, 開放式でも4.3±3.1日と短縮していた. 膵手術などでは比較的長期間ドレナージが必要であり, 半閉鎖式ドレーンで対応した. またドレーンの早期抜去により縫合不全の際の対処が懸念されるが, 1998年1月から2001年12月までの4年間に3例の縫合不全に伴う骨盤内膿瘍を経験し, いずれもCTガイド下ドレナージにより, 再手術や人工肛門造設を要することなく治療可能であった. 閉鎖式ドレーンは感染対策として有効であり, 今後は我が国でも, 閉鎖式ドレーンの利点を生かした使用が望まれる.