著者
平澤 直之 小林 洵也 清水 大地
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.3D5OS22b03, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究では,近年広く普及しつつあるダンスジャンルの 1 つであるブレイクダンスを対象に,自然な環境下での情動状態を自動的に判別・可視化するシステムの開発を行った.その際,ダンサーの身体に慣性センサーを取り付けることでポジティブ・ネガティブという各情動状態(感情価)における加速度データを測定した.そして,その加速度データに対してCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用いた深層学習を行い,情動状態の識別を行うモデルを構築してシステムに組み込んだ.本研究では,当該システムの概要に関して紹介するとともに,上記のシステムを応用し,ダンスバトルにおける複数名のダンサーの情動状態が互いに影響し合う様子をリアルタイムに可視化するアプリケーションの開発も行なっている.また,ブレイクダンスをはじめとするヒップホップカルチャーにおいては創作物のオリジナリティーが非常に重要性を有している.創造性と情動との関係性は先行研究でも議論がなされており,ダンサーの独創的で新しい動作の創作過程と,情動状態との結びつき・関係性といった文化を支援する観点からも本研究にて考察を行う予定である.
著者
キム ジョンファン
雑誌
RSC Advances = RSC Advances (ISSN:20462069)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.17179-17187, 2016-06
被引用文献数
17

Inspired by the responsive characteristics of natural fibrous counterparts, triple stimuli, pH-, drug-, and near-infrared (NIR) light-responsive Janus composite nanosheets (JCNs) were investigated. The nanosheets consisted of gold islands sequentially hetero-grafted with three different biocompatible polymers (gum arabic, chitosan, and poly(ε-caprolactone)-b-polyethylene glycol (PEG-b-PCL)) that are hierarchically synthesized by a physical deposition–surface functionalization–chemical exfoliation processes. The JCNs are elastic and go through pH-controlled shape recovery activity in a reversible manner. Remarkably, by anchoring the heat-sensitive PEG-b-PCL on the chitosan side of JCNs, the JCNs are securely self-scrolled when doxorubicin molecules are loaded; and unscrolled to release the drug under remotely controlled NIR-irradiation, with negligible premature release, which mimics the structural behavior of a spore launcher in ferns. Moreover, the scrolled JCNs show exceptional photothermal stability under NIR-laser irradiation and the optical hyperthermal effect is capable of inducing death of tumor cells, as well as bright fluorescence and a targeted photothermal anti-tumor effect under two-photon fluorescence imaging. This enables complex nano-therapeutic drug vehicle development in potential cancer theranosis with low toxic side-effects.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.234, pp.66-69, 1999-06-25

2010年。道路の騒音はいまより10dB以上減り,排気ガスの安価な浄化技術が実用化。伸縮継ぎ手がなく,走行しやすい長大橋が高速道路にも採用される。工事で発生した汚泥やしゅんせつ土はすべて再利用し,他産業の廃棄物も公共工事が受け入れるようになる。造成工事では排気ガスを出さない重機が走行し,土石流や盛り土の崩壊も事前に検知して災害は大幅に減少——。
著者
渡辺 匡一
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.19-27, 2001-01-10 (Released:2017-08-01)

保元の乱の敗将、源為朝が琉球国に渡り、子息舜天(尊敦)が琉球王国の人王の初めとなる物語(為朝渡琉譚)は、島津氏の琉球侵略、明治政府による「琉球処分」に至るまで、大きな影響を与えてきた。本稿では、中世後期から近世前期を中心に、日本・琉球王国それぞれが提示する為朝渡琉譚を検討し、両国間の王統、歴史認識の差異を見いだしていく。琉球王国の異質性をこともなげに同化し、領土化していく日本のあり方は、「地域の時代」を標榜する現代においても、看過できない問題を投げかけているように思われる。
著者
田口 明
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.248-249, 2010-12-27 (Released:2014-01-14)

歯科医師が骨粗鬆症患者をスクリーニングする?フィンランドのPaateroがパノラマX線撮影装置を開発して以来多くの改良がなされ,現在では世界中の歯科医院で使われている.日本では約1千万枚が毎年撮影されている.口内法X線撮影に比べ優れているのは,すべての歯や周囲歯槽骨のみならず,舌骨から中頭蓋底レベルまでの骨や一部軟組織が総覧像として観察できる点である.口が開かない人でも使用できる.口内法X線写真よりも細かな所は観察できないが,大方の診断は可能である.このように便利なパノラマX線写真であるが,多くの歯科医院では,診断は主に歯や周囲歯槽骨にとどまることが多い.もちろん,上顎洞や顎関節などの診断やインプラントの術前診断に用いられるが,診断はおおむね口腔・顎顔面領域に限られている.1980年代初頭に米国のFriedlanderは,総頸動脈が内頸・外頸動脈に分岐する位置で起こる動脈硬化による石灰化をパノラマX線写真で捉える試みを始めとして,現在までに多くの知見を報告している.これが見られた場合,脳梗塞や心筋梗塞といった梗塞性心臓血管病変に罹患する可能性が高いとしている.この所見が得られたあとに病変が起こるのか,あるいはその前にすでに起こっているのかという検証は未だ不十分だが,口腔・顎顔面領域以外の病変に着目した点で,きわめて画期的である.この実際の診断はきわめて難しいが,パノラマX線写真上の第3,4頸椎前方部に現れる大小不整形のX線不透過物が動脈分岐部の石灰化とされている(図1).一方でパノラマX線写真は主として骨を写し出しているため,全身の骨病変の診断への応用を誰しも考えるであろう.1982年にオランダのBrasらは,腎性骨異栄養症の際に顎骨に起こる変化を見いだし,診断に用いうると報告した.具体的には,パノラマX線写真上の下顎角部の皮質骨(図2)が薄くなるという所見である.実は,この病変で起こる骨変化は骨粗鬆症患者のそれと類似しているため,その後に欧米の研究者がこの所見を用いて骨粗鬆症患者の診断を行おうと試みたが,十分な結果が得られなかった.確かに骨粗鬆症患者では皮質骨が薄くなるが,失敗の原因は観察すべき下顎骨皮質骨の設定位置である.また,骨粗鬆症という病気が“病気”と世界保健機関に正式に認められたのは1994年のことであり,そこで初めて定義づけがなされたため,それ以前の研究では骨粗鬆症と定義した患者が真に骨粗鬆症患者であるか否かが不明である.いずれにしても,欧米の研究者達がパノラマX線写真を使って骨粗鬆症を診断しようとしていたことは確かである.歯科医師は日常臨床の場で多くのパノラマX線写真を撮影して歯科治療の診断に用いているので,もし骨粗鬆症に関する情報をパノラマX線写真が含むのであれば,利用できることに越したことはない.ここで重要なのは,歯科医師はパノラマX線写真を用いて骨粗鬆症患者を“最終診断”するのではなく,“トリアージスクリーニング”をするのである.すなわち,歯科受診の患者をふるい分けして,医科の専門医へ紹介し,そこで最終的な診断をしてもらうという考え方である.この際には正常者を専門医へ紹介する可能性も十分にあるが,後述するように日本人の10%近くを占めている病変に対しては,このような失敗も許容される.過去の欧米の研究者達は,パノラマX線写真のみで完全に骨粗鬆症患者を“最終診断”することを目的としていたため,研究を断念せざるを得なかった経緯もある.日本の骨粗鬆症患者の現状日本では現在,約1,200万人の骨粗鬆症患者(骨折リスクの高い患者)がいると試算されている.このうち治療を受けているのは約200万人である.骨粗鬆症は自覚症状がないため,骨折してはじめて判る.ただし骨折を起こすと新たな骨折を起こす危険性は高くなる(骨折連鎖).骨折を起こした場合,死亡率は増加する.骨粗鬆症は主に女性の病気とされ,女性ホルモンとの関係が強いことから閉経後の女性に圧倒的に多いが,一方で男性の骨粗鬆症患者の場合,骨折後の死亡率は女性より高い.椎体骨折後3年の死亡率は女性で7%前後だが,男性では約20%と報告されている.近年,女性より男性の骨粗鬆症が注目されているゆえんはそこにある.骨折の予防には,骨折を起こす前に治療ないし生活指導を開始することが重要となるが,前述のように骨粗鬆症自体は自覚症状がないため,専門医へ自分で受診する機会は少ない.最新の日本の骨粗鬆症検診率は4.6%と報告されているように,テレビや雑誌などで名前は知っていても,積極的に専門医へ行く人は少ない.最近の調査では,大腿骨骨折(図3)の患者数は約16万人に達した.これに関わる年間医療費は約8千億円である.現在の患者数は1988年調査時の約3倍であり,年々増加の一途を辿っている.自覚症状のない患者自らが専門医を受診しない以上,何らかの新たなスクリーニングのシステムが必要となるのである.その新しいシステムの一つとして,歯科医院でのパノラマX線写真を用いた方法が有用と考えられる.日本では約6万5千の歯科医院があり,その9割がパノラマX線撮影装置を有している.これら歯科医院の日常臨床の場で骨粗鬆症患者をスクリーニングできれば,骨粗鬆症患者の骨折を減少させる一助になりうるだろう.第2回目以降,パノラマX線写真で骨粗鬆症患者がスクリーニングできる根拠やスクリーニングのためのトレーニング法,および実際に日本国内の歯科医院で現在行われているスクリーニングの現状などについて順次報告する予定である.
著者
石塚,元徳
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, 1963-03-01
著者
松本 真実 石橋 あや 高田 千夏 朝倉 富子 伊藤 圭祐 阿部 啓子 舟木 淳子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.34, 2006

<BR>【目的】ミラクルフルーツの果実に含まれるタンパク質ミラクリンは、そのもの自身は無味であるが、これを味わった後に口に入れた酸を甘く感じさせるという性質を持つ。この効果は数時間持続し、その間、酸はショ糖のように甘く感じられる。このように一時的に味覚を変える物質を味覚修飾物質という。糖尿病や肥満が社会問題になっている先進諸国において、非グリセミック(低カロリー)甘味料は健康面でのベネフィットから注目され、また酸味の強い食品の摂取を容易にするという利点もある。本研究ではミラクルフルーツの甘味誘導効果の基礎的性質を得ることを目的とした。<BR><BR>【方法】ミラクルフルーツの果肉を100mM酢酸緩衝液で十分洗った後、0.5 M塩化ナトリウム溶液で抽出した後、70%飽和硫安沈殿画分を得、10mM酢酸緩衝液(pH5.5)で透析し、凍結乾燥して粗精製ミラクリンを得た。1mg/mlのミラクリン水溶液1mlを口に含んだ後、各種酸溶液、苦味溶液、塩化ナトリウム溶液について官能評価をおこなった。また、甘味誘導効果を消失させるものについても検討した。<BR><BR>【結果】粗精製ミラクリンによって、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸等、各種酸溶液に甘味が誘導された。特にクエン酸溶液やアスコルビン酸溶液は強い甘みを感じ、その味はスクロース溶液の味と類似していた。しかし、苦味溶液や塩化ナトリウム溶液の味の変化はみられなかった。また、塩化ナトリウム溶液で口をゆすいだ時は、蒸留水で口をゆすいだ時よりも甘味誘導効果が減少した。<BR>

1 0 0 0 Datamation

出版者
F.D. Thompson
巻号頁・発行日
1959
著者
福村 由紀 仲程 純 高瀬 優 齋浦 明夫 石井 重登 伊佐山 浩通
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.89-95, 2020-03-31 (Released:2020-03-31)
参考文献数
23

胆嚢腺筋腫症(以下ADM)はRokitansky-Aschoff sinus(RAS)が増殖し,筋層肥大・壁肥厚を伴う後天性病変で,上皮過形成を伴うことが多い.本稿では,病理学的側面を中心にADMの現在の知見と自験例をまとめた.ADMは病変の広がりによりびまん型,分節型,底部型,混成型に分類されるが,組織形態は基本的に同じである.ADMでは筋層肥大を見るが,RASの底辺に至る筋層増殖は見られない.分節型ではADMの部位よりも底部側で筋層肥大がより高度となることも多く,底部型における中央陥凹部はRASではなく胆嚢壁の陥凹である.RASの増殖からADM形成に至る組織学的変化に関し異論は少ないと思われるが,その成因に関しては意見の一致をみていない.ADMを前癌病変とする報告は殆ど見られないが,特に分節型をリスク因子とする報告は散見される.さらなるエビデンスの集積が待たれる.
著者
滝沢 正順
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.p10-23, 1989-05
著者
田中 祥子
出版者
東京大学大学院教育学研究科学校開発政策コース
雑誌
東京大学大学院教育学研究科教育行政学論叢 = The journal of Educational Administration Graduate School of Education, the University of Tokyo (ISSN:13421980)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.125-152, 2007-03-30

<共同論文:分権改革下の教員給与法制改編に伴う自治体教員給与・人事政策の課題と国際比較研究><Collaborative Research : Ⅰntemationaland Domestic Compamtive Studies on Local Govemments'Teacher Salary and Personal Affairs Policy with the Changing of the Legislation of Teacher Salary under Decentralization>
著者
滝沢 正順
出版者
日本古書通信社
雑誌
日本古書通信 (ISSN:03875938)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.p17-19, 1987-10
著者
滝沢 正順
出版者
日本古書通信社
雑誌
日本古書通信 (ISSN:03875938)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.p16-17, 1987-09
著者
遠藤 聡 石田 泰一郎
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.31-34, 2017

<p> 近年,照明技術の発展に伴い,機能的な側面だけでなく,芸術性までも照明に求める場面が増えてきた.また,歴史都市として発展してきた京都は,夜間であってもほかの都市と異なる雰囲気を感じる人は多くいると思う.そんな京都の夜間照明に関して,現地調査により測定された実測値と,写真による印象実験によって得られた結果とを分析した既往研究は少ない.また,京都の観光地の夜間照明を対象にした既往研究は多く見られるが,京都市内広域を対象とした既往研究は少ない.本研究では,京都の都市照明における独自性に着目し,無作為サンプリングを行い,京都市内広域に渡って,さまざまな地点で照度の測定などの現地調査を行い,そこで撮影した写真を用いて印象評価実験を行い,その結果を分析し,結果と実測値や撮影写真を照らし合わせて「京都らしい」都市照明とはいかなるものかを検証した.そして「京都らしい」夜間照明の印象評価や物理量などに関して,一定の特徴が明らかになったことを論じる.</p>