著者
関口 康宣 森 茂久 青木 和利 樋口 敬和 西田 淳二
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.461-466, 2007 (Released:2007-12-31)
参考文献数
13

患者は69歳の男性.1994年5月に右手関節痛が出現し関節リウマチ(以下RA)と診断され,金チオリンゴ酸ナトリウム(以下GST)が投与され関節痛は軽快した.2003年1月より多発関節痛が増悪したため,同年8月埼玉社会保険病院リウマチ膠原病内科受診となった.GSTを中止し,サラゾスルファピリジン(以下SASP)へ変更し,多発関節痛は軽快した.2005年3月より発熱,汎血球減少,肝機能障害が出現したため同科入院となった.SASPによる薬剤性の造血および肝機能障害を疑い,入院後はSASPを中止しプレドニゾロン(以下PSL)10mgへ変更した.その後も症状が継続するため骨髄検査を施行し,急性リンパ性白血病(以下ALL)(PreB, L2)と診断した.4月8日自治医科大学付属大宮医療センターへ転院となり,JALSG-ALL202-Oのプロトコールによる寛解導入療法を開始したが,嚥下困難,胆道系酵素の上昇を認めたため途中で中止した.その後完全寛解(以下CR)を確認したものの誤嚥性肺炎を度々繰り返し,胃癌の併発,経口摂取不能など全身状態不良のため化学療法の継続は不可能と判断し,対症療法のみ行った.9月28日埼玉社会保険病院リウマチ膠原病内科へ再転院となった.ALLはCRで,無治療にてRAの活動性も認めなかったが,肺炎のため2006年8月1日死亡した.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.579, pp.54-55, 2013-11-11

東京と名古屋の間をできるだけ短く結べるように、南アルプスを横断するルートで設定した路線延長は286km。平面線形は、ターミナル駅の近くを除いて最小曲線半径を8kmに設定し、勾配は最大40パーミルとした。東京—名古屋間の86%に当たる延長246kmがトンネルにな…
著者
仲 威雄
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.2-8, 1951

本文は昭和21年(1946)秋に熔接学会が各地で講習会を開いたぜとき,筆者が東京と名古屋で講義した原稿を基にして,最近の研究事項をも取りまとめ附加え,整理したものである.この論文と直接関係の深い熔接棒の亀裂性,鋼板の熔接性,鋼板の切缺感受性等の試驗に関する事項については著者の建築学会に提出した論文を参照されたい.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1281, pp.120-122, 2005-02-28

日本IBM、ソニー生命の営業マンを経てプロの指揮者に転向した。学生時代の夢をかなえるため、海外で武者修行して頭角を現した。今年5月には「蝶々夫人」を東京と名古屋で凱旋公演する。
著者
上原 潔
出版者
基督教研究会
雑誌
基督教研究 (ISSN:03873080)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.21-39, 2006-12

本稿の目的は、エバハルト・ユンゲルが『世界の秘密としての神』において、無神論をどのようなものとして分析し、それに対していかなる神学を構築しようと試みたのかを理解することにある。ユンゲルによれば、現代を特徴付けている無神論の萌芽は近代にある。そこでは、人間的自己が存在、非存在を決定する「基体」となることで、絶対性をその本質とする神の実在が思惟不可能になるというアポリアが生じた。現代の無神論を規定しているこのアポリアを解消すべく、ユンゲルは絶対性という神の本質を批判的に解体する。ユンゲルは、神の絶対性をキリスト教的な神理解ではなく、存在者の連関を遡ってその根拠である神を措定するような形而上学の神理解、つまり「存在神論(Ont-Theo-Logie)」に由来するものであると考える。それに対し、キリスト教はナザレのイエスにおいて神が自己を啓示したという認識から始まる。この神理解によれば、神は決して世界の彼方にのみ存在しているのではなく、むしろ、世界に「到来」する者であり、それ故に経験や思惟の対象となり得るのである。このようにユンゲルは啓示神学を構想することによって、無神論に対抗するのである。The aim of this paper is to clarify Eberhard Jüngel's analysis of atheism and his attempt to construct theology against it. According to Jüngel, atheism that characterizes today's world has begun in the modern period. At the dawn of the modern period, human Self became "Subject"(subjectum)that judged what did and did not exist. This resulted in an aporia that the existence of God whose essence is absoluteness could no longer be thinkable. In order to solve this aporia Jüngel destructs God's absoluteness critically. He thinks that this absoluteness stems from not Christian, but metaphysical comprehensions of God. Metaphysics traces back a chain of beings to God, their ultimate source (Onto-Theo-Logie). In contrast, Christianity starts from God's Self-Revelation in the man Jesus of Nazareth. According to this understanding, God not only transcends the world,but comes into the world. For this reason, God can be an object of thought and experience.In this way Jüngel confronts atheism by constructing a revelation theology.論文(Article)
著者
八城 薫 小口 孝司
出版者
日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.27-33, 2003-09-30 (Released:2017-04-01)
被引用文献数
3

In this study, "individual primal scene" was defined as scenery of the place where they had ever lived and had most strong impact. This study examined individual preferences for sightseeing destinations determined by individual mental factors including "individual primal scene" and two psychological scales. Ninety-eight female undergraduate students in Japan answered their primal scenes and their preferences for sightseeing spots. Then, they were asked to complete two psychological scales: Self-Monitoring Scale (Lennox & Wolfe, 1984) and Sensation Seeking Scale (Furusawa, 1989). Result demonstrated that the persons whose primal scene contained little rural scenery had more propensity to "Disinhibition", and they preferred to the place of entertainment. On the other hands, the persons whose primal scene had more rural hometown preferred to go to adventure spots. Moreover, high self-monitors preferred the nature place and natural view spots.
著者
阿部 和俊
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.139-161, 2004
被引用文献数
2

本論は民間大企業の本社と支所を用いて日本の主要都市を検討し,都市システムを提示したものである.研究対象期間は1950〜2000年である.最初に分析対象企業の内容と本社機能からみた主要都市の状況について検討した.1950〜2000年を通して本社の最多都市は東京であり,第2位は大阪である.東京の本社数(登記上)比率は最近になるほどやや低下傾向にある.しかし,複数本社制を考慮すると,東京と大阪との差は依然として大きなものがある.続いて支所機能から主要都市の,とくに支所数,支所の上下関係,従業者数による本社と支所の規模,テリトリーについて検討した.主要な結果として,支所数からみると,近年の大阪と札幌の地位低下,福岡と仙台の上昇などが明らかになったことなどがあげられる.大阪は支所数からみると,1960〜1975年の間第1位の都市であったが,1980年に東京に抜かれる.以後,2000年まで東京との差は開く一方である.それどころか,最近では名古屋との差が縮小傾向にある.福岡と仙台の上昇,札幌の低下も重要である.この3市に広島を加えて広域中心都市と呼ぶが,この4市が最も横並びの状態にあったのは1970年である.しかし,それ以後2000年まで,上記のような変化が生じ,広域中心都市としての横並び状態は消滅した.同時に,都市間の階層という点では1970年が最も明確であったが,それ以後2000年まで,都市間の階層は崩れる傾向にある(表2,図2).この変化を業種面からみると,「鉄鋼諸機械」(こういう業種名は主資料として使用した『会社年鑑』(日本経済新聞社刊)や『会社職員録』(ダイヤモンド社刊)には無い.この分野の企業は,これら資料の中では「鉄鋼」「金属」「諸機械」「非鉄金属]「電機・電線」などさまざまな呼称が使用されていて時系列的にみても統一されていない.そのために,筆者が統一的な呼称として,この表記を使用したものである)の支所数の多寡が重要である.たとえば,大阪と東京を比べると1980年まで大阪の方が多いが,1985では逆転している.大阪と名古屋を比べると1985年まで大阪の方が多いが,1990年では逆転している.支所数からみた大阪の地位が低下傾向にある要因は,この業種において東京と名古屋を下回るようになったことが大きい(表5).札幌と仙台の地位の逆転も同様のことが指摘できる.1970年までは札幌の方がこの業種の支所数が多かったが,1980年に逆転し,2000年までその差は開く一方である(表5).各都市の支所のレベルは一様ではない.ある都市の支所の管轄下の支所という事例がある.それを2000年について調査したものが表6である.東京・大阪・名古屋・福岡・仙台・広島・札幌の支所のレベルは高いが,静岡や北九州の支所の多くは名古屋支所,福岡支所の管轄下にある.このように表6は企業の支所の格付けから各都市の格付けをみることを可能にする.東京・大阪・名古屋・福岡・仙台・広島・札幌の支所のレベルが高いということは,これら7都市が広いテリトリーをもっているということでもある.その状況は図4に示されている.これら7都市の現在(2000年)のテリトリーは1970年に明確になったことも指摘できた.これらをふまえて東京・大阪・名古屋に本社をおく企業の主要都市への支所配置率を用いて,都市間の結合状況を検討し,都市システムとして提示した(図6, 7, 8).その結果,日本の主要都市は東京を頂点に相互に強い結合関係を示していることが明らかにされた.
著者
Kuniaki Nagayama
出版者
THE PHYSICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
Journal of the Physical Society of Japan (ISSN:00319015)
巻号頁・発行日
vol.73, no.10, pp.2725-2731, 2004-10-15 (Released:2007-07-25)
参考文献数
31
被引用文献数
5

Conventional phase retrieval in transmission microscopy is applicable only to weak objects that perturb the incidence with a phase that is π⁄2 or smaller. We propose a novel phase retrieval technique applicable to strong objects. The innovation core is the scanning of a knife-edge, which is conventionally fixed to recover phase information. The synchronous operation between the scanning of the knife-edge and the image accumulation enables a novel spatial filter, which draws phase retardations by objects in the form of their first derivative. Combining the left- and right-scanning of the knife-edge can completely expel image components that are non-linear to the wavefront functions. Theoretical formulation of knife-edge scanning filters and corresponding numerical simulations specific to an electron microscope are proposed.
著者
牧野内 まゆ 永江 孝規 恩田 憲一
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.2, pp.73-74, 2003

画面の中に自己の映像を投影し,その手の動きによって映像の操作を行う作品.現実世界にいる自分がヤモリ,或いはロッククライマーの様に手を動かす事と連動して,仮想世界の中に投影された自らの分身が画像上を相対的によじ登り移動するイメージが生成される.直感的な動作による背景イメージのスクロール制御は身体的動作を視覚的にフィードバックし.また,カメラから入力される自分自身の像は自己投影による主観性の導入を意図しており,それらの融合により身体性のある仮想体験を実現した.システムへの入力部となる手の動きに関しては,カメラからの入力画像を動画像処理する事により検出を行った.
著者
牧野内 まゆ 永江 孝規 恩田 憲一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.73-74, 2003

画面の中に自己の映像を投影し,その手の動きによって映像の操作を行う作品.現実世界にいる自分がヤモリ,或いはロッククライマーの様に手を動かす事と連動して,仮想世界の中に投影された自らの分身が画像上を相対的によじ登り移動するイメージが生成される.直感的な動作による背景イメージのスクロール制御は身体的動作を視覚的にフィードバックし,また,カメラから入力される自分自身の像は自己投影による主観性の導入を意図しており,それらの融合により身体性のある仮想体験を実現した.システムヘの入力部となる手の動きに関しては,カメラからの入力画像を動画像処理する事により検出を行った.
著者
高橋 彰子 福原 一郎 高木 伸輔 井手 麻衣子 新田 收 根津 敦夫 松田 雅弘 花井 丈夫 山田 里美 入岡 直美 杉山 亮子 長谷川 大和 新井 麻衣子 加藤 貴子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100455, 2013

【はじめに、目的】重症心身障害児者(以下;重身者)は,異常筋緊張など多様で重層した原因で症候性側弯が発症進行する.側弯の進行予防に対して理学療法が施行されるが,それ以外にも日常生活で使用する側弯装具が処方される場合も多い.今までは,ボストン型装具や硬性コルセットなどが広く使用されているが,大きく,通気性も悪く,服が着にくい,また痛みを訴えるなどのデメリットもあった.近年,3点固定を軸に側弯進行を予防し,装着感がよく,通気性なども改善された動的脊柱装具(DSB 通称プレイリーくん)が開発された.開発者の梶浦らは,多様な利点で,重身者の症候性側弯に有効であると述べている.しかし,親の子に対する装具装着の満足度や,理学療法士による効果判定などの関連性や,装具装着による変化に関しての報告は少ない.そこで,動的脊柱装具を処方された重身者の主たる介護者の親と担当理学療法士にアンケート形式で満足度と装具の効果について検討することを目的とした.【方法】対象は当院の外来患者で動的脊柱装具を作成した側弯のある児童または成人17名と,担当理学療法士6名とした.対象患者の平均年齢15.9歳(3~22歳),GMFCS平均4.7(3~5),Cobb角平均82.46(SD31.62)°の側弯を有していた.装具に対する満足度や効果の実感に関するアンケートを主たる介護者の親と担当理学療法士と分けて,アンケートを2通り作成した.親へのアンケートは,装具装着の見た目,着けやすさ,姿勢保持のしやすさ,皮膚トラブル,装着時間,総合的な満足度などの装具使用に関する項目に関して,20項目の質問を紙面上で答えさせた.理学療法士には姿勢変化,治療的効果などの評価の4項目に関して紙面上で記載させた.その他,装具装着前後でのCobb角を算出した.統計処理はSPSS ver20.0を用いて,質問紙に関しては満足度合を従属変数とし,その他の項目を独立変数として重回帰分析を実施し,関連性についてはpearsonの相関を用いた.理学療法士の効果判定に関係する因子の検討では理学療法士の評価を従属変数として,効果に対する要因,Cobb角を独立変数として多重ロジスティック解析を実施した.各質問紙項目内による検討に関してはカイ二乗検定を用いた.また,Cobb角の変化に関しては対応のあるt検定を用いた.危険率は5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】全対象者と全対象者の親に対して,事前に本研究の目的と方法を説明し,研究協力の同意を得た.【結果】Cobb角は動的脊柱装具作成装着前後で有意に改善した.動的脊柱装具に関する親の満足度と関連する項目はCobb角の変化ではなく,体に装具があっていると感じている,装具の着けやすさ,装具を装着したときの見た目と関連していた.満足度と装着時間とは正の相関をしており,満足度が高い人ほど装着時間も長かった.理学療法士の評価は満足感と関連していなく,姿勢保持のしやすさ,Cobb角と関連していた.【考察】今回GMFCSレベル4~5のADLで全介助を要し,側弯の進行の危険性が高い方を対象としており,親の関心や理学療法士の治療選択も側弯予防は重要な目標の1つである.重身者の親の満足度は主に子どもの装着に関係する項目と最も関連していた.理学療法士の効果検討としてはCobb角,姿勢保持と関連していた.動的脊柱装具装着の前後で側弯に改善がみられることは,梶浦らの報告とも同様で,この体幹装具が側弯に対して長期的な効果の可能性も示唆された.その装具に関する理学療法士の効果判定はCobb角と関連が強く姿勢の変化を捉えている傾向にあった.親の満足度は最も快適に使用できる項目であり,満足しているほど装着時間が延長することが考えられる.今回のアンケートより,装具に対する親への感想を聴取することで生活状況の確認となり,満足度を高めるように作成することが可能となると示唆された.【理学療法学研究としての意義】重身者にとって側弯は内臓・呼吸器疾患と直接的に結びつきやすく側弯の進行予防は生命予後に関しても重要である.側弯進行予防の理学療法を効果的にするためにも,使いやすい側弯装具は重要な日常生活器機である.新たに開発された動的脊柱装具の満足度と効果についてアンケート調査を行った.親が実際の装具使用を肯定的に感じているほど,装着時間も長く,親の満足度に関連する因子として,装着しての見た目や,子の過ごしやすさも重要な因子であることが今回示唆された.