著者
鄭 一葦
出版者
日本読書学会
雑誌
読書科学 (ISSN:0387284X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.38-50, 2019-05-14 (Released:2019-07-01)
参考文献数
25

The Western rhetorical style was introduced to Japan and China almost a century ago, a time when the two countries shared similar theories on text genre classification. Since then, the Japanese view of genre classification and the Chinese counterpart developed independently. This study aims to compare the present states and understand how genre classification has evolved in the two countries, as well as investigate the impact on composition pedagogy in each country. Based on a survey of dictionaries,curricula and textbooks from both countries, the study finds that in Japan, genre is classified largely by the specific intent and application of the text. Composition pedagogy in Japan emphasizes on the social function of an essay and promotes teaching composition writing via language activities. On the other hand, genre classification in China is determined mainly by the text’s writing style and content. Composition writing is taught with an emphasis on the expression of self and writing pedagogy focuses on narrative techniques.

1 0 0 0 体育の科学

著者
日本体育学会 編
出版者
杏林書院
巻号頁・発行日
vol.1(4), no.4, 1951-03
著者
古川 昭雄
出版者
Japanese Society of Agricultural, Biological and Environmental Engineers and Scientists
雑誌
生物環境調節 (ISSN:05824087)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.77-85, 1975-06-30 (Released:2010-06-22)
参考文献数
14
被引用文献数
1 3

明・暗両条件下におけるポプラ葉のCO2交換速度に対する通気速度の効果を種々の光・温度・CO2条件下において調べた.純光合成速度に対する通気速度の効果は, 温度によってはほとんど影響されなかった.照射光強度が高い時は通気速度を高めると純光合成速度は著しく促進されたが, 光強度が低い時は通気速度の促進効果は低かった.明呼吸 (明条件下の呼吸) 速度は高い通気速度の時に高い呼吸速度を示したが, 暗呼吸速度はほとんど通気速度によって影響されなかった.明条件下においては光呼吸によって葉外に放出されたCO2が光合成の再固定作用のために再吸収されるが, 暗条件下においては光合成の再固定作用がない.すなわち, 通気速度を高めると再固定作用が阻害され, 見かけ上, 明呼吸速度が高められるからであろう.また, CO2補償点も通気速度によって影響されなかった.この原因は, CO2補償点下での光合成に対するCO2供給は細胞内で光呼吸によって放出されたCO2によっているためであろう.通気速度によって光合成速度が高められる一因は, 葉へのCO2供給を良好にするためと考えられる.CO2供給速度は, 今回の実験においては, CO2濃度と通気速度の1/3乗の積によって定められた.
著者
綿貫 茂喜 太田 博樹 星 良和 近藤 隆一郎 キム ヨンキュ 西村 貴孝
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

人類の寒冷適応や病気との関係が示唆されているミトコンドリアDNA多型(ハプログループ)を遺伝的背景の一つとし、ヒトの生理的多型を構成する遺伝要因を明らかにすることを目的とした。研究は主に寒冷曝露時及び低圧低酸素時のヒトの生理反応を検討した。10℃及び16℃の寒冷曝露実験では、ハプログループDが耐寒性に優れた。また4000m相当の低圧低酸素環境に曝露した時、Dグループは他のグループより血中酸素飽和度が高かった。以上よりミトコンドリアDNA多型はヒトの生理反応に影響し、生理的多型の一部を説明する可能性を示した。
著者
池松 秀之 鍋島 篤子 山路 浩三郎 角田 恭治 李 文 林 純 後藤 修郎 岡 徹也 白井 洸 山家 滋 柏木 征三郎
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.72, no.9, pp.905-911, 1998-09-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

高齢者における不活化インフルエンザワクチンの連続接種の際の, ワクチン接種回数とワクチン効果との関連について, 血清HI抗体価より検討した.60歳以上の長期入院患者146名 (男性28名, 女性118名, 平均年齢82.4歳) に不活化インフルエンザワクチンを接種した.69名は前年度インフルエンザワクチンの接種を受けており, 77名は前年度未接種者であった.2年連続ワクチン接種者中, 35名が今回1回のみ, 34名が今回2回, ワクチン接種を受けた.接種前, 1回接種後, 2回接種後, 流行後のInfluenza A/H1N1, A/H3N2, 及びBに対する血清HI抗体価を測定した.各インフルエンザウイルスに対するワクチン接種前のHI抗体価は, 2年連続接種者が前年度未接種者より有意に高かった.ワクチン接種後のHI抗体価は, 2年連続接種者で今回2回接種を受けた群が最も高かったが, 3群間に統計学的な有意差は検出されなかった.ワクチン接種後に, HI抗体価の4倍以上の上昇が見られる率は, 2年連続接種者で低かったが, これはワクチン接種前のHI抗体価が高いためと考えられた.ワクチン接種後のHI抗体価128倍以上の割合は, 2年連続接種者で今回2回接種を受けた群が他の群より高かったが, 3群間に統計学的な有意差は認められなかった.2年連続接種者では, 2回目接種により, HI抗体価が128倍未満から128倍以上に上昇した者は認められなかった.以上の成績より, 高齢者では, 不活化インフルエンザワクチンに対する抗体反応は, 前年度接種の有無に係らず良好で, 連続接種の際には, 接種回数1回でも2回接種と同等の予防効果が期待できると考えられた.
著者
横田 理博
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.789-811, 2009-12-30 (Released:2017-07-14)

西田幾多郎の『善の研究』がウィリアム・ジェイムズからの大きな影響のもとに成立したことは周知である。これまでの研究では、両者の「純粋経験」概念の共通性と異質性とが問題とされてきた。しかし、本稿は、従来の研究が「純粋経験」に関心を向けてきたがゆえに、西田とジェイムズとの本当の関係が見失われてきたのではないかという疑念のもとに、次の二点に光をあてる。第一に、両者は「神人合一」の「宗教的経験」という状態を宗教論の中心に置いた。とはいえ、ジェイムズの考察が経験科学的な宗教心理学の立場であるのに対して、西田は独自の宗教哲学を語ろうとした。第二に、科学の抽象性よりも現実そのままの豊かな光景を本質的なものとするフェヒナーの思想に両者は共感している。しかし、ジェイムズが「多元論」的立場をとるのに対して、西田は「一元論」的な立場をとる。
著者
首藤 康文 福山 朋季 藤江 秀彰 小嶋 五百合 富田 真理子 小坂 忠司 原田 孝則
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.36, pp.4151, 2009

パラチオン(P)とメタミドホス(M)、2種の有機リン剤を2週間にわたり雌性ラットに反復経口投与し、一般毒性、神経毒性および免疫毒性関連項目を指標に複合曝露影響を検索した。<BR>供試動物:8 週齢のWistar Hannover系雌ラット 8匹/群<BR>実験群:溶媒対照群(コーンオイルと1% Tween80の1:1混合乳化液)、パラチオン単剤投与群(P0.6 mg/kg)、メタミドホス単剤投与群(M0.8 mg/kg)、複合投与群(P0.6 mg/kg+M0.2 mg/kg、P0.6 mg/kg+M0.4 mg/kg、P0.6 mg/kg+M0.8 mg/kg)の計6群<BR>投与方法:胃ゾンデを用いた14日間反復強制経口投与<BR>検査項目:一般毒性(体重、一般状態、血液・生化学的検査)、神経毒性(神経症状、瞳孔径、自発運動量、高架式十字迷路検査、脳重量、血漿および脳コリンエステラーゼ(ChE)活性測定)および免疫毒性関連項目(胸腺の細胞数測定およびフローサイトメータを用いたリンパ球サブセット解析)<BR>結果・考察:一般毒性指標および免疫毒性指標に変化は認められなかった。神経毒性学的検査では、複合曝露によってChE活性阻害作用の増強、有機リン剤曝露における鋭敏な臨床指標である縮瞳の重篤化などの神経作用が強く認められた。また、末梢神経性の症状は速やかに、中枢性の症状はやや遅れて発現する傾向が認められた。さらに、自発運動量の測定結果から、ChE活性阻害による運動量低下と認知機能低下による運動量増加の、相反する作用が混在している可能性が考えられた。認知機能低下については、症状観察において警戒性低下が認められたことおよび高架式十字迷路検査において開架/閉架間の移動回数が減少していたことから、複合曝露による注意力あるいは作業空間記憶への影響が疑われた。(平成20年度 厚生労働省科学研究事業)
著者
森岡 正博
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.21-29, 2001
被引用文献数
1

代理母や精子バンクのような最新の生殖技術は, われわれの生命観や人間観家族観に大きなインパクトを与えるであろう。子どもをもちたいというわれわれの欲望は, 具体的な下位欲望へと分節化されてきた。そして, 近代家族規範はそれらの分節化された欲望によって揺るがされる。それら分節化した欲望とは, たとえば, (1) どんな方法でもいいから子どもがほしい, (2) 血のつながった子どもをもちたい, (3) 自分の身体で妊娠出産をしたい, (4) こんな子どもならほしいが, こんな子どもならほしくない, (5) だれかと同一の遺伝子をもった子どもがほしい, などである。これらのうちいくつかは近代家族にとって既知のものであるが, 他のいくつかはまったく新しいものである。借り卵, 借り子宮, クローンなどは近代家族規範を新しいものへと変容させるかもしれない。
著者
岡野 雅子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.67, 2015

<b><b>目的 </b></b> 近年、ニ-ト・フリ-タ-が増えているが、職業観の形成過程の検討は年齢をさかのぼる必要があると指摘されている。職業認知は小学生期にできるとされるが、本研究はその前段階の幼児のしごと観を探り、将来のしごとについて家族と話しているかについて明らかにした。<br><b>方法</b> 北関東T市の幼稚園・保育所の5歳児の保護者を対象に質問紙調査を行い、回答のあった保護者の子どもと面接調査を行った。親子の回答が揃った64組(男児31、女児33)を資料とした。調査時期は平成26年7月(質問紙調査)、11月(面接調査)。<br><b><b>結果と考察 (1)</b></b>子ども回答は、男児はスポ-ツ選手45.8%、警察官16.7%が多く、女児はケ-キ屋(パン屋アイス屋)41.9%、幼稚園保育所の先生19.4%が多い。男女ともキャラクタ-やアイドルもあり、未定・無回答は14.1%である。子は回答1つが85.6%、未定・無答14.1%で、親は回答1つが68.8%、複数回答25%、未定6.3%である。親子で回答の一致は64組中34組(53.1%)で、女児の親子の方が、親が若年層の方が、一致率は高い傾向にある(p<.1)<b>。<b>(2)</b></b>親子で話し合うかは「よく話す」子回答8.1%、親回答45.3%、「話したことはない」子回答21%、親回答3.1%で、親子間に認識の隔たりが認められ、複数回答の親は親子の回答一致率は高く(p<0.01)、親が若年層の方が子回答で「話し合う」率が高い(p<0.05<b>)。<b>(3)</b></b>子どもは本来未来指向性をもち大人になることは期待をもって想い描く事柄と言えるが、今日の家庭生活では「よく話す」と答える子どもは1割弱で、親回答も半数に満たない。現代の生活状況は子どもの将来像を想い描くことが難しい背景があると考えられるのではなかろうか。
著者
Philip G. ZIMBARDO
出版者
The Japanese Society of Social Psychology
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.125-133, 1995-12-15 (Released:2016-12-04)

A situationist perspective on the causes of anti-social behavior by individuals and violence sanctioned by nations is illustrated through experimental research and social-historical analyses in which "ordinary," good men and women are induced into behaving in evil ways. This social psychological view is contrasted with the more traditional dispositional focus on the internal, or personality-based, causes of anti-social behavior. The research foundation of this article demonstrates the Lewinian principle that it is possible to investigate social phenomena vital in the "real world" using experimental procedures. The presentation features my laboratory and field studies on deindividuation, aggression, vandalism, and the Stanford Prison Experiment, along with a process analysis of Milgram's obedience studies, and Bandura's analysis of Moral Disengagement. This body of research demonstrates the under-recognized power of social situations to alter the mental representations and behavior of individuals, groups and nations. The immediate context for this talk will be the current epidemic of violence in the U.S. My paper is an elaboration of the slide-based lecturegiven to the Society of Japanese Social Psychology in Osaka, 1994.
著者
内田 みどり
出版者
和歌山大学教育学部
雑誌
和歌山大学教育学部紀要 人文科学 (ISSN:1342582X)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.9-14, 2007-02

Despues de democratizacion, el gobierno de Uruguay ha aprobado la Ley de Caducidad para imputar los autores del delitos de violaciones de derechos humanos que habia occurido durante dictatura militar. Ademas, el referendum para delogar esta ley que realizo en 1989 fue derrotado por una pequena diferencia. El presidente Vazquez, primera presidente de coalicion izquierda EP-FA, desea que ponga el fin del problema de detenidos-desaparecidos. Por eso, el Poder Ejectivo excluyo de la impunidad los delitos extraterritoriales o cometidos por motivo economico. Tambien los delitos cumplimiendo por el mando. En Noviembre de 2005, Vazquez proponia la ley de interpretativo de la Ley de Caducidad, pero el Partido Cololado y Partido Nacional se lo han oponido. El PIT-CNT, las organizaciones de derechos humanos y el senador Michellini prefieren anular la ley de Caducidad. En marzo de 2006, el gobierno postegra la consideracion de la ley interpretativa dela caducidad. En abril los militares uruguayos vinculado el asesinato de Berrios (ex-miembro de DINA, Chile) fueron extraditados a Chile. En septiembre el juez resolvio el procesamiento con Prision a seis militares y dos policias. Esta es la primera sentencia judicial en Uruguay para militares y policias.
著者
姜 京範 不破 茂 江幡 恵吾 バスケス A. ミゲル 金 碩鍾
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.185-192, 2015

沿岸域で使用されているかごは,角柱型や円柱型の形状が多く,かごの表面は網地や金網で覆われ,魚類や甲殻類などを漁獲対象として使用されている。かごの設置海域は底質が砂や泥で平坦な形状で,水深が3~1,000mである。かごが設置される海底付近の流れは表層の流れと比べて遅いと考えられる。一方,河川で使用されているかごは,形状が円柱型で,かごの表面には丸竹や割竹などが取り付けられ,オイカワやフナ,コイを対象として使用されている。これは設置される流速環境を反映しているものと考えられる。鹿児島県内の河川の月別平均流速は0.1~0.5m/sであり,河川で使用されているかごは,沿岸域で使用されているかごと比べて流速が速い場所に設置されている。河川や沿岸域で使用されているかごは対象種により様々な形状があるが,その中でも角柱型と円柱型が代表的な形状で,かごの表面を覆う素材は丸竹と網地に大別できる。流れに対するかごの全投影面積に占める表面の空隙面積の比率(β:空隙率,詳細は後述)は,河川で使用されるかごでは36~62%で小さく,沿岸域で用いられるかごでは80~96%で大きい。これらのかごを流水中に設置した時,かごの後流域ではかごに沿った流れとかごの内部を通過した流れが生じる。そこで,かごの後流域の流速分布に与える要因としてかごの形状と空隙率が考えられる。これらの要因によって形成された流速分布はかごの漁獲過程に影響するため,かごの後流域の流速分布がどのように形成されるのかを知ることは重要である。かご周辺の流れの変化と漁獲との関係については,山口らが島原湾内の流動環境とコウイカの漁獲量から,流れが遅い小潮時の方が大潮時と比べて漁獲量が多くなり,かご周辺の流れがかごの漁獲に密接な関係があると示唆している。また,Budiman et al. はかごの空隙率が大きくなるとかごの後流域の流速分布に及ぼす影響が小さくなることを報告している。一方,Fuwa et al. は鹿児島県の河川で使用されているハート型の竹かごの後流域における流速分布を調べ,後流域におけるかごの両側前方部では大きく減速し,かごの入口前方部ではやや減速した領域が下流側に舌状に伸びることを明らかにした。本研究では,かごの形状と空隙率がかごの後流域の流速分布に与える影響を明らかにするために,流れに対する投影面積が等しい角柱型と円柱型の2種類の形状のかごを用いて,かごの表面を丸棒または網地で覆って空隙率を変化させて,回流水槽実験によってかごの後流域の流速分布を測定した。