著者
古崎 晃司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.303-308, 2020-06-01 (Released:2020-06-01)

ウェブでの情報資源を相互にリンクして公開したLOD(Linked Open Data)は,知識の相互関係をグラフ構造で表したナレッジグラフ(知識グラフ)としても位置づけられる。本稿ではLODをナレッジグラフとして活用するための技術について解説する。具体的には,オープンな知識ベースとして公開されているWikidataを例として,URIによるデータへのアクセス,SPARQLクエリを用いた検索,利用できるツール類といった技術を中心に紹介する。さらに,同様の技術が利用できるLODを国内での公開事例を中心に示し,LODをナレッジグラフとして活用するための基本情報を提供する。
著者
炭山 宜也
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.283, 2020-06-01 (Released:2020-06-01)

2020年6月号の特集は「ウェブを基盤とした社会」です。ティム・バーナーズ=リーが1989年に生み出したWWWの仕組みは,ウェブ上の情報資源の拡大に伴い人々の行動に影響を与え続けています。例えば,ウェブの情報検索による調べ物や,SNSによるコミュニケーション,ウェブサービスを利用した商品購入など,日々の生活にウェブは欠かせない存在になっています。本特集では,ウェブの成り立ちや仕組み,社会や私たちの生活に与える影響について5人の方々から解説をいただきました。総論では東京大学の大向一輝氏に,ウェブが人々のコミュニケーションや社会のあり方に与えた影響について2010年代を中心に概説いただき,今後の課題についてについて「法」「規範」「市場」「アーキテクチャ」の観点から議論していただきました。NTTセキュアプラットフォーム研究所の奥田哲矢氏には,ウェブサービスを支える通信技術について,セキュリティの観点からSSL/TLSとPKIに関する歴史と仕組み,そして今起こりつつある変化について解説をいただきました。国立情報学研究所の武田英明氏には,ウェブと社会との関りについてウェブの本質である「繋ぐ」ための仕組みや技術から解説をいただきました。大阪電気通信大学の古崎晃司氏には,多種多様な知識データを統合的な一つの知識ベースとして扱うナレッジグラフの技術について解説をいただきました。名古屋大学の笹原和俊氏には,ウェブの負の側面について,フェイクニュース拡散の仕組みを中心に解説をいただきました。登場から30年余りたったウェブの広がりが,今後の私たちの情報行動や生活そのものにどのような変化をもたらしていくかを見つめなおす特集となれば幸いです。(会誌編集担当委員:炭山宜也(主査),南山泰之,今満亨崇,野村紀匡)
著者
岩崎 弥生 荻野 雅 野崎 章子 松岡 純子 水信 早紀子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

リカバリーは、病気から生じた障害をもっていたとしても、満足でき希望に満ち社会貢献できる生活を送る方法として認識されている。リカバリー志向のアプローチは、当事者と医療従事者のパートナーシップを基軸に、精神障害をもつ当事者の癒しと安寧をもたらす代替的なサービスとして注目されている。本研究は、精神障害をもつ人のリカバリーの概念を、精神障害をもつ当事者の視点から明らかにして、リカバリーを促す看護援助プログラムの開発・評価することを目標とした。平成16年度は、地域で暮らす精神障害者を対象に、当事者の視点からリカバリーの概念を明らかにすることを目標として、質的調査を実施した。地域で生活する精神障害者47名(男性35名、女性12名)から、面接インタビューを用いた研究への参加同意を書面で得た。質的分析の結果、当事者が考えるリカバリーとして、「傷を抱えながら新しい自分に成長する」および「社会通念にとらわれない自分らしい生き方をする」という二つのカテゴリーが析出された。また、リカバリーに関連する要因として、(1)「無理」に挑戦する、(2)自分でも病気を知り管理する、(3)地域の資源を組み合わせて普通の生活に近づける、(4)病気や障害をもって生きるには保障と周囲からの信頼が要る、(5)人並みに生きたいと思うと苦しい、といった五つのカテゴリーが析出されたが、これら五つのカテゴリーのうち、最初の二つのカテゴリーは障害をもつ個人としての側面におけるリカバリーを示し、最後の三つは社会的に周縁化された人々の自信と能力を削ぐ社会的システムの特徴を示唆した。結果から、精神疾患・精神障害に対する社会的な価値の転換の必要が示唆された。平成17年度は、前年度の研究成果を踏まえて精神障害者のリカバリーを促す看護援助を開発し、その有用性を検討した。リカバリーを促す看護援助プログラムは、「回復の希望」、「自分の擁護」、「わがままの発揮」、「新しい自分の構築」を促すことを目的とした四つのセッションから成り、小グループで話し合う形態で進めた。地域で暮らす精神障害者8名(男性6名、女性2名)から、書面で研究への参加同意を得た。プログラムでの話し合いの内容は録音し、観察の内容はフィールドノートに記録した。小グループでのディスカッションは、対象者が相互に新しい対処方法について学び、お互いの強みを発見し、病気の経験を人生の中に再統合することを促した。援助過程の中で浮上してきた対象者のリカバリー(回復)の中心的なテーマは、病気や障害の管理についてではなく自分の生き方に関してであり、リカバリーが全人的な過程であり、精神医療システムの範囲では捉えきれないことを示唆した。リカバリーを促すには、本人の脆弱性や障害されている部分に働きかけるのではなく、人生という観点からリカバリーを捉える全人的なアプローチの必要が示唆された。
著者
Takahiro Nii Haruna Kakuya Naoki Isobe Yukinori Yoshimura
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
The Journal of Poultry Science (ISSN:13467395)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.148-159, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
44
被引用文献数
9

Salmonella Typhimurium (ST) infection in chickens inhibits their growth and can lead to food-borne diseases in humans. Probiotics are expected to enhance the function of host intestinal barrier against pathogen infection. The aim of our study was to determine the effect of viable Lactobacillus reuteri (LR) on the response of the mucosal barrier function to antigen stimulation in broiler chicks. Day-old male (n=8) and female (n=4) broiler chicks were orally administered either 1 × 108 LR or a water-only control, every day for 7 days. After 7 days, either 1 × 108 heat-killed ST (k-ST), or a buffer-only control, was administered via intra-cardiac injection. The ileum and cecum were collected 3 h post-injection, and paraffin sections were prepared for either mRNA extraction (males), or gut permeability tests (females). Villus and crypt lengths were determined via histological analysis. Real-time PCR was used to calculate expression levels of Toll-like receptors (TLRs), pro-inflammatory cytokines, anti-inflammatory cytokines, avian β-defensins, and tight-junction-associated molecules. Gut permeability was assessed using the inverted intestine method. We found that (1) expression of TLR2-1, TLR21, TGF-β2 and TGF-β3 were reduced following k-ST stimulation, but were unaffected by LR-treatment; (2) oral administration of LR led to increased Claudin1, Claudin5, ZO2, and JAM2 expression following k-ST stimulation; (3) cecal permeability was reduced by co-treatment with LR and k-ST, but not by treatment with LR or k-ST alone. These results suggest that LR, as used in this study, may enhance the intestinal mucosal physical barrier function, but not the expression of other immune-related factors in newly hatched chicks.
著者
永田 栄一郎
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.15-22, 2020-05-25 (Released:2020-05-25)
参考文献数
21

We always diagnose migraine using the International Classification of Headache Disorders criteria (version 3). However, since this criteria depends on clinical symptoms and the pathophysiology of migraine is not fully understood, diagnosis sometimes differs between doctors. Hence, we investigate for an appropriate diagnostic biomarker of migraine using the omics approach—a comprehensive analysis of transcriptome, proteome, and genome. Dysfunctions of α-fodrin, apolipoprotein E, and GC-binding protein were found to be candidate biomarkers through proteome, transcriptome, and genome analyses, respectively. Although currently we cannot narrow down to one candidate biomarker, this can be subsequently achieved by evaluating a larger number of patients.

1 0 0 0 OA 本多庸一伝

著者
岡田哲蔵 著
出版者
日独書院
巻号頁・発行日
1935

1 0 0 0 埼玉小唄

著者
高橋 太郎[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1934-05
著者
伊福部 達 井野 秀一 泉 隆 川嶋 稔夫 高橋 誠
出版者
北海道大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1992

電子義手や機能的電気刺激およびテレイグジスタンス型ロボットや人工現実感などの分野では触感覚をどのように人間の皮膚にフィードバックさせたり呈示させるかが大きな課題となっている。本研究では、これらの課題に応えるために、材質感のような触覚の質に関する感覚がどのような物理的要因で規定されるかを心理物理実験を通じて調べ、触感覚をできるだけ忠実に呈示するシステムを提案した。また、水素吸蔵合金を利用したアクチュエータを利用し、触感覚ばかりでなく上腕に力感覚を呈示する装置の開発を行った。これらの呈示システムを感覚フィードバック型ハンドに組み込んで評価を行い、その有効性を確かめた。以下に、得られた結果を要約する。(1)表面粗さ、粘度および熱容量の異なる物体を指先で触れたとき、粒子径が30μmを境に「さらさら」感から「ざらざら」感に移行すること、粘度17dPa・sで「ぬるぬる」感が最大になること、皮膚温度の時間パターンが材質の識別の手がかりとなることが分かり、ペルチエ素子により皮膚温を可変にすることで、ある程度の材質感を呈示することができることを実証した。(2)物体を把持したときの「ずれ弁別閾」は20μm-30μmとなり、ずれ弁別閾には方向依存性があること、皮膚温が32℃のときに弁別閾が最も低くなることが分かった。水素吸蔵合金を利用したアクチュエータを設計し、アクチュエータを上腕に装着して力情報を呈示した結果、仮想物体の重量感を知覚させることができることが分かった。以上から、触感覚に関する多くの形容詞が表面粗さ、粘性及び温度の3つのパラメータで表現できる可能性が示された。今後は、本課題で得られた知見や技術を基に、感覚フィードバック型ハンドのための触感覚呈示システムを構築していきたい。
著者
友永 聖樹 太田 俊介 神代 充 笹木 亮 池本 有助
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2014 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._2A1-G05_1-_2A1-G05_2, 2014-05-24 (Released:2017-06-19)

Robots are expected to play an important role in social welfare and service for older citizens. These robots are required to generate embodied interactions for greetings in order to be able to smoothly coexist and cooperate with humans. A hug motion is one of the important embodied interactions. Therefore, in this study, we develop a hug motion generation model based on analyses of human hug motions. In this model, a hug motion of a robot is generated by using a bell-shaped and a wave-shaped velocity pattern in which accelerations and velocities have smooth changes. As a result, this model can generate a hug motion similar to motions of humans.
著者
太田 修平 土屋 綱紀 木島 丈博 渡邉 英一郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1003, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】成長期の野球肘の中で,上腕骨小頭障害(離断性骨軟骨炎;OCD)は永続的な障害となりうるため,早期発見の重要性が高く,近年,野球肘検診は全国で広まりつつある。当院にて行った野球肘検診に関し,その活動の報告とともに,上腕骨小頭障害と遠投距離との関連に関して検証を行ったので,ここに報告する。【方法】平成22年から25年に行われた野球肘検診に参加した小学1年生から6年生(平均年齢11歳3ヶ月±5歳)の少年野球団,及びリトルリーグに所属する男子544名,女子17名,計561名を対象とした。これらに対しアンケートによる問診,超音波検査,レントゲン撮影,理学検査を行い,その結果から上腕骨小頭障害群(以下O群)と,健常群(以下N群)528名に分類し,比較検討を行った。上腕骨小頭障害の判定は,両側の肘関節に対し超音波エコー(日立アロカメディカル社製ProSoundα7)と,3方向のレントゲン撮影を施行し,医師の診断により行った。遠投距離については,事前に各チームに依頼し,C級軟式ボールを使用し,助走制限のない条件下で距離の計測を行い,回答があったものを集計した。【倫理的配慮,説明と同意】ヘルシンキ宣言に沿って,事前に配布した検診内容の案内書に研究目的を明記し,各家庭に配布した上で同意に基づいて参加申し込みをいただき,倫理的配慮を行った。また当院倫理委員会の承認を得た。【結果】O群33名,N群528名であり,O群は全体の5.88%であった。遠投距離は,O群は20名,回答率60.6%,N群は309名,回答率58.5%の回答を得た。結果は,全体ではO群45.71±8.67m,N群43.35±10.25mであった。小学6年生ではO群56.52±9.80m,N群50.74±9.04m。小学5年生ではO群45.84±3.54m,N群44.13±7.41m。小学4年生ではO群41.62±6.80m,N群36.85±6.93m。小学3年生ではO群33.70±3.82m,N群30.61±6.79mであった。【考察】遠投距離は各学年ともO群で高く,O群の方が高い投球能力を示した。またアンケート結果から,野球経験年数もO群3年1ヶ月,N群2年11ヶ月と,O群でやや長い傾向にあった。さらに,投手経験においてもO群100%,N群では73.14%であった。今回の検討から,上腕骨小頭障害群は,早い段階から野球を始め,高い投球能力を有するものに生じる傾向があった。つまり,低学年から野球を開始し,繰り返しの動作により動作を習得してきたことや,投手や捕手といった投球する機会の多いポジションにつくことは,肩,肘関節に負荷がかかりやすいことが考えられた。【理学療法学研究としての意義】今回,主に上腕骨小頭障害と遠投距離との関連に関して検討を行ったが,上腕骨小頭障害と関連の大きい理学所見なども明らかにできれば,さらなる障害予防につながると考えられ,今後の検討課題としたい。

1 0 0 0 神田日勝

著者
らんぷの会編
出版者
鹿追町美術研究会
巻号頁・発行日
1977

1 0 0 0 芸術新潮

出版者
新潮社
巻号頁・発行日
vol.26(12)[(312)], 1975-12

1 0 0 0 新日本文学

著者
新日本文学会 [編]
出版者
第三書館
巻号頁・発行日
vol.41(7/8), 1986-07