著者
中川 良尚
出版者
日本言語聴覚士協会
巻号頁・発行日
pp.19-28, 2020-03-15

失語症状の長期経過を明らかにする研究の一環として,右手利き左大脳半球一側損傷後に失語症を呈した270例の病巣別回復経過と,その中で言語機能に低下を示した37症例のSLTA総合評価法得点各因子の機能変遷の既報告を俯瞰した.次に,2年以上適切な言語訓練を行った失語症121例について,SLTA総合評価法得点に影響を及ぼす要因を調査した.その結果,1)失語症状の回復は損傷部位や発症年齢によって経過は大きく異なるが,少なくとも6か月以上の長期にわたって回復を認める症例が多いこと,2)言語訓練後に回復を示した機能は脆弱である可能性が高いこと,3)発症年齢,Wernicke領野を含む上側頭回の病変の有無,発症3か月時SLTA総合評価法得点などが予後に重要な因子であること,が示唆された. 以上のことから,失語症の訓練においては,1)長期にわたって変化しうる失語症状そのものに着目する必要があること,2)病院外来における訓練実施が望ましいこと,が考えられた.
著者
浅川 貴史 西原 主計 吉留 忠史
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.132-134, 2009-02-01 (Released:2011-11-02)
参考文献数
10

We propose a method of analyzing a finger pulse by standard deviation using moving average for measuring mental load. Frequency analysis, Lorentz plot and Lyapnov exponent have been carried out to present measurement. However, this technique is analyzable in a shorter time than the existing technique.
著者
川又 俊則 寺田 圭吾 Toshinori KAWAMATA Keigo TERADA 鈴鹿短期大学 鈴鹿短期大学 Suzuka Junior College Suzuka Junior College
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.123-147, 2008-01-01

In the Suzuka junior college, there are several male students who acquire Yogo teacher licenses every year after the co-education in 1992. But, it does not necessarily get used to a Yogo teacher. First of all, male Yogo teachers are only less than 1% in this country. In the health management center of our college, it became arrangement of every one man and woman from the current fiscal year. In this article working record and narrative of a male assistant are analyzed, and it is considered as the start which considers the problem of a Yogo teacher and gender. As for this case, Yogo teacher does not have a gender difference as well as other precedence researches, and the usefulness of arrangement was shown.
著者
山﨑 薫 石神 優紀子 綿貫(吉澤) 仁美 奈良 一寛 池田 加奈 飛川 由梨枝 田中 友里恵
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.141, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】自然界には多くの有用微生物が存在し,近年,自家製の天然酵母を使用したパン作りが注目されている。そこで,自然豊かな本学町田校舎敷地内に生息する野草から野生酵母を採取することを目的とし,パン製作への応用を検討した。【方法】試料に本学の敷地内から採取した12種類の野草を用い,各試料を1.0%糖液に浸け,30℃で24~48時間培養後,普通ブイヨン寒天培地等にて培養,目視にて形状別にコロニーを釣菌し,液体培地に培養,酵母様の細菌が単一になるまで寒天培地から釣菌,液体培地への培養を繰り返し行い,目的の酵母を単離した。単一になった菌は形状や構造などを肉眼・顕微鏡観察,カタラーゼ活性試験等を行った。加えて,糖の資化性試験を行った。市販ドライイーストを比較対照のためにポジティブコントロールとして使用した。単離野生酵母を食品(パン)に応用するために,市販温州ミカンを活用した自家製天然酵母パンの製作方法を参考に,市販温州ミカン発酵液+ノアザミ酵母(本学敷地内より分離)発酵液を調整し,実際にパン製作をして市販ドライイーストで製作したパンと比較した。【結果】一試料から平均3~5種の形状が異なるコロニーを確認し,野草から7種の酵母様の細菌を採取した。糖資化性テストの結果,いずれも病原細菌ではないことが明らかになった。単離ノアザミ酵母発酵液に市販温州ミカン発酵液も併用した自家製天然酵母パン製作を行ったところ,発酵時間は市販ドライイーストを用いた場合の約3倍近くかかったが,ドライイースト利用時に劣らない発酵力が認められた。今後は単離した野生酵母のみにて,パン製作に必要な発酵力を持たせる条件を探索していく予定である。
著者
出雲 明彦 酒井 賢一郎 田村 恭久
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.763-768, 2017-12-31 (Released:2017-12-31)
参考文献数
10

アシクロビルは,帯状疱疹などのウイルス感染症の効果的な治療薬であるが,稀な副作用として脳症を併発する。症例は,86歳男性。腎機能異常の指摘はなかった。受診6日前,左顔面に帯状疱疹を認め,前医よりアシクロビル錠(400mg 8T4X)を処方された。受診3日前より食指不振となり,輸液投与するも改善せず,さらに意識レベル低下を認め当院を紹介された。意識レベルJCS:Ⅱ-20。採血検査で急性腎機能障害(BUN/Cre=77/7.93mg/dl)を認めた。アシクロビルによる脳症を考え,他の内服薬とともに中止し,輸液管理とした。第4病日にはJCS Ⅰ-3へ意識レベルは改善した。アシクロビルは透析を含む慢性腎不全の患者に投与することで脳症を生じることがある。腎排泄型であるため,ことに高齢者では,腎機能異常の指摘がなくても,脱水や他の腎排泄型薬剤との併用が急性腎不全を引き起こし,アシクロビル脳症を引き起こす可能性がある。
著者
濱尾 章二
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-12, 2000-05-31 (Released:2008-11-10)
参考文献数
27
被引用文献数
7 7

一夫多妻を目指すオスにおいて,第2メスを誘引する行動が第1メスのメイトガードに影響するかどうかを,コヨシキリを材料にして1997年に埼玉県で調べた。メスの受精可能期にはその後の時期よりも,オスがメスの5m以内にいる時間が長く,またオスーメス間の距離も近かった。オスはメスの動きを追尾したが,メスはオスを追尾しなかった。オスによるなわばり侵入は,独身オスのなわばりよりも営巣メスがいるなわばりに対してよく起きていた。ある侵入オスは,つがいオスがいない時にそのなわばりの受精可能なメスに求愛した。これらのことはつがい外受精の起こる可能性を示唆している。オスの中には,つがいメスの産卵期にさえずりを再開して一夫多妻を目指すものがいたが,この場合さえずりを再開するとメイトガードをしなかった。さえずりを再開した3羽のオスのうち2羽は,初卵産下日にメイトガードをやめ,明らかに受精可能なメスが防衛されない状態に置かれた。これに対して,さえずりを再開せず一夫一妻のつがい関係を維持した3羽のオスは,受精可能期を通してメスをガードした。第2メスの誘引をはかることは,第1メスのメイトガードを制限する要因になっていると思われる。
著者
池田 真治
巻号頁・発行日
pp.1-56, 2012-12-05

2012年12月5日,富山大学中央図書館で開催された「レポート・論文の書き方―入門―」において発表された資料と当日配布資料。【内容】• なぜレポートを書かなくてはならないのか?• BAD SAMPLES:落ちたレポートたち• レポート・論文を書くために、何をすべきなのか?• レポート・論文の育て方• レポート・論文の構成• 論証の仕方• 読み手に「伝わる」文章を書く
著者
Van-Long Pham Keiji Wada
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
IEEJ Journal of Industry Applications (ISSN:21871094)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.227-234, 2020-05-01 (Released:2020-05-01)
参考文献数
19
被引用文献数
4

This paper proposes a normalization design for series inductances in a triple active bridge (TAB) converter. The voltage variations and inductances are normalized based on percentage, and the complicated relationships between the elements of the TAB converter are clarified. The limitation of inductances corresponding to the different voltage variations is specified. The inductances are designed by considering the operation range of the phase shift angles. Based on this, the proposed method allows the inductances in TAB converter to be designed for various applications. A prototype converter rated at 200V and 500W is implemented to verify the proposed method. The experimental results show that the converter can operate under the rated power, indicating that the proposed method can be applied for designing of a TAB converter.
著者
廣瀬 律子
出版者
政策研究大学院大学
巻号頁・発行日
2013

論文審査委員: 白石 隆(主査), 道下 徳成, 宮城 大蔵 (上智大学), 本名 純(立命館大学)
著者
大野 眞男
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.109-120, 2004-04-30 (Released:2017-08-31)

The central vowels in the Northern Ryukyu dialects are historically thought to have been formed by the following four processes: (I) centralization of the vowel [e], (II) centralization of the vowel [u] following the consonants [s・z・c], (III) the coalescence of diphthongs [ai・ae] and IV) the assimilation to the central vowel in an adjacent syllable. Among these, process II brought about the condition of the so-called "Hitotsugana-ben" throughout most of the Ryukyu dialects except the Northern Amami dialect. So the absense of process II can be considered one of the remarkable characteristics of the Northern Amami dialect. Again, the proto-condition for process I, prevalent in all dialects of the Amami regeon, and process II must have included such a contrast as ^*Ci/Ce/Cu (C=s,z,c). This contrast can be interpreted to have changed into the following situations present in current Northern Amami dialects: (1) Ci[i]/Ce[ï]/Cu [u] observed in Yoro, (2) Ci[i]/Ce = Cu[ï] observed in peripheral area of Ooshima, Ci=Ce[i]/Cu[u] observed in Kikai, Ci = Cu[ï]/Ce[i] observed in north part of Tokunoshima, and (3) Ci = Ce = Cu[ï〜i] observed in Naze and often refered to as "Hitotsugana-Ben". Historically (1) is considered to be the oldest situation. This was followed by (2), which was brought about by the merger of the various parts of (1). Lastly, stage (3) was brought about by the merger of the remaining independent part of (2).
著者
河原 大輔 黒橋 禎夫
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.67-81, 2007-07-10 (Released:2011-03-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

本稿では, 格フレームに基づき構文・格解析を統合的に行う確率モデルを提案する.格フレームは, ウェブテキスト約5億文から自動的に構築した大規模なものを用いる.確率モデルは, 述語項構造を基本単位とし, それを生成する確率であり, 格フレームによる語彙的な選好を利用するものである.ウェブのテキストを用いて実験を行い, 特に述語項構造に関連する係り受けの精度が向上することを確認した.また, 語彙的選好がどの程度用いられているかを調査したところ, 60.7%という高い割合で使われていることがわかり, カバレージの高さを確認することができた.
著者
松田 直之
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.71-75, 2020-04-10

麻酔,集中治療,救急医療のプロフェッショナルにおいて,患者の利益が高くなるように最善の医療を提供するための工夫は多様である。医の最善を工夫する際に,その立ち位置が変わると視野も変わる。正の方向,あるいは未来方向からとらえる視点と視野,一方で,負の方向,あるいは過去から現在をとらえる視点と視野がある。また,良いものを与えようとする工夫の一方で,悪いものを与えないように工夫しようとする姿勢もある。こうした姿勢が,私たちの潜在意識の中で癖となってしまっているとき,私たちは自由な拡大性や包容性をなくし,討議する機会を失い,恐れや憎しみが蔓延する。 自身が絶えず成長するためには,常に自身の癖を理性的に自省し,自身をその癖から開放しようとする心が大切である。プロフェッショナルとしては,未来方向から現在をみて,最高の利益を現在に与えられるようにプログラムする「成功予測のプロ」,過去方向から現在をみて,不利益を未然に防ぐようにプログラムする「失敗予測のプロ」,このどちらの考えも取り込めるとよいのかもしれない。そんな中,時にプロフェッショナルは,提供した最善の工夫により社会の中で弾圧されることがある。 今夜は,皆さんが仕事の過程で傷つけられたり,悩んだりしたときの自省について考える。私たちがプロフェッショナルとして必要と感じるものは,社会にも必要なことである。抵抗にあってもあきらめずに伝え続けることは,プロフェッショナルに必要なことである。発信する私たちは,一方で反応する私たちでもあり,生じた事象に対する洞察や思索を繰り返し,アサーティブ・コミュニケーションを通して自身や社会を成長させることが大切である。
著者
江口 潔
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.129-149, 2013-07-25 (Released:2014-07-28)
参考文献数
38

本研究では戦前期百貨店の女子店員を取り上げて,技能観の変容過程を検討する。女子店員の職域が拡大したのは,彼女たちの賃金が安いというばかりでなく,彼女たちの対人技能が評価されたからでもあった。彼女たちが売場の過半数を占めるようになると,彼女たちの振る舞いは標準化されていくこととなる。ここでは,三越の女子店員を取り上げて,以下の3点について検討した。 女子店員が採用されるようになった当初,百貨店では,彼女たちが永続的に勤めることを前提としていた。ところが,花嫁修業として働く女子店員が多かったこともあり,短い勤務年数が一般的となった。彼女たちの多くは昇進とは無関係に店員生活を過ごすこととなる。 1900年代初頭には,女子店員は簡単な職務に配属されていた。それというのも,男子店員ほどには専門的な知識を身につけることができないと考えられたからである。その後,百貨店化がすすめられる中で女子店員の丁寧な応対が評価されたことにより女子店員は様々な売場に用いられていくようになる。 1930年代には店舗の拡大を受けて,女子店員が売場の過半数を占めるようになる。この頃から三越では映画や写真を用いた店員訓練を導入して,標準化された対人技能を女子店員たちに学ばせるようになった。そこでは不特定多数の人に開かれた振る舞い方を身につけられると考えられていたのである。
著者
浦部 美佐子
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.109-116, 1993-04-30 (Released:2009-06-12)
参考文献数
16
被引用文献数
8 6

琵琶湖水系及びその周辺の2地点より得られたチリメンカワニナSemisulcospira reinianaを,遺伝的変異と成殻・胎殻形態の面から調べた。浜大津・宇治・美濃津屋の3ケ所では,遺伝的に区別される2型が生息していた。MPI-A型は,比較的小さく平滑または縦助のある胎貝を持っていた。MPI-B型は大きく縦肋のある胎貝を持っていた。しかし,同じ地点から得られたこれら2型は,成殻形態では区別できなかった。これらの結果から,過去の分類学的研究においては2型が混同されてきたことを指摘し,さらに成殻の収斂現象について示唆した。

1 0 0 0 OA 続群書類従

著者
塙保己一 編
出版者
続群書類従完成会
巻号頁・発行日
vol.第27輯ノ上 釈家部, 1926

1 0 0 0 OA 続群書類従

著者
塙保己一 編
出版者
続群書類従完成会
巻号頁・発行日
vol.第26輯ノ上 釈家部, 1926
出版者
[貴族院]
巻号頁・発行日
vol.第六十六囘, 1944