著者
厚見 育代 倉田 昌明 榊 秀之
出版者
比較眼科学会
雑誌
比較眼科研究 (ISSN:02867486)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.35-41, 2013-12-27 (Released:2015-03-28)
参考文献数
10
被引用文献数
2

眼球に関する比較解剖学的研究は古くから広く実施されている。実験動物の眼球に関する知見は、眼科用医薬製品開発の非臨床試験評価において必要不可欠である。しかしながら、これらの知見は散在しており、点眼や硝子体内投与といった眼局所投与の研究において汎用される動物種(ウサギ、ビーグル犬、カニクイザル)に関しても、比較実験成績はないか、あるいは容易に入手できない状況にある。そこで我々は、ウサギ、イヌ及びサルを対象として、眼球、水晶体及び硝子体の解剖学的特徴を比較検討することを目的として本研究を行った。今回の検討において、眼球の大きさ(眼軸長、重量及び容積)、水晶体の大きさ(厚み、重量及び容積)及び硝子体の大きさ(重量及び容積)を各動物種について計測した。3種間の比較結果では、眼球の大きさはイヌが最も大きく、サル、ウサギの順であった。眼球の大きさと体重の間に正の相関があった。水晶体の大きさについては、イヌが最も大きく、ウサギ、サルの順であり、眼球の大きさや体重とは相関しない結果であった。硝子体の大きさは眼球の大きさと同じ順であったが、その眼球に対する割合はサルが最も大きかった。以上、眼局所投与の研究に汎用されるウサギ、イヌ及びサルの眼球、水晶体及び硝子体の大きさを詳細に比較検討した。今回得られた知見は、非臨床試験の評価やヒトへの外挿性において重要かつ有益な情報に成り得るものと考えられる。

1 0 0 0 OA 実験動物入門

著者
向井 公一郎
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.73-76, 2018 (Released:2018-07-05)
参考文献数
5
著者
竹田 誠 永田 典代 福原 秀雄
出版者
国立感染症研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

肺炎や下気道炎を起こすウイルスは多様である。しかしながら、これら呼吸器ウイルスは、ウイルス種としては多様であるものの、それら呼吸器ウイルスの膜融合蛋白が宿主気道上皮のプロテアーゼで活性化するという共通の性質を持つと考えられる。申請者らは「プロテアーゼ依存性トロピズム」理論に立脚した考えのもとに、ウイルス活性化に関する研究を推進してきた。その結果、ノックアウトマウス技術を用いることで、呼吸器上皮細胞に発現しているセリンプロテアーゼTMPRSS2が、インフルエンザウイルスの生体内活性化酵素であることを証明した。本研究では、TMPRSS2の生理機能や細胞内動態の解析、TMPRSS2の阻害化合物の大規模スクリーニングを実施し、TMPRSS2阻害化合物の呼吸器ウイルス感染阻害効果を検証することを目的に実験を行なっている。また、MERSコロナウイルス受容体(CD26)導入遺伝子改変マウスならびにTMPRSS2 KOマウスを用いて、MERSコロナウイルスのin vivo増殖、病原性発現におけるTMPRSS2の役割を解明するとともに、TMPRSS2の阻害化合物による各種呼吸器ウイルスやMERSコロナウイルスの生体内での増殖抑制効果を明らかにすることを目的に実験を行った。本研究開始以前に、MERSコロナウイルス受容体(CD26)導入遺伝子改変マウス(CD26-tgマウス)を作出することによって、すでにMERSコロナウイルスのin vivo(マウス)モデルを確立していたので、本マウスとTMPRSS2 KOマウスを交配されることによって作出されるマウス(CD26-tg/TMPRSS2 KOマウス)を用いて、MERSコロナウイルスのin vivo増殖におけるTMPRSS2の役割を解析した。の結果、TMPRSS2がMERSコロナウイルスの気道での増殖ならびに気道で起こる免疫反応に重要な意義があることが確認された。

1 0 0 0 皮膚電極ERG

著者
後関 利明 吉川 眞男 谷川 篤宏 近藤 峰生
出版者
日本神経眼科学会
雑誌
神経眼科 (ISSN:02897024)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.76-80, 2014-03-25 (Released:2014-07-11)
参考文献数
5
著者
小川 宣子 山中 なつみ 長屋 郁子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成16年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.4, 2004 (Released:2004-09-09)

(目的)洗米・浸漬・加熱といった炊飯過程におけるマグネシウムイオンの存在が、飯の性状に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。(方法)米は平成14年度岐阜県産初霜(搗精度90%)を使用し、0.0006Nの塩化マグネシウム溶液(以下、Mg溶液)で炊飯した。米と同重量のMg溶液(25℃)で3回洗米し、米の重量の1.4倍量となるようにMg溶液を加えて25℃で1時間浸漬した後、間接式電気炊飯釜にて25分間加熱し10分間蒸らした飯(Mg飯)を試料とした。蒸留水を用い同様の条件で炊飯した飯(蒸留水飯)を対照とした。飯の性状について、加熱吸水率の測定、一粒法による硬さ,付着性,瞬間弾性率の物性測定、走査電子顕微鏡による表面構造の観察を行った。凍結切片をKMG-20-AM染色してマグネシウムの分布を調べ、さらに三点識別嗜好法による官能検査を行った。また、炊飯過程におけるマグネシウムイオンの存在が、飯の不溶性ペクチン量,水溶性ペクチン量に及ぼす影響を硫酸カルバゾール法により測定した。(結果)Mg飯の加熱吸水率は2.30倍で蒸留水飯の2.34倍に比べて有意(p<0.01)に低かった。Mg飯の硬さ1.48×105Pa、瞬間弾性率1.67×105Paは蒸留水飯に比べて有意(p<0.01)に高く、硬い飯であることが示され、官能検査の結果、Mg飯の硬さは好まれなかった。Mg飯の表面における網目構造の空洞が蒸留水飯に比べて小さかったことから、Mg飯が硬くなったのは吸水が不十分であったことが要因として推定できた。これはMg飯は蒸留水飯に比べて水溶性ペクチン量が少なかったことから、飯の表面部分に存在するマグネシウムによって、水溶性ペクチンが不溶性ペクチンとなり吸水を抑制した可能性が考えられた。
著者
菊地 光嗣
出版者
静岡大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

当科学研究費補助金を得ての研究の目的は幾何学的測度論を偏微分方程式およびそれに関連する問題に応用することである。幾何学的測度論の偏微分方程式への応用としてはカレント理論に関する研究が盛んであり、最近でもGiaquinta-Modica-SoucekやAviles-Gigaらによって変分問題を中心とする偏微分方程式の問題にカレントが応用されている。しかしながら私の研究は主として幾何学的測度論のもう一つの話題であるヴァリフォルド理論の偏微分方程式への応用を目的としている。ヴァリフォルドに関連した研究としては、K.Brakkeや、Fujiwara-Takakuwaの仕事がある。さらにここ数年平均曲率流の研究が主としてlevel set techniqueを用いて盛んに研究されており、最近これらの結果とBrakkeの仕事との関連が調べられ始めている。このようにヴァリフォルドは非線形偏微分方程式に応用されているが、その研究の数はそれほど多くはない。ヴァリフォルドの理論はそれほど難しくないそういう長所はもっと活かされるべきであり、そのためこの研究に着手した。この目的のために当科学研究費補助金を利用して北海道大学等を訪問して、この分野での日本の中心的人物である北海道大学教授儀我美一氏や北見工業大学講師小俣正朗氏らと連絡をとることにより、この研究に関して有益な情報を得ることができた。そして測度論の一部である確率論との関係から、階数が空間の各点によって異なるような擬微分作用素に関する研究を行い、階数が一定の場合に従来から知られている結果がかなりこのような作用素にも拡張できることがわかった。これに関連する結果は現在確率論の研究者と共同で論文「Pseudodifferential operators and Sobolev spaces of variable order of differentiation」としてまとめているところである。
著者
源 宣之 湯城 正恵 杉山 誠 金城 俊夫 高田 純一
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.497-501, 1988-07-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
21
被引用文献数
4 4

DNAおよびRNA型動物ウィルスに対するグルタールアルデヒド (GA) の不活化効果を塩素剤およびヨウ素剤での成績と比較検討した. GAのロタウイルスに対する不活化効果は感作温度の上昇によって強まったが, 22℃と37℃との間では大きな差を認めなかった. また, その効果は蛋白質の存在によって強い影響を受けなかった. GAは用いたすべてのウィルスに対して塩素剤やヨウ素剤と同等またはそれ以上の効果を示し, なかでもロタウイルスを他の2剤より速やかに不活化した. また, 希釈したGAの不活化能は室温解放放置しても75日間にわたり維持された.
出版者
Sony Records
巻号頁・発行日
1995
著者
村木 孝行
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.3-10, 2014

肩関節障害は運動器の障害であるが幅広い領域で対応が求められる。どの領域にも通じて必要になることは肩関節自体の病態やその機序を把握することである。特にバイオメカニクスは病態の機序を理解するのに不可欠であり,肩関節障害の理学療法における一つの基盤である。評価においては疼痛,可動域,筋力に関するものが主体となる。疼痛の原因の一つには物理的刺激があり,その種類として1)肩峰下インピンジメント,2)関節内インピンジメント,3)伸張の3つが挙げられる。疼痛の評価ではこれらの物理的刺激がどのようにして生じているのかを知ることが重要である。関節可動域や筋力の評価においては肩関節に関連する関節や筋の構造について熟知しておく必要があり,それによってなぜ制限や低下が起きているのかが明確になる。治療においては構造異常による不利益と治療効果の限界を踏まえながら,残存機能を最大限に発揮できるようにアプローチしていくことが要点となる。<br>
著者
田村 基
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.446, 2010-10-15 (Released:2010-12-01)
参考文献数
3

バイオジェニックスとは,光岡博士が提案した言葉で,腸内フローラを介することなく,直接,免疫賦活,コレステロール低下作用,血圧降下作用,整腸作用,抗腫瘍効果などの生体調節・生体防御・疾病予防・回復・老化制御に働く食品成分のことである.免疫強化物質,血圧降下・コレステロール低下物質を含む各種生理活性ペプチド,植物ポリフェノール,DHA(ドコサヘキサエン酸),EPA(エイコサペンタエン酸),ビタミンなどの食品成分がこれに該当する1) .機能性食品の範疇に属するプロバイオティクスは「腸内微生物のバランスを改善することで宿主に有益に働く生菌添加物」であるし,プレバイオティクスは,「腸内の有用菌の増殖を促進もしくは,活性を高めて宿主の健康に寄与する難消化性食品成分」であり両者とも腸内フローラに直接働きかけることが特徴である.これに対し,バイオジェニックスは,腸内フローラを介することなく,宿主のなんらかの健康に寄与する成分である.代表的なバイオジェニックスには,生理活性ペプチドが挙げられる.アミノ酸が2個以上結合してできたペプチドには特異的な生理作用を有するペプチドがあり,生理活性ペプチドと呼ぶ.これらの生理活性ペプチドは,本来,不活性なタンパク質由来のものが多く,タンパク質の消化過程や食品の加工・調理中で初めて活性のある構造を生じる場合が多い.生理活性ペプチドであるラクトトリペプチド(Val-Pro-Pro, Ile-Pro-Pro)はLactobacillus helveticusの発酵酸乳から見出された乳カゼイン由来のペプチドである.このラクトトリペプチドは,アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換するACE(アンジオテンシン変換酵素 : angiotensin-converting enzyme)を阻害することで血圧降下作用に寄与することが報告された2) . Val-Pro-ProとIle-Pro-Proの高血圧ラットへの単回投与は対照群に比べて血圧が有意に低値を示し,ラクトトリペプチドの血圧降下作用が認められた.さらに,高血圧患者30名を対象にして,ラクトトリペプチドを含む酸乳を投与するプラセボ対照試験を8週間行ったところ,ラクトトリペプチドを含む酸乳はラクトトリペプチドを含まないプラセボ乳に比べて収縮期血圧と拡張期血圧ともに,有意な血圧低下が認められた.このラクトトリペプチドを含む酸乳は血圧が高めの方に適した特定保健用食品として認可されている.Val-Tyrは,イワシから見出された生理活性ペプチドで,高血圧自然発症ラット(SHRラット)に対する降圧作用を有し,消化管プロテアーゼ耐性なACE阻害ペプチドである.軽症高血圧者を含む健常人を対象にVal-Tyrを含むドリンクを与えたヒト試験では,軽症高圧者に対して有意な血圧降下作用が認められたことを明らかにして,血圧が高めの方に適した食品として特定保健用食品として認可されている.大豆由来のペプチドについても生理活性ペプチドの存在が報告されている.大豆ホエイたん白質のプロテアーゼS分解物から単離・同定されたアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドVal-Lys-Pro, Val-Ala-Pro, Val-Thr-Proのラットにおける血圧降下作用を調べたところ,これら3種のトリペプチドは,高血圧自然発症ラットへの単回経口投与試験により血圧降下作用を有していた.血圧降下作用以外にも生理活性ペプチドの効果が報告されている.動物試験において,プロテアーゼ処理したグロブリンの消化物がオリーブ油投与後に血清中性脂肪低下作用を有することが報告されている.この作用には生理活性ペプチドVal-Val-Tyr-Proが関与していた.この中性脂肪低下作用のメカニズムには,脂質の消化管からの吸収抑制および肝臓のトリグリセリドリパーゼの活性化が考えられた.ポリフェノール等のバイオジェニックスには,抗酸化作用を有するものが多い.フラボノイドはポリフェノールに属し,フラボノイドにはカテキン,アントシアニン,フラボノールやイソフラボン等があるが,これらフラボノイドにはフラボノイド骨格のみからなるアグリコンとフラボノイド骨格に糖が結合したフラボノイド配糖体が存在する.フラボノイドのアグリコンは小腸から吸収されるが,フラボノイド配糖体のなかには,ルチン(ケルセチン-3-ルチノシド)のように空腸で吸収されず下位消化管に到達し,この部位で吸収・代謝を受けるものも存在するため,アグリコンとある種の配糖体とでは生体に及ぼす生理作用が少し異なる可能性が考えられる.フラボノイドの中には,弱いエストロゲン作用を有するイソフラボンや抗アレルギー作用を有するメチル化カテキンなども存在する.近年,茶葉中メチル化カテキンの抗アレルギー作用が報告されている3) .このようにバイオジェニックスには様々な生理作用を有するものが存在し,今後,新たな機能性食品としての開発が期待される.
著者
永井 武
出版者
法政大学イノベーション・マネジメント研究センター
雑誌
イノベーション・マネジメント (ISSN:13492233)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.119-140, 2020-03-31 (Released:2020-03-31)
参考文献数
28

産業クラスターにおける知的財産の戦略的活用政策は、テック系ベンチャーなどの新産業創出、更には地域経済活性化においても重要である。本稿では、産業クラスターにおいて集積する企業の中でも、特に競争力を持つ付加価値型産業である研究開発型産業や各研究機関等(以下「R&D型産業」という)を主な研究ターゲットとしている。この産業クラスターにおいては、各地域に特徴的な知的財産(本稿では「特許」を対象とする)も集積している。この知的財産が集積しているということは、知的財産を生み出す発明者の知識も集積していることが想定される。更には、この知識の集積現象を捉え、且つそのメカニズムを活用することができるならば、地域経済活性化を実現していくための地域産業政策を導き出していくことが可能となる。そこで本稿では、前述してきた問題意識を持ち、産業クラスター地域として首都圏と地方を結ぶ3地域を対象に、特許情報を活用して地域系特許集積から形成される特許集積群(パテントクラスターと称する)を導出し、分析結果の現象を活用した地域産業政策立案手法について検討を行った。
著者
西沢 喬 今井田 憲 吉村 孝之 馬渕 恵莉 佐分 宏基 小田 実 長谷部 武久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】大殿筋は歩行の立脚相初期時に最も働くとされており,大殿筋の萎縮は,跛行の原因と報告されている。大殿筋筋活動を増加させる方法として,嶋田らはフォースカップル作用を狙い,腹筋群を働かせ骨盤後傾させる方法を報告している。大殿筋筋力強化・体幹安定化エクササイズとして臨床でブリッジ動作は多く用いられている。しかし,ブリッジ動作では腰背部痛が時折発生することがあり,ブリッジ動作時筋活動の特徴を知ることは重要である。ブリッジ動作の先行研究において股関節・膝関節の異なる角度での筋活動を比較した報告は多い。しかし,ブリッジ動作の骨盤肢位の違いによる筋活動の報告は,骨盤傾斜が背部筋筋活動に及ぼす影響の報告はあるが,背部筋と腹部筋の筋活動を検討した報告は少ない。そこで,腹筋群を活動させ脊柱起立筋の過活動を予防,大殿筋を活動させることで大殿筋の選択的な運動になると仮説を立てた。本研究は,健常成人男性を対象として表面筋電図を用い,骨盤肢位の違いによる大殿筋のフォースカップル作用を使ったブリッジ動作を行い大殿筋,脊柱起立筋,腹直筋,外腹斜筋の筋活動を解析し,特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は腰部・股関節に疾患のない健常成人男性20例(年齢28.95±5.4歳)。筋活動の比較には表面筋電図(Myosystem G2)を用い,測定筋は左側の大殿筋(仙骨と大転子を結んだ中央点),脊柱起立筋(第1腰椎棘突起から4cm外側),腹直筋(臍部外側1cm正中より2cm外側),外腹斜筋(臍より15cm外側)の4筋とした。測定肢位は背臥位,上肢を胸の前で組み,股関節内外転中間位,膝関節屈曲90°からのブリッジ動作とし,肩関節から膝関節まで一直線になる肢位で5秒静止した。測定条件は通常ブリッジ(以下,BR)と口頭指示による骨盤後傾位ブリッジ(以下,BTBR)の2種類とした。各条件の測定はランダムに行った。骨盤後傾の確認として,ブリッジ動作時をデジタルカメラで撮影し,上前腸骨棘と恥骨結合を結んだ線と大転子と大腿骨外側顆中心を結ぶ線の頭側になす角度を正とした。BR,BTBR時の骨盤後傾角度を画像解析ソフトImage Jを用いて測定し,骨盤傾斜角とした。また,BTBR時の骨盤傾斜角を同一検者が画像で確認し検者内信頼性を算出した。筋電図の測定区間は各条件の等尺性収縮5秒間のうち波形が安定した3秒間の積分値を算出した。最大等尺性収縮(MVC)はケンダルのMMT5を100%として正規化し,各条件での筋活動を%MVCとして算出した。さらに各条件で脊柱起立筋に対する大殿筋筋活動を大殿筋/脊柱起立筋比として表した。各条件における筋活動の比較には,対応のあるt検定を行った。統計学的分析にはSPSS12.0Jを用い,有意水準は5%とした。【結果】骨盤後傾の信頼性はICC(1,1)0.83であった。骨盤傾斜角はBR:4.8±8.4度,BTBR:12.9±12.4度であった。BTBRがBRと比べ有意に大きかった(P<0.05)。大殿筋筋活動はBR:10.26±6.1%,BTBR:20.13±10.8%,脊柱起立筋筋活動はBR:44.25±11.6%,BTBR:56.15±19.9%,腹直筋筋活動はBR:1.68±1.3%,BTBR:3.83±3.0%,外腹斜筋筋活動はBR:2.64±2.0%,BTBR:5.59±3.6%であった。全ての筋活動でBTBRがBRと比べ有意に高かった(P<0.05)。大殿筋/脊柱起立筋比はBR:0.23±0.1,BTBR:0.41±0.2であった。大殿筋/脊柱起立筋比はBTBRがBRと比べ有意に高かった(P<0.05)。【考察】大殿筋/脊柱起立筋比において,BTBRではBRに対し有意増加した。つまり,骨盤自動後傾させると大殿筋筋活動が脊柱起立筋筋活動に比べ相対的に増加したと考えられた。BTBRでは,自動で骨盤を後傾させることで,骨盤傾斜角が大きくなりフォースカップル作用にて,骨盤後傾主動作筋である腹直筋,外腹斜筋の筋活動が有意に増加し骨盤後傾したと考えられた。この腹筋群の相反神経抑制により脊柱起立筋の過活動が抑制でき,大殿筋/脊柱起立筋比が増加したと考えられた。ブリッジ動作での,大殿筋エクササイズはBTBRが大殿筋の選択的な運動になること可能性が考えられた。【理学療法学研究としての意義】BTBRは,大殿筋選択的エクササイズとして有用であることが示唆された。臨床におけるブリッジ動作における殿筋筋力強化・体幹安定化エクササイズの一助として意義のあるものと考えられた。今後の展開として高齢者や疾患別に詳細な筋活動を分析することで,安全で有用なエクササイズにつながると考えられた。
著者
髙橋 省吾 真鍋 誠司 本橋 永至 岸本 重雄 萩原 亨 金 垠憲
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1_35-1_43, 2020-01-31 (Released:2020-03-06)
参考文献数
11

海外特許取得に関連する費用は非常に高額であり,間接費として企業収益に大きな影響を及ぼすため,各企業は海外特許費用を管理し,次年度以降にかかる費用を予測して経営戦略に織り込む必要がある.しかるに,費用が発生する時期や回数も発明案件により区々であり,その予測は極めて困難である.このため,各企業は,例えば,前年度の実績を参考に当該年度の海外特許費用を予想するなどの単純な方法に頼らざるをえない.そこで,本研究は,海外特許費用,特に米国における特許費用を,より正確に推定する方法を見出すべく,複数の統計的予測手法を比較検討し,企業実務への適用を図ることを目的とし,研究を行なった.その結果,所定のアルゴリズムを用いて,複数の予測手法の中から状況に最も適した手法を選択することで,将来の海外特許費用をより高い精度で予測する方法を見出し,予測システムの開発に着手することができた.
著者
寺岡 一郎 伊藤 集〓
出版者
無機マテリアル学会
雑誌
石膏と石灰 (ISSN:21854351)
巻号頁・発行日
vol.1956, no.22, pp.1175-1178, 1956-05-01 (Released:2011-03-07)
参考文献数
1

When plaster of Paris is mixed with water in order to make a plaster mold, there takes place a phenomenon so called “segregation of water” in the mold. This phenomenon is one of the causes of the change of dimension of plaster mold. So called “Segregation” is caused by the excess water during setting of plaster. It can be explained exactly by means of measuring the water content, the micro-photo graph, and the thermal expansion of different parts of a mold. We have studied how to prevent the phenomenon and obtained some effective results.