著者
山崎 元
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.178-183, 2007-05-31 (Released:2012-11-13)
参考文献数
9

近年,総胆管結石に対する治療法においてESTやEPBD等の内視鏡治療が標準的治療と認識されてはいるが,実際には患者各人によって最適と考えられる治療法は異なっており,しかも内科と外科,さらには各施設内でも治療方針が異なることもあり,標準化されたとは言い難いのが現状である.我々は胆嚢結石の落石による胆嚢胆管結石症ではその成因と考えられる胆嚢結石に対しては胆摘術が必要であるとの立場より,胆摘,胆管切石を一期的に行なえ,乳頭機能が温存でき,しかも低侵襲手術と考えられる腹腔鏡下胆管切石術を第一選択とし1992年7月より施行してきた.腹腔鏡下胆管切石術としては胆嚢管法(腹腔鏡下経胆嚢管的切石術)と胆管切開法(腹腔鏡下胆管切開術)があり,前者は胆嚢胆管結石に対する理想の手術と考えられるが胆嚢管が拡張し三管合流部より乳頭側に数個の小結石が存在する場合が適応とされる.後者は如何なる場所,如何なる大きさ,如何なる数の結石でも対処可能な術式と考えられ,我々は当初より胆管切開法を総胆管結石に対する基本術式と位置付けて施行してきた.しかし,腹腔鏡下胆管切開術は胆管切開,除石,縫合,胆道減圧と多くの手技が要求され難度の高い術式であるため,胆管結石症に対する標準術式とはなかなか成り得ず,多くの施設で施行されていないのが現状である.本稿では患者にとって利点の多い本法が普及することを願って我々の行なっている腹腔鏡下胆管切開,一期的縫合,Cチューブドレナージの手技の工夫を提示する.

1 0 0 0 OA 気質全集

著者
博文館編輯局 校訂
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.続, 1896
著者
Shikama Tokio Kamei Tadao Murata Masafumi
出版者
Tohoku University
雑誌
The science reports of the Tohoku University. Second series, Geology = 東北大学理科報告. 地質学 (ISSN:0082464X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1/2, pp.77-A42, 1978-03-29

A new Early Triassic ichthyosaurus, Utatsusaurus hataii gen. et sp. nov., is described. The materials were collected from the upper part of the Osawa Formation on the coast at Tatezaki, the Kitakami Massif, Northeast Japan which is correlative of the Prohungaritan-Columbitan ammonoid stages of Spath (1930, 1934). The present form is of the most primitive type of Ichthyosauria from the view point of specialization of the pectoral limb.
著者
人見 佳枝
出版者
近畿大学臨床心理センター
雑誌
近畿大学臨床心理センター紀要 = Bulletin of center for clinical psychology Kinki University
巻号頁・発行日
no.1, pp.29-40, 2008-09-01

[要約] Jungのアルコール依存症に対する基本的な考えを紹介し、特徴的な症状や病態について分析心理学的な立場から考察した。すなわちアルコール依存症とは否定的な女性性にとらわれた混沌とした状態のなかで起こっており、そこから抜け出すためには「切る」という言葉に代表される男性的な力を必要とする。 Jungは個性化について「人が心理学的な個体になることであり、分割できない統一性(in-dividual)、全体性に至るプロセス」であると定義しているが、断酒そのものが個性化に至ろうとするプロセスそのものであるといえる。従ってアルコール依存症患者とは「霊的な渇きの低い水準の表現」を捨ててより高い水準への変容を目指す人々と考えられた。
著者
土屋 京子 長尾 慶子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.120, 2008

<BR> 【目的】<BR> パンの好ましさは、外観や内相の色、香り、食味等で表されることが多い。さらに、個人の好みやパンの種類によっても美味しさの条件は様々である。そこで、食パンの材料の中で、使用量はあまり多くはないが、欠かすことのできない副材料である塩と砂糖の使用(%)が、製品にどのような影響を及ぼすかを検討することにした。<BR>【方法】<BR> 始めに、文献調査により得られた材料、配合割合と発酵や焼成の時間、焼成温度等の製造上の条件を元に予備実験を行い、基本試料を作製した。次に、塩と砂糖の配合割合を変えて調製し、機器測定を行った。その中で製品として良いと考えられる配合割合と基本配合の試料について官能検査を行い、機器測定の結果と合わせて総合的に評価した。<BR>【結果】<BR> 食パンの配合割合はベーカーズパーセントにより計算した。基本となる配合は塩1.7%、砂糖10.0%とし、塩は0~2.5%、砂糖は0~13.0%まで割合を変えて各試料を調製した。製品のクラストとクラムそれぞれについてテクスチャーと色差測定結果を基本配合と比較し、クラストでは上面と底面別に分けて測定した。その結果、テクスチャー特性値では、塩並びに砂糖量の変化によるばらつきは見られたが、全体的にクラムよりクラストが高く、特に底面の方がより高い数値になった。基本配合との色差も、クラムよりクラストが高く、上面部がより高い値になった。また、砂糖量の変化が色差を大にした。官能検査では、塩と砂糖の配合割合を変えた3試料について、7段階評点法により実施した。これを分散分析した結果、クラムでは、きめ・食感・塩味・甘味に、クラストでは食感において、有意差ありと判定された。総合的に塩2.1%、砂糖10.0%の試料が好まれた。
著者
甲斐 達男
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.87-98, 2007

パンは発酵時間が長いほど柔らかく硬化速度も遅くて良いということが経験的に信じられてきた。これは発酵生産物である有機酸やアルコール類がパン骨格を適度に潤滑させるためと説明されている。またパンの硬化速度には、発酵時間だけでなく生地のミキシング方法も影響すると考えられている。っまり、緩やかに時間をかけて生地を捏ね上げて作ったパンは、高速ミキサーで一気に捏ね上げたものよりも硬化速度が遅い。しかしながら製パン法の違いによって適する基本配合は大きく異なり、さらに加工者の質目標や好みによって用いる原材料や使用量が異なる。従って一般に経験的に認識されている製パン方法とパンの硬化速度の関係は、発酵時間やミキシング方法の影響だけを純粋に反映しているわけではない。そこで本報では、生地発酵時間の長短とミキシング法の違いがどの程度パンの硬化速度に影響を与えるのかを検証した。ここではパンの硬化速度に影響を与える3つの因子(製パン配合、パンの比容積、パンの残糖)を考慮して実験を行った。その結果、発酵時間の最も長い中種法と最も短い短時間法との間には僅かな差しか見られなかった。通常のミキシング法と高速ミキシング法の差も僅かであった。この事実はパンの硬化特性は配合による影響が大きいことを示唆するものである。
著者
肥後 温子 寺本 あい 五十川 友子 引地 由佳里
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.382-391, 2011-08-15
参考文献数
16
被引用文献数
1

多機能オーブンレンジのオーブン(Ov),グリル(Gr),スチーム(Sm),マイクロ波(Mw)加熱機能および過熱水蒸気のオーブン加熱機能(SSO),過熱水蒸気のグリル加熱機能(SSG),スチームとマイクロ波の併用加熱機能(Sm+Mw)の違いを,食パンのテクスチャー,水分,焦げ色を指標として比べた.<BR>(1) 過熱水蒸気を使用したSSG, SSOでは加熱初期に急速に軟化し,軟らかさとパリ感を兼ね備えた破断特性が得られた.オーブンとスチームを併用したSm 180℃では軟化効果のみが認められた.<BR>(2) 過熱水蒸気のグリル機能(SSG)では焦げ速度がGrの約2.5倍,過熱水蒸気のオーブン機能(SSO)では焦げ速度がOvの約2倍速く,Sm 180℃では焦げ速度がOvの約1.2倍速かった.<BR>(3) 一定の焦げ色に到達した時間はSSG<SSO<Gr<Sm 180℃<Ovの順となり,短時間で焦げた試料ほど残存水分量が多くなった.<BR>(4) モデル系を使って水分布を調べた結果,SSG, SSOに特有の破断特性は,試料表面の乾燥の速さ,焦げ速度の速さ,内部水分量の多さによって説明することができた.<BR>(5) マイクロ波加熱したパンは急速に硬化し,Ovの約2倍大きい破断特性を示した.スチームを併用することによって硬化時間は遅くなったが,長く加熱するとMwと同じ硬さになった.
著者
中野 幸雄 高田 直也 後藤 英之 松井 宣夫 藤森 修 山田 和順 杉本 勝正 大薮 直子
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.111-116, 1996-10-15 (Released:2012-11-20)
参考文献数
13
被引用文献数
1

PurposeThe anatomical characteristics and nerve distribution in the coracohumeral ligament(C-Hligament)and surrounding tissue were studied. The role of the ligament in periarthritis of the shoulder was assessed.Materials and Methods Specimens were obtained from 30 cases,50 joints at autopsy. The cases consisted of 14 males and 16females; with an age range from 29 to 98 years(mean 78 years). The C-H ligament and its surrounding tissues were excised en bloc.Paraffin sections, vibratome sections and whole mount preparations were made and subjected to immunohistochemical staining using NF, PGP9.5, SP and CGRP antibodies in order to the distribution of sensory nerve fibers.
著者
江玉 睦明 大西 秀明 久保 雅義 熊木 克治 影山 幾男 渡辺 博史 梨本 智史
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】長母趾屈筋の停止部位に関しては多くの報告がなされており,長母趾屈筋が第II趾,第III趾に分岐するものが最も多く,今村ら(1948)は64%,川島ら(1960)は49%,Chelmer et al.(1930)は62%であったと報告している。また,今村ら(1948)は長母趾屈筋が母趾末節骨のみに停止する例は0%,Chelmer et al.(1930)は0.5%であったと報告している。このように停止部位に関しての報告は多数認められるが,長母趾屈筋が足趾の屈曲にどの程度関与しているかは検討されていない。Fukunaga et al.(2001)は,筋力や筋パワーは筋の解剖学的断面積より生理学的断面積と比例し,筋の体積は生理学的断面積と高い相関関係にあると報告している。また,佐々木ら(2012)は,下腿三頭筋の体積とアキレス腱横断面積には有意な相関関係があることを報告している。従って,足趾へ分岐する長母趾屈筋腱の横断面積を計測することで長母趾屈筋の足趾屈曲作用を定量的に検討することができると考えられる。そこで本研究では,長母趾屈筋腱を母趾と足趾に分岐する腱に分け,それぞれの横断面積の割合から長母趾屈筋がどの程度足趾の屈曲に関与しているかを検討することを目的とした。【方法】日本人遺体13体21側(平均年齢:75±11歳,男性:17側,女性4側)を用いた。足底部より皮膚,皮下組織を除去し,長母趾屈筋,長趾屈筋の停止腱を丁寧に剖出した。次に,長母趾屈筋が母趾へ向かう腱と足趾へ向かう腱に分岐した部分で各腱を横断した。また,足趾の屈筋腱(長趾屈筋,足底方形筋,長母趾屈筋が合わさった腱)をII趾~V趾の基節骨部で横断した。そうして各腱の断面をデジタルカメラ(Finepix F600EXR,Fujifilm)にて撮影し,画像解析ソフト(Image J, NIH, USA)を使用して横断面積を計測した。長母指屈筋腱において,母趾・第II~第V趾に分岐する腱の横断面積の総和を長母指屈筋腱の総横断面積として各腱の割合を算出し,更に第II~第V趾の屈筋腱に対する長母趾屈筋腱の割合を算出した。【倫理的配慮,説明と同意】死体解剖保存法と献体法に基づき本学に教育と研究のために献体された遺体を使用した。また,本研究は所属大学倫理委員会にて承認を受けて行われた。【結果】長母指屈筋が母指末節骨のみに停止する例は存在せず,長母指屈筋からの分束(外側枝)が腱交叉部(足底交叉)から分かれて長趾屈筋の腱構成に加わった。その内,外側枝が第II指へ分岐するものが6例(29%),第II・III指へ分岐するものが11例(52%),第II・III・IV指へ分岐するものが4例(19%)であった。長母趾屈筋腱は,母趾へ向かう腱が65±14%,第II趾が23±6%,第III趾が9±9%,第IV趾が3±5%の割合で構成されていた。足趾の屈筋腱における長母趾屈筋腱の割合は,母趾・第II趾へ分岐するものでは,第II趾では36±3%であった。母趾・第II・III趾に分岐するものでは,第II趾では55±5%,第III趾では46±3%であった。母趾・第II・III・IV趾に分岐するものでは,第II趾では67±28%,第III趾では34±12%,第IV趾では30±2%であった。【考察】長母趾屈筋の停止部位に関しては,第II・III趾へ分岐するものが52%で最も多く,長母趾屈筋が母趾のみに停止するものは存在せず,先行研究とほぼ同様の結果であった。長母趾屈筋腱は,分岐状態にかかわらず約60%が母趾に停止する腱で構成され,第II・III・IV趾に分岐する割合は,それぞれ23%,16%,10%と減少していく傾向であった。しかし,第II・III趾の屈筋腱における長母指屈筋腱の割合は,概ね30%~60%を占めていた。従って,停止部位と横断面積の割合から考えると,長母趾屈筋の主作用は母趾の屈曲であり,第II・III趾の屈曲が補助作用であると考えられる。【理学療法学研究としての意義】本研究の結果は,長母趾屈筋の足趾屈曲作用を考える上で貴重な情報となり,臨床的応用も期待できる。
著者
大屋 知徹 関 和彦
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.258-263, 2014
被引用文献数
1

<p>1) 霊長類の赤核には, 局在する位置, 細胞構築, 連絡する回路構造など, その解剖学的特徴から明瞭な区分 (おもに大細胞性と小細胞性) が存在し, それぞれの機能には大きな差異がある. </p><p>2) 赤核の各区分における細胞群の発達の程度は, 哺乳類の中で大きなバリエーションがあり, 四足歩行動物では赤核脊髄路が, 高等霊長類では赤核オリーブ路が発達している. ヒトにおいてこの差異は極端であり, 前者の赤核脊髄路はほぼ退化し痕跡的となっている. このため, 齧歯類, ネコ, さらにはサルにおける実験結果から得られた知見を直接ヒトに外挿するには慎重を要する. </p><p>3) ヒトにおいて特異的に発達した小細胞性赤核の具体的, 詳細な機能についてはほとんどわかっていないが, その臨床病態の像や破壊損傷によって作出された実験動物の機能異常から, 小細胞性赤核は振戦への関わりがある.</p>
著者
山口 絢
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2015-04-24

本研究は、高齢者の法的支援においてインフォーマルネットワークが担っている役割、およびフォーマル・インフォーマルネットワークの連携による高齢者の法的支援の課題を明らかにすることを目的としている。平成30年度は、(1)地域包括支援センターへのインタビュー調査、(2)ケアマネージャーへのインターネット調査を行った。(1)地域包括支援センターへのインタビュー調査自治体Aの複数の地域包括支援センターの職員を対象に、高齢者のニーズを把握するプロセス、法専門家を含む専門機関につなぐ判断基準等についてのインタビュー調査を行った。その結果、とくに成年後見の問題に関しては、民生委員や家族から相談を受けて高齢者の支援を開始し、職員が高齢者本人や家族を訪問する等、インフォーマルネットワークと連携した地道な支援を続ける中で、一つの可能性として成年後見というアプローチを提案するという支援プロセスが明らかになった。(2)ケアマネージャーへの成年後見制度に関するインターネット調査本年度までの調査から、ケアマネージャーが、インフォーマルネットワークを通して発見された高齢者のニーズを整理し、必要に応じ成年後見のニーズとして再定式化する重要な役割を担っていることが示唆された。そこで、ケアマネージャーによる成年後見ニーズの発見経緯、対応、インフォーマルネットワークとの連携、成年後見制度への意識等を明らかにするために、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所等に勤務するケアマネージャーを対象として、調査会社に委託したインターネット調査を実施した(回答数492名)。分析の結果、多くの回答者が成年後見のニーズがありそうな高齢者に対応しているものの、家族の同意を得る難しさ、手続の複雑さ等から、必ずしも成年後見制度を活用できていない状況が明らかとなった。このほか、成果をまとめた論文の執筆を進めた。
著者
丹羽 牧代
出版者
近代英語協会
雑誌
近代英語研究 (ISSN:21864381)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.3, pp.53-70, 1987-05-15 (Released:2012-07-06)
参考文献数
9

It is often pointed out that the development of the gerundival construction can be analyzed as the acquisition of verbal property. In this paper, we will examine exactly what this property is or what it means that the gerundival construction has changed from nominal to verbal. Especially we are concerned with the question which part of the grammar has changed to allow the -ing to have this verbal property. “syntactic affixation” is referred to as the crucial notion for the explanation of the difference between -ing (or -ung) affix in Old English and -ing affix in Present-day English. We will analyze the change of the property of -ing as the consequence of a phonological, morphological, and syntactic blending of lexical affix -ing (-ung) and syntactic affix -ende through the period of Middle English. It will also be shown that the property of syntactic -ing as Verbal Case assigner is of great relevance to the development. The gerundival construction which has remained in Present-day English then will be described as the result of the change.