著者
深町 弘三
出版者
一般財団法人 日本英文学会
雑誌
英文学研究 (ISSN:00393649)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.267-287, 1957-03-30 (Released:2017-04-10)

An attempt was made in this paper to elucidate some peculiarities of Swift's personal character by considering his relations with his female friends. The conclusions arrived at by the writer are, briefly, these: -that Swift sought for intellectual equals and companions of men in women; that 'friendship and esteem' was the theme he constantly harped upon to women, that in stead of the 'Prostitute' he tried to find in women, especially in Stella, the 'Mother' and the 'Child', and that in his delineation of Glumdalclitch in a Voyage to Brobdingnag of Gulliver's Travels we find unconsciously reflected his pathetic yearning after his beloved Stella.
著者
近藤 いね子
出版者
東京教育大学
巻号頁・発行日
1952

博士論文
著者
後藤 正利 二神 泰基 梶原 康博 髙下 秀春
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.109, no.4, pp.219-227, 2014 (Released:2018-03-12)
参考文献数
23
被引用文献数
1 4

白麹菌は,九州地方において本格焼酎製造に古から広く利用されてきた有用糸状菌=「国菌」である。しかし,白麹菌醸造特性についての分子生物学的な知見はとほとんどない。本稿では,白麹菌について最新の分子生物学的なツールを用いたゲノム解析,高頻度相同性組換え宿主の育種,マイコトキシン非生産性の要因,クエン酸高生産要因遺伝子の探索,糖質加水分解酵素の機能同定などの研究成果について解説していただいた。「白麹菌らしさ」の秘密が明らかとされつつある。
著者
土崎 常男
出版者
日本土壌微生物学会
雑誌
土と微生物 (ISSN:09122184)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.7-11, 1993-10-01 (Released:2017-05-31)
被引用文献数
1

ウイルスは生きた細胞でのみしか増殖できないので,土壌中では植物の根,土壌微生物,土壌小動物等の中に存在している。tobacco mosaic virus等のTobamovirusは極めて安定なウイルスであるため,根から放出されたウイルスは,土壌中でもしばらくの間生存し,新たな宿主植物が植えられると機械的に根に感染を起こす。軟腐病菌等の土壌中の植物病原細菌にはバクテリオファージが感染しているが,これを細菌病の防除に使用する試みは成功しておらず,現在はファージを利用した細菌の分類,同定,検出,定量等の手段として用いられている。コムギ立枯病菌等の土壌中にある植物病原菌には,時に菌類ウイルスが感染している。菌類ウイルスの宿主である菌に対する影響,自然界での伝搬方法は殆ど明らかにされていない。コムギ立枯病菌のウイルスを例にとると,血清学的性状の異なる4群のウイルスが検出されており,しばしば同一細胞に複数のウイルスが感染することが明らかにされている。土壌伝染性植物ウイルスの媒介者として,土壌棲息菌が数種類認められているが,菌とウイルスの関係には2種類あり,1)休眠胞子中にウイルスが存在しそれより発芽した遊走子でウイルスの伝染が起こる場合,2)休眠胞子中にウイルスはなく,遊走子の表面にウイルスが吸着されてウイルスの伝染が起こる場合とがある。土壌に棲息する植物寄生性線虫の中のニセハリセンチュウ目により媒介されるウイルスとして約30種類が知られている。ウイルスを獲得した線虫は数ヵ月以上体内にウイルスを保持するが体内で増殖はしない。体内の食道等にウイルスが吸着されるが,その表面構造とウイルスの外被蛋白質との間の特異的な親和性等により,媒介の有無が決められる。
著者
田島 貴裕 大津 晶
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.103-108, 2018-12-01 (Released:2019-06-01)

LMSとクリッカーを積極的に活用して大規模講義での学生間コミュニケーションの活性化と効率的な授業運営を両立させるアクティブラーニング手法を開発し,初年次キャリア教育科目に導入した。授業アンケートの結果,当該科目の受講学生は多数の学生との交流やグループワークに満足していることが示された。また「学生の理解を促す工夫」「学習資料の提示」「私語や遅刻への対処」「教室環境」は,他の初年次共通科目群の平均値よりもやや高い値を示し,同手法を用いた大規模クラスの参加型講義運営には大きな問題が無いことが分かった。他方「学生に合わせた対応(質問等への対応や進度調整)」の平均値は相対的に低い評価となり,事前課題・事後課題の頻度や回数の設定に課題がみられ,改善の必要性が示された。
著者
鈴木 昌治 小泉 武夫 野白 喜久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.367-373, 1986-06-15 (Released:2011-11-29)
参考文献数
28
被引用文献数
1

吟醸香の生成機作, 特に発酵条件との関係については未だ不明な点も多く, 本稿でも, これから解明されるべき問題とされているところも多いが, 実験事実に勝るものはない。著者らは吟醸もろみの芳香生成の動的変化を適確かつ詳細に分析した。吟醸造りに与える示唆も非常に多い。関心ある読者の方々に一読をおすすめする。
著者
大井 次三郎
出版者
Japanese Society for Plant Systematics
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.102-108, 1933-03-01 (Released:2017-09-25)

128)サヤマスゲ 外観マスメゲやハガクレスゲに近いものであって葉が柔く短く果〓には著しい毛茸があり痩果は中央部に凸所がない.全体に赤みを帯びた部分はないが果〓の新三角形な点やその柄の著しく長い点等はむしろDigitatae節に属するアヅマスゲ等にも近縁なものと思われる.全体緑色で穂が葉の間に隠れて居て目につき難いもので種名は此れを注意して採集せられた大津高等女学校の橋本忠太郎氏にちなんでCarex Hashimotoi OHWI とし和名はサヤマスゲと云う.129)フトホアゼスゲ 朝鮮咸鏡北道の露領国境に接した図満江の河口西水羅の湿地に産するアゼスゲ状のもので雌花小穂が太い,欧羅巴からシベリアにかけて分布するCarex gracilis CURT. に最も近いが,それよりも一層全体が小形であって葉も細く雄小穂は多くは一個で雌小穂は短く果〓は一層密に排列しその縁辺は鋭形である上,先端はC. gracilis CURt.程急には狭まらぬので別種と考える,新和名はフトホアハゼスゲと云う.130)キシウナキリ 紀伊国那智山の産,ナキリスゲに似て丈が高く,穂は下垂せず,花は疎に着き果〓は毛茸が少ない種類である.131)クロミクリゼキシヤウ 一名ミクリゼキシヤウの学名は,従来北米西部産のJuncus xiphioides E. MEV.又はその変種名が充てられて居たがそれ等はABRAMS: Illustrated Flora of the Pacific States I (1923) 368に図がある.日本産のものはそれとは別の新種のように考えられるので東京帝大植物教室の佐竹義輔氏と共同で新種として発表する事にする.此の種は現在の所では南千島から北海道を経て本州中部までの湿地に分布して居るがその産量は余り多くない様である.132)ツクシネコノメサウ 南九州の薩摩,肥後,日向の諸国に分布するネコノメサウの一種で全形がシロバナネコノメに酷似して居て花か果実がないと区別が困難である,萼片が短くて花時も緑色を呈して居る,今春鹿児島県伊集院中学校の土井美夫氏から良い標本を頂戴したので同氏にちなんでChr. Doianum OHWIツクシネコメサウと呼ぶ,MAXIMOWOCZは長崎の付近からCh. rhabdospermum MAXIM. と云う此の類に似たものを頂戴して居るがFRANCHET氏の図から判断すると之とは別物である.
著者
大井 次三郎
出版者
Japanese Society for Plant Systematics
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.145-153, 1937-09-30 (Released:2017-09-25)

246) テラモトハコベ はミミナグサ属のものとされて居るが,花弁の全辺なのと果実が卵状で萼から殆ど超出しないのでノミノツヅリ属と思われる.247) アヲハコベ は私はStellaria tomentosa MAXIM. と考え此名が使用できないので改名してStellaria tomentella OHWI としたが,此学名の植物はヤマハコベに酷似して花弁のない九州産のものであって,アヲハコベとは相違するので此所に山城の標本を基として新しい学名を付けるアヲハコベは本州西部と四国とに産するだけらしい.248) テフセンツルドクダミ 従来の広義のタデ属を細かく数属に分けるのがよいかどうか,今日の所では各個人の好みに従う外はないように思われる,旧説に従っている学者も決して少くはないから広義の分類命名をしておくことも無益ではないように思われる.249) ケボタンヅル ホウライボタンヅルとして,台湾で知られている植物も恐らく本種と考える,REHDER WILLSON両氏に従えば台湾のものは支那のものの一部と共に変種と成るべきだと云う,琉球諸島では沖永良部島まで本種によって代表され,それが往々にして内地のボタンヅルと混同されて居る,しかし痩果が短くて開出毛のある点や尾毛の長い点からそれとは一見区別し得る.ボタンヅルは此等の地方には分布して居らない様に考えられる.250) オキナハセンニンサウ 沖縄本島の産,本種とキイセンニンサウとのみが小葉柄の上部に明かな節があるので一見して区別される.キイセンニンサウとは痩果に毛茸があるので別種と思われる.尚キイセンサウは台湾並に支那に産するClematis uncinata CHAMP. とは決して別種ではないと信じる,ただ此形のものが西南諸島ではまだ知られて居らないのは注意すべきである.尚外観上本種ににたC. Meyenianaの変種とされて居る南支,及印度支那産のvar. granulata は独立種であろう.251) ミヤマキケマン 本州各地に最も普通な本種はC. pallida (THUNB.) PERS. とは少なくとも全く同じ植物ではない.私がフタゴケマン及キレバフタゴケマンと呼んだ植物こそ九州に普通な植物で此学名の植物であると考えられる.252) コミヤマキケマン 前種に酷似した台湾産の植物は未記載の植物であろう.253) ベニシホガマ 樺太の突沮山,北海道の利尻山等に産するミヤマシホガマ類似の一種はそれ及び東部西比利阿産のP. villosaに似て萼歯に歯牙あり,一対の花糸に毛茸がある,北鮮にも之れに酷似した一種があって稍全辺が大形であるが之れは同種かも知れない,本種は或は大陸方面で既に知られた種類かも知れないが学名が判らないので新名を付する.254) キクムグラ の学名は此れによく似たG. brachypodum JORD. の同名がある,ギリシャ語眉とラテン語尾とは命名見約上同物とされて居るので改変の必要がある.
著者
石井 洋
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-6, 2014-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
16

牛の乳成分組成は泌乳期の進行にともなって変動し,特に初乳期には顕著に変化する.本研究では,近年のホルスタイン種高泌乳牛の分娩後7日間の初乳乳量,乳成分組成を経時的に調査した.近年、1乳期の生産乳量は経産牛平均で9000kg前後までに達し,これを1930年頃と比較すると2〜3倍の増加である。しかし、初乳の主要乳成分と無機質成分の含量とその変動傾向は1930年頃とほとんど同じであり,変化が少ないことが確認された.乳中尿素窒素とクエン酸は,分娩直後にそれぞれ常乳期の9倍または2倍以上になっているが,その後急減し,乳に移行する血液成分の量の変動に影響されていると考えられた.これらの成分の変動から,多量の血液成分の乳への流入は,おおむね分娩後18時間で抑制されるものと推察された.また,氷点降下度は初乳成分の著しい変動にも係わらず,一定の狭い範囲で安定していることが認められた.氷点降下度と浸透圧が正の相関にあるため,乳の浸透圧が一定水準になるように微量成分のバランスが保たれていると考えられた.
著者
太田 好信
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第45回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.100, 2011 (Released:2011-05-20)

本発表は、生涯をとおして先住民言語に深い関心を寄せ、自らもその習得に努めた芸術家ジャン・シャルロー(Jean Charlot, 1898-1979)の作品―とくに、彼がホノルル市に残したフレスコ壁画―を紹介し、彼の芸術活動の中核となっていた思想は何だったのか、という疑問に答える。そして、その解答を模索する中から、文化人類学においても文化を考察する際に有意義と思われる視点を導きだしたい。
著者
塚本哲三著
出版者
有友堂
巻号頁・発行日
1941
著者
中本 敦 遠藤 晃
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.207-213, 2016 (Released:2017-02-07)
参考文献数
23
被引用文献数
1

イノシシSus scrofaがおよそ数十~百年間生息していなかったと見られる長崎県五島列島の野崎島において,最近になって近接する地域からのイノシシの侵入が確認された.さらにその後の調査において,島内での分布と個体数が年々拡大していることを記録したのでここに報告する.野崎島でのイノシシの目撃は2010年に初めて記録された.その後,2011年,2012年,2014年の目視によるカウントと痕跡数の記録から,当初,局所的であった目撃場所や痕跡の分布が島内のほぼ全域へと次第に拡大していく様子が観察された.2014年12月に実施した3日間の調査では,のべ19個体のイノシシが目撃された.この個体数の増加は,複数年にわたって亜成獣が確認されていることから,島内でイノシシが繁殖を繰り返した結果と考えられた.すなわち,2010年のイノシシの最初の目撃以降の2年間は雌雄が揃わない等の要因から繁殖に至らなかった状況であったと考えられるが,1度島内で繁殖が始まった後は急激に個体数が増加することが明らかになった.今後,繁殖と海を越える分散を繰り返すことによって,五島列島におけるイノシシの個体数や分布が急速に拡大していくものと考えられる.
著者
朝井 政治 神津 玲 俵 祐一 宮崎 哲哉 中村 美加栄 藤島 一郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.424, 2003 (Released:2004-03-19)

【はじめに】 高齢者に対する呼吸管理を行う機会が増加する中,気管内挿管下に人工呼吸管理を行った症例のうち,抜管後新たに嚥下障害や排痰困難をきたすことを経験する。このような症例では,誤嚥や分泌物の自己喀出に難渋し,離床やADLの改善に支障をきたす場合が少なくなく,臨床上大きな問題となる。 今回,人工呼吸管理後に新たに嚥下障害を呈した症例の臨床的特徴について報告する。【対象・方法】 対象は1999年4月から2002年3月までに当院にて気管内挿管,人工呼吸管理となり,理学療法が処方された187症例のうち,脳血管障害,精神科疾患,重度の痴呆,神経筋疾患および頚髄損傷,一度も抜管に至らず気管切開となったもの,を除いて,抜管ができた55例(平均年齢72.2±12.3歳,男性43例,女性12例)とした。方法は,カルテから,嚥下障害の有無を調査し,嚥下障害を呈した症例の1)患者背景,2)人工呼吸管理,3)気道分泌物貯留,4)嚥下機能評価結果,について調査した。なお,嚥下障害の有無については,問診と身体所見,および主治医や担当看護婦からの情報,嚥下機能評価の結果より判定した。【結果】 嚥下障害を認めた症例は55例のうち4例(7%)であった。以下に各症例の臨床的特徴を示す。症例1:77歳,男性。肺炎,肺結核後遺症。挿管2日。予定外抜管あり,鎮静なし。分泌物貯留中等度。症例2:84歳,男性。急性肺水腫,心不全,肺炎,腎不全。挿管5日。予定外抜管なし,鎮静5日。分泌物貯留多量。症例3:84歳,男性。塵肺,COPD,喘息。挿管8日。予定外抜管あり,鎮静7日。分泌物貯留多量。症例4:73歳,男性。肺炎,間質性肺炎。挿管24日。予定外抜管あり,鎮静22日。分泌物貯留多量。 上記症例では,後期高齢者,予定外抜管の経験,鎮静が行われていた症例がそれぞれ3例で,いずれの症例でも分泌物の貯留を認め,抜管後の経口のみによる栄養摂取困難と診断された。残る51例の平均年齢は71.6歳,挿管期間平均6.9日,鎮静28例,予定外抜管5例であった。【考察】 今回,人工呼吸管理後に新たに生じた嚥下障害の頻度と臨床的特徴を調査した。その結果,中枢神経疾患や神経筋疾患,精神科疾患など嚥下障害のリスクを有さない症例で,抜管後に嚥下障害を呈した症例は7%と必ずしも多くなかった。しかし,嚥下障害を認めた4例はいずれも経口からの摂食は困難であった。人工呼吸管理に至るような重症の急性呼吸障害を呈した症例では,critical illness neuropathyやmyopathyを呈する場合があると報告されている。上記4症例を細かく比較してみても,一定の傾向は認められず,特に原因と考えられるものがなかったことから,この状態にあったことも予想された。これは回復に長い期間を必要とするため,人工呼吸器離脱直後だけでなく,継続的,かつ注意深いサポートが必要と考えられた。
著者
岡 一太郎
出版者
日本精神神経学会
雑誌
精神神經學雜誌 = Psychiatria et neurologia Japonica (ISSN:00332658)
巻号頁・発行日
vol.113, no.1, pp.9-25, 2011-01-25
参考文献数
36
被引用文献数
1
著者
中尾良信著
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
2005
著者
上原 正巳
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.65-75, 2014 (Released:2014-08-01)
参考文献数
56

アトピー性皮膚炎患者に主要アレルギー性食物(卵,牛乳など)の経口投与試験をおこなうと,湿疹の悪化が起こる患者は少数(10%以下)であることから,食物は本症の重要な悪化因子ではないと考えられてきた。最近筆者らは従来の研究を補完するつもりで,患者が摂取するすべての食物を研究対象に含めて投与試験をおこなった。その結果,不定期的湿疹悪化を示す成人患者の44%と小児患者の75%,および母乳栄養の乳児患者の73%において,主要アレルギー性食物以外の食物(とくに木の実食品と発酵食品)が湿疹を悪化させていることが判明した。以上から,食物(とくに木の実食品と発酵食品)は本症の重要な悪化因子であると考えられる。(皮膚の科学,13: 65-75, 2014)